透析シャント用NF-κBデコイオリゴ塗布型PTAバルーンカテーテルの国内治験の症例登録が完了

平成 27 年1月7日
各 位
会 社 名 メディキット株式会社
代表者名 代表取締役社長 栗田 宣文
(コード番号:7749 JASDAQ)
問合せ先 常務取締役 管理部門担当 石田 健
電話番号 0 3 - 3 8 3 9 - 8 8 7 0


透析シャント用 NF-κB デコイオリゴ塗布型 PTA バルーンカテーテルの
国内治験の症例登録が完了


当社とアンジェス MG 株式会社(本社:大阪府茨木市、代表取締役社長:山田 英。以下、アンジェス MG)
は、国内において共同開発中である NF-κB デコイオリゴ塗布型 PTA バルーンカテーテル(以下、本製品)につ
いて治験を実施しておりましたが、この度、症例登録が完了いたしましたのでお知らせいたします。


本治験は、透析シャント静脈狭窄病変を有する患者様を対象に、既存のPTAバルーンカテーテルと比較す
ることで本製品の安全性と有効性を実証する試験です。当社およびアンジェス MG は、平成 24 年 9 月より本治
験を国内で実施しておりますが、この度、解析に必要な症例数を組入れ、症例登録を完了いたしました。今後
は、一定の観察期間終了後にデータの解析および評価を行います。本製品の既存のPTAバルーンカテーテル
に対する有意差が示され、計画通り進捗した場合の国内の製造販売承認申請は、平成 28 年前半となる見込み
です。


人工透析の透析シャントや動脈硬化症などの末梢血管内治療法で使用される現在の PTA バルーンカテーテルは
再狭窄率が高く、医療現場においては再狭窄予防が期待できる PTA バルーンカテーテルの開発が強く望まれて
おります。本製品は、バルーン部の外表面に抗炎症作用を持つ核酸医薬 NF-κB デコイオリゴを塗布すること
で、バルーン拡張によって引き起こされる血管炎症の抑制、血管の再狭窄までの期間延長、及び外科的手術の
回避が期待され、当社とアンジェス MG は、世界で初めての抗炎症薬塗布型 PTA バルーンカテーテルを目指し
て本製品を開発中です。
国内の人工透析患者数は約 31 万人といわれており、そのうち対象となる透析シャント静脈狭窄病変を有す
る患者数は約5万人程度と推定されます。


以上
<ご参考>
- 用語の解説 -
1. NF-κB( nuclear factor-kappa B)
遺伝子は、生体の恒常性を維持する上で重要な働きを担っていますが、ほとんどの遺伝子
は普段発現しておらず、必要な時に必要な遺伝子が発現できるように発現の制御を司って
いる蛋白質が転写因子です。NF-κB は、炎症や免疫が活性化する時、活性酸素などによる
酸化ストレスなどの刺激が外部から与えられた時に、細胞が炎症反応や免疫反応を惹起さ
せるため活性化する主要な転写因子です。 実際に、NF-κB の活性化は、アトピー性皮膚
炎、乾癬、関節リウマチなど異常な炎症や免疫関連の疾患を引き起こし、病態を悪化させ
ることが指摘されています。


2. デコイオリゴ
遺伝子は、転写因子が染色体DNAに直接結合することで発現しますが、デコイオリゴは、
その染色体DNAの転写因子結合部位と同じDNA配列を含む二重鎖の短い核酸で、体内
に投与すると転写因子が染色体DNAに結合することを阻害して遺伝子の働きを抑えます。


3. NF-κB デコイオリゴ (NF-κB decoy oligodeoxynucleotide)
NF-κB デコイオリゴは、NF-κB 結合部位のDNA配列をもつデコイオリゴであり、転写
因子そのものを標的とすることから、既存の薬剤と比較して特異性、標的分子に対し確実
に効果が発揮されるなど有効性の面で治療薬として優位性があると考えられ、また副作用
の面でも軽減することが期待されます。アンジェス MG では、アトピー性皮膚炎、乾癬や関節リウマ
チなど免疫反応を原因とする疾患の治療薬として開発しております。


4. 薬剤塗布型PTAバルーンカテーテル
PTA バルーンカテーテルとは、血管の狭窄部位にバルーンを挿入して血管を拡張すること
で血流を回復させる医療機器。このバルーンの外表面に薬剤を塗布したものが薬剤塗布型
PTA バルーンカテーテルです。

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