純銅系粉末を用いた3Dプリンティング技術開発に関するお知らせ

2020 年7月 15 日
各 位
上場会社名 メック株式会社
代表者 代 表 取 締 役 社 長 前田 和夫
(コード番号 4971)
問合せ先責任者 コーポレートコミュニケーション室 室長 坂本 佳宏
(TEL 06-6401-8160)


純銅系粉末を用いた3Dプリンティング技術開発に関するお知らせ

当社は、市販の金属3Dプリンタに広く搭載されている、汎用出力のファイバーレーザで造形可能
な純銅系材料の3Dプリンティング技術を、地方独立行政法人大阪産業技術研究所との共同研究によ
り開発いたしました(特許番号6721934)。



1.開発の背景
3Dプリンティング技術は金属積層造形技術とも呼ばれており、従来の加工法では成形不可能
な複雑形状の製品を迅速に製造することを可能にし、軽量化や種々の機能を付与できる技術です。
近年の3Dプリンティング技術においては、鉄鋼系、アルミニウム系、チタン系材料等ですで
に実用化が進んでおります。一方、銅系材料については、一部の銅合金では実用化されておりま
すが、優れた導電性・熱伝導性が期待される純銅系材料については実用化に至っていませんでし
た。その主な理由は、一般的な純銅粉末は、市販の金属3Dプリンタに広く搭載されているファ
イバーレーザに対する反射率が高いことがあげられます。そのため、汎用的に搭載されているレ
ーザの出力で純銅粉末を溶融させ、高密度な造形物を得ることは困難でした。
当社は電子基板事業で培った銅表面処理技術を活かし、銅以外の金属を含まない、エネルギー
吸収率の高い純銅系粉末を開発するに至りました。


2.事業の概要
当社では、本技術を用いた造形物が、一般的な純銅粉末で作製した従来の造形物と比較して、
高密度かつ高導電性を有することを確認しております。
今後は、特許のライセンス提供により、本技術をご活用いただけるよう検討を進めてまいりま
す。
純銅系材料の優れた導電性・熱伝導性と、3Dプリンティング技術の少量多品種生産、複雑形
状への対応により、航空宇宙、産業機械分野を中心とする様々な産業における技術革新に貢献し
てまいります。


3.今後の見通し
現時点で、本件が当連結会計年度の業績予想に与える影響は軽微であると考えますが、今後修
正の必要性および公表すべき事項が生じた場合は速やかに開示いたします。
以上
(参考)
写真1:粉末の外観




従来品 開発品


写真2:円柱造形物の断面(直径8mm×高さ10mm)




従来品 開発品

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