JDSCが大阪大学大学院医学系研究科中性脂肪学共同研究講座と共同研究契約を締結

報道関係者各位
2024 年 2 ⽉ 27 ⽇
株式会社 JDSC
⼤阪⼤学


JDSC が⼤阪⼤学⼤学院医学系研究科中性脂肪学共同研究講座と
共同研究契約を締結
⼈⼯知能を⽤いた末梢⾎塗抹標本の解析による中性脂肪蓄積⼼筋⾎管症
(TGCV)の新規スクリーニング⼿法の研究を推進

株式会社 JDSC(本社:東京都⽂京区、代表取締役:加藤エルテス聡志、以下「JDSC」)と⼤阪⼤学⼤学
院医学系研究科 中性脂肪学共同研究講座(所在地:⼤阪府吹⽥市、特任教授(常勤):平野 賢⼀、以下
「平野研究室」)は、2024 年 2 ⽉ 27 ⽇、⼈⼯知能を⽤いた末梢⾎塗抹標本(まっしょうけつ・とまつひ
ょうほん)の解析による中性脂肪蓄積⼼筋⾎管症(Triglyceride deposit cardiomyovasculopathy、以下
「TGCV」)の新規スクリーニング⼿法開発に係る共同研究契約を締結しました。


TGCV は、2008 年に⽇本で⾒出された新しい疾患概念で、⼼臓の筋⾁や⾎管に中性脂肪(TG)が蓄積す
る結果、重症⼼不全、⼼筋症、狭⼼症、不整脈などを来す難病で、脂質異常症や⾼トリグリセリド⾎症と
は異なり、⼼筋・⼼⾎管細胞の TG 分解障害に起因します。TGCV では、⼼臓細胞内の TG 蓄積量は⾎
液中の TG 値、肥満度や体格指数とは相関せず、⼼臓が TG を筋⾁や⾎管に蓄えてしまう「⼼臓の肥満
症」と⾔える疾病です。TGCV は主に成⼈以降の壮年期に症状が出現し、胸痛などの虚⾎性⼼疾患の症
状のほか息苦しさ、息切れ、むくみなどの⼼不全症状、疲れやすいなどのエネルギー不全症状など、これ
らが複雑に絡んだ症状が⾒られます。


現在、TGCV については診断症例が蓄積されつつあり、その病態や確定診断のための検査、特異的治療
法の解明が進む⼀⽅で、いまだ患者の多くは TGCV の診断に⾄らないまま⼼不全、⼼筋症、狭⼼症など
の診断名で治療を受けています。これには、TGCV は⾎清 TG 値や体格指数、肥満度では診断できず、
結果としてスクリーニングが難しいという背景があります。平野研究室と JDSC はこの課題を解決する
ために、TGCV 診断において極めて重要なスクリーニング⼿法を新規開発する基礎研究を⾏います。具
体的には、TGCV 患者の顆粒球(かりゅうきゅう:⽩⾎球の⼀種で、細胞質内に豊富な顆粒を有するこ
とを特徴)に⾒られる異常所⾒に注⽬し、⼈⼯知能を⽤いた⾎液塗抹標本の解析を⾏うプログラムを作
成することでスクリーニングが可能か否かを検証します。共同研究において平野研究室は臨床的知⾒の
提供を担い、JDSC は機械学習モデルの構築を⾏います。
JDSC は「UPGRADE JAPAN」をミッションに掲げ、蓄積されたデータサイエンスの知⾒を基に、AI や
機械学習、数理最適化などの先端技術を社会実装することで、⽇本のアップグレードを⽬指します。今後
も、東京⼤学や各産業におけるリーディングカンパニーと連携し、ヘルスケア・製造・エネルギー・物流・
マーケティングを中⼼とした各種業界の DX を推進し、個社の課題だけでなく、業界の共通課題を解決
し、定量インパクトの創出からスケールさせるビジネス化までを⼀気通貫で提供していきます。
以 上


■中性脂肪蓄積⼼筋⾎管症 (Triglyceride deposit cardiomyovasculopathy, TGCV)
⼤阪⼤学⼤学院医学系研究科 平野特任教授らが我が国の⼼臓移植待機症例から⾒出した新規難病 (N
Engl J Med. 2008)。⾎清 TG 値や肥満度とは無関係に、⼼臓における細胞内中性脂肪(TG)分解障害に
より冠動脈や⼼筋に TG が蓄積する。これまで想定されていなかった TG の⽣体における役割を⽰すモ
デル疾患でもある。2009 年から厚⽣労働省や⽇本医療研究開発機構の難病事業として診断法、治療法開
発が進められている。2023 年 12 ⽉現在の累積診断数は 812 例、うち 120 例が既に死亡している。患者
の 95%は遺伝的原因が不明である。潜在患者数は 4-5万⼈と推定されており、多くの患者が未診断であ
ると考えられ、本症のスクリーニング法開発が強くのぞまれる。⽇本医療研究開発機構の⽀援を受けて
⼤阪⼤学でアカデミア開発された治療薬 CNT-01 は、厚⽣労働省から先駆的医薬品かつ希少疾病⽤医薬
品指定を受け、現在、国内製薬企業が検証的治験を実施している (jRCT2051210177)。


■株式会社 JDSC について https://jdsc.ai/
JDSC は、物流最適化や需要予測、フレイル検知や教育など、基幹産業を中⼼とした幅広い分野で、⼀気
通貫型の⾼付加価値な AI ソリューションを提供しています。アルゴリズムモジュールの開発とライセン
ス提供事業、IT システムの開発と運⽤事業、データサイエンスに関するビジネスマネジメント事業を⾏
い、業界全体の課題解決に AI を活⽤し、⽇本の産業のアップグレードを⽬指しています。


《JDSC の3つの特⻑》
1. AI アルゴリズムに関する技術⾯での豊富な知⾒
2. AI による解決策の提⽰から実⾏まで⼀気通貫で⽀援するビジネス⾯での⾼い執⾏能⼒
3. ⼤⼿企業との共同開発と産業横展開を両⽴する⽣産性の⾼いビジネスモデル


■⼤阪⼤学 ⼤学院医学系研究科 中性脂肪学共同研究講座 平野賢⼀(CNT)研究室について
https://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/tg/index.html
当講座では、難病(治療法がない病気、治療法が少ない病気)をやさしく(優しく、易しく)治すこと
を⽬指して研究しています。 我々が最も⼤切にしていることは、1⽇でも早く研究成果を患者さんに
還元できるように努めることです。中性脂肪、この⾝近だが、まだまだ不明な点が多い脂質を学び、⼤
阪⼤学から中性脂肪学(Triglyceride Science)に関するメッセージを発信し、国際的な健康問題の解決に
貢献していきたいと考えております。


【本プレスリリースに関するお問い合わせ先】
株式会社 JDSC 広報担当 info@jdsc.ai

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