京都市指定有形文化財長江家住宅主屋「北棟」の復原修復工事完成-5月24日(木)完成披露の会及び内覧会開催のお知らせ-

2018 年5月 17 日
各 位
株式会社フージャースホールディングス
立命館大学


京都市指定有形文化財 京町家において初事例となる
京都市指定有形文化財長江家住宅主屋「北棟」の復原修復工事完成
~5月 24 日(木)完成披露の会及び内覧会開催のお知らせ~

当社及び立命館大学は、当社グループが所有する京都市指定有形文化財長江家住宅主屋
「北棟」において、昭和 50 年代に内装改変されたものを改変以前の姿に戻す復原修復工事
(以下、工事)を 2017 年8月より開始してまいりましたが、この度、無事工事が完了し、
完成披露の会及び内覧会を、5月 24 日(木)に開催する運びとなりましたこと、お知らせ
いたします。


当社グループは、事業を通じた文化物の承継及び地域社会への貢献を念頭に、2015 年5月
に本建物を取得し、京都市が推進する景観的・文化的価値を有する京町家等の歴史的建築物の
保存活用を図るため、これまで継続的に京町家や祇園祭船鉾、長江家住宅に関する調査研究を
行ってきた立命館大学と連携協定を締結いたしました。民間事業者である当社グループと、
教育・研究機関である立命館大学が連携し、京都の歴史・文化を象徴する京町家を保全・活用
し、公的機関である、京都市、公益財団法人京都市景観・まちづくりセンターがサポートする
という、産官学連携モデルの先進事例として、これまでにない取り組みを進めております。


本工事では、居室やトオリニワ等の、昭和後期に内装改変された部分を(おおよそ明治初期
から大正期の状態に)全て復原しております。そして、京都市が昨年4月より、標準的な規模
の京町家について建築基準法を適用除外する際の技術的基準(建築審査会の包括同意基準(※) )
を運用することになったことを受け、この基準を利用する第一号事例となりました。また、
建物全体の工事では京都市指定有形文化財において2例目、京町家では初めてとなります。
今後は、長江家住宅で開催される文化行事等に活用をしてまいります。本工事は、文化財の
保全と利活用の両立という、時代をつなぐ挑戦への大きな一歩となりました。
また、工事に伴いまして、長江家文書の史料調査、痕跡調査及び発掘調査による復原内容の
検討、立命館大学映像学部と理工学部による全工程の記録調査も行われています。
(※)包括同意基準…京都市長が建築基準法適用除外指定を行うに当たり、建築審査会の個別の審議を
経ることなく同意を得て処分を行うことが可能となる基準となります
■「北棟復原工事完成披露の会」について
日 時:2018 年5月 24 日(木)14:30~15:30
場 所:長江家住宅(京都市下京区新町通綾小路下る船鉾町 394)
内 容:長江家住宅主屋「北棟」の復原修復工事の概要説明、工事記録映像の上映他


■長江家住宅について
長江家は、代々呉服の卸を営んでこられました。敷地には、新町通に面して2棟の主屋
(しゅおく)が建ち、この後方に離れ座敷と化粧部屋、さらに土蔵2棟が並んで建っています。
屋敷の変遷については、当家の文書からほぼ明らかとなっており、慶応4年(1868 年)に主屋
北棟を建築し、その後、この背面や南側の敷地を買い足したと考えられ、明治 40 年(1907 年)
に主屋南棟、離れ座敷等が建築され、大正4年(1915 年)に化粧部屋が建築されました。主屋
北棟は、通り土間と居室をひとつの屋根で覆う「通りにわ形式」の2階建てで、1階の内装は
現代的に大きく改変されていますが、かつては土間に沿って1列3室が並ぶ間取りで、柱梁な
どの構造体や正面玄関はほぼ当初のままです。


■長江家住宅主屋北棟(京都市指定有形文化財)の概要
場 所:京都市下京区新町通綾小路下る船鉾町 394、394-1、396
建築年代:慶応4年(1868 年)
構造規模:木造2階建て
延べ面積:124.96 ㎡




改修前の北棟 改修後の北棟 戦前頃の長江家住宅外観
(写真提供:立命館大学)

本件に関するお問い合せ先
株式会社フージャースホールディングス(髙木) TEL:075-353-7511
立命館大学広報課(名和) TEL:075-813-8300

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