リゾートトラストグループが開発中のがん治療装置(BNCTシステム)が「希少疾病用医療機器」に指定

2023年12月22日


各 位



会 社 名 リ ゾ ー ト ト ラ ス ト 株 式 会 社
代 表 者 名 代 表 取 締 役 社 長 伏 見 有 貴
コ ー ド 番 号 4681東証プライム市場、名証プレミア市場
問 い 合 わ せ 先 サステナビリティ推進部長 牧 野 剛士
電 話 052-933-6519




リゾートトラストグループが開発中の
がん治療装置(BNCTシステム)が「希少疾病用医療機器」に指定

リゾートトラスト株式会社の連結子会社である株式会社 CICS(代表取締役社長:古川哲也、本社:東京都江東
区、以下「CICS」)が実用化に向けて開発を進める、ホウ素中性子捕捉療法用中性子照射装置「CICS-1」(以下「本
装置」)が、12 月 22 日付で厚生労働省より、皮膚血管肉腫に対する「希少疾病用医療機器」の指定を受けました。

CICS は 2019 年から本装置で、放射線治療の一種である「ホウ素中性子捕捉療法」(Boron Neutron Capture
Therapy:以下「BNCT」)の臨床試験を国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院(病院長:島田和明、東
京都中央区、以下「国立がん研究センター中央病院」)で進めています。今回の指定により、開発経費に対する助
成金や製造販売承認を目指した指導・助言などの支援を受けられます。また、国が優先して製造販売承認の審査
を行うため、医療の現場に速やかに提供されることが期待できます。

この支援制度は、国内での対象患者数が 5 万人未満で、医療上の必要性が高い等の基準を満たした医療機
器・医薬品の研究開発を加速するために、1993 年に創設されました。「希少疾病用医療機器」の指定は本装置が 2
年ぶり第 33 号目となり、これまでに 500 品目以上指定されている「希少疾病用医薬品」と比べて非常に珍しいと言
えます。

対象となった皮膚血管肉腫は、血管の内皮細胞から発生する悪性軟部腫瘍で、国内の年間患者数が 300 人程
度と非常にまれです。手術や薬物治療、放射線治療が行われていますが、患者さんへの負担が大きく、有効な標
準治療も確立されていないことから、新たな治療法の開発が求められています。

BNCT はホウ素と中性子の反応を利用してがん細胞を選択的に破壊する治療法で、切除不能な皮膚血管肉腫
の有望な治療法になり得るとして今回、指定を受けました。原則 1 回の中性子線の照射で治療が完了するため、患
者さんへの負担が少なく、QOL(生活の質)の向上に貢献できる点も評価されました。

リゾートトラストグループは 1994 年に陽電子放出断層撮影(Positron Emission Tomography)をがん検診に導入し
て、PET 普及に大きく貢献しました。その後、治療にも事業を拡大し、大学病院との研究活動や、がん先端免疫治
療施設の運営支援も行っています。

リゾートトラストグループのメディカル事業のスローガンである「人生 100 年時代の健康長寿・ウェルビーイングへ
の貢献」、さらには「がんで大切な人を亡くさない社会の実現」に向け、今回の指定を大きな弾みとして、目標とする
2026 年の装置実用化に向けて準備を進めてまいります。なお、本件に関する今期当社連結業績への影響は軽微
です。
希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品の指定制度について(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000068484.html



CICS-1 について

CICS-1 は、株式会社 CICS が開発した加速器型のホウ素中性子捕捉療法用中性子照射装置です。RFQ(高周
波四重極)直線加速器で加速した陽子をリチウムターゲットに衝突させることで中性子を生成するもので、人体への
悪影響の大きい高速中性子の混在が少ないことが特徴です。また生成する中性子のエネルギーが 800keV 以下と
低いため、BNCT に適した 10keV 程度のエネルギーに減速するための減速体系の小型化が可能となりました。




国立がん研究センター中央病院に設置されている
「CICS-1」




BNCT について

BNCT はがんの放射線治療の一種であり、ホウ素(10B)の中性子捕獲による核反応 10B(n,α)7Li を利用します。
がん細胞に特異的に取り込まれるホウ素(10B)化合物を投与することで、がん細胞内にホウ素(10B)を選択的に取り
込ませ、体外からエネルギーの低い中性子を照射します。このとき、ホウ素(10B)原子核が中性子を捕獲して核反応


B(n,α)7Li を起こし、α線と Li 原子核が放出されます。これらの粒子の飛程はそれぞれ約 9 µm 及び約 4 µm と短
く、細胞 1 個分の大きさに相当します。これらの飛程により、それぞれが持っている全エネルギーをがん細胞内にお
いて失うため、周囲の正常細胞に影響を与えることなくがん細胞を選択的に死滅させることができます。




【お問い合せ先 】

■臨床試験・機器に関するお問い合せ先

株式会社 CICS

〒135-0063 東京都江東区有明 3-5-7 TOC 有明ウエストタワー17F

TEL:03-3529-6301 Mail:tec@cics.jp

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