当社ホームページへのセブン&アイ・ホールディングス株式会社様インタビュー記事掲載のお知らせ

2022 年 12 月 16 日
各 位
会 社 名 株式会社ネオマーケティング
代表者名 代表取締役社長 橋本 光伸
(コード:4196、東証スタンダード)
問合せ先 執行役員 CFO 森田 尚希
(TEL.03-6328-2880)


当社ホームページへの

セブン&アイ・ホールディングス株式会社様インタビュー記事掲載のお知らせ


当社ホームページの企業インタビューページ(https://neo-m.jp/work/)に、セブン&アイ・ホールディン
グス株式会社様のインタビュー記事が掲載されました。
当社の革新的な商品開発を目的としたパッケージサービスであるインサイト・ドリブンは、エクストリーム
ユーザー(カテゴリーの熱狂的なファン)の訪問観察からインサイトを発見し、共創型ワークショップからア
イデア・コンセプトまでを創りあげるものです。セブン&アイ・ホールディングス様にとって初めての試みと
なるインサイト・ドリブンを行った背景やその効果について、セブンプレミアム開発戦略部の中村功二様と瀧
本和佳菜様に語っていただいておりますので、別紙の通りお知らせいたします。
エクストリームユーザーにこそヒントがある。デザイン思考

を商品開発に取り入れた「インサイト・ドリブン」とは?

株式会社セブン&アイ・ホールディングス
セブンプレミアム開発戦略部 シニアオフィサー 中村 功二様
セブンプレミアム開発戦略部 調査・ブランディング 瀧本 和佳菜様


設立:2005 年(平成 17 年)9 月 1 日
事業内容:コンビニエンスストア、総合スーパー、食品スーパー、百貨店、専門店、フード
サービス、金融サービス、IT/サービスなど、各事業を中心とした企業グループの企画・管
理・運営
従業員数(2022 年 2 月末現在) 170,757 人(月間 163 時間換算の臨時従業員含む)

■商品開発にデザイン思考を取入れた「インサイト・ドリブン」を実施

セブン&アイ・ホールディングス様とは、2022 年から 3 回にわたって、
「インサイト・ドリ
ブン」を実施いただきました。
インサイト・ドリブンとは、デザイン思考を応用したネオマーケティング独自の新商品・新
サービス開発の手法。カテゴリーの熱狂的ファン(エクストリームユーザー)の自宅にて訪
問観察を行い、その結果を受けてワークショップを実施し、コンセプト開発へとつなげるも
のです。
この手法は、セブン&アイ・ホールディングス様としても初めての試み。今回、インサイト・
ドリブンを行った背景やその効果について、セブンプレミアム開発戦略部の中村功二様と、
瀧本和佳菜様に伺いました。



■きっかけは「同質化していないか?」という課題感




――まずは、中村様、瀧本様の所属部署と業務内容を教えてください。


中村様 我々が所属しているのは、セブン&アイ・ホールディングスの「セブンプレミアム
商品戦略部」です。ホールディングス唯一の営業部で、グループ共有のプライベートブラン
ド「セブンプレミアム」の衣料・食品・住居、すべてのカテゴリーのブランドマネージメン
トを担っています。戦略全体を練るのが仕事で、私はその責任者を務めています。


瀧本様 私は中村の下で、おもに調査やマーケティングを行うチームにいます。今回、ネオ
マーケティングさんと直接、やりとりさせていただいていたのも私のチームです。


――2022 年、3回にわたって「インサイト・ドリブン」に取り組まれました。そのきっか
けを教えてください。


中村様 我々はマスのものづくりを得意としています。日常生活で使用頻度の高い分野や
マーケットが成熟している分野で味や品質を差別化する、ということについては継続して
こだわって取り組んできました。実際、お客様からも支持をいただき、
「セブンプレミアム」
は誕生して 15 年、現在、1 兆 3000 億円ほどの売上をあげるまでに育ちました。


しかし一方で、さまざまなプライベートブランドが乱立するなか、同質化しているのではな
いか?という課題感をもっていました。マスのものづくりが重要であることは大前提とし
て、より一層お客様のニーズに寄り添い、我々自身のさらなる成長のためにはそれだけでは
足りない。
そんな課題認識があるなか、ネオマーケティングさんから、
「n=1」のものづくり、インサ
イト・ドリブンという考え方を教えていただき、興味をもったのが最初のきっかけです。


――「インサイト・ドリブン」とは、エクストリームユーザー、つまり一人の熱狂的なファ
ンの潜在的なニーズにフォーカスし、商品サービスへのヒントとするものです。


中村様 お話を伺って、「どんなものだろう?」と気にはなっていたんです。そんなとき、
ご縁があって、ネオマーケティングさんが独自で行うエクストリームユーザーの訪問観察
に同行する機会をいただいたんです。それはカップラーメンのエクストリームユーザーで、
ずいぶん前のことなのですが、今でも夢に出てきそうな強烈な印象でした。


――夢に出てきそうな強烈な印象とは、どのようなものだったのでしょう?


中村様 エクストリームユーザーの方のキャラが立っていたというのもありますが(笑)、
我々はやはり川上からものづくりをしているなと、痛感したんです。
我々のものづくりはよい意味でも悪い意味でも、開発の体系が完成されています。「この商
品群を作る」という決定事項があり、そこからお客様のことを考え、よりよくするためには
どうするかを考える。トレンドや嗜好の変化を反映し、最終形態が決まるという流れです。
――一般的にいう「プロダクトアウト」のものづくりですよね。


中村 しかし、インサイト・ドリブンは流れが逆。川下から上がっていくマーチャンダイジ
ングなんですよね。エクストリームユーザーの特異な行動から、商品開発や差別化のヒント
を見いだしていく。一般の人は気づいていないようなことをえぐり出し、商品化へと導く。
そんな方法を見せていただいて、こんなマーケティング手法があるんだ!と、頭をガツンと
やられるような衝撃でした。その後、1 年程前に現職となり、同質化からの脱却という課題
感はより強くなり、調査を担当する瀧本にネオマーケティングさんを紹介したんです。


――瀧本様にしてみたら、突然の新しいミッションですね。


瀧本様 私自身、デザイン思考は理解していましたが、それをマーケティングに実践してい
る企業さんがあるということに、まず驚きました。しかも、その手法としてインタビューで
はなく、よりハードルが高い訪問観察を得意にしている、というのもまた衝撃で。
開発の現場からは、新しい価値を創造していくのが非常に難しいという相談が寄せられて
いました。しかし、そこに対する打ち手を我々から提示できていない、という現状もあり、
期待感をもって取り組ませていただきました。
■これまでの調査とはまったく異なる「訪問観察」




――1回目は 3 月に男性衣料品を対象に行ったそうですね。訪問観察には瀧本さんも同行
されたのでしょうか?


瀧本様 私自身は伺いませんでした。私よりも開発を担当する MD(マーチャンダイザー)
が行き、直接、ユーザーさんとお話をすべきだと思いましたので。


中村様 我々の商品開発は、少し特殊なんです。セブンプレミアムというブランドは、各事
業会社からそれぞれ商品開発担当者が集まり、上下関係がないチームを構成して商品開発
を行っています。我々、開発戦略部は大きな戦略全体を立てる立場で、直接、開発に携わっ
ているわけではないんです。そのため、今回の調査でも現場には事業会社の担当者、MD な
ど開発実務を担当するメンバーに行ってもらったんです。


瀧本様 私はオンラインで参加させていただきました。ユーザーさんのご自宅から、いわば
生中継をしていただいて。それにも驚きましたね。はじめての訪問で、メンバー全員興味
津々で、チームからは 10 人以上がログインして拝見しました。


――オンラインでご覧になってどうでしたか?
瀧本様 最初、どこで話をしているんだろう?と思いながら見ていたら、気づいたときはす
でに衣装部屋まで入り込んでいて(笑)
。そんなところまで映しちゃうんだ!と終始、驚き
っぱなしでした。いちばん衝撃だったのは、途中でご本人に着替えていただいたことです。
MD も「本当はこういうことが知りたかったんです!」と言っていました。お客様が実際に
商品をどう使っているのか? それを実際に目の当たりにすることで、腹落ちしたことも
多いようでした。


――リアルにお客様と対峙することは、なかなかありませんしね。


瀧本様 あともうひとつ、面白いなと思ったのは、ネオマーケティングさんの質疑です。テ
ーマとは無関係な生い立ち(出身地や引っ越し経歴、学生時代の部活動など)を聞いていて、
「なんの関係があるんだろう?」と思っていたんです。でも、訪問後の考察のときに、ちゃ
んとその質問が活かされているんです。たとえば、
「この方はずっと体育会系だからこうい
う価値観なのだろう」とか。その人物を立体的に捉える手法であり、無駄なことはないんだ
な、と考え直しました。


中村様 私もネオマーケティングさんから教えてもらい、印象に残っていることがありま
す。それは、「お客様の声を聞くことは大事だけれど、人は無意識に取り繕うものだ」とい
うこと。グループインタビューでも、人は周りの人にどう見えているのかを意識して言葉を
発する。バイアスがゼロということはありえない、と。
でも、インサイト・ドリブンはそのバイアスをもクリアできる。ご自宅に伺って話を聞くと、
安心感もあって無意識に本音が出てしまう。訪問観察の価値はそこにもあって、やはりいま
までの調査手法とはまったく違うと思いました。


瀧本様 ただ毎回、不思議に思うんです。エクストリームユーザーをどうやって見つけてい
るんだろう?って。聞いても教えてくれないのですが(笑)
、ネオさんは、人探しもとても
上手だと思います。


中村様 確かにそれは感じますね。
「n=1」のものづくりって言うのは簡単ですが、普通の
人を追いかけても何も出てきません。ある分野に特化した、特徴的な行動をもっている人だ
からこそ発見があるわけですが、そもそも、そういう人にたどり着くのが難しい。


じつは以前、インサイド・ドリブンの真似事をして、インターネット上でコアなブログを書
いている人にダイレクトメールを送って、話を伺ったことがあるんです。でも、やはり掘り
下げきれないし、ブロガーの方もどう見られるかを意識して文章を書いているから、実際話
してみるとイメージしていた人物像とは違ったりする。


独自の手法で「n=1」の候補者を見つけてくるのもすごいし、その方と対峙したときにスル
ーしてしまいそうな些細なことから、ぐっと踏み込んだ質疑をしていくのもすごい。そのと
きの一言が後になってヒントになったり、ネオマーケティングさんが補助線を引いてくだ
さることで思考が広がるんです。
■ワークショップによって共有される「お客様」像




――「インサイト・ドリブン」は、訪問観察を受けて、商品開発へつなぐワークショップを
行うことを推奨しています。ワークショップはいかがでしたか?


瀧本様 じつは、1 回目の衣料品のときには時間がなくて、ワークショップができず、報告
書をいただいて終了になってしまったんです。でも、ワークショップはやるべきだったと反
省しました。


――というのは?


瀧本様 お宅を訪問した MD たちと一緒に、現場で出てきた発言などから商品開発のコン
セプトをまとめていったのですが、うまくいかなかったんです。この方一人にしか当てはま
らないことを商品化してしまうリスクが拭えず、コンセプトにも面白みがでなかった。新規
性を求めて実施したのに、なんの変哲のないものが生み出されかねないな、と。
やはり新しいことなので、自分たちだけでは調理ができなかったんですね。いただいた素材
をどう調理するのかまで一緒にやっていただかないと腹落ちできない。それもあって、2回
目以降はワークショップまでお願いしました。
――2回目はビジネスグッズ、3回目の冷凍食品の分野ですね。ワークショップを実際にや
ってみてどうでしたか?


瀧本様 まず、ワークショップのチームビルディングがとても上手だと思いました。互いに
面識のない人たちも多いなか、最初に、あだ名をつけたりゲームをしたり、雰囲気づくりを
してくださいました。


中村様 私自身はワークショップに参加していないのですが、会議室の前を通ったら、拍手
や歓声が聞こえてびっくりしました(笑)。


瀧本様 それはおそらく、ワークショップ前のアイスブレイクで、
「マシュマロチャレンジ」
をやったときですね。乾燥パスタとマシュマロで自立するタワーを作る、というレクリエー
ションで、私のチームだけ自立するタワーが完成したんです(笑)。
こうしたゲームは親しくなるきっかけになるのと同時に、たとえば、分析が得意な方が実は
強いリーダーシップを持っているとか、メンバーの個性も垣間見られる。コミュニケーショ
ンがしやすくなるので、結果として、グループワークを通して対象者に対する深堀りも進み
ました。


――ワークショップはコミュニケーションを醸成する場にもなったのですね。


瀧本様 MD たちは、それぞれの会社を背負って来ていますから、すべて本音をさらけ出し
て話すというわけにはいかない面がどうしてもあります。ただ、
「お客様目線」
「お客様起点」
で考えるワークショップを行ったことで、所属や背景など関係なく、
「お客様から見たらこ
うだよね」という会話ができるようなったのは、大きな収穫でした。


――立場が違っても、
「対お客様」となれば、同じ側に立つことになります。


中村様 「お客様視点」ということは当然、言われ続けているし、もちろん、我々も事業会
社もその重要性は常に意識しています。でも、それぞれがイメージしている「お客様」って、
どうしても暗黙知的なものになってしまいがちです。
それが今回、エクストリームなユーザーさんの行動を観察し、ワークショップを通じて理解
を深めていったことで、漠然としていた「お客様」というものに共通認識ができた。大切に
すべき価値観が共有されたのだと思います。


瀧本様 ワークショップをやって、
「すぐにテスト品を作りたい」というレベルのアイディ
アが出たことで、MD たちの開発に対する意識変革にもつながったように思います。どうし
ても、原材料や価格の話が中心になりがちだったのが、
「新しい価値を提供する」という視
点を強く意識するようになったようです。みなさん、かなり刺激を受けたようです。


――他に印象に残っていることはありますか?


瀧本様 ワークショップではソリューションまで落とし込み、そのコンセプトをまとめて
納品していただいたんですが…ネオさんが、
「ソリューションがすべてじゃない」っておっ
しゃったのは印象的でした。
最初、聞いたときは、せっかくみんなで一生懸命アイディア出したのにどういうこと?って、
思ったんです。でも、
「ソリューションをこのまま実現できるのであればすればいい。でも、
もっとも大事なのは『課題の解決につながる提供価値』なんです」と説明いただいて、納得
しました。
「提供価値」があることで、ソリューションの可能性も広がる。とても大切なこ
とを教えていただいて、個人的にすごく勉強になりました。


――「課題の解決につながる提供価値」の明確化こそ大事だ、と。


瀧本様 デザイン思考の考え方に「提供価値」はありません。
「共感」から「問題定義」―
―PoV(Point of View)を作って、すぐに「創造」
。ソリューション創りにすぐに飛んでしま
う。
個人的に、その乖離が気になっていて、デザイン思考をマーケティングに落とし込むときの
課題だと考えていました。デザイン思考が突飛なアイディアにいきがちなのも、この乖離の
ためだろうと思っていました。でも、問題定義と創造の間に「提供価値」を位置づけること
で、すぐに立ち返ることができるんですよね。


中村様 我々が扱っている商品には、とくに重要な視点です。突飛すぎてはダメだけれど、
意外性がなさすぎると同質化してしまう。半歩先みたいな、ちょうどいい塩梅が必要ですか
ら。


瀧本様 その間を探るのが、なかなか難しいんですよね。


中村様 我々はチームマーチャンダイジングで商品づくりしています。いい商品というの
は、お取引先様とも事業会社間同士も「これ!」っていうのが決まって生み出された商品で
す。ただし、それがとても難しい。インサイト・ドリブンは、その「これ!」っていうもの
を削り出す手法であり、ネオマーケティングさんに伴走いただけて、本当に助かりました。
■ネオマーケティングは同じチームの仲間のよう




――では、改めて、ネオマーケティングの印象、他社との違いを伺えますか?


瀧本様 中村が言ったように、終始、伴走してくださるのがいちばん大きな違いだと感じて
います。調査を依頼し納品いただいて終わり、ではないんですよね。最初から最後まで、同
じ会社の同じチームの仲間のように考えてくださる。距離感が近く、安心感があります。


中村様 いつも、献身的にフォローいただいていて、単なる調査を依頼する側と受ける側、
という関係性ではないですよね。「一緒に!」というのがネオさんのスタイルなんでしょう
ね。


――ありがとうございます。では、もっとこうしてほしい!というご要望があれば是非。


瀧本様 一緒に悩みの淵に沈んでくれるのはとても心強く、ありがたいことだと思ってい
ます。なので、私よりも一足早く浮上してもらえるとうれしいですね(笑)

あと、おそらく、まだまだいろいろな“技”を隠し持っているはずだと思うんです。ワークシ
ョップの手法だったり、アイディアを創出していく方法だったり。なので、これからもご一
緒して、学ばせていただきたいと思っています。
中村様 ネオマーケティングさんから、新たな成長軸をつくるきっかけをいただければと
思っています。我々グループのものづくりには、230 人ぐらいの MD がかかわっています。
彼ら/彼女たちは本当に時間がないなかで、開発を担っている。現場を見てリアルに感じな
いとダメだというのは承知しつつも、日々のワークの中でできていないのが現状です。
今回、エクストリームユーザーの自宅訪問やワークショップをご一緒できたメンバーは、そ
れを実体験として、これからの仕事に活かすことができます。が、それは限られた一部の
MD だけ。そんな経験をもっと多くの MD に経験させたいんです。

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