次世代半導体の微細回路形成を実現するEUV露光機用ペリクルの要素技術を確立

2023年12月12日


次世代半導体の微細回路形成を実現する
EUV 露光機用ペリクルの要素技術を確立
このたびリンテックグループでは、次世代半導体の微細回路形成に欠かせない EUV 露光機用ペリクル(防塵
材料)の要素技術を確立しました。

次世代半導体の微細回路形成に欠かせない防塵材料

通信システムの高機能化・高速化などにより、半導体回路パターンの微細化が進んでいます。微細回路の形成に
は EUV(Extreme Ultraviolet:極端紫外線)露光機が用いられていますが、露光機の性能向上に伴い、より高耐久
のペリクルの開発が求められています。ペリクルとは、フォトマスク(回路パターンの原版)への異物の付着を防ぐ
防塵膜の役割を果たす部材です。5 ナノ(10 億分の 1)メートル以下という微細な回路を形成する EUV に対する
透過性や耐熱性、耐久性が要求され、半導体の生産性向上に貢献することができます。

従来、ペリクルにはポリシリコンなどをベースにした部材が採用されてきましたが、より高耐久の新たな部材が
必要になったことから近年、カーボンナノチューブ(CNT:筒状炭素分子)製のペリクルが注目されています。当社
グループでは、CNT シートの開発を手がけている米国テキサス州の研究開発拠点「Nano-Science & Technology
Center(NSTC)」において、以前から CNT の新たな用途展開を模索してきました。その一つとして 2018 年から CNT 製
ペリクルの開発に着手し、より高度の要素技術を確立するに至りました。


独自のカーボンナノチューブ膜形成技術を生かした部材供給へ

CNT は直径がナノメートルレベルの非常に細い炭素材料でありながら、
高温環境で使用しても化学変化や強度低下を引き起こしにくく、厳しい
環境下でも利用しやすい特性を持っています。さまざまな用途での応用
が期待されており、当社グループでは、特にこの半導体関連分野での
用途展開を見据え、2025 年度までに新たに約 50 億円を投じて、第一次
量産体制の構築を進めていきます。
CNT 製ペリクル膜のイメージ(写真提供:imec)




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