京都市指定有形文化財長江家住宅主屋「北棟」の復原修復工事を開始~8月26日(土)復原修復工事ご祈祷祭開催のお知らせ~

2017 年8月 22 日
各 位
株式会社フージャースホールディングス
立命館大学


京都市指定有形文化財 京町家において初事例となる
京都市指定有形文化財長江家住宅主屋「北棟」の復原修復工事を開始
~8月 26 日(土)復原修復工事ご祈祷祭開催のお知らせ~

当社及び立命館大学は、当社グループが所有する京都市指定有形文化財長江家住宅主屋
「北棟」において、昭和 50 年代に内装改変されたものを改変以前の姿に戻す復原修復工事
(以下、工事)を開始し、明治から昭和期の町家の使い方や創建当時の姿を解明する記録調査
を実施することをお知らせいたします。また、工事に先駆け、工事の無事等を祈るご祈祷祭を
8月 26 日(土)に開催いたします。


当社グループは、事業を通じた文化物の承継及び地域社会への貢献を念頭に、平成 27 年
5月に本建物を取得し、京都市が推進する景観的・文化的価値を有する京町家等の歴史的
建築物の保存活用を図るため、これまで継続的に京町家や祇園祭船鉾、長江家住宅に関する
調査研究を行ってきた立命館大学と連携協定し、京町家を保全・活用する産学連携に取り組ん
でまいりました。


本工事は、居室やトオリニワ等の、昭和後期に内装改変された部分を全て復原するもので、
京都市が今年4月より標準的な規模の京町家について建築基準法を適用除外(※1)する際の
技術的基準(建築審査会の包括同意基準 (※2))を運用することになったことを受け、
こ の基準 を利用 する第一 号事例 となり ました。 また、 建物全 体の工事 では京 都市指 定
有形文化財において2例目、京町家では初めてとなります。
改装後は、長江家住宅で開催される文化行事等に活用できる施設となる予定です。また、
これら工事の全工程は、立命館大学の映像学部と理工学部によって記録調査が行われ、京町家
の建築構造の調査や保存活用の参考となるデータ取得を目指します。
なお、工事の完了は平成 30 年5月を予定しております。
(※1)建築基準法の適用除外については、京都市においても同日広報発表しております
(※2)包括同意基準…京都市長が建築基準法適用除外指定を行うに当たり、建築審査会の個別の審議
を経ることなく同意を得て処分を行うことが可能となる基準となります


■ご祈祷祭について
日 時:2017 年8月 26 日(土)10:00~10:30
場 所:長江家住宅 京都市下京区新町通綾小路下る船鉾町 394
内 容:長江家住宅主屋「北棟」の復原修復工事のご祈祷祭、記録調査他
■長江家住宅について
長江家は、代々呉服の卸を営んでこられました。敷地には、新町通に面して2棟の主屋
(しゅおく)が建ち、この後方に離れ座敷と化粧部屋、さらに土蔵2棟が並んで建っています。
屋敷の変遷については、当家の文書からほぼ明らかとなっており、慶応4年(1868 年)に主屋
北棟を建築し、その後、この背面や南側の敷地を買い足したと考えられ、明治 40 年(1907 年)
に主屋南棟、離れ座敷等が建築され、大正4年(1915 年)に化粧部屋が建築されました。主屋
北棟は、通り土間と居室をひとつの屋根で覆う「通りにわ形式」の2階建てで、1階の内装は
現代的に大きく改変されていますが、かつては土間に沿って1列3室が並ぶ間取りで、柱梁な
どの構造体や正面玄関はほぼ当初のままです。


■長江家住宅主屋北棟(京都市指定有形文化財)の概要
場 所:京都市下京区新町通綾小路下る船鉾町 394、394-1、396
建築年代:慶応4年(1868 年)
構造規模:木造2階建て
延べ面積:124.96 ㎡


■当社グループと立命館大学との関係
京都市指定有形文化財である長江家住宅では、民間事業者である当社グループと、教育・
研究機関である立命館大学が連携協定し、京都の歴史・文化を象徴する京町家を保全・活用
しております。また公的機関である、京都市、(公財)京都市景観・まちづくりセンターが
サポートするという、これまでにない産官学連携の取り組みを進めております。当社グループ
と立命館大学が相互に連携協力し,継承していくことを内容とする覚書は平成 27 年5月 27 日
付けで締結しております。




昭和3(1928)年、昭和御大典時の長江家住宅外観 戦前頃の長江家住宅外観

、しょうわ (写真提供:立命館大学)

本件に関するお問い合せ先
株式会社フージャースホールディングス(高木) TEL:075-353-7511
立命館大学広報課(名和) TEL:075-813-8300

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