47都道府県 スギ花粉症に対する意識・実態調査

News Release
各 位
2017 年 4 月 25 日


≪47 都道府県 スギ花粉症に対する意識・実態調査≫

スギ花粉症が「完治しないこと」に患者の 78.5%が不満
一方で、ほぼ毎年医療機関を受診している割合は 30.1%に止まる
~医療機関を受診したことがない理由は、
市販薬での対応(35.4%)、受診しても治らないと思うから(30.5%)~


花粉症の現状と生活に及ぼす影響の実態
■ スギ花粉症を発症してから 10 年以上経つ人が 66.8%と、長年花粉症に悩まされている人が多い
という結果に
10 年以上経つ人が多い地域は静岡県、栃木県、群馬県、山梨県等が上位に
■ 重症度について 5 段階評価で「4」以上との回答は 44.0%にのぼる
「4」以上との回答トップ 3 は、新潟県、長野県、秋田県と東日本が並ぶ
■ 辛い症状では、「鼻水」と「目のかゆみ」が 1、2 位で患者さんの約 90%が辛いと感じている
「集中力の低下/眠気」を辛いと感じる人も 43.8%を占めるなど、日常生活への影響も

現状の対策と満足度
■ 「ほぼ毎年、病院・医院で受診している」と回答した人は、30.1%
「今までに、受診したことはない」人の理由として 1 位は「市販薬(薬局、ドラッグストアで購入できる
薬)で対応しているから」で 35.4%、2 位は「受診しても治らないと思うから」で 30.5%
■ 受けたことがある治療法で最も多いのは「飲み薬」で、67.6%が経験
「非常に満足している」と回答した人の割合は、皮下免疫療法や舌下免疫療法等のアレルゲン免疫
療法で他の治療法と比べ高い結果に
■ スギ花粉症の治療や対策で不満に思っていることの 1 位は「完治しないこと」

治療に対する理解度と情報の到達度
■ 治療法について、対症療法と根治療法があることを内容まで詳しく知っている人は 11.9%
■ 舌下免疫療法の内容を説明したところ、「治療を受けたいと思う」が 10.8%、「治療をやや受けたいと
思う」が 36.9%という結果に


鳥居薬品株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:髙木 正一郎)は、47 都道府県のスギ花粉症患者
さん 9,300 人(各都道府県の 15 歳~65 歳の男女各 100 人。沖縄のみ男性 43 人、女性 57 人)を対象に、
スギ花粉症に関する理解と対処の現状についてのインターネット調査を実施しました。スギ花粉症は、日
本の国民病と評されており、医療関係者や研究者、企業などによってスギ花粉症に関する様々な研究、
取り組みが行われています。一方で実際にそれらの情報が患者さんに届き、理解されることが必要です。
そこで、スギ花粉症患者さんの意識と情報到達の実態を調査し、分析しました(調査期間:2017 年 2 月
24 日~3 月 6 日)




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今回の調査では、主に次のような結果が得られました。



花粉症の現状と生活に及ぼす影響の実態

スギ花粉症を初めて発症してから 10 年以上経つ人が 66.8%と、長年花粉症に悩まされてい
る人が多いという結果に
10 年以上経つ人の割合が多い地域としては静岡県、栃木県、群馬県、山梨県等が上位に

今までにスギ花粉症と向き合ってきた期間を調べるために、スギ花粉症を最初に発症してからの経
過年数を尋ねたところ、66.8%が「10 年以上」経過しているとの結果になりました。多くの人が長
い年月にわたって、スギ花粉症に悩まされていることが浮き彫りとなりました。

「10 年以上」の割合が最も多かったのは、静岡県の 76.5%でした。2 位は栃木県で 73.5%、3 位は
群馬県、山梨県が共に 73.0%という結果となりました。



重症度について 5 段階評価で 4 以上と答えた人が 44.0%に達する
重症度の割合が高い地域としては新潟県、長野県、秋田県と東日本がトップ 3 を占める

スギ花粉症の重症度について 5 段階評価で尋ねました。軽度(症状がない場合)は「1」
、重度(耐
えられないほど辛い場合)は「5」として評価してもらったものです。その結果「4」が 34.0%、
「5」
が 10.0%と、
「4」以上と回答した人が 44.0%を占めました。

重症度「4」以上の割合が最も多かったのは、新潟県と長野県で共に 54.5%と過半数を占めました。
3 位には、秋田県が 50.5%で入っており、トップ 3 はいずれも東日本エリアになりました。

重症度においては、全ての都道府県で 30%以上の人が「4」以上と回答しており、多くの人が、辛
い症状に悩まされている現状が浮き彫りになりました。

*重症度はスギ花粉ピーク時の辛さを 5 段階で、アンケート対象者の主観で評価したものです。




辛いと感じる症状では、「鼻水」と「目のかゆみ」が 1 位、2 位で、患者さんの約 90%が辛いと
感じている
「集中力の低下/眠気」を辛いと感じる人も 43.8%を占めるなど、日常生活への影響が明ら
かに

辛いと感じる症状として 1 位は「鼻水」90.6%、2 位は「目のかゆみ」86.7%と約 90%が辛いと感
じている結果となりました。

「集中力の低下/眠気」が 43.8%、
また、 「睡眠への支障」も 23.3%の方が「辛いと感じている」と回
答しており、スギ花粉症は、不快感による辛い症状だけでなく、勉強や仕事、睡眠などの日常生活
にも悪影響を及ぼしている現況が浮き彫りになりました。





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現状の対策と満足度

ほぼ毎年、病院・医院で受診している人は、30.1%に止まる
今までに受診したことがない人の理由として 1 位は「市販薬(薬局、ドラッグストアで購入でき
る薬)で対応」で 35.4%、2 位は「受診しても治らないと思うから」で 30.5%

スギ花粉症の治療に対する意識と実態を知るために、医療機関(病院・医院)での受診経験につい
「ほぼ毎年、受診している」は 30.1%に止まりました。
て尋ねました。その結果、 「年によって受診
したり、しなかったりする」が 47.8%と最も多く、
「今までに受診したことはない」は 22.1%とい
う結果でした。スギ花粉症には悩まされながらも、医療機関で治療を受けることに対して、必ずし
も積極的ではないようです。

また、
「今までに、受診したことはない」と回答した人にその理由を尋ねたところ、1 位が「市販薬
(薬局、ドラッグストアで購入できる薬)で対応しているから」が 35.4%、2 位は「受診しても治
らないと思うから」で 30.5%という結果でした。セルフメディケーションの普及、
「病院・医院に行
っても治らない」との思いが医療機関での受診から遠のかせている実態がうかがえます。



受けたことがある治療法で最も多いのは「飲み薬」で、67.6%が経験
満足度では皮下免疫療法や舌下免疫療法等のアレルゲン免疫療法が高いという結果に

では、医療機関(病院・医院)で治療を受けている人の満足度はどうでしょうか。受けたことがあ
る治療法(現在治療中含む)としては、1 位は「飲み薬」で 67.6%、2 位は「目薬」48.4%、3 位は
「点鼻薬」48.1%という結果でした。

治療法の満足度において「非常に満足」と回答した割合は、
「飲み薬」13.4%、
「目薬」12.6%、
「点
鼻薬」11.0%でした。一方、
「舌下免疫療法」と「皮下免疫療法」は、受けたことがある治療(現在
治療中含む)としての割合は 1.0%、0.9%と低値でありながらも、
「非常に満足」と回答した割合で
はそれぞれ 22.3%、31.8%という結果でした。



スギ花粉症の治療や対策で不満に思っていることの 1 位は「完治しないこと」

スギ花粉症の治療や対策全般に対して不満に思っていることの 1 位は 「完治しないこと」 78.5%、

2 位は「花粉を防げない」で 49.9%、3 位は「マスクが煩わしい」で 40.8%という結果でした。
「完
治したい」との思いが強く、実現しない現状への不満が大きいようです。





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治療法に対する理解度と情報の到達度

治療法について、対症療法と根治療法があることを内容まで詳しく知っている人は 11.9%

スギ花粉症の治療には、症状の軽減を目的とした「対症療法」と体質改善を図ることで根本的に治
すことを目的とした「根治療法」の 2 つがあることについて、
「内容まで知っていた」と回答した人
は 11.9%に止まりました。



舌下免疫療法の内容を説明したところ、治療を受けたいと思う人が 47.7%

舌下免疫療法について、 「知らない」が 30.5%を占め、
「なんとなく聞いたことはある」の 36.5%と
合わせて 67.0%が舌下免疫療法について十分に認知していないことが明らかになりました。


これら回答者を含め、舌下免疫療法について内容を説明したうえで、この治療を受けたいと思うか
(治療中の人は継続したいかどうか)尋ねました。その結果、 「治療を受けたいと思う」が 10.8%、
「やや治療を受けたいと思う」が 36.9%で、合わせて 47.7%の方が舌下免疫療法を受けたいという
結果となりました。





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今回の調査結果から

日本医科大学耳鼻咽喉科教授・大久保公裕先生(本調査監修)先生のコメント


日本においては全国民の4人に1人がスギ花粉症と推計されており、今や国民病とも評されていま
す。スギ花粉症は 10~50 歳代の勉強や仕事に精力的に取り組む年代に幅広く発症しており、スギ花
粉症による QOL の低下やそれに伴う労働生産性の低下等の社会・経済的損失が問題になっておりま
す(※1)。今回の調査結果からも、改めてこれらの課題が鮮明になりました。


一方で、近年セルフメディケーションの普及、新たな治療法の登場によりスギ花粉症に対する対策、
治療の選択肢は増えています。
近年、保険適応されたスギ花粉症、ダニアレルギー性鼻炎に対する「舌下免疫療法」は、アレルゲン
免疫療法の 1 種です。アレルゲン免疫療法は、WHO(世界保健機関)が示した見解書(※2)の中でもアレ
ルギー症状を抑えたり軽減する薬物療法とは異なり、根治が期待出来る治療法として位置づけられて
います。


残念ながら日本では、今後もスギ花粉は毎年必ず多かれ少なかれ飛散しますので、ご自身のライフ
スタイルに合わせた対策、治療を適切に選択し、QOL 改善を図ることが重要です。
以上


(※1) スギ花粉症克服に向けた総合的研究(旧科学技術庁/2000)
(※2) WHO Position Paper Allergen immunotherapy:therapeutic vaccines for allergic disease.
Geneva:January27-29 1997




――本件に関するお問い合わせ先――
鳥居薬品株式会社 経営企画部 担当:加藤健人
電話:03-3231-6814 E-mail:webmaster@torii.co.jp





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