ミネベアは、千葉大学、日本IBMと共同実証研究した結果を基に「ベッドセンサーによる生体情報モニタリングシステム」の一年以内の製品化を目指します

                                                                                                           

2015 年 11 月 27 日

会社名 ミネベア株式会社
代表者名 代表取締役 社長執行役員
貝沼 由久
(コード番号 6479 東証第1部)
問合せ先 広報室長
小峯 康生
( T E L 0 3 - 6 7 5 8 - 6 7 0 3 )

ミネベアは、千葉大学、日本 IBM と共同実証研究した結果を基に
「ベッドセンサーによる生体情報モニタリングシステム」の一年以内の製品化を目指します


ミネベア株式会社(以下「ミネベア」)は、ひずみゲージを応用した計測機器を使い、千葉大学大学
院医学研究院および千葉大学医学部附属病院、日本アイ・ビー・エム株式会社(以下「日本
IBM」)と共同で、生体情報モニタリングシステムの開発を視野に実証研究しました。ミネベアは、
本実証研究の結果を基に、一年以内の製品化を目指します。

この生体情報とは、ベッド上の人の体重、体動、及び呼吸状態をモニタリングする基となる
①呼吸の有無やその回数推定、②呼吸 1 回あたりの換気量(呼吸の深さ)、③呼吸のパターンを指し
ます。事前の実証における生体情報の分析では、日本 IBM 東京基礎研究所の高度な機械学習技術
を活用しています。

共同開発者の千葉大学病院医療安全副病院長であり千葉大学大学院医学研究院麻酔科学の磯野
史朗教授は、「ベッド上の呼吸状態は、医療や介護の現場において患者や被介護者の身体状態を
見守るため重要な情報で、睡眠時呼吸障害や呼吸不全、心不全などの疾患に伴う症状把握や治療
上投与された麻酔薬、鎮痛薬、などの副作用による呼吸抑制症状の把握に非常に有用です。特に
注意が必要と考えられる場合は体にセンサーを付けモニターしますが、入院患者の 90%以上では
数時間に一回程度のチェックのみで、その間に急変ということも珍しくありません。これらの
情報を非侵襲で連続的に観察できる本システムは、多くの人命を救う可能性がある」と期待を
込めて解説しています。

本システムの最大の特徴は、非侵襲、非接触でリアルタイムに生体情報を観察することが可能な
点です。このため被験者は、モニター装着による活動制限、不快感や違和感によって生ずる不眠
などから解放され、快適な入院生活を送りつつ、命を見守られているという安心感を得ることが
できます。

リアルタイムで定量化したデータが、医療関係者へ情報提供されることは、看護記録(バイタル
記録)へ呼吸状態の自動入力・表示や看護師へ呼吸状態悪化の自動送信を可能にします。これは、
早期発見・早期治療による医療の安全性を高めるばかりでなく、看護師の夜間患者チェックの
回数を減らすことで、看護師の仕事量が軽減され、患者の睡眠の質も改善すると考えられます。

今回の共同研究では、ベッドへ後付け可能な荷重センサーによって、体重のみならず、より小さ
な体動、さらに呼吸の回数や深さ等の測定に取り組み、成果が見られました。体動と呼吸等の
分析で、睡眠・覚醒の区別が可能となり、不眠や夜間認知機能障害などへの早期対応と治療・
転倒転落事故の予防も期待できます。従って、これらの生体情報は、不幸にして医療事故が発生


した場合にも、詳細な原因究明のための重要な手がかりとなり、将来の医療事故防止に役立ちま
す。 

本システムを基にした医療サービスは、ミネベアの提供する高精度荷重センサーと、日本 IBM
など IT サービス会社が有する機械学習及びクラウド技術※1 の組み合わせで実現します。また、
非侵襲で測定されたベッド上の人の長時間に亘る生体情報を分析し、睡眠の改善や医療事故に
つながる情報を、機械学習で効率良く判別することが可能になります。

ミネベアは、このような機械学習機能を持つクラウドサービスと本システムを基としたアプリ
ケーションを載せた医療クラウドのサービス(SaaS※2)について研究開発いたします。

今後、千葉大学医学部附属病院において磯野教授監修のもと、医療現場で臨床研究を実施し、
2016 年度中の製品化を目指します。

ミネベアでは、臨床研究で実証を重ねた後、国内医療機関での実用を見込み、2020 年度 40 億円
程度の売り上げを目標としています。なお、売り上げ目標の前提となる潜在市場規模を 1,200 億
円とし、これは当面拡販を目指す国内 400 病床以上の医療施設における総病床数を対象として
います。

さらに、医療施設における実績を背景として、高齢者サービス施設、介護ならびに在宅診療など
一般家庭向けまで市場領域を拡げ、拡販する意向です。

【中長期のビジネスプラン】 

 STEP1 千葉⼤学病院など医療機関における実証・実⽤ STEP2 医療機器メーカーと連携、 OEM納⼊モデル
(医療ベッド、⽣体情報モニター、ナースコールモニターメーカーなど )

ミネベア
(ベッドセンサーほか) 医療機関
ミネベア 医療機器メーカー
⽇本IBM (ベッドセンサーほか)
データ解析ソフト 医療サービス会社
院内ネットワークを通じ、既存の
国内170万病床、
アプリケーションと⼲渉せず 医療機器メーカー、その関連会社
モニターする 海外1,170 万病床が
潜在需要 や連携している既存の
医療サービス会社を活⽤する 医療機関

⇒ ハード納⼊ルート、⽮印は、情報サービス提供ルート
 

語句解説 

※1IBM では、クラウド上でアプリケーションを開発し、稼働するためのクラウドサービス
「IBM Bluemix」を提供しています。IBM Bluemix は、クラウド環境において、機械学習などの
最先端の技術を活用するアプリケーションの迅速な開発、高いセキュリティーの確保、運用管理
の効率化などを支援するクラウドサービスです。

※ SaaS(Software as a Service)は、ユーザーが必要に応じてアプリケーションソフトウェア

やシステムをネットワーク経由で利用するサービスです。



 

 

 

 


【磯野 史朗教授 プロフィール】
千葉大学医学部附属病院 副病院長(医療安全)
千葉大学大学院医学研究院麻酔科学教授

千葉県勝浦市生まれ。千葉大学医学部麻酔科に入局後、千葉県救急医療センターなどでの勤務、
カナダ留学を経て、平成元年に再び千葉大学医学部附属病院へ。専門は、麻酔科学、呼吸生理
学、睡眠医学。

【ミネベアの概要】

(1)名称 ミネベア株式会社
(2)本店所在地 長野県北佐久郡御代田町大字御代田 4106 番地 73
(3)代表者の役職・氏名 代表取締役 社長執行役員 貝沼 由久
ベアリングなどの機械加工品事業、
(4)事業内容
電子デバイス、小型モーターなどの電子機器事業
(5)資本金 68,258 百万円 (2015 年 3 月末現在)
(6)設立 1951 年 7 月
(7)決算期 3 月 31 日
日本マスタートラスト信託銀行株式会社 (信託口) : 7.64%
(8)大株主及び持株比率 日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社 (信託口) : 5.51%
公益財団法人高橋産業経済研究財団: 4.08%
(2015 年 3 月末現在)
(9)純資産 (連結) 233,679 百万円 (2015 年 3 月末現在)
(10)総資産 (連結) 490,043 百万円 (2015 年 3 月末現在)
(11)売上高 (連結) 500,676 百万円 (2015 年 3 月期)

単体: 3,852 名(2015 年 9 月末現在)
(12)従業員数
連結:69,833 名(2015 年 9 月末現在)


【日本 IBM の概要】
(1) 名称 日本アイ・ビー・エム株式会社
(2) 所在地 東京都中央区日本橋箱崎町 19-21
代表取締役社長執行役員
(3) 代表者の役職・氏名
ポール与那嶺
(4) 事業内容 情報システムに関わる製品、サービスの提供
(5) 資本金 135,300 百万円
(6) 設立 1937 年 6 月 17 日
(7) 決算期 12 月 31 日
(8) 大株主及び持株比率 有限会社アイ・ビー・エム・エイ・ピー・ホールディングス:
100%(2014 年 12 月 31 日現在)
(9) 純資産 (連結) 337,951 百万円(2014 年 12 月 31 日現在)
(10)総資産 (連結) 780,576 百万円(2014 年 12 月 31 日現在)
(11)売上高 (連結) 881,034 百万円(2014 年度)
(12)ミネベアとの関係 資本関係、人的関係等はありません

以上


■報道関係お問い合わせ先 : ミネベア株式会社 広報室
TEL 03-6758-6703 FAX 03-6758-6718


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