モルフォのSoftNeuro提供で、東京大学、東北大学、神戸大学が推進するスパコン「富岳」上での深層学習を用いた3Dシミュレーションの推論が約19倍高速化

プレスリリース

2023 年 1 月 24 日


モルフォ、『SoftNeuro®』の提供を通じ、東京大学、東北大学、神戸大学
が推進するスーパーコンピュータ「富岳」上での深層学習を用いた
3D シミュレーションの推論の約 19 倍高速化を実現

【概要】
株式会社モルフォ(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:平賀 督基、以下 モルフォ)は、
東京大学、東北大学、神戸大学が推進する、スーパーコンピュータ「富岳」上での深層学習による高解像度
銀河形成シミュレーションの高速化プロジェクトに、モルフォのディープラーニング推論エンジン『SoftNeuro®』を
提供し、シミュレーションに用いられる推論時間の約 19.2 倍の高速化(※1)および約 93%の電力量の削減
(※2)
を実現しました。




<条件と実測値について>
[条件]
・「富岳」上での 3D-MIM(※3)の推論実行にて『SoftNeuro』を使用
・「富岳」で標準的に利用可能な TensorFlow で推論した場合と、「富岳」に最適化した『SoftNeuro』を使
用して推論した場合の速度を比較
・「富岳」はそれぞれ 1 ノード(48 コア)を使用
[実測値]
◆平均の経過時間
・「富岳」に最適化した『SoftNeuro』を使用:約 19.2 倍の高速化(※1)
項目 時間(ms)
「富岳」で標準的に利用可能な TensorFlow 2820
「富岳」に最適化した『SoftNeuro』を使用 147


◆平均の使用電力量
・「富岳」に最適化した『SoftNeuro』を使用:約 93%の消費電力削減(※2)
項目 電力量(W*s)
「富岳」で標準的に利用可能な TensorFlow 130.0
「富岳」に最適化した『SoftNeuro』を使用 8.6

※1、2:1回ずつ実行(1 回の実行で 1 回だけ推論関数を呼ぶ。)を 5 回実施し測定した結果の平均値。
※3:3D Memory-In-Memory Network



『SoftNeuro』は、主要なディープラーニング・フレームワークに対応し、様々なエッジデバイス環境で高速処
理を実現する、世界最速級ディープラーニング推論エンジンです。また、汎用的な推論エンジンであるため、画
像認識だけでなく音声認識やテキスト解析等にも利用が可能です。モルフォはこれまで、画像データを前提とし
た様々な検出など向けに、マルチプラットフォームや高速推論を目的として『SoftNeuro』を提案、提供してい
ます。


モルフォは今後も本プロジェクトと連携を通じ、「富岳」における深層学習を用いた 3D シミュレーション(銀
河形成シミュレーション)の更なる高速化を支援していきます。また、『SoftNeuro』のさらなる利便性・技術
力向上を図り、様々なサービスやソリューションへの提供を通じ、グローバルレベルでの技術の発展と豊かな文
化の実現に貢献していきます。


・『SoftNeuro』製品紹介ページ:https://www.morphoinc.com/technology/sie


【お客様およびモルフォ代表からのコメント】
「我々は「富岳」を用いて、銀河形成シミュレーションの中で深層学習モデルを利用した推論を行いシミュレーシ
ョンの高速化を図るという、新しいシミュレーション手法に取り組んでいます。これは『SoftNeuro』のような高速
な推論エンジンがあって初めて実用化できます。」
(国立大学法人東京大学 理学系研究科天文学専攻 准教授 藤井通子様)
「この度のプロジェクトにおける結果から、『SoftNeuro』を用いることでエッジデバイスだけでなく、スーパーコンピ
ュータにおいても大幅な計算速度向上と消費電力の削減を確認することができました。このことは、
『SoftNeuro』は科学技術の発展に貢献するとともに、その省電力化性能により SDGs な世界の実現にもお
役に立つことを示しております。今回の結果を踏まえ、『SoftNeuro』の技術開発をさらに推進し、その適用範
囲を拡大することで、弊社の事業発展ならびに社会貢献につなげていきたいと考えております。」
(株式会社モルフォ 代表取締役社長 平賀督基)


【プロジェクト概要】
高解像度銀河形成シミュレーション高速化のためのプロジェクト。
将来の映像を予測する Memory-In-Memory Network (Wang et al. 2018)を元に、3D-CNN ベー
スの深層学習モデルを独自に開発し、超新星爆発の非等方なシェル膨張の予測・タイムスケールの短い粒子
の同定に適用しています。


【関連プレスリリース】
2022 年 11 月 16 日
東京大学、東北大学、神戸大学が推進する、深層学習による超新星爆発シェルの膨張予測を用いた高解
像度銀河形成シミュレーションの高速化プロジェクトに、モルフォの『SoftNeuro®』を提供
https://www.morphoinc.com/news/20221116-jpr-sn


【関連情報】
「富岳」成果創出加速プログラム
https://www.r-ccs.riken.jp/fugaku/org-relations/promoting-research/




宇宙の構造形成と進化から惑星表層環境変動までの統一的描像の構築(代表:神戸大学 牧野淳一
郎)
https://jicfus.jp/fugaku_ap/jp/


サブ課題 A「大規模数値計算と大型観測データのシナジーによる宇宙の進化史の解明」(代表:東京大学
藤井通子)
https://jicfus.jp/fugaku_ap/jp/research/subtask/subtaska/


ASURA-FDPS を使った銀河形成シミュレーション(代表:神戸大学 斎藤貴之)
https://www.asj.or.jp/nenkai/archive/2021a/pdf/Z307a.pdf
日本天文学会 2022 年秋季年会のアブストラクト 2022 年 9 月
深層学習による超新星シェル膨張予測を用いた高解像度銀河形成シミュレーションの高速化
平島敬也、森脇可奈、藤井通子 (東京大学)、平居悠(ノートルダム大学、東北大学)、斎藤貴之、
牧野淳一郎(神戸大学)
https://www.asj.or.jp/nenkai/archive/2022b/pdf/X52a.pdf




【株式会社モルフォについて】
モルフォは「画像処理/AI(人工知能)」の研究開発型企業です。高度な画像処理技術を組み込みソフ
トウェアとして、国内外のスマートフォン、半導体メーカを中心にグローバルに展開しています。また、カメラで捉え
た画像情報をエッジデバイスやクラウドで解析する、AI を駆使した画像認識技術を車載や産業 IoT 分野へ
提供し、様々なイノベーションを先進のイメージング・テクノロジーで実現しています。


所 在 地 :東京都千代田区神田錦町 2-2-1 KANDA SQUARE 11 階 WeWork 内
代 表 者 :代表取締役社長 平賀 督基(まさき)、【博士(理学)】
設 立:2004 年 5 月 26 日
資 本 金 :1,783,958 千円(2022 年 10 月 31 日現在)
事業内容:画像処理および AI(人工知能)技術の研究・製品開発。スマートフォン・半導体・車載・産
業 IoT 向けソフトウェア事業をグローバルに展開。
ホームページ:https://www.morphoinc.com/
Facebook:https://www.facebook.com/morphoinc
Twitter:https://twitter.com/morpho_inc


【お問合せ先】
株式会社モルフォ 広報担当 大野
TEL:080-8433-3415
お問い合わせフォーム: http://www.morphoinc.com/contact




*モルフォ、Morpho およびモルフォロゴは株式会社モルフォの登録商標または商標です。

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