変形性関節症治療剤ONO-5704/SI-613の変形性膝関節症患者を対象とした国内第III相臨床試験結果の学会発表に関するお知らせ

2020 年 6 月 11 日
各 位
会 社 名 小野薬品工業株式会社
代表者名 代表取締役社長 相 良 暁
(コード番号 4528 東証第一部)
問合せ先 常務執行役員 コーポレート 谷 幸 雄
コ ュニ ーシ 統 長
ミ ケ ョン 括部
(TEL. 06-6263-5670)
会 社 名 生化学工業株式会社
代表者名 代表取締役社長 水 谷 建
(コード番号 4548 東証第一部)
問合せ先 執行役員 総務部長 鳥 居 美香子
(TEL. 03-5220-8950)



変形性関節症治療剤 ONO-5704/SI-613 の
変形性膝関節症患者を対象とした
国内第Ⅲ相臨床試験結果の学会発表に関するお知らせ

小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、以下「小野薬品」)及び生化学工業株式会社
(本社:東京都千代田区、以下「生化学工業」)は、国内において共同開発を進めている変形
性関節症治療剤 ONO-5704/SI-613 について、変形性膝関節症患者を対象とした国内第Ⅲ相臨床
試験の結果が、2020 年 6 月 11 日(木)から 8 月 31 日(月)にオンライン学術総会として開
催中の第 93 回日本整形外科学会学術総会にて、発表されたことをお知らせします。

<演題番号 3-12-15>
変形性膝関節症患者に対する Diclofenac etalhyaluronate(ONO-5704/SI-613)の第Ⅲ相試験

本試験は、変形性膝関節症患者 440 例を対象とした無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間
比較試験です。ONO-5704/SI-613 またはプラセボ(偽薬)を膝関節腔内に 4 週ごとに 6 回投与
し、ONO-5704/SI-613 の有効性と安全性を検討しました。
本試験の主要評価項目である WOMAC 痛みスコア(膝の痛みの評価指標、100mmVAS スケー
ル)において、初回投与後 12 週間(4 週ごとに 3 回投与)の投与前ベースラインからの平均
変化量の ONO-5704/SI-613 群とプラセボ群の群間差は-6.1mm であり、統計学的な有意差が認
められました(p<0.001) 。また、初回投与後 24 週間の平均変化量の群間差においても、
ONO-5704/SI-613 群はプラセボ群に対し統計学的な有意差(-5.6mm)が認められました(p=0.001)

さらに、副次評価項目である WOMAC こわばりスコア及び日常行動の困難度スコアにおいては、
初回投与後 12 週間のベースラインからの平均変化量について、ONO-5704/SI-613 群はプラセ
ボ群に対し統計学的な有意差が認められました。安全性の評価においては、有害事象の発生頻
度に両群間で差は認められず、また、臨床上の顕在化した問題は認められませんでした。

≪変形性膝関節症患者を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験(本試験)の概要≫
変形性膝関節症患者を対象に、ONO-5704/SI-613 を膝関節腔内に 4 週ごとに
目的 繰り返し投与したときの有効性について、プラセボに対する優越性を検証
する
試験デザイン 多施設共同、無作為化、プラセボ対照、二重盲検、並行群間比較試験
観察期間 初回投与後 24 週間
対象患者 40 歳以上 75 歳以下の男女


American College of Rheumatology の基準で変形性膝関節症と診断される
X 線所見で Kellgren-Lawrence 分類の grade2 又は 3
変形性膝関節症による疼痛が 1 年以上持続している
試験参加時の変形性膝関節症による疼痛が基準値を満たす
患者数と群間
440 例(ONO-5704/SI-613 群:220 例、プラセボ群:220 例)
割付
実施施設数 50 施設

実施期間 2017 年 4 月~2019 年 1 月
WOMAC A(痛み)スコア(100mm VAS)
主要評価項目
主要解析:初回投与後 12 週間のベースラインからの平均変化量
主な副次評価
WOMAC B(こわばり)スコア、WOMAC C(日常行動の困難度)スコアなど
項目
ONO-5704/SI-613(30mg/3ml)又はプラセボ(3ml)を 4 週ごとに 6 回、膝関節
投与方法
腔内に投与

なお、生化学工業は、2020 年 1 月に、本試験及び他の 2 つの第Ⅲ相臨床試験(*1)の結果に基
づき、国内において ONO-5704/SI-613 の変形性関節症(膝関節、股関節、足関節)の効能又は
効果に係る製造販売承認申請を行っています。
小野薬品及び生化学工業は、変形性関節症(膝関節、股関節、足関節)における新たな治療
の選択肢を提供することで、患者さんの生活の質の向上に貢献することを目指し、早期の承認
取得に向けて取り組んでまいります。

*1 ①変形性膝関節症を対象とした検証的試験(本試験)
②変形性関節症(4 部位:肩関節、肘関節、股関節、足関節)を対象とした臨床試験
③変形性関節症(5 部位:膝関節、肩関節、肘関節、股関節、足関節)を対象とした安全
性評価を主目的とする長期投与試験

≪ONO-5704/SI-613 について≫
ONO-5704/SI-613 は、生化学工業独自の薬剤結合技術を用いてヒアルロン酸とジクロフェナク
(抗炎症薬)を化学結合した薬剤です。ヒアルロン酸による関節機能改善効果に加え、ドラッグ
デリバリーシステム(*2)により徐放(*3)されるように設計されたジクロフェナクの鎮痛・抗炎症作
用を併せ持つことから、変形性関節症(膝関節、股関節、足関節)に見られる痛みや炎症を速や
かに、かつ持続的に改善することが期待されます。また、注射剤として関節腔内に直接投与する
ため、ジクロフェナクの全身曝露量が少なく、全身性の副作用のリスクが低いと考えています。
*2 ドラッグデリバリーシステム
薬物の量や放出する部位・期間を狙いどおりにコントロールする技術。
*3 徐放
薬剤の有効成分が徐々に放出されるよう調節し、治療効果を持続させること。
以 上

本件に関するお問い合わせ先
小野薬品工業株式会社
コーポレートコミュニケーション統括部 生化学工業株式会社
広報部 総務部 IR・広報担当
TEL:06-6263-5670 TEL:03-5220-8950
FAX:06-6263-2950





7537