ベトナム最大の国営企業ペトロベトナム・グループおよびLien Viteとスーパーソルガムの原料を活用し商用化を目的としたMOU締結のお知らせ

各 位
平成 27 年 11 月 27 日


会 社 名 株 式 会 社 SOL Holdings
代 表 者 名 代表取締役社長 赤尾 伸悟
(JASDAQコード・6636)
問 合 せ 先 取締役管理部長 中原 麗
電 話 03-3449-3939


ベトナム最大の国営企業ペトロベトナム・グループ
Vietnam Central Bio-fuels JSC.
および Lien Viet Group とスーパーソルガムの原料を活用し
「第一世代・第二世代バイオエタノール」製造の商用化を目的とし
た実証試験栽培の実施に関する MOU 締結のお知らせ




当社完全子会社である SOL ASIA HOLDINGS PTE. LTD. (本社:Singapore 日本支社:
東京都品川区、代表取締役社長 赤尾 伸悟、以下「SOL ASIA」
)は、ベトナム社会主義共和
国(以下「ベトナム」)の現地法人 Vietnam SOL Super Sorghum Co.Ltd.(本社:ホーチミ
ン、代表取締役社長 宮園 泰尊、以下「Vietnam SOL Super Sorghum」
)と Vietnam Central
Bio-fuels JSC.(本社:Eastert IZ, Dung Quat EZ , Binh Thuan Commune, Binh Son Dist
Quang Ngai Province、代表取締役社長 PHAM VAN VUONG、以下「ペトロベトナムオイ
(本社:4th floor, 5-storey building, Long Bien Golf Course , Ha
ル社」 および Lien Viet Group

)と
Noi City, Vietnam、代表取締役社長 HUYNH NGOC HUY、以下「リエンベトグループ」
の間でスーパーソルガムの原料を活用し「第一世代・第二世代バイオエタノール」製造の
商用化を目的とした試験栽培の実施に関する MOU を、平成 27 年 11 月 25 日に締結いたし
ました。


1.MOU 締結の概要
本試験栽培における其々の役割に関しては、Vietnam SOL Super Sorghum は、スーパー
ソルガム栽培技術の提供、ペトロベトナムオイル社は、バイオエタノール製造を専門に行
う企業であり、低コストで高い資産性のバイオエタノールを製造する目的でスーパーソル
ガムの栽培、加工することで投資収益力を検証、リエンベトグループは、地元の有力銀行



である為、当該共同事業へ資金面でのサポートを検討いたします。
Vietnam SOL Super Sorghum 及び、ペトロベトナムオイル社は、スーパーソルガムの生
長、収穫量と可能性を検証します。また、共同事業として 2017 年の正式製造に向けたバイ
オエタノールの製造工場準備のための主要な原料としてスーパーソルガムの実証試験栽培
を展開いたします。
なお、本 MOU の有効期間は、平成 27 年 11 月 25 日から平成 28 年 12 月 31 日となり試
験栽培の期間は、平成 27 年 12 月 17 日より1年間を目途に行われます。


2.ペトロベトナム・グループ概要
ペトロベトナム・グループは、ベトナム最大の国営企業でベトナム国内の事業を行う企
業の中で最大の売上、収益を生み出している企業です。ペトロベトナム・グループの主要
事業は、以下の5分野から成り立っています。


(1)石油・天然ガスの探査・生産事業
(2)石油精製・石油化学・バイオ燃料事業
(3)ガスの輸送事業
(4)電力発電事業
(5)石油サービス事業


今回、
Vietnam SOL Super Sorghum が MOU を締結しましたペトロベトナムオイル社は、
ペトロベトナム・グループのペトロベトナム石油公社の子会社となり、ペトロベトナム石
油公社が担当しているのは、原油の輸出入、石油の精製、バイオ燃料、燃料油販売を業容
とし、その中でペトロベトナムオイル社は、バイオ燃料の製造・販売を手掛けています。


3.リエベントグループ概要
リエンベトグループの主な事業は、金融、不動産、鉱物、運輸、農業の分野で構成され
ています。特に、金融サービス事業の Lien Viet Post Bank 以下、
( 「リエンベト郵便銀行」)
は、2010 年までは、ベトナム郵便貯金サービス会社のベトナム郵便公社内の独立採算組織
でありましたが、2011 年に民間銀行の旧リエンベト郵便銀行と合併し、民間商業銀行が誕
生いたしました。ベトナム郵便公社は全国1万箇所以上の郵便局を通じて金融業務を提供
しています。ベトナム郵便公社のネットワークの状況は、(1)郵便局 2,545 局、(2)受託
局 2,738 局、
(3)キオスク 38 局、コミューン・文化・郵便局 8,095 局、5)私書箱 1,495、
郵便局に加えて、リエンベト郵便銀行の約 80 店舗が 37 の省及び市にあります。リエンベ
ト郵便銀行は、バンキング、金融サービスを提供するために、ベトナム郵便貯金サービス
会社が 10 年以上使用してきた同社のネットワークを使用する権利を有しており、ベトナム
の 63 の省及び市にある 1 万箇所以上の郵便局ネットワークを使用できるようになります。
これにより、ベトナム農業農村開発銀行と並んでベトナムで最も大きなネットワークを有


する銀行となっています。さらに、郵便局ネットワークの有効活用に向けて、各郵便局を
オンラインで接続することが決定され、2013 年に 1,081 の郵便局をつなぐオンラインネッ
トワークが構築されています。


4.ベトナムにおけるバイオエタノール促進状況
ベトナムの総人口は 8,600 万人で、その内 71%が農村地域に居住しており、第1次産業
(農林水産業)が GDP に占める割合は 22%、労働人口 4,270 万人に占める割合は 57%で
あり、ベトナムにとって農業は重要な産業となっています。そのような背景の中、ベトナ
ム政府は、豊富な農作物でバイオマスをバイオエタノール混合ガソリンとしての利用促進
に取り組んでいます。
バイオエタノール混合ガソリンの導入目的は、地球温暖化対策などの国際的な環境への
関心の高まりだけではなく、安定的なエネルギー確保、エネルギー安全保障と農業振興の
観点から、化石燃料の代替燃料として世界的に導入の義務化が進んでおります。特に、バ
イオエタノール混合ガソリンは、近年不安定な原油価格の下落によりバイオエタノール混
合ガソリンの価格にも大きな影響を与えることが予想され、より価格競争力のあるバイオ
エタノール製造技術が求められております。


ベトナム政府は、再生可能エネルギーとしてのバイオ燃料に着目し、2007 年 11 月に
“Decision No.177 / 2007 / QD - TTg of November 20, 2007, Approving the Scheme on
Development of Biofuel up to 2015, with a Vision to 2025” (バイオ燃料開発プログラム)が
公布されました。この首相指令では、バイオ燃料の段階的な導入が謳われており、2010 年
に、15 万トン(国内需要ガソリン、ディーゼルの 0.4%に相当)
、2015 年に 25 万トン(同
1%) 2025 年に 180 万トン
、 (同 5%)のバイオ燃料を国内で利用する計画となっています。
その後、2009 年にアジア開発銀行(Asian Development Bank)がベトナム政府の協力によ
り作成した報告書では、2025 年のバイオエタノール生産目標は 60 万トン(約 76 万 kl)

バイオディーゼル生産目標は 120 万トン(約 136 万 kl)に設定されています。


バイオエタノールの流通面では、2010 年8 月にペトロベトナム・グループ系列のペト
ロベトナムオイル社が国内5 都市において「E5 ガソリン」の販売を開始され、バイオ燃料
の普及拡大に向けた取組みも着実に実行されています。まず、2011 年 11 月には、ベトナ
ムバイオ燃料協会(Vietnam Biofuel Association)が設立、2012 年 5 月には、副首相から
商工大臣に 2015 年6 月までに自動車やバイクにバイオ燃料使用を義務化するよう指示が
出され、バイオ燃料の貯蔵、輸送、流通に関する国家基準および優遇税制措置の策定を求
められています。また、ハノイ、ホーチミン、ハイフォン、ダナン、カントー、クアンガ
イ、バリアブンタウの計7つの省・中央直轄都市においては、2014 年 12 月1日から、道
路用車両向けに生産・販売されるガソリンを「E5 ガソリン」
(バイオエタノール 5%混合ガ
ソリン)にするとし、2015 年 12 月1日からはベトナム全土に拡大するとしています。さ


らに、ハノイ、ホーチミン、ハイフォン、ダナン、カントー、クアンガイ、バリアブンタ
ウにおいては、2016 年 12 月1日から使用するガソリンを「E10 ガソリン」
(同 10%)にす
ることとし、2017 年 12 月1日からはベトナム全土に拡大することとしています。


商工省は、
(1)このロードマップの実施を指揮し、毎年、首相に報告する(2)原料生産
地域の継続的な開発、バイオ燃料の生産施設および販売システムを構築、点検、監視する
(3)バイオ燃料の貯蔵・保管、輸送、販売に関連する国の技術基準を公布する(4)バイ
オ燃料の品質および混合比率について、バイオ燃料の生産・販売施設に適用する基準およ
び国の技術基準通りに守られているかを点検・監視する(5)バイオ燃料の使用を社会に呼
びかけ、奨励する活動を強化する(6)ロードマップを遂行するため、海外との協力活動を
推進し、海外の技術力を活用するなどの責任を負い、併せて商工省には運輸省および各地
方と協力し、公共交通機関においてバイオ燃料の使用を推進するためのプロジェクトの実
施も指示されています。


ペトロベトナム・グループは、このベトナム政府の方針に従い、ベトナム国内各地でバ
イオエタノールを販売するために、ベトナム北部・中部・南部でのプラント建設費用とし
て 2.7 億ドル(約 324 億円)を投資し、バイオエタノール年間製造量は、それぞれ 10 万キ
ロリットルで、合計で年間 30 万キロリットル (24 万トン)を生産。北部と中部は 2011 年、
南部は 2012 年に操業を開始されていますが、原料としてキャッサバが導入されており収量
と高生産コストの問題に直面しています。


このように、バイオエタノール生産事業の成否は、原料作物の安定的な確保に大きく依存
するため、原料とする作物の決定には慎重かつ合理的な判断が求められています。バイオ
エタノールの原料には、様々な作物を用いることが可能であり、例えば、米国のトウモロ
コシ、ブラジルのサトウキビ、タイのキャッサバなどが挙げられます。しかし、これら食
用作物の利用は、作物の市況に影響を受ける可能性が高いという問題があり、他方食料と
の競合問題を回避することを目的に、バガス(残渣)等のセルロース系原料が生産効率の
良いバイオ燃料の第二世代原料として注目を集めています。


バイオエタノールの製造工程は、原料によって異なり、植物体内において糖類が生産され、
糖類として蓄えられている作物(スーパーソルガム、サトウキビ等)の場合には、発酵・
蒸留の工程のみをバイオエタノール製造プラントに備えておけば良いことになります。こ
れに対し、でんぷん(キャッサバ、トウモロコシ等)、セルロース(木材、稲わら等)を原
料とする場合には、糖化までのプロセスを追加する必要があります。従って、スーパーソ
ルガムおよびサトウキビなどは、他の作物に比べてバイオエタノールの製造工程を簡略化
できるという利点があります。




バイオエタノールの原料作物として望ましい主な要件としまして、主に下記5点が挙げ
られます。
(1)高収量であること
(2)エネルギー変換効率が高いこと
(3)幅広い環境で栽培が可能であること
(4)労働集約的な栽培を必要としないこと
(5)年間を通じて原料が確保できること


スーパーソルガムは上述の前提条件に合致すると同時に「第1世代バイオエタノール」
の生産能力においても、インドネシア科学院との共同研究の結果、コーンやキャッサバ、
サトウキビなど他の原料に比べて優位性を有していることがわかっています。本試験栽培
では、これに加え高収量であるスーパーソルガムバガス(残渣、葉や茎などのこと)から
「第2世代バイオエタノール」の材料としての適応性を検討してまいります。材料として
の優位性が確認できた場合、コマーシャルスケールでの価格の競争優位性のある「第2世
代バイオエタノー ル」の導入にフォーカスして事業を推進します。
今後、Vietnam SOL Super Sorghum は実証試験栽培で得たロールモデルを基軸に、現在
ビジネス展開している ASEAN 諸国においてもイニシアチブをとり、エネルギーの問題、食
糧との競合問題、環境問題の解決を目指します。
また、各国の経済・農業の発展に貢献できるよう新たな発想・アプローチ方法による生
産性向上と高付加価値化を積極的に推進して参ります。


■Vietnam Central Bio-fuels JSC.の概要
・商 号:Vietnam Central Bio-Fuels JSC.(4300 387 080)
・本店所在地:Eastert IZ, Dung Quat EZ , Binh Thuan Commune, Binh Son Dist
Quang Ngai Province
・設 立:2009 年 8 月 15 日
・資 本 金:33 億円
・事 業 内 容:バイオエタノールを生産、販売
・代 表 者:代表取締役社長 PHAM VAN VUONG
・ペトロベトナムオイル社 公式ホームページ: http://bsr-bf.com.vn/
・ペトロベトナム・グループ 公式ホームページ:http://english.pvn.vn/


・ペトロベトナム・グループ主要子会社
<100%子会社>
ペトロベトナム石油ガス開発公社
ペトロベトナム石油公社
ペトロベトナム電力公社


ビンソン石油精製化学公社
ドンカット造船公社
ペトロベトナム・カマウ肥料公社
ライブー工業団地公社


<持株比率 50%以上の子会社>
ペトロベトナム・ドリリング株式会社
ペトロベトナム・テクニカル・サービス株式会社
ペトロベトナムガス株式会社
ペトロベトナム運輸株式会社
PV コム商業銀行株式会社
ペトロベトナム建設株式会社
ペトロベトナム化学肥料株式会社
ペトロベトナム石油化学ファイバー株式会社
ベトソブペトロ株式会社
ペトロベトナム・フォックアン港建設投資株式会社


<持株比率 50%以下の子会社>
PVI ホールディングス株式会社
ペトロベトナム総合サービス株式会社
ペトロベトナムドリル溶液化学製品株式会社
ベトナム・エナジー検査株式会社
ペトロベトナム・エンジニアリング株式会社
ギソン石油精製化学株式会社
ロンソン石油化学株式会社
オーシャン商業銀行株式会社
グリーン・インドシナ開発株式会社
ロスベトペトロ株式会社
ガスブロムベト株式会社
ペトロベトナム・ファイナンス


■Lien Viet Group の概要
・商 号:Lien Viet Group (0104296584)
・本店所在地: 4th floor, 5-storey building, Long Bien Golf Course , Ha Noi City, Vietnam
・設 立: 2009 年 4 月 12 日
・資 本 金:112 億円
・事 業 内 容:金融、鉱物、不動産、運輸、農業 他


・代 表 者:代表取締役社長 HUYNH NGOC HUY
・リエンベトグループ 公式ホームページ:
http://lienvietgroup.com.vn/en/about-us/lien-viet-group.html
http://www.lienvietpostbank.com.vn/
http://www.himlam.com/en.html
・グループ主要子会社
Lien Viet Post bank
Himlam JSC


■第 1 世代・第 2 世代バイオエタノールの概略




「第1世代バイオエタノール」
スーパーソルガムを原料とした「第1世代バイオエタノール」の生産量は 17,700Lであ
り、トウモロコシの 3倍、 サトウキビの 2~3 倍の生産量を誇る。 栽植密度:100,250

株における 2012 年度 LIPI 試験データより)





「第2世代バイオエタノール」
高収量を誇るスーパーソルガムバガス (残渣)から製造する「第2世代バイオエタノール」
は、他の原料と比べても 生産効率が高いことが見込まれる。また、当該 LIPI との共同研究
により、より効率的な前処理方法を模索し、更なる 生産効率の向上を目指しています。

1. ペトロベトナムオイル社




2. リエンベトグループ 代表取締役社長 HUYNH NGOC HUY(左)Vietnam SOL Super
Sorghum 代表取締役社長 宮園 泰尊(中央)
、ペトロベトナムオイル社 代表取締役社長
PHAM VAN VUONG(右)





3. SOL ASIA、Vietnam SOL Super Sorghum、ペトロベトナムオイル社、リエンベトグループ




4. ペトロベトナムオイル社 バイオエタノール製造工場





5. ペトロベトナムオイル社 バイオエタノール製造工場




6. ペトロベトナムオイル社 スーパーソルガム実証試験栽培候補地#01.





7. ペトロベトナムオイル社 スーパーソルガム実証試験栽培候補地#02.




8. リエンベトグループ リエンベト郵便銀行





9. リエンベトグループ リエンベト郵便銀行




10. リエンベトグループ ヒムラム社





11. リエンベトグループ ヒムラム社




以 上





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