ビッグデータ・AIを活用した配送業務量予測および適正配車のシステム導入について

2021 年 8 月 3 日
各 位
会 社 名 アルフレッサ ホールディングス株 式 会 社
代表者名 代 表 取 締 役 社 長 荒川 隆治
(コード番 号 2784 東 証一 部 )
問 合 せ先 執 行 役 員 コーポレートコミュニケーション部 長 羽野 和明
(TEL:03-5219-5102)


ビッグデータ・AI を活用した配送業務量予測および適正配車のシステム導入について
~アルフレッサとヤマト運輸によるヘルスケア商品の共同配送スキーム構築の第一弾~


当社の子会社であるアルフレッサ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:福神雄介、
以下「アルフレッサ」といいます)と、ヤマトホールディングス株式会社傘下のヤマト運輸株式会社(本
社:東京都中央区、代表取締役社長:長尾裕、以下「ヤマト運輸」といいます)※1 は、2020 年 7 月 21 日
に「ヘルスケア商品」※2 の共同配送スキームの構築に向けた業務提携を発表いたしました。
業務提携の第一弾として、ビッグデータと AI を活用した、配送業務量を予測するシステムと適正配
車を行うシステムを開発し、このたび導入を開始いたしますので、下記のとおりお知らせいたします。





1.背景および目的
世界に先駆けて超高齢社会に突入した日本は、様々な社会的課題を抱えた課題先進国と言われ
ています。社会全体では、高齢者人口の増加と生産年齢人口の減少に伴って、社会保障費の増加と
その財源確保が社会的課題の1つとなっています。また物流分野では、長距離ドライバーの不足に象
徴される労働力不足が深刻化しており、一方、医療分野では、新型コロナウイルス感染拡大の影響
が医療提供体制に大きな負荷を与え、医療機関の対面業務における感染リスクの低減や医療従事
者の業務の軽減が課題となっています。さらに気候変動リスクへの対応として、医薬品の配送車両に
おける CO2 削減への取り組みも重要であり、安心・安全で確実な医薬品流通ネットワークを今後も持
続可能な状態にするための課題が数多く存在しています。
アルフレッサとヤマト運輸はこれらの課題の解決に向けて、2020 年 7 月に「ヘルスケア商品」の共同
配送スキームの構築に向けた業務提携を発表いたしました。第一弾として、ビッグデータと AI を活用
して、顧客毎に日々の配送業務量を予測する配送業務量予測システムと適正な配車を行う配車計画
システムを開発し、このたび導入を開始いたします。
※1. 2020 年 7 月締結当時はヤマトロジスティクス株式会社。2021 年 4 月、ヤマト運輸に事業統合。こ
の取り組みを担当するグローバル SCM 事業本部では、法人顧客や業界全体のサプライチェーン
最適化による経営課題の解決を支援しています。
※2. ヘルスケア商品:医療用医薬品、一般用医薬品、医療機器、医療材料、診断薬等




2.スキームの全体イメージ




3.今回導入したシステムとスキームについて
(1)配送業務量予測システム
・アルフレッサがこれまでに蓄積した「販売」「物流」「商品」「需要トレンド」などのビッグデータを AI
で分析し、顧客毎の配送業務量(例. 注文数、配送発生確率、納品時の滞在時間など)を予測いた
します。AI が学習することで各種予測の精度が向上し、より効率的な配車計画の作成が可能となり
ます。
(2)配車計画システム
・(1)の配送業務量予測システムで得られた情報を基に配車計画を自動的に作成いたします。これ
までにヤマト運輸が蓄積した物流や配車に関するノウハウに加え、渋滞などの道路情報を活用す
ることで、効率的かつ安定的な配車計画を作成することができます。また配送の業務量が多い時
には、ヤマトグループの保有する配送リソースも機動的に活用することが可能であり、これまで以
上に安定した配送を行うことができます。
(3)パッケージ納品
・医療機関へ医薬品を納品する際、アルフレッサの配送員と医療機関の医療従事者が対面で検品
作業を行っていますが、納品するアイテム数が多い場合は対面作業の時間が長くなることがありま
す。アルフレッサはこれまで納品時に検品作業が不要な、「パッケージ納品」を展開してきましたが、
今回導入するシステムに加えて、デジタル機能の活用による事前検品を増やすことで、医療機関
における対面作業の時間を大幅に短縮することが可能となります。


4.システムの導入効果(現在との比較。両社予想値)
(1)配送生産性の向上(最大 20%向上)
・配送業務量予測システムと配車計画システムを導入・活用することで、従来以上に効率的な
配送が可能となります。
(2)走行距離および CO2 排出量の削減(最大 25%削減)
・配車計画システムを導入・活用することで、従来の固定化された配送ルートではなく、日々の業
務量に応じた最適な配送コースを設定することが可能です。これにより車両の走行距離を短縮し
CO2 排出量を削減することで、環境負荷を低減いたします。
(3)医療機関における対面作業時間の削減(最大 20%減)
・従来の対面による検品作業から、デジタル機能を活用した事前検品も踏まえた「パッケージ納
品」へシフトすることで、医療機関における対面での作業時間を大幅に削減することが可能となり
ます。


5.展開スケジュール
2021年8月からアルフレッサの首都圏の支店を対象に導入を開始いたします。その後、アルフレ
ッサの全国の支店へ順次、拡大していく予定です。また並行して本スキームのブラッシュアップを行い、
業務提携の第二弾、第三弾を両社で推進してまいります。
アルフレッサとヤマト運輸の両社は、持続可能な医薬品流通ネットワークを構築するため、ヘルス
ケア商品の共同配送スキーム構築に向けた検討を引き続き進めてまいります。


6.今後の見通し
今回のシステム導入が今後の業績に与える影響は、現時点では軽微であると見込んでおります。


【参考】
2020 年 7 月 21 日
「アルフレッサ株式会社とヤマトロジスティクス株式会社(現ヤマト運輸株式会社)によるヘルスケア
商品の共同配送スキーム構築に向けた業務提携について」
https://ssl4.eir-parts.net/doc/2784/tdnet/1862309/00.pdf
以 上

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