新製品開発に関するお知らせ

平成 28 年 6 月 28 日
各 位
会 社 名 株式会社昭和真空
代表者名 代表取締役執行役員社長 小俣邦正
(コード:6384)
問合せ先 取締役執行役員管理本部長 田中彰一
電話番号 042-764-0385



新製品開発に関するお知らせ

当社は、このたび光学薄膜形成装置「Genesis-AR Series」の開発を完了し、平成
28 年7月より販売を開始することを決定いたしましたので、お知らせいたします。

1.新製品開発の経緯
当社は、光学デバイス向けの薄膜形成装置を重要な事業の柱として位置づけております。特にレ
ンズへの反射防止膜形成装置は当社の主力製品として、多くのお客様にご使用いただいております。
光学薄膜プロセスでは、一般的に蒸着法やスパッタ法が成膜手法として知られております。しか
しながら、ボールレンズや高曲率レンズなどをはじめとする複雑な形状の基板が登場すると、蒸着
法やスパッタ法では基板の部位によって膜厚が異なるなど、付き回りの良い薄膜形成が困難である
ことが課題として浮き彫りになりました。そこで当社では、蒸着法やスパッタ法とは異なるALD
(Atomic Layer Deposition)の手法を用いることにより、複雑な形状のレンズ基板に対して、高品
質で付き回り性に優れた薄膜形成を可能とする装置を提供し、光学デバイスメーカのご要望に応え
るべく装置開発をするにいたりました。

2.新製品の概要
(1)製品名
光学薄膜形成装置「Genesis-AR Series」
※ARは反射防止(Anti-Reflection)の意味です。

(2)
「Genesis-AR Series」の特徴
①ALDによるレンズへの反射防止膜の形成を実現する量産装置
ALDとは、原子堆積法という単原子層を1サイクルで成膜する手法です。ステップカバ
レッジ(段差被覆性)が高いため、ボールレンズや高曲率レンズに対しても付き回り性に優れ
た成膜が可能となりました。レンズの中心、外周部、立ち面、凹凸面など、どの位置において
も同様の分光特性を得ることができます。

②膜厚制御は成膜サイクル管理のみ
ALDでは繰り返すサイクルの回数により膜厚を制御するため、一原子層レベルの均一なレ
イヤーコントロールが可能であり、クラックやピンホールのない高品質で精密な膜を再現性よ
く成膜することができます。

③低温成膜への対応が可能
樹脂レンズなど低温成膜を必要とする基板にも対応が可能です。
④自動化への拡張が可能
蒸着装置では、基板の着脱や蒸着材料の補充の際に人による作業を必要としておりましたが、
本製品では前後工程とつなげるなど自動化への拡張が可能な機構となっております。

以上の他にも「バッチ内、バッチ間膜厚分布に優れる」「省電力・省スペースに対応(当社蒸

着装置比)、
」「10 インチ基板最大 50 枚一括処理(25 枚×2 軸)
」といった特徴があります。
当社は本製品が使用されることにより、光学デバイス(レンズ)メーカの歩留まり改善や品質
向上や次世代光学デバイスの開発等に貢献できるものと考えております。
今回、ALDによる光学薄膜形成装置として本製品をリリースいたしますが、本製品の応用範
囲には大きな可能性が秘められており、今後の光学分野以外への広がりにも期待しております。

(3)販売開始時期等
2016年7月より販売開始
販売予定価格:7,000万円/台
販売目標台数:10台/年

3.今後の見通し
新製品販売開始のために特別に支出する費用は予定しておりません。
本件が、当期業績予想に与える影響は軽微でありますが、本製品の販売進捗により業績予想の修正
が必要と判断される場合は、速やかに開示いたします。

以 上

(参考)当期連結業績予想(平成 28 年5月 12 日公表分)及び前期連結実績 (単位:百万円)
親会社株主に帰
連結売上高 連結営業利益 連結経常利益 属する当期純利

当期連結業績予想
10,000 950 900 700
(平成 29 年3月期)
前期連結実績
10,099 1,201 1,144 1,180
(平成 28 年3月期)

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