カバレッジアナリストとの面談内容書き起こし公開のお知らせ

2023年5月18日
スパイダープラス株式会社
代表取締役社長 伊藤謙自
(東証グロース:4192)


カバレッジアナリストとの面談内容書き起こし公開のお知らせ


開催日時 :2023年5月17日(水)16時00分∼17時00分
本件に関するお問合せ先 :スパイダープラス株式会社 経営企画室 IR担当
メール問い合わせ先 :ir@spiderplus.co.jp
電話問い合わせ先 :03-6709-2834




【書き起こしに関する注意事項】

本書き起こしには、将来の見通しに関する記述が含まれています。これらの将来の見通しに関する記
述は、開催日時点の情報に基づいて作成されています。これらの将来の見通しに関する記述は、将来
の結果や業績を保証するものではありません。このような将来予想に関する記述には、既知および未
知のリスクや不確実性が含まれており、その結果、将来の実際の業績や財務状況は将来予想に関する
記述によって明示的または黙示的に示された将来の業績や結果の予測とは大きく異なる可能性があり
ます。

これらの記述に記載された結果と大きく異なる可能性のある要因には、国内および国際的な経済状況
の変化や、当社が事業を展開する業界の動向などが含まれますが、これらに限定されるものではあり
ません。

また、当社以外の事項・組織に関する情報は、一般に公開されている情報に基づいており、当社はそ
のような一般に公開されている情報の正確性や適切性を検証しておらず、保証しておりません。

本書き起こしは、情報提供のみを目的として作成しております。また、日本、米国、その他の地域に
おける有価証券の販売の勧誘や購入の勧誘を目的としたものではありません。

なお、本書き起こしの内容は、個人情報等への配慮、可読性への配慮、内容の重複した質問の統括、
決算及び事業に関する質問の取捨選択を行っていることから、実際の質問内容、回答内容とは一部異
なる記載をしておりま。
【質疑応答書き起し】


質問者:みずほ証券株式会社 エクイティ調査部 中川 義裕 様
回答者:スパイダープラス株式会社 取締役執行役員CFO 藤原 悠



質問1(ARPUについて)

今回の決算発表後に私が行った機関投資家との会話では、「KPIが全般的にバランス良く
伸びている」という評価もあれば、「目安としているARR30%成長に達していない」とい
うフィードバックもありました。
全体としては良い評価だったと感じていますが、「もっと成長して欲しい」という期待の
声もあります。
そんな中で、まず私が一番注目したポイントは、ARRの四半期比純増におけるARPUの伸
び、特にオプション拡販が進んでいることです。
そこで、オプション拡販の背景と、特に寄与が大きいオプションがあれば教えてくださ
い。

ARPUの向上は、今年の重点施策として狙って実施していることがしっかりと効果として表
れた結果だと考えています。

2023年2月に公表している2カ年計画(FY2024末:ARR50億円)の達成に向け、早期に3
0%以上の成長率へと加速させていくため、当年度は「既存顧客の開拓と浸透」を重点施策
としています。SPIDERPLUSを深く使っていただくことを重視しており、そのためのオプ
ションの拡販に注力しています。

特に導入が進んでいるオプション機能は、「指摘管理機能」です。これは、工事の進 状況
確認と是正工事の完了・未完了などの内容把握が簡単にでき、大幅な業務効率化につながる
機能です。業種や工事進 フェーズに関わらず利用いただける機能であり、SPIDERPLUS
を深く使っていただくための大事な機能と位置づけて販売を強化しています。

その施策がしっかり数字として跳ね返ってきていることから、当四半期は成長性を加速させ
ていくための施策が順調に進 した、と評価しています。

(指摘管理機能の紹介ページはこちら)
https://spider-plus.com/functions/1993/
質問2(ARPUについて)

その他の、業種特化型のオプションの販売状況はいかがでしょうか。

業種特化オプションもしっかり伸びていますが、「指摘管理機能」のほうが現状の業績貢献
は大きいです。
もちろん業種特化オプションも販売を強化しており、順調に施策が進んでおります。


質問3(ARPUについて)

今後、汎用型オプションのみでなく業種特化型オプションの導入も進むことでARPUの成
長性が加速していくというイメージでしょうか。


はい、そのとおりです。オプション機能の導入実績や利用状況をしっかり把握しな
がら、お客様に適した提供プランへの見直しも検討しています。提供プランの見直
しはプロジェクトチームを立ち上げ、様々な検証を進めています。


質問4(ID数について)

ARPUの他、ID数も1,400程度伸びています。既存顧客の伸びが大きいとのことでした
が、その内訳(企業規模など)を差し支えない範囲で教えて下さい。

ID数の伸びは既存顧客の伸びの割合の方が大きく、エンタープライズのお客様を中心に伸
びています。



質問5(解約につて)

解約によるARRの減少は4百万円とのことですが、解約に関する評価を教えてください。

解約率は月次平均0.6%と1%未満でコントロールできています。解約顧客の内訳としては、
規模が小さなお客様や非建設業のお客様が中心で、従来どおりの傾向です。



質問6(契約社数について)

契約社数について、純増数の顔ぶれを教えてください。

建設業界もしっかりと新規契約を増やせていますし、建設業界以外のエンタープライズ顧客
の新規開拓もできました。
SPIDERPLUSが強みを発揮するゼネコン・サブコン以外の業種、例えばプラントやデベロ
ッパー等、建設周辺領域のお客様にも新規導入いただきました。
質問7(営業状況について)

FY2023はエンタープライズの既存顧客への浸透が重要施策という理解をしております。
その中で、昨年顧客の導入意思決定が先送りになっていた案件は、第1四半期では一部進
したのでしょうか。

はい、ご認識のとおりです。もともと建設業は3月決算が多いため、建設業の2023年度
(2023年4月∼2024年3月)の予算に回る前提でいた案件について、現場への提案・導入支
援実績を積み重ねる中で、当四半期に成約に繋がったものもあります。
「SPIDERPLUSを深く使っていただく」ための施策として「現場を回る」という施策も重
視しています。



質問8(営業状況について)

「現場を回る」というのは具体的にお客様の建設現場に出向くということでしょうか。

はい、建設現場に足を運ぶこととご理解ください。現場訪問の比率を高めることは短期的に
は非効率に見えますが、SPIDERPLUSの豊富な機能をしっかり使っていただき、現場での
導入実績を積み上げることが、今後成長性を効率的に高めるうえで重要となります。
もちろん、短期的に非効率な側面がある施策も効率的に実行できるよう進めています。



質問9(FY2023.Q1トピックスについて)

「遠隔操作支援機能」は、顧客の利便性を高めるという観点で非常に重要な機能という印
象を受けました。そして決算説明会では、この機能を使ったカスタマーサポートを将来的
に有償化するというコメントもありましたが、その方針について教えてください。

「遠隔操作支援機能」を用いたサポート機能は、お客様の価値向上に貢献していくと考えて
います。
「遠隔操作支援機能」は、まずは当社のサポートセンターで活用しておりますが、ゆくゆく
は「お客様同士が教え合う」ような機能に進化することも考えられます。しっかり付加価値
を高めていくことと合わせて、有償化も選択肢の一つとして検討していくことになります。



質問10(FY2023.Q1トピックスについて)

「遠隔操作支援機能」によるサポートが有償化する時期は来年度以降のイメージでしょう
か。

この機能に関しては「育てる」フェーズにいると考えておりますので、有償化するとしても
ご認識のとおり、もう少し先になると考えています。
質問11(知財戦略について)
昨日開示した知財を含め、知財戦略について教えて下さい。

当社は、業界特化型のバーティカルSaaSとして、知財活用による競争優位性の構築が企業
価値向上に繋がると考えています。そのため、プロダクトやサービスについて知財で守りな
がら事業を進めていくという方針で知財戦略に取り組んでいます。

昨日開示した知財「詳細図自動切り出しAI」は、当社のBPOサービス「SPIDERPLUS ASSI
STANT」の業務運用で活用される特許です。この特許は、建物構造図から特定の詳細図面
を自動で切り出す作業の自動化を特許としています。この自動化により当社のBPOサービ
スの業務運用が効率化されます。



質問12(競合状況について)

SPIDERPLUSは、提供領域を施工管理でさらに深くするとともに、DX領域も少しずつ幅
広くしていく方針とイメージしています。
その中で、今年上場したBIM関連のサービスを提供している建設DX企業と将来的には競
合する可能性もあるのでしょうか。

両社ともに建設DXサービスを提供しているので、「長期的に競合する部分があるか」と言
われれば、「競合する部分も局所的には出てくるかもしれない」との回答となります。注力
している領域やビジネスモデルも異なっていますし、競合というよりは建設DXを共に盛り
上げていく関係性と考えています。



質問13(競合状況について)

競合企業に比べてSPIDERPLUSが上手くいっている部分と、もっと頑張らなければなら
ない部分があれば教えてください。

当社のSPIDERPLUSは、施工管理領域において顧客とともに開発してきた豊富な機能郡と
対応業種の広さが特徴です。特定領域や特定機能に特化してとがらせたプロダクトと当社の
一機能を細かく比較していけば、劣るところはあるかもしれませんが、SPIDERPLUSが総
合的に提供できる価値が劣っているとは思っていません。

今後の競争環境を考えると、顧客数や財務状況など企業規模の違いも成長スピードに表れて
くると考えています。しっかりと先行投資も大規模に進めることができており、将来的な成
長率の差につながっていくとみています。
質問14(営業戦略について)

現在の営業チャネルは直販と取次店の2つと理解しております。
直販の営業手法として、どのような営業施策を取り入れているか教えてください。伊藤C
EOのトップセールスも気になります。

直販については顧客全体の現場導入実績を積み上げながら、戦略的に伊藤CEOを始めとし
たトップセールスを組み入れております。また、SPIDERPLUSを深く使っていただくこと
が重要であると考えているため、先行投資で構築した営業組織を強化し、個人・組織ともに
能力を最大化させるためのイネーブルメントにも取り組んでいます。



質問15(海外戦略の進 について)

海外事業の注力国として挙げているタイ・ベトナムの進 を教えてください。

注力国選定から間もないことから、現在はロードマップのフェーズ1という位置づけとご理
解ください。同国に展開している日系大手ゼネコン様に導入いただくことや将来に向けた代
理店・取次店等のネットワーク構築に力を入れています。



質問16(海外戦略の進 について)

海外への展開が業績貢献してくるタイミングを教えてください。

国内の事業規模はとても大きく、働き方改革関連法の適用等の需要の高まりを考慮すれば、
業績貢献という点では今年・来年は国内事業の貢献がとても大きいです。しっかりと国内を
成長させていく中で、海外事業を注力国中心に育てていく方針です。



質問17(アライアンス戦略の進 について)

チェンジ社との自治体向けDXは自治体の特性を考えると業績貢献は長期目線の話になる
か教えて下さい。

着実に進めていますが、自治体予算確保に時間を要することなどを踏まえると、自治体DX
が業績に貢献してくるのは2025年度くらいではと考えています。
チェンジ様とのアライアンスは自治体にSPIDERPLUS等を使っていただくのみでなく、自
治体から仕事を受注している地場建設会社様への普及も狙っているため、そちらの方が結果
が早くでると見込んでいます。
質問18(市場環境について)

決算説明会で、「2024年に向けて建設会社各社の意識・意欲が変わってきた」という手
応えを感じているコメントが伊藤社長からありましたが、そこについて深堀りして解説し
ていただけますしょうか。

「2024年の働き方改革関連法適用への対応」を意識して動き始めているお客様との商談が
増えています。
当社が約1年前に実施した建設業従事者に対して広く実施した「働き方改革関連法」に関す
る認知度調査では、その認知度は16%程度でした。
そして、伊藤CEOが行う商談の中でも「2024年への対応」ということが話題にあがる機会
が増えており、そういった事業環境の変化を踏まえたうえでの、説明会での発言とご理解く
ださい。

(当社が実施した認知調査についてはこちら)
https://jobs.spiderplus.co.jp/spider-class/984
スパイダープラスから中川アナリストへの質問


質問1(市場環境について)

建設セクターをカバーされているということで、通期決算や中期計画を新たに開示した建
設会社との取材を通した各社の建設DXへの取り組み状況などアップデート情報があれば
教えて下さい。

全般的な傾向として、業種問わず建設会社の多くが生産性を高めなければいけないという課
題意識を持っています。具体的には2024年の働き方改革関連法適用に向けた対応だけでな
く、建設業界の出来高が多い状況の中で、施工キャパシティの面でも生産性を高めなければ
ならないという問題意識を持っています。

一方で、2024年の法適用に向けた各社の対応スピードには差がでています。
ある大手建設会社様は「2024年問題には前倒しで対応する」と言って行動されております
が、「まだどんな影響がでるか分からないので様子見で対応する」という方針の会社もいら
っしゃいます。DXへの対応スピードも同様に、各社異なっているという状況です。



質問2(SPIDERPLUSの普及状況について)

建設各社への取材の中で、施工管理領域のDX対応としてSPIDERPLUSの名前が出てくる
こともあるのか教えてください。

「SPIDERPLUSを標準使用としている」という声や、「DXツールを積極的に取り入れてい
る中でSPIDERPLUSも活用している」という声を聞きます。
1年前よりも名前がでてくることは増えている印象で、業界的な知名度上がっていると感じ
ます。



質問3(建設DXの将来展望について)

建設会社各社への取材などを踏まえて、建設DXはどのように発展していくと考えられま
すでしょうか。

先進的な企業は、建設の上流から下流までの全てをデジタルとテクノロジーで管理していく
プラットフォーム構想を掲げているので、プラットフォーム化の流れになっていくのではと
考えています。


以上

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