当社連結子会社における新船建造に関するお知らせ

2023 年9月 11 日
各 位
上 場 会 社 名 マルハニチロ株式会社
代 表 者 代 表 取 締 役 社 長 池見 賢
(コード番号 1333 東証プライム)
問合せ先責任者 経営企画部
IR グループ 部長役 目時 弘幸
(TEL.03-6833-1195)


当社連結子会社における新船建造に関するお知らせ


当社は、当社の連結子会社である Austral Fisheries Pty Ltd(以下、AF 社)が新船を建造することを決
定いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。





1.事業背景及び新船建造の経緯・理由
(1)豪州 EEZ 内での既存資源アクセスを強化
人口増加、健康志向、環境配慮等から、世界的に水産物需要は堅調である一方、天然水産資源量は限定的で
あり、漁獲枠のように天然水産資源に関与できる権益は世界的に限られ、新たな取得には相当な困難が伴いま
す。そのような状況下、当社連結子会社である AF 社(豪州・パース市)は、資源管理が厳格な同国排他的経
済水域内の漁獲枠を保有しており、メロ、エビ、スナッパー等の漁獲を行っております。
中でも、水深 1,200~1,800m の南極海域に生息するメロは、脂乗りの良い美味な白身魚として知られ、主に
米国や中国等で高級魚として取引されています。AF 社は、CCAMLR(南極海洋生物資源保存委員会)および豪州
当局の管理のもと、Heard Island & McDonald Islands 海域(以下、HIMI 海域)にて主にメロを操業してお
り、AF 社は同国の保有する HIMI 海域におけるメロ漁獲枠の約 70%を保有しております。AF 社はメロを中心
とした操業にて安定的な利益を上げており、今後も長期的に事業を安定化させるため、この度、新船を建造す
ることといたしました。




(写真)新船イメージ



(2)新船投入における効果と環境対策
・CO2 排出量の削減
新船ではディーゼルエンジンとバッテリーを組み合わせたハイブリット推進システムを導入し、操業
ピーク時の動力負荷を軽減。さらに、メインエンジンに2段ギア可変速機能も備えることで、CO2 排出
量の削減と更なる燃費向上を期待。
・海鳥捕獲軽減及びクルー安全性向上
操業時には海鳥を偶発的に捕獲してしまうリスクがあり、この点生物多様性の観点から豪州では海鳥捕
獲を厳密に管理。新船ではムーンプール※を設置し、捕獲リスクを軽減し、クルーの安全性向上を企図。

船底に開けられた円形の穴。延縄漁船では、ムーンプールを通じて縄を巻き上げることで、甲板での作業の場合と

比較し、海鳥を混獲するリスクが低下し、クルー安全性が向上する。

・製品製造コストの減少及び付加価値化
船内に加工スペースを増設及び凍結、保管能力を向上することで、高付加価値製品の供給量を拡大でき
るほか、入港後すぐに輸出可能な製品数が増えることから輸出工程の削減につながり、コスト抑制。
・長期航海による操業ロス減少
現行船より漁船を大型化し、魚倉や燃油タンクの容量を増やすことで、航海数の減少が可能となり、
出入港による操業ロスを最小化。


本操業は貴重な資源アクセスの一環であり、長期的に安定・継続的な漁獲の実現が期待されます(資料1)。
当社は、世界最大規模の水産物サプライヤーとしてグローバルに「サステナブルな水産物を安定供給する」と
いう使命を果たすため、本事業を当社グループの持続可能なサプライチェーン構築を担う漁業事業の重要基
盤と位置づけており、引き続き資源アクセスの強化に継続して取り組んでまいります。


2.AF 社の概要
(1) 名 称 Austral Fisheries Pty Ltd
(2) 所 在 地 豪州 パース市
(3) 代表者の役職・氏名 CEO・David Carter
(4) 事 業 内 容 漁業
(5) 資 本 金 31,035 千豪ドル
(6) 設 立 年 月 日 1981 年7月 28 日
(7) 大 株 主 マルハニチロ/Kailis Fisheries Holdings Pty Ltd 他
(8) 売 上 高 非開示


3.取得資産(新船)の概要
(1) 名 称 Austral Odyssey
(2) 進 水 年 月 日 2026 年1月(予定)
(3) 漁 業 種 類 底魚延縄
(4) 船 質 ・ 船 級 鋼・アイスクラス
(5) 船 体 国際総トン数 2,985 トン(想定)/全長 68.55m×幅 14.50m×深さ 5.90m
(6) 乗組員数(定数) 約 30 名
(7) 船 舶 使 用 年 数 約 30 年
(8) 取 得 価 額 約 60 億円(予定)
(9) 資 金 調 達 方 法 銀行借入および自己資金にて調達予定


4.新船のスケジュール(予定)
(1) 建 造 開 始 時 期 2024 年1月
(2) 建 造 終 了 時 期 2025 年 12 月
(3) 操 業 開 始 時 期 2026 年4月


5.今後の見通し
本件に伴う当社の連結業績に与える影響は軽微であります。今後開示すべき事項が生じた際には、速やかに
お知らせいたします。




以上





(参考)


資料1


メロの操業海域と HIMI 海域における漁業枠推移


HIMI海域におけるメロの漁獲枠推移
(トン) (漁獲枠全体)
5,000

4,000

3,000

2,000
HIMI 海域
1,000







資料2


AF 社のサステナブルなメロブランド「Glacier 51」製品一例





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