株式会社日本再生医療におけるJRM-001の治験開始について

News Release
2016 年 5 月 20 日


会 社 名:ノーリツ鋼機株式会社
代表者名:代表取締役社長 CEO 西本 博嗣
(コード:7744 東証第1部)
問合せ先:取締役 CFO 山元 雄太
(TEL:03 - 3505 - 5053)


小児先天性心疾患(機能的単心室症)を対象とした世界初となる再生医療等製品
ヒト(自己)心臓内幹細胞 JRM-001 の企業治験開始について

当社の子会社である株式会社日本再生医療(本社:東京都港区、社長 戸田 光太郎、以下「JRM」

は、小児先天性心疾患(機能的単心室症)を対象とした世界初となる再生医療等製品ヒト(自己)心
臓内幹細胞 JRM-001 の有効性及び安全性の評価を目的とする治験計画届を、2016 年 4 月 12 日付で独
立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出いたしました。当該治験計画届について 2016 年
5 月 11 日をもって審査期間である 30 日が経過したことを受け、治験実施医療機関である岡山大学病院
と治験契約を締結し、企業治験を開始いたしましたので下記の通りお知らせいたします。今後、更に 2
つの医療機関との間で治験契約を締結し、治験を推進していく予定です。


1. JRM-001 について
ヒト(自己)心臓内幹細胞 JRM-001 は、岡山大学病院 王 英正教授より技術移転を受けて開発し
た再生医療等製品で、JRM の主要パイプラインとして開発を進めているものです。JRM-001 は外科的
修復術時に採取される患者さんご自身の心組織から分離・培養して得られる心臓内幹細胞の細胞懸濁
液製剤で、その移植によって小児先天性心疾患(機能的単心室症)の患者さんの外科的修復術後の心
機能の改善が期待できると考えられています。




〒106-0045 東京都港区麻布十番 1-10-10 ジュール A5 階
http://j-rm.com/
2. 対象疾患
本治験の対象疾患である機能的単心室症は、二つの心室のうち一つがないか正常な発育状態を示さ
ず心室が非常に小さい等の理由により、正常に機能する心室が一つしかない先天性心疾患です。外科
的修復術後も酸素飽和度や心機能の改善がなされない場合は、最終的に心臓移植以外に治療選択肢が
なくなる場合がある重篤な疾患であり、心機能の改善をもたらす新たな治療法の開発が切実に望まれ
ています。


3. 心臓内幹細胞とは
心臓内幹細胞とは、心臓を構成する心筋細胞に分化する能力を持つ、心臓に存在する幹細胞です。
高い自己複製能力(増殖能)を持ち、心筋の他、血管内皮細胞、骨、軟骨、脂肪にも分化する能力が
ある事が報告されており、再生医療の有用なツールになると考えられている細胞です。患者さんご自
身の組織から得られる心組織からこの心臓内幹細胞を分離・培養し、製剤化したものが JRM-001 とな
ります。




4. 本技術の優位性
本治療法には自己由来の心臓内幹細胞を使用するため、免疫拒絶の問題が無く、再生医療等製品の
中でも比較的安全性の高い治療製品であると考えられています。また、心臓内幹細胞は心組織に由来
するため、他の組織に由来する細胞に比べ、心疾患への適用に適していると考えられています。小児
における組織の再生能力は成人に比べ高く、小児の心臓内幹細胞を用いた自家移植療法とする事によ
り、より高い治療効果が得られることが期待されています。
また、本治療法に用いる原料の採取および JRM-001 の移植は、標準的に実施される治療・検査方法
に合わせて実施されるため、患者さんに与える侵襲性は比較的低い治療法であることも特徴の一つで
す。




〒106-0045 東京都港区麻布十番 1-10-10 ジュール A5 階
http://j-rm.com/
5. これまでの臨床研究の状況
JRM-001 の基盤技術の開発者である岡山大学病院 王 英正教授により、心臓内幹細胞を用い
たヒト幹細胞臨床研究が実施されています。第 1 相臨床研究は 2012 年に終了し、機能的単心室症
の代表的な病態である左心低形成症候群を対象に 7 症例の患者さんにおいて心臓内幹細胞の移植
が実施され、その安全性と有効性を示唆する結果が報告されています。また、現在 34 症例の機能
的単心室症の患者さんを対象とした第 2 相臨床研究が進められています。JRM ではこれら臨床研
究の成果を参考に、本治療法の実用化に向け JRM-001 の企業治験を推進して参ります。


6. 今後の見通し
JRM-001 は、厚生労働省が定める「先駆け審査指定制度」対象品目に選ばれております。
「先駆
け審査指定制度」とは、革新的な医薬品・医療機器・再生医療等製品を日本で早期に実用化すべ
く、その開発を促進するために策定された制度で、開発の比較的早期の段階に先駆け審査指定制
度の対象品目に指定され、承認に関する相談・審査において優先的な取扱いがなされる事となっ
ております。JRM では、更に 2 つの医療機関との治験契約を速やかに進め、今後 3 年以内の承認
申請を目指し治験を推進して参ります。


7. 再生医療事業を手掛ける子会社の概要
会社名 株式会社日本再生医療(JRM)
代表者 戸田 光太郎
所在地 東京都港区麻布十番 1-10-10
資本金 3 億 850 万円
株主 NK リレーションズ株式会社 100%
事業内容 再生医療技術・製品、細胞医薬品の研究開発
当該技術・製品の顧客に対する技術提供及び製品・サービスの提供
URL http://j-rm.com/


以 上




〒106-0045 東京都港区麻布十番 1-10-10 ジュール A5 階
http://j-rm.com/

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