令和2年度戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)のお知らせ

2020年11月4日
各 位
会社名 ティアンドエス株式会社
代表者名 代表取締役執行役員社長 武川 義浩
(コード番号:4055 東証マザーズ)
問合せ先 取締役執行役員業務本部長 木下 洋
(TEL.045-263-8286)


令和2年度戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)のお知らせ


当社は、中小企業庁(経済産業省)が公募した令和2年度「戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイ
ン事業)※1」に、国立大学法人東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センター及びパワ
ースピン株式会社との共同研究として採択され、当研究開発が開始されましたので、詳細について
下記の通りお知らせいたします。


1.採択事業について
<研究開発計画名>
スピントロニクス/CMOS Hybrid LSI の設計技術及びソフトウェア開発と実用化
<参画研究機関>
国立大学法人東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センター
パワースピン株式会社
ティアンドエス株式会社
<事業管理機関>
国立大学法人東北大学
<研究開発の概要>
東北大学発ベンチャー企業であるパワースピン株式会社(本社:宮城県仙台市、代表取
締役社長:政岡徹、以下 パワースピン㈱)が主たる研究等実施機関となり、中小企業・小
規模事業者の研究開発支援事業である「令和 2 年度戦略的基盤技術高度化支援事業(サポ
※1
イン事業) 」 に応募し採択されました。本事業は、パワースピン株式会社がティアンド
エス株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:武川義浩、以下 ティアンドエス
㈱)と国立大学法人東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センター (所在地:宮城
県仙台市、センター長:遠藤哲郎、以下 東北大学 CIES)と研究共同体を組み連携する研
究開発体制となっています。
東北大学 CIES が、Society5.0※ 2 の実現を目指して国際産学連携体制で進めてきた、低
消費電力かつ低価格な「スピントロニクス/ CMOS Hybrid LSI 技術」が、現在世界の潮流
技術となっており、従来のシリコン技術に比べ消費電力を 1/100 以下に低消費電力化す
る事が可能です。本技術をさらに、低消費電力アプリケーションプロセッサ事業化へ展開
して行くためには、LSI 回路設計における PDK(プロセスデザインキット) ※3 や IP※ 4 ライ
ブラリの開発、および LSI を動かすための FM(ファームウェア) ※5 やソフトウェア開発
キット(SDK) ※6 の準備が急務となっています。つまり、新しい技術が世に出るために
は、必ずしも LSI の性能だけで決まるのではなく、PDK や SDK 等の開発環境整備による回
路設計とソフトウェア開発効率向上や、コスト低減も大きな事業化の鍵となります。
本研究開発事業では、パワースピン㈱がハードウェア(回路設計、PDK、IP、設計ツー
ル)開発を行い、東北大学 CIES はそのハードウェア開発につなげる基盤技術(デバイス
パラメータ抽出技術、特性解析技術等)の提供と事業管理を行い、ティアンドエス㈱がソ
フトウェア(FM/SDK)開発を行うことで、3者が一体となってスピントロニクス/CMOS
Hybrid LSI にかかる回路設計/システム設計/ソフトウェア実装効率の向上を実現する技
術基盤の構築を進めます。
本事業により拓かれる革新的スピントロニクス/CMOS Hybrid LSI デバイスにより、1)
従来のレベルを遥かに超える超低消費電力性能とそれによる演算性能の向上に加えて、 2)
製造コストの削減、3) 製造工程の短縮、4) 設計効率の向上と設計コストの削減、5)ソフ
トウェア開発効率の向上と開発コストの削減など、将来のアプリケーションプロセッサに
求められる要件を達成することで、IoT 社会のフィジカル空間におけるエッジシステム側
に、キラーアプリケーションの新規市場を創出し、新たな産業波及効果とともに Society
5.0 の実現に貢献します。


【用語説明】
※1:戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)とは、サポイン事業とは、「特定もの
づくり基盤技術高度化指針」に合致した研究開発計画を有し、「中小ものづくり高度化法」
の計画認定を受けた中小企業者や小規模事業者が大学、公設試験研究機関等と連携して行
う、製品化につながる可能性の高い研究開発、試作品開発等及び販路開拓への取組を一貫
して支援する事業であり、研究開発費用の一部が補助されます。
※2:Society 5.0 とは、内閣府が提唱する「超スマート社会」のこと。IoT によりサイバー
空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展
と社会的課題の解決を両立することを目指す社会。
※3:プロセスデザインキット(Process Design Kit)は、チップ設計フローにおいて電子設計
自動化(EDA)ツールとともに使用する、データとスクリプト・ファイルをまとめたものであ
る。
※4:LSI を構成するための部分的な回路情報で、特に機能単位でまとめられているものを指
す。
※5:ファームウェア(FM)とは、電子機器に組み込まれたコンピュータシステム(ハードウェ
ア)を制御するためのソフトウェアで、ソフトウェアを集積回路(LSI)にあらかじめ書き込ま
れた状態で、機器に組み込んだもの。
※6:Software Development Kit は、一般に、特定のソフトウェアパッケージ、ソフトウェアフ
レームワーク、ハードウェアプラットフォーム、コンピュータシステム、オペレーティングシス
テム、ゲーム機などのためのアプリケーションを作成するためにソフトウェア技術者が使用する
開発ツールのセットを意味する。


3.今後の見通し
本発表による 2020 年 11 月期の当社業績に与える影響は軽微であります。なお、開示すべき事項が
発生した際には、速やかにお知らせいたします。


以 上

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