モルフォ、AI 画像鮮鋭化技術『Morpho Deep Deblur(TM)』提供開始 -様々な種類のブラー(ブレ、ピンボケ)を最適なAIモデルで補正-

プレスリリース

2023 年 12 月 7 日


モルフォ、AI 画像鮮鋭化技術『Morpho Deep Deblur™』提供開始
~様々な種類のブラー(ブレ、ピンボケ)を最適な AI モデルで補正~

株式会社モルフォ(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:平賀 督基、東証グロース市場:
3653、以下 モルフォ)は、AI を活用して、画像に発生する様々な種類のブラー(ブレ、ボケている部分)を
除去し、鮮鋭化する技術『Morpho Deep Deblur™』(※1)の提供を開始します。




『Morpho Deep Deblur』ソフトウェア構成イメージ



【Morpho Deep Deblur の特長】
(1)多岐に渡る“ブラー”に対応
一般的に、カメラでの撮影画像にブレやボケに相当する“ブラー”が発生した際、その発生要因は様々です。
この“ブラー”を画像から除去する技術は世の中に様々ありますが、発生要因に合わせて最適な補正方法を選
択して適用することが画質を改善する上で重要です。例えば、モーションブラー(被写体が動くことによるブレ)
に対して画像拡大ブラー補正(一般的に超解像と呼ばれる補正)を適用しても、そのブレは改善しません。
そこで『Morpho Deep Deblur』では、発生要因に合わせて最適な補正ができるように、4 種類のブラー補
正 AI モデルを用意しています。これにより、的確な画質改善を実現することができます。
また、顧客ごとの処理要件に合わせてブラー補正 AI モデルのカスタマイズするサービスを併せて提供します。
<AI モデル別の説明>
・デフォーカスブラー補正 AI モデル
いわゆる写真の“ピンボケ”に相当するブラーを補正します。撮影後にピントが合っていないことに気づいた場
合などに、こうした補正を行うことで、ピンボケした写真を鮮鋭化し、貴重な一瞬を捉えた写真をより鮮明に残
すことができます。
原理的には、明るく撮影するために絞りを開く(光量を多く取り入れる)と、被写界深度が浅くなるために
部分的なデフォーカスブラーが発生しやすくなります。


・モーションブラー補正 AI モデル
明るく撮影するためにシャッター速度を遅くすると、移動体がブレる現象(モーションブラー)が発生すること
があります。本 AI 補正モデルにより、そうしたブラーの抑制が可能です。また、動被写体の動きベクトル検知技
術『Morpho Motion Sensor™』(別製品)と連携し、抑制可能な速度かどうかの判別処理も可能です。


・画像拡大ブラー補正 AI モデル
画像拡大時に生じる解像度の低下を補正する AI モデルです。一般的に“超解像”と呼ばれる技術に該当
します。ストリーミングなどで帯域が制限されている場合に、画像サイズを縮小後に送信し、受信後にサイズ拡
大し本 AI モデルを適用することで、画質を補正することが可能です。
また、デジタルズームを使用した撮影画像に対しては、ギザギザなエッジや潰れたディティールを補正し、滑ら
かで精細な画像を得ることができます。


・歪み補正ブラー補正 AI モデル
レンズの歪みを補正した後、画面端に生じる解像度の低下を補正する AI モデルです。


(2)AI 推論エンジン『SoftNeuro®』を内蔵
モルフォ製品である高速 AI 推論エンジン『SoftNeuro』を内蔵しています。様々なハードウェア(CPU、
GPU、各種 AI アクセラレーター)に対応し、ハードウェアリソースを最大限に活用することで、高速・低消費電
力での物体検出処理が実現可能です。動作環境としては、x86/x64/ARM CPU, GPU,各種 AI アクセラ
レーター等が利用可能です。


・AI 推論エンジン『SoftNeuro』:https://www.morphoinc.com/technology/sie
【サンプル画像】
(1)画像拡大ブラーの補正前/補正後
(2)デフォーカスブラーの補正前/補正後




【適用分野】
自動車分野向け、スマートフォン/PC 内蔵カメラ向けなど様々です。


●自動車分野
近年、低解像度の車載カメラ映像を、大きな映像表示用モニタ(HMI)上で綺麗に表示するための画質
改善ソフトウェア技術の市場ニーズが顕在化しています。この背景には、近年顕著な HMI の進化があります。
HMI の高解像度化が進むにつれ、車載カメラの高解像度化も求められています。一方で、高解像度カメラの
採用は自動車の大幅な原価増に繋がるため、車載カメラはできる限り低解像度のまま、HMI 上での表示映
像のみを綺麗に補正するソフトウェア技術が求められています。
そこで『Morpho Deep Deblur』を HMI とペアで利用することにより、入力映像の画質を AI で改善するた
めのハブとして利用することが可能となります。これにより、低解像度の画像であっても、大きなモニタで綺麗に
表示することが可能です。
車載モニタ(HMI)で『Morpho Deep Deblur』を使用するイメージ図
解像度の異なるカメラ A、B、C の撮影画像を表示用に鮮明化



また、『Morpho Deep Deblur』は、2023 年 5 月に提供開始した自動車分野向け AI ソリューションパッ
ケージ『Morpho Automotive Suite™』の標準 AI 技術群に追加しました。AI 技術を単体で提供するだけ
ではなく、顧客ニーズにフィットする AI の追加学習や用途別の製品カスタマイズ等の提案を通じて、自動車分
野における課題解決および顧客製品への付加価値の向上に貢献していきます。


●スマートフォン/PC/デジタルカメラ分野
スマートフォンやデジタルカメラでデジタルズームを行ったり、撮影した画像を拡大することによる解像感の低下
を、『Morpho Deep Deblur』を適用することで改善することが可能です。
世の中には信号処理ベースの超解像技術が数多く存在しますが、本製品は AI を活用することで、信号処
理ベースの手法の実用的限界を超えることを目指し、さらなる解像感の向上を実現するものです。


※1: 製品名『Morpho Deep Deblur』は仮称です。


【関連プレスリリース】
2023 年 5 月 18 日
モルフォ、自動車分野向け AI ソリューション『Morpho Automotive Suite™』提供開始
~各種画像処理・AI 製品、アプリ開発等を用途に合わせてトータルで提案~
https://www.morphoinc.com/news/20230518-jpr-mas
【関連製品】
動きベクトル検出技術『Morpho Motion Sensor』:
https://www.morphoinc.com/technology/mvec


【株式会社モルフォについて】
モルフォは「画像処理/AI(人工知能)」の研究開発型企業です。高度な画像処理技術を組み込みソフ
トウェアとして、国内外のスマートフォン、半導体メーカを中心にグローバルに展開しています。また、カメラで捉え
た画像情報をエッジデバイスやクラウドで解析する、AI を駆使した画像認識技術を車載や産業 IoT 分野へ
提供し、様々なイノベーションを先進のイメージング・テクノロジーで実現しています。


所在地:東京都千代田区神田錦町 2-2-1 KANDA SQUARE 11 階 WeWork 内
代表者:代表取締役社長 平賀 督基(まさき)、【博士(理学)】
設立:2004 年 5 月 26 日
資本金:1,783,958 千円(2022 年 10 月 31 日現在)
事業内容:画像処理および AI(人工知能)技術の研究・製品開発。スマートフォン・半導体・車載・産
業 IoT 向けソフトウェア事業をグローバルに展開。
ホームページ:https://www.morphoinc.com/
Facebook:https://www.facebook.com/morphoinc
X:https://twitter.com/morpho_inc


【お問合せ先】
株式会社モルフォ 広報担当 大野
TEL:080-8433-3415
お問い合わせフォーム: http://www.morphoinc.com/contact




*モルフォ、Morpho およびモルフォロゴは株式会社モルフォの登録商標または商標です。

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