当社持分法適用関連会社における新船建造に関するお知らせ

2023 年2月6日
各 位
上 場 会 社 名 マルハニチロ株式会社
代 表 者 代表取締役社長 池見 賢
(コード番号 1333 東証プライム)
問合せ先責任者 経営企画部
IR グループ 部長役 目時 弘幸
(TEL.03-6833-1195)


当社持分法適用関連会社における新船建造に関するお知らせ


当社は、当社の持分法適用関連会社である Tekapo Limited(以下、Tekapo 社)が新船を建造することを決
定いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。





1.事業背景及び新船建造の経緯・理由
(1)NZ EEZ 内での既存資源アクセスを強化
人口増加、健康志向、環境配慮等から、世界的に水産物需要は堅調である一方、天然水産資源量は限定的で
あり、漁獲枠のように天然水産資源に関与できる権益は世界的に限られ、新たな取得には相当な困難が伴いま
す。そのような状況下、当社 100%子会社である Maruha(N.Z.) Corporation Limited(以下、マルハ NZ 社)
は、ニュージーランドにおける外資企業として唯一、同国排他的経済水域(以下、NZ EEZ)内の漁獲枠を保有
しております。Tekapo 社は、マルハ NZ 社と、同国で漁獲枠を保有する Solander 社グループとの共同出資に
より傭船事業を行っており、Tekapo 社が所有する FV Tomi Maru No.87(以下、富丸)は、NZ EEZ 内において
ミナミダラ、イカ、シルバーワレフー、メルルーサ等の漁獲を行っております。
富丸は建造 36 年となり、老朽化に伴う操業・生産性悪化が近年みられることから、限られた貴重な天然水
産資源に最大限アクセスすべく、Tekapo 社はこの度、富丸を売却し、新船を建造することといたしました。


(2)新船における操業・生産効率の向上及び環境対策
新船の建造に際し、操業・生産効率の向上及び環境対策として下記の事項に重点をおいて設計し、操業・生
産効率の最大化による収益拡大及び環境に配慮した持続可能な漁業を目指してまいります(資料1 2参照)
・ 。


・船舶 魚倉サイズの大型化、
・ スリミの製造機械を常設して生産能力を増強することで漁獲 生産増を図る。

・魚倉・燃油タンクの大型化により年間寄港数を減少させ、操業ロスを回避。
・ミール製造機を新規に搭載し、残滓を有効活用することによる収益拡大及びフードロス対策を図る。
・新船による CO2 排出量が、富丸より製品1トン当たり約 20%削減可能。
・脱フロン対策として、使用冷媒にアンモニアを選択。
本事業は、貴重な資源アクセスの一環であり、将来的に安定・継続的な漁獲の実現が期待されます。当社は、
世界最大規模の水産物サプライヤーとしてグローバルに「サステナブルな水産物を安定供給する」という使命
を果たすため、本事業を当社グループの持続可能なサプライチェーン構築を担う漁業事業の重要基盤と位置
づけ、将来的には Tekapo 社を連結子会社化する可能性も視野に入れ、引き続き資源アクセスの強化を継続し
て取り組んでまいります。


2.Tekapo 社の概要
(1) 名 称 Tekapo Limited
(2) 所 在 地 ニュージーランド オークランド市
(3) 代表者の役職・氏名 取締役・鈴木 健/取締役・James John Hufflett
(4) 事 業 内 容 傭船事業
(5) 資 本 金 2,000 千 NZ ドル
(6) 設 立 年 月 日 2014 年 12 月 18 日
(7) 大 株 主 マルハ NZ 社/Solander Maritime Limited
(8) 売 上 高 115 千 NZ ドル(2021 年)
(9) 富丸事業売上高 26,323 千 NZ ドル(2021 年)


3.取得資産(新船)の概要
(1) 名 称 未定
(2) 進 水 年 月 日 2025 年7月(予定)
(3) 漁 業 種 類 遠洋底引き網
(4) 船 質 鋼
(5) 船 体 国際総トン数 3,800 トン/全長 80m×幅 15m×深さ6m
(6) 乗組員数(定数) 50 名
(7) 船 舶 使 用 年 数 30 年程度
(8) 取 得 価 額 約 70~80 億円(予定)
(9) 資 金 調 達 方 法 全額借入予定(当社連結業績及び財務状況に与える影響はなし)


4.新船のスケジュール
(1) 取締役会決議日 2023 年1月 30 日
(2) 建 造 開 始 時 期 2023 年2月(予定)
(3) 建 造 終 了 時 期 2025 年7月(予定)
(4) 操 業 開 始 時 期 2025 年 10 月(予定)/富丸売却予定


5.今後の見通し
Tekapo 社は当社の持分法適用関連会社であり、本件に伴う当社の連結業績に与える影響は軽微であります。
また、固定資産や借入金等が当社の財務状況に与える影響はございません。今後開示すべき事項が生じた際に
は、速やかにお知らせいたします。



以上
(参考)


資料1


富丸の操業実績推移及び新船の事業計画(2018 年度を 100 とした場合の推移)

(%)
漁獲数量合計 (ラウンドベース) 生産数量合計 売上金額合計














2018 2019 2020 2021 2025-2026 2027-2028 2029年~
(計画) (計画) (計画)
新船稼働




資料2


ニュージーランドの魚種別総漁獲枠に占める当社シェア(2022 年 10 月~2023 年 9 月)
ニュージーランド総漁獲枠
魚種
(単位:トン)

アジ 51,327
バラクータ 33,402
メルルーサ 7,783
ホキ 110,010
イカ 82,120
シルバーワレフー 11,120
ミナミダラ 48,702
その他 215,385
合計 559,849




マルハ NZ 社 漁獲実績 約 31,000 トン(総漁獲枠に占める割合:約 5.5%)

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