東映アニメーションとPFN AI技術によるアニメ制作効率化の実験的取り組みを共同で実施

2021 年 3 月 12 日

各 位
東 映 ア ニ メ ー シ ョ ン 株 式 会 社
代 表 取 締 役 社 長 高 木 勝 裕
(J ASDA Q コード番号 :481 6)
問い合わせ先 専務取締役 吉谷 敏
電話番号 03-5318-0639



東映アニメーションと PFN、
AI技術によるアニメ制作効率化の実験的取り組みを共同で実施

東映アニメーション株式会社(以下、東映アニメ)と株式会社Preferred Networks(プリファードネットワー
クス、以下、PFN)は、AI技術を活用してアニメ制作を効率化すべく、PFNの深層学習による画像変換技術、
セグメンテーション技術などを映像制作に活用する実験的な取り組みを共同で行いましたので、お知ら
せ致します。



1、概要
東映アニメの新規IP研究開発チーム「PEROs」(※)が本年2月に公開した、佐世保市を舞台にした実験
映像『URVAN』(ウルヴァン)の背景美術制作に、PFNが開発するアニメの背景美術制作支援ツール
Scenify™(シーニファイ)が活用されました。
詳細は下記URLからご確認ください。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000065.000059287.html




今回、東映アニメで、長年にわたり背景美術制作の技法を培ってきた製作部 美術課、AIの活用に取り
組んできたデジタル映像部 テクノロジー開発推進室、そしてPEROsが連携し、約5分間の実験映像
『URVAN』を制作するにあたり、PFNの画像変換およびセグメンテーション技術を応用して開発された
Scenifyを活用しました。同作品では、実在する佐世保の風景をアニメ調・サイバーパンク調の2つの画風
で表現しており、現地で実際に撮影された風景写真からScenifyでアニメ調の背景素材に自動変換するこ
とで、美術クリエイターが画像の前処理工程に要する時間を従来の約1/6に大幅短縮することができまし
た。Scenifyは、同作品で制作した背景美術の約2/3に使用されています。この技術の活用により、美術クリ
エイターは作業負担・工数を削減することができ、クリエイティブの自由度・振れ幅が大きいサイバーパン
ク調の背景制作により多くの時間を充てることが可能になりました。

また、Scenifyの開発では、背景美術の制作に必須となる、背景画像からキャラクターに接する部分・手前
にくる部分(BOOK)を自動的に切り出す「BOOK分け」機能、画像の一部を除去した後の空白を自然に塗
りつぶす「スマート塗りつぶし」機能、さらに、Scenifyをクリエイターの制作ワークフローに組み込みやすく
するためのプロトタイプUIの開発も行いました。
今後の展開について
今後は、東映アニメにおけるアニメ作品(TVアニメーション・アニメ映画)制作にScenifyを適用することを
目指して、さらに機能開発を進めていきます。
両社はこれからも、東映アニメの「伝統」とPFNの「最新技術」の融合によるアニメ制作の「革新」、そして、
新たな映像表現に挑戦していきます。

※ PEROs(ペロズ)
東映アニメ大泉スタジオにおける試作開発と実験的研究(Prototyping and Experimental Research in
Oizumi Studio)を目的とした取り組みです。
1956年の創立以来60年以上にわたり、日本のアニメーションの「開拓者」として挑戦し続けてきた東映ア
ニメーション独自の演出・作画技法等の「伝統」に CG・xR・AI等の最新のデジタル技術による「革新」を加
え、常識にとらわれない「想像力」と、それを具現化する「創造力」を組み合わせ、新たな映像表現への挑
戦とオリジナルIPの開発を行います。また、ベテランスタッフが培ってきた東映アニメーション独自のノウ
ハウを若手スタッフに継承して、人材育成も行っていきます。
地方創生と産学協同をテーマにした「PEROs」第1回目の作品である実験映像『URVAN』のように、今後も
様々なテーマに挑戦し、ショートムービー、CM、テレビ、劇場、電子広告などの場所で挑戦していきま
す。

『URVAN』 について
『URVAN』(ウルヴァン)は、東映アニメのPEROsが、長崎国際大学人間社会学部 国際観光学科 尾場均
研究室の協力のもとで製作した、佐世保市を舞台にした約5分間の実験映像=パイロットフィルムです。リ
モートでのロケハンや最新のコミュニケーションツールを活用することで、舞台となった佐世保に一度も行
くことなく、地域の新たな魅力を創造する、コロナ禍におけるアニメ製作に挑戦した作品です。
■配信・放送情報
配信:東映アニメーション公式YouTubeチャンネル内 https://youtu.be/V4xzPH3NZuo
放送:テレビ佐世保 不定期放送
NIB長崎国際テレビ 3月末まで毎週金曜日10:15頃より「スッキリ」内の天気予報の背景映像(フィラー映
像)にて放送
Scenify について
PFNが開発したScenify(シーニファイ)は、画像変換およびセグメンテーション技術を応用したアニメの背
景美術制作支援ツールです。風景や建造物などの実写写真を素材に、簡単に様々な画風の背景素材を
生成することができます。Scenifyは、東映アニメのPEROsによる実験的な取り組みの一つとして、PFNの
最新技術でアニメの背景美術制作を支援することを目的に開発され、長崎国際大学協力による実験映像
『URVAN』の制作プロセスに初めて活用されました。

株式会社Preferred Networksについて
深層学習技術やロボティクスなどの先端技術を実用化することを目的に、2014年3月に創業。交通システ
ム、製造業、バイオ・ヘルスケアの3つの重点事業領域をはじめ、パーソナルロボット、プラント最適化、材
料探索、スポーツ解析、エンターテインメントなどの分野にも深層学習の応用領域を拡大しています。
2015年にオープンソースの深層学習フレームワークChainer™を開発。2020年6月に自社開発の深層学習
専用プロセッサMN-Core™を搭載したスーパーコンピューターMN-3がGreen500リストで世界1位を獲得。

Chainer™、MN-Core™は、株式会社Preferred Networksの日本国およびその他の国における商標または
登録商標です。

以 上

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