<バイク王調査レポート>【2023年】コロナ禍でなぜ中古バイク価格が高騰?その理由と今後の市場動向に切り込む!3

2023 年 6 月 15 日
報道関係各位
バイク未来総研
https://www.8190.jp/bikelifelab/notes/bikefuture/



<バイク王調査レポート>
【2023 年】コロナ禍でなぜ中古バイク価格が高騰?
その理由と今後の市場動向に切り込む!③

バイク業界のよりよい未来を考え、新しい価値を調査し、分析した内容を広く社会に発信することを
目的に活動を行うバイク未来総研(所在地:東京都港区、運営:Bike Life Lab supported by バイク王)
は、中古バイクの価格高騰について独自考察を交えたレポートを同オウンドメディア内にて公開いたし
ました。

2020 年から続く新型コロナウイルスの蔓延、それに伴うバイク
部品や半導体不足・物流の混乱・生産遅延など断続的に発生したも
のの、 国内の新車出荷台数は上昇の傾向を見せました。 2023 年は
コロナ需要により大きな盛り上がりを見せた 2022 年と比較する
と前年比で軽二輪(126~250 ㏄)、小型二輪(251 ㏄以上)な
どの排気量でマイナスとなっており、全体としては落ち着きを見
せています。
バイク未来総研では、中古バイクにまつわるデータや当時の社会
情勢から読み解き、第一回調査レポートでは、過去 10 年間のオーク
ション相場から見る中古バイク価格について考察しました。
第二回調査レポートでは、注目される 6 車種に絞り過去 3 年間の中古オークション相場から見る需要の
変化について考察しました。
最終回となる今回は、コロナウイルスへの対応や意識が変化し続ける状況を加味した上で最新 2023 年
のデータまで読み解き、今後の中古バイク市場動向を考察していきます。

※本リリースの調査結果を転載される際は、必ず「バイク未来総研調べ
(https://www.8190.jp/bikelifelab/notes/bikefuture/20230615/)」とご明記ください。
※本リリースに関する画像が必要の際は下記連絡先までご一報ください。




プレスリリースに関するお問い合わせ先
株式会社バイク王&カンパニーバイク未来総研
東京都港区海岸 3-9-15 LOOP-X 13F
広報 PR チーム 担当:佐々木、赤松
TEL:03-6803-8855 E-mail:prir@8190.co.jp
■コロナ環境が変化する中、バイクの相場状況に変化はあった?
第一回の調査レポートでは、2022 年 5 月までの中古二輪オークション相場の掲載と考察を行いました
が、今回は 2023 年 4 月までのデータまで伸ばしその推移を見ることとしました。
以下は国内の中古バイク、すべての排気量を合計したオークション相場です。 (中古車データグラフは年
間 10 万台以上の買取台数を誇るバイク王独自データ集計により作成)



中古二輪オークション相場総計推移
350,000
300,000
250,000
200,000
150,000
100,000
50,000






2021年8月
2019年4月
2019年6月
2019年8月


2020年2月
2020年4月
2020年6月
2020年8月


2021年2月
2021年4月
2021年6月




2022年2月
2022年4月
2022年6月
2022年8月


2023年2月
2023年4月
2019年10月
2019年12月




2020年10月
2020年12月




2021年10月
2021年12月




2022年10月
2022年12月
※バイク王調べ




2020 年の平均価格が 181,187 円に対し、2021 年の平均価格は 237,352 円と、平均価格は 56,165 円
上昇。2022 年に入り、ウクライナ侵攻による先行き不安に見舞われた時期の 3 月には平均価格は下落、落
ち込んだオークション相場は同年 5 月には盛り返し、秋の行楽シーズンとなる 2022 年 10 月には過去最
高となる 303,226 円を記録しました。その後、冬の需要低下の時期には一旦落ち着くものの、2 月より再
び回復の兆しを見せています。また、1 年間の平均価格で見ると、2021 年は 237,352 円で 2022 年は
271,822 円と前年と比較し 34,470 円の上昇を見せています。


中古四輪オークション相場総計推移
1,400,000
1,200,000
1,000,000
800,000
600,000
400,000
200,000

2019年4月
2019年7月


2020年1月
2020年4月
2020年7月


2021年1月
2021年4月
2021年7月


2022年1月
2022年4月
2022年7月


2023年1月
2019年10月




2020年10月




2021年10月




2022年10月




※(株)ユー・エス・エス開示情報





上記は中古 4 輪オークション相場の推移です。2022 年 9 月の 1,221,000 円をピークに、2023 年 3 月の
898,000 円まで 30 万円以上の振り幅を見せています。中古 2 輪市場は 4 輪ほど大きな振り幅はなく年間

をならして見ると緩やかな上昇線を見せているため、 輪市場特有の市場推移であり、 堅調な推移であると
見てとれます。


■主要な旧車・絶版車の値動きの歴史
全体の値動きでは緩やかな上昇の動きを見せていましたが、 中古車で人気の高い旧車・絶版車の値動きはど
うなっているのでしょうか。主要な車種 7 車種の値動きを見て考察していきます。



主要旧車の値動き(2001年~2023年4月)
6,000,000

5,000,000

4,000,000

3,000,000

2,000,000

1,000,000


2003年




2010年




2017年
2001年
2002年


2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年


2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
2016年


2018年
2019年
2020年
2021年
2022年
2023年
Z1 Z1000MK2 Z1-R Z2
Z750FX-1 CBX400F Z400FX

※バイク王調べ


2005 年頃から緩やかに旧車の価格上昇が始まり、2013 年から 2014 年頃にさらに一段価格が上昇。2019 年
からコロナ需要を背景に価格の上昇が加速し、2021 年には急激な価格高騰の波が訪れています。2020 年
は「おうち時間」など外出せずに家で楽しむことを意味するワードが流行し、家で楽しむ趣味などやソロ
キャンプなども注目を集めました。翌年の 2021 年は経済面の問題から「外に出る」動き・手段を模索す
る年となりましたが、依然としてコロナウイルスに対する社会的圧力が強まる中、外出する手段として
「ソーシャルディスタンスを保つことができる移動手段」として一躍バイクが注目を浴びたのも 2021 年
頃です。そうした社会背景と新車供給不足が重なったことで中古バイクへの需要が急速に高まり、2021 年
の中古車市場全体が相場上昇となりましたが、人気の旧車についてはさらに極端な高騰が見られました。
2022 年に落ち着きを見せた値動きは、2023 年から新たな動向を示していますが、急激な高騰前の 2020 年
よりも高い水準を維持しており、2001 年からの全体の相場状況としては現在まで上昇を続けていると言え
る推移となっています。

2022 年から 2023 年にかけては、需要の高い車種は再び値上がりし、そうではない車種は低下する動き
を見せました。ひとつの例として『CBX400F』のデータから今後の値動きについて考察していきます。





■CBX400F の内訳から見る考察

下記のグラフは CBX400F の 2021 年から 2023 年までの価格推移です。




CBX400F 2021年~2023年の価格推移
5,000,000

4,000,000

3,000,000

2,000,000

1,000,000




CBX400F(逆輸入) CBX400F-1 CBX400F-2

※バイク王調べ


同じ CBX400F でも、流通台数が少なく希少価値の高い CBX400FⅡ型は 2023 年に入りさらに値を上げ、450
万円超となっており、一方で逆輸入車は横ばいの 200 万円程度、Ⅰ型は 2021 年から 60 万円以上値下がり
し、164 万円程度となっています。
値が上がらない逆輸入車とⅠ型の共通点としては、流通台数が比較的多いことが挙げられます。また流通
台数が多いことでレストアを要する状態の悪い車両も割合として増え、平均価格を引き下げる要因にもな
り、同じ逆車・Ⅰ型の中でも状態による価格差が広がっています。2021 年の「旧車であれば良し悪しに関
わらず高騰する」という状況から、状態が悪い車両は需要低下に伴い価格が低下し、一方で希少価値が高
く状態が良い車体は価格上昇を続ける、いわば「二極化」が進むことが考えらます。
今後はしっかりと整備・レストアされた車両はさらに価値を高め、そうではない車両との価値・価格の
差がさらに大きくなっていくと予想されます。


■バイク未来総研所長
宮城光のココがポイント

2023 年 4 月までの各種データからは、2021 年には世相と相まって旧車価格が爆発的に上がったものの、
今後は状態の良くないバイクはそれなりの取引がされ、状態の良いバイクはさらに引き合いが強まる時代
となっていくように見てとれます。新車供給の動向や今後の世界情勢にもよりますが、コロナウイルスも
5 類となり、様々な行動制限が解除された現状においては、中古バイクの需要は一定数見込めるため、中
古バイクの価格は 2022 年と同水準か、そこから緩やかに上昇していくのではと予想します。コロナ禍に
よりバイクの価値が見直され、ソロキャンプのように需要が定着し、状態の良いバイクが多く流通するよ
うになるのであれば業界全体の活性化にもつながりますので、バイク業界に身を置く身として大変喜ばし
いことと感じます。今後の推移を見守っていきたいと思います。





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