国内初、洋上風力発電事業向け水深50m対応の鋼製櫓を開発

2021年7月30日
川崎地質株式会社



国内初、洋上風力発電事業向け水深50m対応の鋼製櫓を開発

川崎地質株式会社(注1)は、三国屋建設株式会社(注2)と共同で、国内初となる水深
50m対応のボーリング用鋼製櫓(写真1)を開発しました。
現状の洋上ボーリング調査で使われる鋼製櫓や大型SEP足場等の仮設構造物(図1)は、そ
の適用限界が水深35m程度のため、より深い海域で着床式の風車基礎地盤調査を実施するこ
とは困難でした。開発した櫓は、ボーリングロッド座屈事故防止用の機能を備えるなど、こ
れまでに当社が携わった洋上の地質調査で培った様々なノウハウを生かした仕様となってい
ます。今回の開発は、櫓高の大型化や安全面における改良等によって、洋上風力発電事業に
おける広域的な地質調査の適用範囲を広げるものです。
当社は今後も、政府が進める「2050 年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」
に係る再生可能エネルギー事業の重要課題である、洋上風力発電事業の推進に大きく貢献し
て参ります。


・鋼製櫓の適用水深と特徴
✓ 洋上でボーリング調査を行う場合、通常、図1に示す仮設構造物を海底に設置します 。
その際、対象海域の海象、水深、および海底面の状況により 最適なものを選定しま
す。一般に、取り扱いの簡便さ、経済性、国内での利用実績等の面で、鋼製櫓がもっと
も良く用いられます。
✓ これまでの国内最大級の鋼製櫓は、水深35m程度の海域を対象とした櫓高40m程度のもの
でした。今回は、より深い水深50m程度の海域での調査を可能とするため、国内初の櫓
高57mの規模としました。
✓ 今回の開発は、三国屋建設株式会社(注2)が特許(特許第6844866号:水深に応じて最
適な櫓高を設定することが可能)を所有する既存の櫓に対し、櫓高の大型化や昇降設備
に対して改良を施したものです。
✓ 開発に際し、株式会社グリーンパワーインベストメント(注3)にご協力をいただきま
した。
水深に応じて最適な櫓高を設定することが可能

・再生可能エネルギー政策への貢献
✓ 川崎地質株式会社は、ボーリング調査のほかに音波探査等の海洋調査専門部署を持ち、
これまで、物理探査とボーリング調査の組み合わせ等、コストパフォーマンスの高い海
域地質調査を提案してきました。
✓ また、当社は、洋上風力発電事業向けの地質調査を対象に、他社とパートナーシップを
結び、調査の適用性拡大を目指しています。
* 中央開発株式会社と協働し、傾動自在型足場を用いた地質調査を提案
* 株式会社ウインドパルと協働し、船上からのCPT試験を提案
図1 調査に用いられる仮設構造物




写真1 設置中の大型鋼製櫓
【 関連リンク 】
•川崎地質株式会社
http://www.kge.co.jp/
•三国屋建設株式会社
https://www.mikuniya-web.jp/
•株式会社グリーンパワーインベストメント
https://greenpower.co.jp/


【 商標について 】
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

【 注釈 】
(注1) 川崎地質株式会社:本社 東京都港区,代表取締役社長 栃本 泰浩
(注2) 三国屋建設株式会社:本社 茨城県神栖市,代表取締役社長 和田 英司
(注3)株式会社グリーンパワーインベストメント:本社 東京都港区,
代表取締役社長 坂木 満

以 上
≪お問い合わせ先≫
川崎地質株式会社
ぬまくない
事業企画部(担当:沼宮内 信)
電話:03-5445-2071
受付時間:9時~17時00分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)

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