イトーキ、文部科学省の採択事業によりメタバースを活用した「バーチャルSTEAM教室」を開発し、静岡聖光学院にて実装

株式会社イトーキ
(コード:7972 東証プライム)
2023 年 6 月 1 日


イトーキ、文部科学省の採択事業によりメタバースを活用した
「バーチャル STEAM 教室」を開発し、静岡聖光学院にて実装
~時間や距離、空間の広さなどの制約を受けず、生徒自ら選択し主体的な学びを実践する
次世代の学習環境と教育カリキュラム開発に寄与~




株式会社イトーキ(本社:東京都中央区、社長:湊 宏司)は、生徒自らが個性を生かした表現活動を
行う「研究発表会」と、海外と接続してオンライン上で交流を行う「国際交流会」をテーマに、メタバー
ス技術を活用して仮想空間の学習環境をデザインし、次世代の教育カリキュラムとして学校法人静岡
聖光学院(所在地:静岡県静岡市駿河区小鹿 理事長:工藤誠一)協力のもと、実証研究を行い、授業と
して実装しました。また、その成果を文部科学省『次世代の学校・教育現場を見据えた先端技術・教育
データの利活用推進事業』の成果報告会で発表しました。
⚫ バーチャル STEAM 教室の背景と実施内容
現在、文部科学省が開始した「GIGA スクール構想」のもと、児童・生徒へ 1 人 1 台の端末や通信環境
の整備が進み、「教材のデジタル化」や「学習ログの蓄積」といった教育環境へのテクノロジー導入が
加速しています。こういった学習環境の変化が教育カリキュラムや授業スタイルなど、学びのあり方
そのものに影響を及ぼし、変容/再定義が求められています。


今回、イトーキと静岡聖光学院は、さらなる教育の進化に向けて、様々な制約を受けずにデジタル上
でのクリエーション力を養う「研究発表会」と、海外の生徒と接続しアバターの身振り手振りを交えた
デジタル上でのコミュニケーション力を養う「国際交流会」を、実際の授業にバーチャル STEAM 教室
を実装することで実現しました。


本授業にはメタバース技術を活用しました。メタバースとはコンピュータの中に構築された 3 次元
空間(=バーチャル空間)を指します。メタバース空間上では、教室をはじめとするスペースが自由に構築
でき、生徒自身のアバターを用いることで、まるで現実空間にいるかのように遠隔地にいるメンバーと
も同空間でのコミュニケーションが可能になります。


イトーキは今回の実証研究を通して、生徒が自由に空間内を移動し実際の教室のように複数人が同時
多発的に会話できるメタバース空間『バーチャル STEAM 教室』の最適な空間設計を技術開発し、実装
しました。




<デジタルの学習環境構築>上段がリアルの教室で下段がバーチャルの教室
⚫ 本実証実験のカリキュラム開発と効果検証
今回は静岡聖光学院とともにメタバース技術の授業活用におけるカリキュラム開発にも取り組みまし
た。「研究発表会」では探求/創造学習を、「国際交流会」では対話/協働学習を、それぞれ教室内で行う
場合とメタバース空間内で行う場合のカリキュラム開発、学習効果の検証を行いました。
「研究発表会」においては、生徒が構築したメタバース空間を昨年 10 月に開催された文化祭で展示、
文化祭後に生徒に対して行ったアンケート調査からは、探求/創造学習における表現方法の改善や、より
主体的な学習が実践できたという結果が得られました。また、文化祭で研究発表を体験した保護者に
対して行ったアンケートにおいても、「生徒の思いが伝わった」「また体験したい」という多くの回答が
得られました。




<研究発表会から得られた結果>
左:研究発表会での展示の様子
(上段 ドローンに関する研究
: 中段 HP のメタバース化に関する研究 下段 ミニ四駆に関する研究)
: :
右:研究発表会後のアンケート結果


「国際交流会」においては、Web 会議システムとメタバース技術それぞれを利用して国際交流を
行った際の発話時間や会話数などの音声分析を行いました。その結果、従来手法(Web 会議システム)
による遠隔コミュニケーションと比較して、メタバース技術を活用した方が発話時間や会話数が向上
していることが分かりました。本年 1 月~3 月に実施した交流会後に生徒に対して行ったアンケート
調査からは、対話/協働学習において身振り手振りを交えてより自由なコミュニケーションが行えたと
いう回答が得られました。また、メタバースによる交流は自身がアバターとなり会話を行うため対面性
の低さから緊張せずに交流ができたという回答も得られました。
<国際交流会から得られた結果>
上段:国際交流中の会話分析結果、下段左:メタバース技術を活用した国際交流の様子、
下段右:国際交流会後のアンケート結果


これらの結果から、今回メタバースを活用して導入したデジタルの学習環境、教育カリキュラムが、
学習効果の高いものであったと言えます。



⚫ 成果のまとめと各種報告
今回の取り組みは文部科学省から国家事業として事業委託を受け実施されており、最終的な成果は
文部科学省『次世代の学校・教育現場を見据えた先端技術・教育データの利活用推進事業』の成果報告会
で発表を行いました。


イトーキは今後も、デジタル技術を活用したコミュニケーションの研究、先進技術の社会実装を継続
して実施し、全国の教育機関や企業への事業展開を目指します。


※本プロジェクトの詳細は以下の各 URL をご参考ください。


■文部科学省 令和 4 年度 次世代の学校・教育現場を見据えた先端技術・教育データの利活用推進事業
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1416148.htm
■文部科学省 令和 4 年度成果報告会
<資料>
https://www.mext.go.jp/content/20230315-mxt_shoto01-100013299_003.pdf
<報告会の様子(動画)>
https://www.youtube.com/watch?v=7Kr6X7SJc80#t=40m32s
(報告会発表者:静岡聖光学院中学校・高等学校 中村光揮 教諭
株式会社イトーキ 大橋一広 小澤照)


■研究レポート
https://open-dx-lab.itoki.jp/articles/report_education/




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株式会社イトーキ DX推進本部 デジタルソリューション企画統括部
大橋 秋山 小澤 TEL 03-6910-3910


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TEL : 03-6910-3910 MAIL : itk-pr@itoki.jp


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