世界初の小型作業機用2ストローク水素エンジン、安定運転に成功 農機等のプロユース作業機でもゼロエミッションを目指す

2023 年 11 月 24 日
各 位
会社名 株式会社丸山製作所
代表者名 代表取締役社長 内山 剛治
(コード:6316 東証スタンダード市場)
問合せ先 取締役管理本部長 高取 亮
(TEL 03-3252-2271)




世界初の小型作業機用 2 ストローク水素エンジン、安定運転に成功

農機等のプロユース作業機でもゼロエミッションを目指す




当社は、刈払機をはじめとする OPE※製品に搭載可能な小型2ストロークエンジンにおいて、世界
初となる 100%水素燃料での安定運転に成功しました。これにより排出ガスのクリーン化を実現
し、さらなる環境保全とプロユースの作業性の両立、カーボンニュートラルに向けた水素利用研究
に取り組んでまいります。




※OPE:園芸用・農業用・林業用などで用いる小型屋外作業機。Outdoor Power Equipment の略
称。




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2 ストローク水素エンジン エンジン構造図


開発の背景


カーボンニュートラル社会の実現に向け、OPE 作業機においても CO2 を排出するエンジンからモ
ーターへの電動化が進んできています。しかし、高負荷で長時間の作業が必要なプロ向け作業機
では過酷な使用条件が求められるため、すべてを電動化することは困難と言われています。


今回、安定運転に成功した小型2ストローク水素エンジンは、エンジンを真横にしたり逆さにしたり
しても問題の無い作業性を実現しました。さらに水素を燃料としているので、排出するガスがほぼ
水(H2O)となり、作業機のクリーン化を実現します。


◾️作業機における2ストローク水素エンジンの特長


2ストロークエンジンは、自動車などに使用される 4 ストロークエンジンに比べシンプルな構造の
ため、人が手に持ったり背負ったりするための小型軽量化が可能になります。また、排気弁や吸
気弁といった動弁系を持たないため、メンテナンス性にも優れます。


2ストローク水素エンジンの課題として、燃焼室内の残留ガスが火種となる自着火現象が発生す
るプレイグニッションがありました。そこで当社では、プレイグニッションを防止するために、水素燃
料をエンジンに導入する場所とタイミングを見直し、圧縮前の低温環境の燃焼室へ燃料を導入し
ました。また、オフセットシリンダを採用することで、高温の燃焼済みガスの残留を低減し、さらに
低温の空気のみで掃気工程を行うことによって燃焼室内の温度低減を実現しました。これにより
自着火現象による不具合を防ぎ、水素燃料での安定運転を可能としました。


また、潤滑オイルはクランクケースの別通路からクランクシャフトへ供給する構造としました。最も
潤滑を必要とするコンロッドのクランクシャフト側のベアリングに直接オイルを供給する構造となっ




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ており、現行エンジンと同等の 8,000rpm 以上の高速運転も可能となっています。




2ストローク水素エンジン燃焼のしくみ


今後の展開


テストでは量産タイプの排気量 80cm3、単気筒2ストロークガソリンエンジンをベースに試作機を
作成し、水素燃料による安定運転を実現しました。現在は試験ベンチ上のエンジンで水素は外部
供給設備での運転ですが、今後はカセットボンベ方式の採用と部品の小型化を図り、屋外作業が
可能な試作機を作成予定です。さらに製品の動力源としての水素エンジンの可能性を探ります。


当社は今回開発した2ストローク水素エンジンをはじめ、今後も持続可能な社会の実現に向け、
技術開発や製品・サービスの提供を進めてまいります。


■本件に関するお問い合わせ先
株式会社丸山製作所
広報担当 榊原
TEL:03-3252-2275(直通) FAX:03-3258-9137
Email :sakakibaray@maruyama.co.jp
URL:https://www.maruyama.co.jp/




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