介護事業所の売却問合せ数1000件突破!-問合せの多い業態・売却理由・成約しやすい業態など全公開-

2019 年 9 ⽉ 18 ⽇
各位
会 社 名 ブティックス株式会社
代表者名 代表取締役社⻑ 新村 祐三
(コード番号 9272 マザーズ)
問合せ先 常務取締役管理本部⻑ 速⽔ 健史
(TEL 03-6303-9431)


介護事業所の売却問合せ数 1000 件突破︕
〜問合せの多い業態・売却理由・成約しやすい業態など全公開〜

ブティックス株式会社(東京都港区、代表取締役社⻑ 新村祐三 以下「当社」といいます)では、介護事業
所に特化した M&A 仲介サービス『介護 M&A ⽀援センター』開始後、約 4 年で 1,000 件の売却依頼の問合せ
がありました。また、介護事業所の買収を希望される企業の登録も 4,500 社を超えています。⽇本で最も多くの介
護事業所の売却・買収希望登録を抱える当社のデータを公開し、より多くの⽅に介護事業所のM&Aについて知
って頂くことで、より円滑な事業承継のサポートができるのではないかと考え、以下のとおりデータを公開させていただき
ます。


1.売却希望企業について

業態別売却希望事業ランキング(図 1) 主なジャンル別売却希望割合(図 2)
業態 割合
1 デイサービス 33.7% その他
障害系5%
2 住宅型有料⽼⼈ホーム 10.5%
医療系7%
3 訪問介護 8.0%
4 グループホーム 7.5% 7%

5 訪問看護 6.4% 居宅介護
6 サービス付⾼齢者向け住宅 5.5% 53%
施設介護
7 クリニック 4.7%
28%
8 放課後等デイサービス 4.6%
9 福祉⽤具貸与 3.3%
10 介護付有料⽼⼈ホーム 2.0%

①業態別売却希望事業ランキング
売却希望企業の業態で⼀番多かったのは「デイサービス」です。以前は介護業界の中では⽐較的収益性の⾼い
業態でしたが、2015 年の報酬改定に引き続き、2018 年の報酬改定でも⼤幅な減額改定となり、⼩規模デイサ
ービスを単独で運営している事業所を中⼼に収益性の悪化が進みました。中でも、「機能訓練型デイサービス」や
「お泊まりデイサービス」の業態については、売却の問合せが多い傾向にあります。

また、⼆番目に多かったのは「住宅型有料⽼⼈ホーム」です。⼟地建物をサブリース形式で賃借することで、初期
コストを抑えて開業することができるため、30 床以下の⼩規模な有料⽼⼈ホームを中⼼に全国で⼀気に供給が増
加しましたが、訪問介護やデイサービスに対する報酬の減額改定に加えて、同⼀建物減算の影響もあり、単独での


運営継続に限界を感じて売却の問合せをされるケースが多い傾向にあります。

②主なジャンル別売却希望割合
図 2 のグラフは、居宅介護(デイサービス、訪問サービス等)、施設介護(⽼⼈ホーム、グループホーム等)、医
療系(病院、クリニック、薬局等)、障害系(放課後等デイサービス、就労⽀援等)、その他に分類した場合の
売却問合せ割合になります。居宅介護が半数以上を占め、次いで施設介護となっていますが、後継者のいない病
院や障害系サービスも増加傾向にあります。



③売却理由ランキング
次に、図 3 は売却理由ランキングです。 全業態を通して、 売却理由ランキング(図 3)
⼀番多かったのが「採用難」です。エリアや職種によっては有 売却理由 割合
効求⼈倍率が 5 倍を超えることもあり、多くの事業所で採⽤ 1 採⽤難 28.3%
難に頭を抱えられているようです。オープニング時のスタッフを 2 事業の選択と集中 18.1%
集めることができず、施設を稼動できない事業所の相談も増 3 介護制度の将来不安 17.9%
加しています。 4 赤字・低収入 14.6%
5 リタイア 11.2%
⼆番目の「事業の選択と集中」は、最近急増している売 6 労務トラブル 0.4%
却理由です。もともと介護事業以外を本業としていた会社が その他 9.4%
多角化で介護事業に進出したものの、「本業回帰」のために
介護事業の売却を検討するケースが多いです。また、⼤手中堅の介護事業者の中には、非中核事業を売却して、
得意な中核事業に集中するケースも増加しています。例えば、非中核エリアの関東圏のグループホームを売却して、
本社のある関⻄圏のグループホームを買収する「エリアの選択と集中」や、非中核事業の訪問介護を売却して、注
⼒事業であるデイサービスを買収する「業態の選択と集中」等があげられます。

④成約しやすい業態 成約しやすい業態(図 4)
続いて、図 4 は、問合せの多い上位 5 業態 問合せ割合 成約割合 成約指数
業態について、問合せ割合と成約割合 デイサービス 33.7% 39.3% 1.17
を⽐較することで、成約しやすい業態を 住宅型有料⽼⼈ホーム 10.5% 15.0% 1.43
分析した表になります。 訪問介護 8.0% 9.3% 1.16
グループホーム 7.5% 5.7% 0.76
成約割合÷問合せ割合=成約指数 訪問看護 6.4% 1.45
9.3%
とした場合、⼀番成約指数が⾼いのは
※成約指数=成約割合÷問合せ割合
「訪問看護」でした。スタッフの確保やマ
ネジメントが上手くいかずに売却を検討さ
れるケースが増えている⼀⽅で、介護保険とは別に医療保険の収入が⾒込めることから、異業種からの参入意欲も
旺盛で、⼈気業態となっています。

また、売却の問合せ割合上位 5 業態の内、4 業態までが、成約指数で 1 倍を上回っているのは、単体では収益
確保が難しい事業所においても、複数事業所をドミナント展開することで収益化が可能となることから、売却ニーズを
捉えて積極的にドミナント戦略を進める買い手が多く存在していることを表していると言えます。

逆に成約指数が低かったのが「グループホーム」です。より詳細に分析してみると、⽐較的収益性の⾼い 2 ユニット
以上のグループホームの成約指数は 1.40 倍であるのに対して、1 ユニットのグループホームの成約指数は 0.18 倍と
かなり低い⽔準にあります。総量規制もあり、手堅い事業として⼈気のグループホームですが、実際に⼈気が集中す
るのは 2 ユニット以上の規模が中⼼で、1 ユニットの⼩規模なグループホームの場合は、入居⼈数の少しの増減で収
益性が⼤きく変動するため、買収企業も慎重に検討していることがわかります。


2.買収希望企業について 業態別⼈気ランキング(複数回答)(図 5)
業態 割合
①業態別⼈気ランキング(複数回答) 1 住宅型有料⽼⼈ホーム 28.3%
買収ニーズ登録のある 4,500 社以上の企業の中で、 2 グループホーム 27.1%
特に買収ニーズの強い業態の上位ランキングが図5になり 3 サービス付⾼齢者向け住宅 26.2%
ます。様々な業態の買収を検討する企業も多いことから、 4 通常・⼤規模デイサービス 25.9%
複数回答となっています。 5 介護付有料⽼⼈ホーム 25.7%
6 地域密着型デイサービス 18.8%
1 位は「住宅型有料⽼⼈ホーム」でした。売却の問合
7 訪問介護 17.9%
せも多い⼀⽅で、収益を上げる仕組化に成功している事
8 訪問看護 17.6%
業者にとって、苦戦している施設を安価で買収することで、
9 機能訓練型デイサービス 17.4%
新たに施設を⽴ち上げるよりも、早期に成⻑を加速するこ
10 特別養護⽼⼈ホーム 16.9%
とができるためと考えられます。

2 位は「グループホーム」です。売却希望企業の項でも記載しましたが、総量規制のあるグループホームは手堅い
事業として捉えられており、特に2ユニット以上の規模の売却情報が出た場合には、⼈気が殺到する傾向にありま
す。⼈気ランキングの上位に施設系の業態が多いのは、訪問系のサービスに⽐較して、⼈的要素(採⽤・教育等)
の影響を受けるリスクが⼩さいため、経営が安定しやすいことが考えられます。


エリア別⼈気ランキング(複数回答)(図 6)
②エリア別⼈気ランキング(複数回答) 都道府県 割合
続いて、エリア別に買収ニーズの強さをランキングしたのが 1 東京都 26.1%
図6になります。こちらも、様々なエリアへの展開を同時並 2 神奈川県 17.6%
⾏的に検討する企業が多いことから、複数回答となってい
3 埼玉県 15.1%
ます。
4 千葉県 13.3%
5 ⼤阪府 12.7%
上位から「大都市圏」が中⼼にランキングに入っています。
6 愛知県 10.9%
これは、⼈口に⽐例する要素も多分にありますが、少子⾼
7 兵庫県 8.4%
齢化が急速に進む地⽅都市においては、介護サービスの
8 福岡県 8.3%
利⽤者の獲得よりも、介護の担い手の確保がより⼤きな
9 京都府 6.6%
課題となっていることも⼤きな要因と考えられます。
10 奈良県 6.2%


3.総括
当社では、これまでサポートしてきた数多くの介護事業者のM&Aにより、より効果的・効率的に最適なM&A
を実現するためのノウハウを蓄積してきました。介護保険は国の財政で成り⽴っているため、非効率な事業所の運営
を中⻑期的に継続することは困難ですが、ドミナント展開や他事業とのシナジー効果で収益の改善を図ることは十
分可能であり、これによって介護スタッフの待遇の改善がなされ、より質の⾼い介護へと結びつくものと考えております。
また、業態・エリアに関わらず言えるのは、買い手の次の戦略にマッチした業態・エリアであれば、⼈気ランキングの
低い業態であってもマッチングが可能であるということです。そのため、当社ではこれからもより多くの買い手企業のニー
ズを集めることで、多くの⽅にM&Aの機会を提供し、より円滑な事業承継のサポートを推進してまいる所存です。
本データが、少しでもご利⽤される⽅のお役にたちましたら幸いです。



調査対象︓売却問合せ企業 1,173 社 買収希望企業 4,622 社


調査期間︓2015 年 4 ⽉〜2019 年 8 ⽉



【データの引⽤・転載に関するお願い】
本データの著作権は当社が保有します。調査データの引⽤・転載時には、必ずクレジット「介護M&A⽀援センター
(運営︓ブティックス)」を明示くださいますようお願いいたします。また、Web サイト(https://kaigo-ma.com/)
(https://btix.jp/)へのリンクも貼っていただけますと幸いでございます。



介護M&A支援センターとは
ブティックス株式会社が運営する、介護事業所等に特化したM&A仲介サービスです。同社が全国8エリア
(2019 年 8 ⽉現在)で主催する介護業界⽇本最⼤級の商談型展示会「CareTEX」に来場する経営
者のニーズ等をもとに、全国の 4,500 社以上(2019 年 8 ⽉現在)の介護事業所等の買収ニーズをデータベー
ス化し、効率的なマッチングを⾏うことで、業界最安⽔準の手数料体系を実現し、従来は手数料が⾼くてM&Aを
断念し、廃業せざるを得なかった介護事業所等の事業承継のサポートを⾏っております。

《本リリースに関するお問合せ》
ブティックス株式会社 管理本部 IR 担当
TEL︓03-6303-9431(平⽇ 9 時〜18 時) Email︓pr@btix.jp

以上





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