「NFーκB/JAKデュアル阻害剤」の特許査定に関するお知らせ

令和6年2月 28 日
各 位
会 社 名 株 式 会 社 ア イ ビ ー 化 粧 品
代表者名 代 表取 締役 社長 白 銀 浩 二
(コード番号 4918 東証スタンダード)
問合せ先 取締役 経営管理部 部長
役職・氏名 中山 聖仁
電 話 03-6880-1201



「NF-κB/JAKデュアル阻害剤」の
特許査定に関するお知らせ

株式会社アイビー化粧品(本社:東京都港区赤坂 社長:白銀浩二)は、この度「NF-κB/
JAKデュアル阻害剤」の発明について、特許査定を受領いたしました。
今後、所定の手続きを経て、特許権を設定登録することになりますので、下記のとおりお知ら
せいたします。


1. 概要

【特許出願番号 Patent application number】特願2023-000929
【発明の名称 Title of the invention】NF-κB/JAKデュアル阻害剤
【特許出願人 Patent applicant】 株式会社アイビー化粧品
【請求項 Claim】
1. 水を含んでもよい有機溶媒を抽出溶媒とするオトギリソウの花と葉と茎からの抽出物を
有効成分とするNF-κB/JAKl デュアル阻害剤(ただし有機溶媒はエタノールまたは1,3
―ブチレングリコールである)。
2. 水を含んでもよい有機溶媒を抽出溶媒とするオトギリソウの花と葉と茎からの抽出物を
有効成分とする JAKl 阻害剤(ただし有機溶媒はエタノールまたは1,3―ブチレングリコー
ルである)。


(参考 Reference)
NF-κB(核内因子κB:nuclear factor-kappa B)は、免疫反応において中心的役
割を果たす転写因子の1つであり、TNF-α(腫瘍壊死因子α)やIL-1(インターロイキ
ン1)などの炎症性サイトカインの転写や、炎症や発がんなどに関与するCox-2(シクロオ
キシゲナーゼ2)や糖尿病の発症や進展などに関与するiNOS(誘導型一酸化窒素合成
酵素)などの炎症誘発酵素の転写を活性化することが知られています。炎症性サイトカイ
ンや炎症誘発酵素は、関節リウマチなどの自己免疫疾患の他、動脈硬化、心筋梗塞、肝
炎、がん、糖尿病といった疾患を引き起こす慢性炎症を誘導するため、NF-κBの転写
活性は、こうした疾患の原因となります。
JAK(ヤヌスキナーゼ:Janus kinase)は、チロシンキナーゼの1つであり、細胞内の免疫
活性化シグナル伝達に重要な役割を担っていることが知られています。JAKが関与する
シグナル伝達は、炎症性サイトカインであるIL-6の受容体コンポーネントであるgp130の
細胞内領域に結合しているJAKが、IL-6が受容体に結合することで活性化され、gp13
0のリン酸化を介してSTAT(シグナル伝達兼転写活性化因子)のリン酸化を誘導し、リン
酸化されたSTATが核内に移行することで行われます(JAK/STAT経路)。JAKの酵素
活性は、関節リウマチなどの自己免疫疾患の他、アトピー性皮膚炎、骨髄線維症、悪性リ
ンパ腫、膵癌、乾癬、円形脱毛症といった疾患の原因となることが知られています。
従って、NF-κBの転写活性に対する阻害作用(NF-κB阻害作用)を持つ成分とJA
Kの酵素活性に対する阻害作用(JAK阻害作用)を持つ成分のそれぞれは、それぞれN
F-κBが原因となる疾患とJAKが原因となる疾患の予防や治療に有用であることから、
それぞれの成分の探索が精力的に行われています。しかしながら、NF-κB阻害作用と
JAK阻害作用を併せ持つ成分があれば、1つの成分が単独で双方の作用を発揮すること
で、NF-κB阻害作用を持つ成分とJAK阻害作用を持つ成分の2つの成分によって得
られる効果と同等ないしそれ以上の効果を1つの成分によって得られることや、より広範囲
にわたる効果が1つの成分によって得られることなどを期待することができ、産業上の利用
可能性を有することが期待されます。


◆オトギリソウ
学名は Hypericum erectum のオトギリソウ科オトギリソウ属の多年生植物で、根や根茎を
乾燥したものは小連翹の名称で薬草として古くから用いられています。


2. 今後業績に与える影響
現時点では、当期業績への影響はございません。

当発明を応用した化粧品の有用保湿成分は、他社差別性を発揮するものであると考えて
おります。また、天然物由来のNF-κB/JAKデュアル阻害剤の発見は、学術的な面でも
高い価値を生みだしたものと考えられます。

当社といたしましては、自社製品への応用とともに、特許範囲が医薬品領域にも広がると
考えており、医薬品会社等へのライセンス契約などの形で、当該発明の社会利用を推進し
ていく所存です。

なお、NF-κBとJAKは最近の研究で、皮膚疾患をはじめ、種々の免疫異常が起因する
様々な症状に関与することが報告されています。そのため当発明は、医薬品分野におい
て、関節リウマチなどの自己免疫疾患の他、動脈硬化、心筋梗塞、肝炎、がん、糖尿病、
アトピー性皮膚炎、骨髄線維症、悪性リンパ腫、膵癌、乾癬、円形脱毛症等の疾患の治療
薬への応用が期待されます。

今後、当社の業績に影響を及ぼす事象が判明した場合には、速やかにお知らせいたしま
す。
以 上

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