金型部品のパンチ工業、民間企業で世界初の月面探査に挑むダイモンと技術パートナー契約を締結

2023年5月16日
各 位
会 社 名 パ ン チ 工 業 株 式 会 社
住 所 東 京 都 品 川 区 南 大 井 六 丁 目 22番 7 号
代 表 者 名 代表取締役 社長執行役員 CEO 森久保 哲司
(コード番号:6165 東証プライム)
問 合 わ せ 先 経営戦略室 広報IR課長 松 田 隼人
TEL. 03-5753-3130



金型部品のパンチ工業、民間企業で世界初の月面探査に挑むダイモンと
技術パートナー契約を締結

当社は 2023 年 5 月、ロボット・宇宙技術開発ベンチャーの株式会社ダイモン(以下、ダイモン)と技術
パートナー契約を締結し、ダイモンが手掛ける月面探査計画「Project YAOKI(ヤオキ)」の一員として参画す
ることとなりましたので、お知らせいたします。





1.株式会社ダイモンの概要
(1) 名 称 株式会社ダイモン( Dymon Co., Ltd. )
(2) 所 在 地 東京都大田区大森南 4-10-20(本社)
(3) 代表者の役職・氏名 代表取締役/CEO/CTO 中島 紳一郎
ロボット・宇宙技術開発ベンチャー
(4) 事 業 内 容 月面探索車 YAOKI を中核として、月面探査事業、地上ロボット事業、
教育エンタメ事業など
(5) 資 本 金 80,000 千円
(6) 設 立 年 月 日 2012 年 2 月


2.月面探査計画「Project YAOKI」の概要
ダイモンが開発した月面探索車 YAOKI を月面に輸送し、月面走行および月表面の接写画像データの獲得を
行い、資源確保や居住区など人類の活動拠点構築に向けた月面探査を行うプロジェクトです。
2023 年には米国の民間企業インテュイティブ・マシーンズ社のミッション IM-2 において打ち上げる月着
陸船 Nova-C に YAOKI が 1 台搭載され、着陸後に月面へ落下して探査を開始する予定です。


●YAOKI の特長―超小型、超軽量、高強度
重量:徹底的に無駄を省き、4 輪以上が常識とされる車輪を 2 輪とし、
わずか 498g と、従来比 1/10 の超軽量小型を実現。


強度:通常、数回で十分とされる強度解析を 100 回以上繰り返し、
100m 落下に耐える高強度を達成。


性能:球形の車輪で本体を覆い、上下対称にする事で、転倒しても
走行が可能。


「七転び八起き」を由来として YAOKI と命名。

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3.技術パートナー契約締結の理由
月面探索車への3Dスキャナ計測サービスの提供を契機に、金型部品、FA部品・機器の製造で培った技術
力を活かし、金属部品加工や金属一体化技術「P-Bas🄬」による新素材開発で、ダイモンとともに
Project YAOKI を成功に導くお手伝いをするほか、航空宇宙産業への貢献を目指します。
当社は今後も、発展が見込まれる宇宙分野への展開を積極的に進め、技術力の向上を図ります。


4.航空宇宙産業に貢献するパンチ工業の技術
(1)製品測定
3Dスキャナによる形状測定サービス「3D計測パートナーズ」の技術を活用し、設計と実機の精度保
証や、ケースと本体のクリアランス(隙間)仮説検証などを行います。
当社では 2016 年より、現物を3Dスキャナで3Dデータ化し、図面がない部品などを復元する「リ
バースエンジニアリング」事業に取組んでいます。この測定技術を活用し、NASA から求められている品
質保証要件を満たし、月への YAOKI 打ち上げの土台作りに貢献します。
また、転倒しても走行が可能という特長を持たせるためには、車輪と本体の間に適切な隙間が必要です。
「3D計測パートナーズ」では、その数値をデータ化し検証することで、最適な寸法を導き出します。


(2)新素材開発
「P-Bas🄬」の焼結技術により、 YAOKI の車輪用の、軽量かつ耐摩耗性、耐熱性に優れた新素材
を開発します。P-Bas🄬「接合」「焼結」の2つの技術は、どちらも専用の設備で複数の金属部品や
金属粉末を加圧・加熱して対象物を加工する技術です。
本件では「焼結」の技術を使い、軽量で耐摩耗性、耐熱性に優れた合金を開発し、YAOKI 車輪への使用
を目指しています。
※「P-Bas(ピーバス:Punch Bonding and sintering)
」は、接合(bonding)と焼結(sintering)の
技術を意味する当社独自の造語


(3)金属加工
YAOKI の車輪と本体をつなぐ、モーター軸固定用部品の加工(高硬度アルミ材)で YAOKI 開発に貢献しま
す。1975 年の創業以来、当社が培ってきた、お客様の図面の通りに加工するオーダーメードの「特注品」
加工で、超精密加工が要求され難易度の高い航空宇宙産業の部品加工も手掛けます。


5.今後の見通し
月面探査は、2027 年から月面基地の建設が開始し、使用されるロボットは探査車から建機(電動式、超
軽量式)になり、2030 年には月面基地が建造予定とされています。地下空洞を居住区として利用し、各種
ロボットの移動距離も長距離かつ、高速が求められる時代が到来すると見込まれています。
当社は、これら予想される未来に対し、先行して宇宙ビジネスに参入し、複合材新素材の活用(建機な
どの足回り)などで得られた技術を地球上での既存事業や新規事業に活用すること、また、宇宙ビジネス
以外の市場でも活用することで、より社会から必要とされる企業となることを目指します。
当社は、中期経営計画「バリュークリエーション 2024」において、ものづくりにおける自動化・省人化
需要を新たな成長エンジンにして、常に「お客様の第一候補」であり続けることを「当社のありたい姿」
として設定しており、本業務提携により、
「バリュークリエーション 2024」で掲げる施策の「受注サービス
の強化」や「P-Bas🄬 」「航空宇宙関連の強化」の更なる推進を図ります。

以 上




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