「人民日報海外版日本月刊」掲載に関するお知らせ

令和 3 年 9 月 3 日


各 位


会 社 名 大黒屋ホールディングス株式会社
代表者名 代表取締役社長 小 川 浩 平
(コード番号 6993 東証第二部)
問合せ先 財務経理部長 堀 内 治 芳
(TEL.03-6451-4300)


「人民日報海外版日本月刊」掲載に関するお知らせ


今般、当社に関連する記事が掲題雑誌に掲載されましたので下記の通りお知らせ申し上
げます。





1. 記事の内容
「ブランド品リユース事業で中国に貢献」
詳細につきましては別添掲載記事をご参照下さい。
なお、当該記事につきましては、当社ウェブサイト(http://www.daikokuyajp.com/)
にも掲載しておりますので、併せてご覧ください。


*出典『人民日報海外版日本月刊』2021 年 9 月号より
当該記事の掲載にあたっては同雑誌発行元の株式会社日本新華僑通信社の許可を得
ております。
以上
インタビ ー




ラ 小川 浩平 大黒屋ホールディングス社長


ド 今や世界最大のブラ ド品市場といわれる中国では、ブラ ド
ン ン




品購入のニーズが高まって来ている。日本で中古ブラ ド品販売

などを手掛ける大黒屋ホールディングス株式会社は、本年3月、
中国上海に子会社を設立し、「中国現地事業」の開始を盛り込


リ んだ「5カ年事業計画」を発表した。今後どのよ に中国でビジ
ネスを展開していく

のか、小川浩平代表取締役社長に意気込み


ユ を伺った。
(聞き手は本誌副編集長 原田繁)





ないと買い取れません。
中国でナンバーワン目指す また、当社の強みは、質屋業をル
――  御社は中古ブランド品販売 ーツにしているからこそ、本物か偽物


業 などを手掛ける企業として、中国でも
有名です。コロナ禍において、日本経
か、高額か低額か、商材の価値を見
極め、適切な値付けをするノウハウと



済に大きな影響が出ていますが、御 スキルをもっていることです。
社ではどのように乗り越えていますか。




御社の事業の特徴と強みを教えてくだ ――  御社は既に中国でビジネス
さい。 を展開されています。今や世界最大の




小川  当社事業は質屋業をルーツ ブランド品市場といわれる中国では、
としています。コロナ禍においても、 中古ブランド品購入のニーズも高まっ





お客様の質屋業に対するニーズは高 てきています。中国市場、そして中国
く、安定した金利収入のベースがあり の消費者動向をどのよ に見ていますか。

ますから、売上高や利益への影響を 小川 実は2025年に全世界のブラ



抑えることができています。 ンド品の5割を中国人が購入するとい
大 黒 屋は、バッグ、時 計、宝 飾 品 われています。すでに、過去10年間




などのブランド中古品の買取・販売で 3割以上を購入しています。25年に日
知られていますが、例えばブランド品 本はわずか7~8%のシェアになるでし
のバッグであれば、在庫回転率は30 ょう。以前は日本が3~4割を占めて
日です。買い取ってから30日以内で売 いましたが、今では中国が一番です。
るためには、マーケットに近い値段で 当社は日本でナンバーワン、中国で



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インタビ ー


もナンバーワンを目指します。両国 活用しつつ、現地 GMV を伸ばし、 す。そういう意味では貢献できると
を合わせると、世界の市場の6、7 早い段階で中国市場の売り上げナ 思っています。
割になります。中国のマーケットは ンバーワンになることを目指します。 また、中国において、当社のビジ
大きく、今後伸びると思います。中 そのために今、越境 EC の商品も、 ネスは、出来てきたばかりなので、
国は期待できる市場です。 中国向けには免税で出品していま やはり値付けとか、本物と偽物の区
中国で今、売れているのはヴィン す。ですから中国からわざわざ日本 別など難しい面もあります。ですか
テージブランドです。ハイエンドで に買いに来る必要はありません。ネ ら、彼らと一緒になって、当社のノ
プレミアムな商品を購入する傾向が ットで購入していただき、税金は当 ウハウ、真贋、値決め、透明性の
あります。企業トップの奥様や富裕 社が負担します。 リユースが促進されるような形の貢
層のお嬢様が、部下や友人より安 コロナ禍になる前までは、年間売 献はできるわけです。これがないと、
いバッグや時計を身に付けるのはメ 上高のうち中国人観光客による売り 結局取引量が増えないんです。
ンツが立たない、ということをよく 上げが約4割を占めていました。 また、高価なものを当社が売買す
聞きます。 中国のお客様に大きな需要があるこ ることによって、取引の流動性をつ
とは実感しています。 くることが可能です。これが大きい
リユースで中国社会に貢献 んです。例えば株式市場でも、いく
――  本年3月、御社は中国の ら売りたいといっても、買い手がい
上海に子会社を設立されました。そ ないと売れません。当社は流動性
して6月に発表された5カ年事業計 を供与――売りと買いを促進すると
画では、中国現地事業を開始する いう意味でも中国市場に貢献できる
とあります。今後、中国でどのよう と思います。
にビジネス展開をしていくのか、具
体的に教えてください。 成長する中国とともに
小川  当社では本年3月、上海 ビジネスチャンスを掴む
に100%出資の子会社「上海黛庫 また、中国国内での買取・販売 ―― 日本と中国とのビジネスで
商業」を設立しました。 の実店舗展開も始めます。富裕層 は、両国の関係が影響すると言わ
中古ブランド品の買取・販売のほ が多い沿海部だけでなく、成都や れますが、日中ビジネスの重要性に
か、中古ブランド品の販売業者への 武漢などの内陸部も視野に入れてい ついてどのようにお考えですか。
鑑定教育や鑑定代行サービスも行 ます。行くとわかりますが、街の中 小川 日本と中国は兄弟だと思っ
います。さらに、中国向け越境電子 にすごいショッピングセンター、世 ています。もちろん兄弟はたまには
商取引(EC)業務を、Web マーケ 界規模のモールなどがどこに行って けんかをします。でも、基本的には
ッティング ――Tiktok, Red, Weibo もあることに驚かされます。 2000年の歴史がありますから、兄
などメガプラットフォームにて大黒屋 弟は兄弟として仲良くできると思い
の紹介・店舗商品紹介・鑑定方法 ―― SDGs(持続可能な開発目 ます。
等の情報配信から、トラフィックの 標)が国際社会共通の目標になっ 私の場合、中国での仕事が長い
誘導まで――を通じて、ライブ配信 ています。各企業が取り組みを行っ んです。かれこれ30年になります。
型のインターネット通販「ライブコ ていますが、御社は中国ビジネスを 大学卒業後、総合商社に入り、そ
マース」を中心に支援しています。 展開する上で、中国社会にどのよう の後、外資系とか、ゴールドマン・
まず、アリババグループの天猫・ な貢献ができるとお考えですか。 サックスとかでインベストメントバン
淘宝、Kaola、TikTok 及び Red など 小川 当社のビジネスはリユース カーとして働き、米国に6年、香港
現地有力プラットフォームを上手く です。ですからそもそもが SDGs で に4年駐在しました。



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初めて中国に行ったのは90年代
前半です。当時、華僑十大財閥の
一つの企業の社長でした。ビジネ
スで香港から南京、上海に入りまし
た。国際空港がある上海の浦東に
まだゴルフ場がある時代から知って
います。その後、浦東が発達してい
く様子を目の当たりに見てきました。
あの頃から比べるとものすごい発展
です。
日本の企業は、中国も含めて、こ
れからグローバルで変わると思いま 撮影/本誌記者 洪倩

す。これまでグローバリゼーションと
言いながら、本当の意味で、中国 のすごい資金が集まりますし、勝負 ――  今後の事業展開について
でビジネスができている日本の企業 できる体制が整っています。インフ 抱負をお聞かせください。
って少ないと思うんです。ですから ラもありますし、すごい国だと思い 小川 当社の進めるビジネスは、
やはりそれにチャレンジしたい。 ます。 今後いろいろ変化する可能性はある
中国はこれからますますグローバ そのうえで、決断が早いですね。 と思いますが、すごく大きくなると
ル化が進むんじゃないかと思ってい 日本 のサラリーマンだと、いちい 考えています。
ます。アリババしかりです。中国の ち部署に持ち帰って、稟議を上げ 中国ビジネスはどんどん進めます。
人は頭がいいですから、見えない て・ ・これではなかなか先に進み
・ 中国人の老朋友(古くからの親友)
形ですっと市場に参入してくるじゃ ません。この決断が速い点につい も多く、アジアにもたくさんいます。
ないですか。必ずグローバリゼーシ て、私が香港で働いているときによ 私の一つの役目かなと思っているの
ョンが起きると思います。その中国 く言われたのは、「中国人はよくぱっ ですが、中 国に限らず、いろんな
と一緒にビジネスができることは、 と決めるけど、思い付きとかではな 国の人とビジネスをする際に、お互
大きなチャンスだと考えています。 く実はその前に勉強をしている。結 いを理解しあうのはなかなか難しい
果として決めるところだけ見えるから、 ですよね。時間かかるじゃないです
ビジネスを動かすのは プロセスが無いように思われるけど、 か。第一段階、第二段階と時間が
人と人とのつながり 要するに自分で投資の軸が決まって かかるわけです。その点、私には
―― 中国にどのような印象をお いる。一生懸命、人より、見えない 長年培った中国の、そしてアジアの
持ちですか。 形で、勉強しているんですよ」と。 ネットワークがあります。ビジネスを
小川  ビジネス的にはものすご 日本でいえば根回しの稟議でもない 動かすのは最終的には人と人とのつ
いペースが速いです。合理的だと思 ですけど、決断する際にはすでに方 ながりだと思っています。
いますね。ある面では、日本と違っ 向性が決まっているという とですね。
こ 日中の関係で言うと、日本は今
て、新しいことをやるには、中国は 個人的には中国の人って、仲よく GDP で3位、中国は2位です。でも
日本より合理的だと思います。 なるまでは時間がかかりますが、一 この3と2を足せば、1(米国)よ
日本で例えば、ベンチャーキャピ 旦仲間になると本当に日本人のつな り上をいくわけです。ですから日本
タル、スタートアップしようとしたら、 がりより濃いと思います。日本はい と中国がビジネスでつながることは
資金集めが大変なわけです。中国 わゆるサラリーマン社会ですが、中 大きな意義があると思います。
ではそれなりのポジションでも、も 国は仲間の社会という感じがします。



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