東北大学との電解水透析に関する共同研究 中間解析論文発表について

News Release


平成29年9月19日


各 位



代 表 取 締 役 社 長 森 澤 紳 勝
(コード番号:6788 東証第一部)
お問い合せ先
取締役 経営企画部長 田原 周夫
(TEL:06-6456-4633)


東北大学との電解水透析に関する共同研究
中間解析論文発表について

株式会社日本トリム(代表取締役社長:森澤紳勝)は、国立大学法人東北大学慢性腎臓病透析
治療共同研究部門と共同で、水素を付加した血液透析療法「電解水透析」の臨床効果を示唆する
論文を発表し、9月13日米国科学誌PLOS ONEに掲載されました。


本研究は、多施設で電解水透析患者と通常透析患者の身体所見および臨床検査値、服薬歴、
患者の自覚症状に関するアンケート等のデータを12ヵ月間収集、比較したものです。その結果、
統計学的に有意に降圧薬の投与量の減少、重度な透析疲労およびかゆみ症状の抑制がみられ、電
解水透析を選択することで透析患者のQOL向上に寄与する臨床効果が示唆されました。今回の論
文結果は、電解水透析と通常透析の長期に渡る予後比較を行う臨床研究(UMIN000004857)の12ヵ
月時点の中間報告です。昨年末で5年間の観察を終えており、総死亡率、合併症罹患状況、入院
回数、自覚症状および各種臨床検査値などの解析を現在進めており、今後さらなる電解水透析の
臨床的な優位性を検討してまいります。


■論文概要


・タイトル
「Possible Clinical Effects of Molecular Hydrogen (H2) Delivery during Hemodialysis
in Chronic Dialysis Patients: Interim analysis in a 12 Month Observation 」
(和訳:慢性血液透析患者における血液透析中の分子状水素( H2)供与の臨床効果の可能
性:観察調査12 ヵ月目の中間解析)


・共同研究関係者
国立大学法人東北大学 慢性腎臓病透析治療共同研究部門 中山昌明特任教授


・掲載先
米国科学誌PLOS ONE 12(9): e0184535 (2017)


▼オープンアクセス論文のため下記よりご覧いただけます(英語サイト)
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0184535
■背景


日本の血液透析は、世界でも質の高さが評価されているものの、透析患者の主な死因である脳心
血管病や感染症はいまだに抑制できていない現状があります。透析患者に観られる不調は、酸化
ストレスと炎症の亢進が関わっていることが多くの臨床研究により明らかにされてきました。ま
た近年の研究で、水素ガス(H₂)が抗酸化性を有する事実が明らかにされ、臨床応用の観点で幅
広い分野から注目されてきています。当社では、水素ガス( H₂)を含む透析液を供給する新し
い血液透析「電解水透析」を開発し、これまでも短中期の臨床検討において有用性を観察してき
ました。現在、12施設234床(2017年9月現在)において電解水透析が行われています。


■研究概要


・試験対象および方法
7 施設の透析患者262 名(140 名が電解水透析、122 名が通常透析いずれも通院)を対象とし、
12 ヵ月間連続して治療と並行して前向き観察調査を行い、患者の身体所見および各種臨床検査、
服薬歴、患者の自覚症状に関するアンケートなどのデータを集め、比較解析しました。


・結果
透析そのものの臨床的効果・安全性に違いは見られず、降圧薬の1 日の投与量(DDD*)、重度な
透析疲労やかゆみ症状に違いがみられ、電解水素水透析を受けた患者はいずれも低値を示しまし
た。これらのデータは、電解水透析は通常透析に比べ、透析患者のQOL 向上に寄与することにつ
ながり、臨床的優位性があることを示唆しております。血液透析療法に対して水素ガス( H₂)
応用に向けた観察調査を継続する合理的な根拠が示されました。
*世界保健機構により規定された薬剤比較のための換算値である1 日投与量(Defined Daily
Dose)


・試験形態
非ランダム化前向き観察調査



以上

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