高性能カーボンナノチューブを用いた「電子部品製造工程用制電シート」の製品化について

2021年1月20日
各位
会社名 株式会社大阪ソーダ
代表者名 代表取締役社長執行役員 寺田 健志
コード番号 4046(東証第一部)
問合せ先 取締役上席執行役員管理本部長
植田 祥裕
TEL (06) 6110-1560(代表)


高性能カーボンナノチューブを用いた「電子部品製造工程用制電シート」の製品化について


当社は、医療用キャビネット、カート製造および樹脂成形加工メーカーのサカセ化学工業株式
会社(以下サカセ)と当社の高性能カーボンナノチューブ分散液(以下、CNT 分散液)を用いた
新規粘着素材を共同開発し、「電子部品製造工程用制電シート」として製品化しました。
当社では、2017 年に株式会社名城ナノカーボンから eDIPS 法 ※ による単層カーボンナノ
チューブ(以下 CNT)の製造技術を導入し、量産化および分散技術の開発を行っています。この
製法により製造される CNT は体積抵抗が 10-4Ω・㎝レベルの世界最高水準の導電性能を有してい
ます。今般、当社が独自に開発した CNT 分散液は、サカセの粘着素材に対して ppm オーダーの極
めて微量な添加量で高い導電性能を発揮します。これにより素材自体に「透明性」
「制電性」
「粘
着性」「低アウトガス」といった優れた性能を付与することができ、従来の電子部品製造工程用
制電シートに施すコーティングやカーボン添加が不要となります。さらに、この制電シートは、
光の上下透過、搭載物の裏面検知を可能とし、多彩な画像認識・検知方法に対応できるため、特
に電子・精密部品の検査工程の自動化や受け入れ時間の短縮に貢献します。
今後、当社は CNT の合成から分散液までの一貫したモノづくりを推進し、付加価値の高い用
途に特化した市場開拓を進めるとともに、AI や IoT、5G の普及にともなう半導体をはじめとす
る電子部品および周辺素材の高性能化、軽量化などの要求に対応した素材開発に注力してまい
ります。




当社 CNT 分散液 電子部品製造工程用制電シート

※改良直噴熱型分解合成法:製造時の不純物が非常に少なく連続生産が可能な高性能 CNT の合成技術

以上

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