太洋工業、近畿大学との共同研究に関するお知らせ

2022年12月1日
各 位
会 社 名 太 洋 工 業 株 式 会 社
代表者名 代表取締役社長 細 江 美 則
(コード番号:6663 東証スタンダード)
問合せ先
役職・氏名 経営企画 部長 園 部 直 孝
電 話 073-431-6311


太洋工業、近畿大学との共同研究に関するお知らせ

当社は、主力事業である電子基板事業において、別紙のとおり、学校法人近畿大学との共同研
究により、「機能性セラミックス薄膜複合フレキシブル基板」を開発いたしましたので、お知ら
せいたします。
なお、当社といたしましては、本件が今後の業容拡大に貢献するものと期待しておりますが、
当面の業績に与える影響は限定的であると考えております。

(別紙)
「機能性セラミックス薄膜複合フレキシブル基板の開発に関するお知らせ」
以 上




- 1 -
(別紙)プレスリリース資料
2022年12月1日
各 位
太洋工業株式会社
近畿大学


機能性セラミックス薄膜複合フレキシブル基板の開発に関するお知らせ

太 洋 工 業 株 式 会 社 ( 和 歌 山 県 和 歌 山 市 ) 研 究 開 発 部 と 近 畿 大 学 生 物 理 工 学 部 ( 和 歌山
県 紀 の 川市) 医 用 工 学 科 教 授 ・ 西 川 博 昭 の 研 究 グ ル ー プ は 、 共 同 研 究 に よ り 、 「 機 能 性
セラミックス薄膜複合フレキシブル基板」を開発しました。
太洋工業株式会社はこれまでも、任意形状伸縮・ねじれに対応可能な高柔軟FPC
( フ レ キ シ ブ ル プ リ ン ト 配 線 板 ) や 総 厚 20㎛ 以 下 の 超 極 薄 F P C 等 、 小 型 か つ 高 機 能 な
電子機器向けに欠かせない基板加工技術を開発しており、西川教授が保有するナノメー
トルレベルの厚さで機能性単結晶セラミックス極薄膜を作製する技術と、その薄膜を変
質させずにフィルムに転写する独自技術により、硬くて脆いセラミックスを高い機能性
を維持したままで屈曲させることが可能となります。




5mm




FPC



Pb(Zr, Ti)O3 単結晶薄膜


フレキシブル Pb(Zr, Ti)O3 単結晶薄膜/FPC


1.本件のポイント
● 近畿大学生物理工学部の研究グループ独自のセラミックス単結晶薄膜転写技術と、
太洋工業株式会社のFPC開発技術を組み合わせることに成功した。
● 電極を備えたFPCに、本来は硬くて脆いセラミックス単結晶薄膜を直接接合で
き、機能性を維持したまま柔軟性のあるシート状のデバイスを開発することができ
る。
● 人 体 、 交 通 ・ 水 道 な ど 各 種 イ ン フ ラ の 表 面 に 沿 っ た 非 侵 襲 超 音 波 画 像 診 断 、 指 紋・
静脈認証等の入力用センサ、柔軟性を生かしたIoTデバイス向け発電等の応用等を
通して社会実装を目指す。




- 2 -
(別紙)プレスリリース資料

2.本研究の内容
今回の共同研究において、機能性セラミックス薄膜とFPCとを複合化するプロセ
スを開発しました。
一般的に電子機器は、製造された基板にセラミックス等からなる電子部品を半田で
実装し、通電することで電子機器としての機能性を示します。セラミックス等からな
る電子部品は一般に硬くて脆いことから、屈曲性の必要な部位や、曲面に沿わせる状
態 の 使 用 は 不 可 能 で し た 。 そ れ と 共 に 、 セ ラ ミ ッ ク ス の 製 造 時 に は 数 百 か ら 1000℃ 程
度の加熱・焼成が必要となることから、耐熱性の劣る樹脂フィルム、及び樹脂を使用
する基板材料上に直接形成することは不可能です。
FPCなど樹脂を使用する基板材料上に機能性セラミックス薄膜を転写する従来技
術では剥離・ひび割れが深刻だったのに対し、機能性セラミックス薄膜を電極ととも
に転写する西川教授の独自技術では、現状用いられている機能性セラミックスの性能
はそのままに、剥離・ひび割れなく機能性部品と基板全体を柔軟性のあるシート状の
デバイスにすることが可能となります。
開発した機能性セラミックス薄膜複合FPCでは、近畿大学の研究グループの単結
晶薄膜転写技術と、太洋工業株式会社のFPC加工技術を組み合わせて応用すること
により、FPCに形成した電極上に直接、機能性を有するセラミックス薄膜を接合し、
通電により機能性を発現させることに成功しました。
現 段 階 で は フ レ キ シ ブ ル Pb(Zr, Ti)O 3 単 結 晶 薄 膜 と F P C の 複 合 化 を 実 施 し て お り 、
柔軟性かつ強誘電性を示し、圧電素子として機能することが確認できており、従来の
セラミックスの塊を実装する技術では成し得なかった活用が可能になると考えていま
す。具体的な使用用途としては、全体がフレキシブル化されたシート状の超音波素子
を想定しており、人体をはじめ交通・水道など各種インフラの形状に沿った非侵襲の
超音波画像診断装置の応用や、指紋・静脈認証等の各種デバイスの入力用センサとし
ての応用、柔軟な性状を生かしたIoTデバイス向け発電素子としての応用等を見据
えて社会実装を目指していきます。
今 後 、 2023年 度 中 の サ ン プ ル 出 荷 を 目 指 し 、 詳 細 な ス ペ ッ ク 調 査 や 最 適 化 等 、 更 に
開発を進める予定です。

3.研究資金
本研究開発の一部は、公益財団法人わかやま産業振興財団 未来企業育成事業の補
助を受けて実施しました。
以 上

【本件に関するお問合せ先】
太洋工業株式会社 研究開発部 担当:廣﨑、髙垣
TEL:(073)431-6311 FAX:(073)432-5469

学校法人近畿大学 和歌山キャンパス学生センター 担当:中井、山本、神崎、永井
TEL:(0736)77-3888 FAX:(0736)77-7011
E-mail:bost-pr@waka.kindai.ac.jp




- 3 -

7529

新着おすすめ記事