2023年3月期 機関投資家向け決算説明会質疑応答

News Release
2023 年 5 月 29 日



株式会社イオレ
代表取締役社長 冨塚 優
(コード番号:2334)



2023 年 3 月期 決算説明会 質疑応答について


当社は、下記の通り、機関投資家・アナリスト向けに 2023 年 3 月期決算説明会を開催いたしました。当日の質
疑応答をご参照ください。



1.公開日時 2023 年 5 月 18 日(木)15 時 30 分~16 時 10 分
2.開催方法 オンライン配信(質疑応答含む)
3.対象 機関投資家、アナリスト、報道関係者
4.説明者 代表取締役社長 冨塚 優
5.質疑応答 次ページ以降の「機関投資家向け決算説明会質疑応答」をご参照ください。



以 上




本件に関するお問い合わせ

株式会社イオレ 経営管理部 Mail: ir-enquiry@eole.co.jp
機関投資家向け決算説明会 質疑応答



① 過去最高の売上高となっていますが、主な要因は何でしょうか。Web3 事業やペット事業など
も関連していますでしょうか。特に HR が第 4 四半期に急成長しており、求人業界自体も伸び
ていますが、貴社ほど成長している会社は他にありません。その理由を教えてください。ま
た、この成長は今期以降も続くのでしょうか。

冨塚 [A]:過去最高の売上高については、主に HR 事業の伸び率が高いことが要因です。求人市場
の季節的な要因が大きなベースとなっており、加えて求人検索エンジンの大型受注をいただけたこ
とがこの 4Q に数字を大きく伸ばした理由です。

ペット事業および Web3 事業の影響については、前期については事業を進めたばかりということ
もあり売上におけるシェアは低い状況にあります。今期はこちらをさらに伸ばしていくことができ
るよう邁進してまいります。

この成長は今期以降も続くのか、というご質問については、今年度については比較的順調に推移
をしていくことを前提に考えております。現時点では決算に関する話になるため割愛させていただ
きますが、予想の段階では、続くものということを前提に数値を計画しております。



② 今期のコミュニケーションデータ事業の売上予想が前期比で下がっている理由は何でしょう
か。

冨塚 [A]:前期比で 15.8%ダウンという数字を置かせていただいておりますが、コミュニケーショ
ンデータ事業の内容である pinpoint、それから、らくらく連絡網の広告に関しましては、それぞれ
14%アップ、19%アップという業績予想をしております。

どのような要因で下がっているのかについてですが、その他の一部広告事業について、過去から
ご発注をいただいてきた、規模の大きなクライアントが先方の事情により今期発注の量を減らす可
能性があるという案件があり、保守的に見積もった結果この事業を一旦弱めに見積もり、数値をマ
イナスにしております。



③ 売上に対して利益率が低いように見えますが、今後利益率は改善されるのでしょうか。それと
も利益率が低いサービスの売上が多いので、改善はされていかないのでしょうか。
冨塚 [A]:私も直接的あるいは間接的に、マージンが伸びないものか、利益率を改善できないもの
かというお話を頂いております。まず前提としてコミュニケーションデータ事業に対し HR データ
事業はマージン率が低い傾向にあります。特に Indeed といったような求人検索エンジンの代理運
用事業は、成果に対し一定のパーセンテージを頂く形になるため、当社のメディアを直接販売する
より利益率が低くなる結果となります。2023 年度は特に検索エンジンが非常に伸びている影響も
あり、マージン率の低い商品の売上が上がったために利益率が低くなっております。

その他の要因も二点ございます。一つは新規事業について、今後も強く取り組んでいきたい思い
があり、上がった収益を新規事業の開発に充てております。もう一点は、データマネジメント力で
勝負すると申し上げている通り、データベースを強化するための整備やシステム開発に投資をして
いくことを計画しております。数字は開示していないので申し上げられませんが、数千万よりは上
の単位で、こちらの投資を計画しております。その結果、このようなマージン率になっているとい
うご理解をしていただければと思います。現状はまだ回収フェーズではなく、2~3 年後の売上・
利益を拡大させるため新規事業に投資を行う時期という認識です。

また、Web3 事業といったような一部の新規事業に関してはマージン率が高く、現状では売上≒
利益になっているため、Web3 事業の数字が上がっていくにつれマージン率は改善されていく見込
みです。



④ 3 カ年計画の数値目標に幅がありますが、どういった要因が売上や利益に影響するとお考えで
しょうか。

冨塚 [A]:悲観的な数字から、「この程度は行くのではないだろうか」「頑張るとこれぐらいの数
値まで行くのではないか」という楽観的な数値に合わせ松竹梅的に各事業部、サービス毎での数字
を算出し、会社全体として数値目標を提示しております。

数値に幅を持たせている背景として、既存事業に関してはある程度の予測がついておりますが、
外的環境の変化――コロナのような例外的なものやクライアントさんの外部環境により、当社への
発注が減る可能性を加味しております。ペット事業や Web3 事業といった新規事業に関しては特に
不確定要素が大きくなるため、幅を持ってご提示をしていきたいと考えた結果このような数値計画
となっています。
⑤ 第 4 四半期にかけて、らくらく連絡網+、Perrole、休日いぬ部、ポケカルと、次々と事業譲
受や事業をリリースしていますが、それぞれの事業を成功させるための指標、もしくは収益化
の具体的な時期を教えていただけますでしょうか。

冨塚 [A]:まず「らくらく連絡網+」に関しては、共通顧客基盤のデータベース強化のためのサー
ビスであるため、収益を上げるためのサービスではないということはご承知いただければと思いま
す。

次に「Perrole」「休日いぬ部」「ポケカル」に関してですが、まず「Perrole」はカスタマーを
集める時期と考えておりますので、ペットのトータル的な情報を提供し会員を集客することを今期
は主眼に置いております。収益化に関しましては後半および来期に期待をしております。一方、
「休日いぬ部」「ポケカル」に関しては、今期収益化を図っていく予定です。

特に「休日いぬ部」に関しては既にのれん勝ちをしている状態ですので、アフィリエイトのフィ
ーを頂いている部分を、直接的に宿泊施設とやり取りをする中でオリジナルのプランを作成し、ア
フィリエイトではないフィーを頂く動きをとることで利益率を改善し、利益を大きくしていく計画
をしております。また施設数に関しても、現在の 1,200 施設を拡大していき、サイトの訪問者の満
足度・マッチング率を高めることで収益を上げたいと考えております。

「ポケカル」に関しては、こちらも既に収益化がされております。コロナ禍において非常に厳し
い状態が続いてきましたが、コロナも収束に向かっている雰囲気が続いている中、業績もコロナ以
前よりもさらに上振れした推移を目指して動いています。

ということで、「Perrole」以外のサービスに関しましては、収益化はもう既に始まっていると
いうご認識をしていただければと思います。



⑥ DEA 社との今後の取り組みについて教えていただけますでしょうか。

冨塚 [A]:DEA 社とは連携をさらに強化していきたいと考えております。長期的な目線での今後進
めていきたい取組に関しては、吉田、山田、両代表と適宜色々な打ち合わせをさせていただいてお
ります。今の段階で開示することはできませんが、現在締結している戦略的パートナーシップから
段階的に、一歩、二歩踏み込んだ取り組みをしていきたい所存です。

先日も Answer to Earn という新しい取り組みを開始したことを発表いたしましたが、今後も第
2、第 3、第 4、第 5 の矢という形で、計画が実行できる段階になり次第皆様にすぐに開示をさせ
ていただく予定ですので、ご期待いただければと思います。



⑦ 定款の変更について、新たに追加となった項目について詳しく教えていただきたいです。

冨塚 [A]:定款の変更の内容につきまして、詳細は開示された内容をご確認ください。今回かなり
数の多い定款変更となりましたが、こちらに関しましては昨年度、今後どういった事業に新たに取
り組んでいくのかを経営ボードの中で話をしていく中で、ペット事業、Web3 事業、それ以外の新
規事業、どんなものが考えられるかを列挙した結果、可能性として項目を追加しておいたほうが良
いと結論の出た項目に関して、変更をさせていただいております。

定款の変更につきましては株主総会の特別決議事項であり、機動的に変更するものではないとい
う認識です。そういった意味では、今後1年、或いはそれより長期的に実行していく可能性もある
ものも、中には含まれているというご認識をしていただければと思います。現段階ではあくまでも
プランであり、実行する段階になりましたら、適宜開示をさせていただきます。



⑧ Web3 事業とそれ以外の事業シナジーに関して、どのようにお考えか聞かせてください。特に
らくらく連絡網の顧客と NFT の顧客層が違うような印象があります。

冨塚 [A]:ご指摘の通り、NFT を高額で購入していただくことを考えた場合、現在当社のデータベ
ースの中で、ターゲットがどれぐらいいるのかということを申し上げると、大きな人数がある認識
はしておりません。

一方で、このゲームを遊んでいただく方という視点で捉えた場合、例えば「Lucky Farmer」の
ような比較的安価な金額で遊べるゲームもあります。1 日 30 分程度遊んでお金を多少稼いでいく
範囲のゲームであれば、当社データベースの中から遊んでいただける方もいらっしゃるのではない
かと考えております。また、今後 DEA 社がどのようなゲームを出していくかということに関して
は当社も現時点では分かりませんが、場合によってターゲットが重なるような商品が出てきた際に
はこのデータベースが有効に使える可能性があると感じています。

もう一つの観点で言えば、ゲームギルド運営事業のスカラー(オーナーに購入していただいたゲ
ーム NFT およびアイテムを使ってゲームをプレイし、収益を得るプレイヤー)を募るという側面
においては、当社データベースの方々にターゲットも存在し得ると考えております。

このように現時点で利用価値はあると思っておりますが、今後につきましては、NFT ゲームの
プレイヤーのうち当社データベースに入ってない方が当社のデータにも登録をしていき、元々のデ
ータを拡大していくことも十分にあると認識をしております。



⑨ 今後成長が大きく期待できるビジネスを前期で複数始めており、楽しみに思っています。冨塚
社長はリクルートのご経験もありますが、近しい業種と比較された上で、どれほどの市場成長
の可能性があると見ていらっしゃるのでしょうか。今期だけでなく、中期経営計画も含めどの
程度の数字を見ていらっしゃるか可能な限りで教えてください。

冨塚 [A]:サービスごとの数字の開示は行っておりませんが、私がどのような考えでこういう数字
に落ち着かせているのかというところをお話させていただきます。

まずポケカルに関しましては、コロナの前の過去からのトレンドがありますので、これまで旅行
領域を行ってきた経験から、今後どの程度回復していくのかを大まかな範囲で予測することは可能
だと思っています。一方、イオレのデータベースを活用することによって、今までにない商品がど
れだけ売れるのかが不確実な可能性になってくると考えます。

過去のポケットカルチャー社の顧客でいくと、シニア層の顧客が多かったためシニア向けの商品
を作っておりました。ここに関して顧客は変わらないので、マーケットが回復すればこれぐらい売
上が立つだろうという予測はかなり誤差の少ない範囲でできると考えます。その一方で、小学生の
社会科見学といったような新たなツアーを新たに造成しています。当社データベースには PTA と
いったような主婦の方々が所属する団体も多く登録されており、そのような新たなターゲット層に
対して新たに商品を作ったとき、どの程度売れるのか、という可能性を現在は保守的に見積もって
おります。これが上半期に結果が出てくるのであれば、下半期に関しては上方修正をしていきたい
と考えております。

いぬ部に関しましては、昨年までのコロナ禍の実績しかありませんので、マーケット全体を掛け
合わせたときの数値と今後の売上の変動を試算し保守的に見ています。今後の利益額改善策とし
て、アフィリエイトから直取引への切り替えを行っており、これによりマージン率が 3 倍、4 倍と
大幅に変わってきますので、これがどれぐらいの割合になるのかを試算した上で、無理のない数字
を出しています。1年やってみれば、具体的な売上高や直取引の増加による利益率改善の結果が出
て、具体的な数字が出せるようになると考えております。宿泊施設の件数に関しては、じゃらんを
担当していたころ、9 年間実績を成長させていった際の線の引き方というのが経験にありますの
で、ずれ幅が大きくならないような数字になるのではないかと考えております。
⑩ 人員について、今期十数名増やされたと思いますがどういった人が入られたのか。また、新し
く入った人が活躍されているのか、以前からいた人がすごく力をつけて活躍してきているのか
教えてください。

冨塚 [A]:ありがとうございます。基本的には採用人数と退職人数を相殺し、3 月末時点で 90 名
ですので、現実的に申し上げれば採用人数と退職人数はそれぞれ 20 名以上あるというのが実情で
す。

社内の人事に関することと言えば、右肩上がりに給与が上がっていく制度から、ミッショングレ
ード制に制度を変更しました。社員ごとにミッションを設定し、それに応じた年収を得る。期待で
きる人であればさらにグレードが上がり、より大きな重いミッションを担っていただく、代わりに
報酬は上がるといったものです。ミッションを達成した方は良い評価として給料が上がり、できな
かった方はマイナスになる。グレード自体も期待したグレードが難しいのであれば、グレードを下
げた報酬の中でやっていただく、というリクルートの人事制度と同じような制度を導入いたしまし
た。これにより、人員のモチベーションに変化があったかと思います。より成果を上げて報酬を上
げていく人もいれば、グレードが下がってしまい、ここに長くいても難しいかもしれないと去って
いく方もいらっしゃります。

頑張った人が頑張っただけ成果を得られるというような会社にしていきたいという思いがあり制
度変更をしましたので、その考えについていけないという方が離れていってしまうのは、残念では
ありますが、本人の志向の問題もありますので、致し方がないと考えております。逆に言えば、今
回はこういった制度を導入している会社になったことで、その制度を理解した上でジョインしてい
ただいている方々が増えてきているという認識を私自身はしております。

ということで、成果を上げている人が昔からいる方か、新しく入ってきた方かという話は、営業
であればすぐに数字が分かりますから分かりやすいのですが、新たに採用した人がすぐ売れるとい
うようなシンプルな商品ではありませんので、今のところ既存の方々がかなり数字を上げていただ
いています。ただ、制度改訂後はその制度を認識した上で入ってきた方々が多いので、今後さらに
成長していただけると期待しております。

また、採用の中で言えば、新規事業の開発に携わっていた、或いはそれをやってみたいという方
を数としては採用している部分もあります。3 月末時点では 90 名という数字になっていますが、4
月以降に入社する中途社員の方々も複数人いらっしゃいますので、今期上半期にも人員は増やして
いく予定です。
⑪ 多くの人材を採用するというよりも切れのある人員採用を行い、コストコントロールをされて
いるということでしょうか。成長途中の会社では人員投資により利益が下がることがあります
が、今期二十名以上を採用して黒字化になっているという御社の状況から、その点を考慮した
上で計画を立てられているという認識で間違いないでしょうか。

冨塚 [A]:私の経営方針として、提示した数字を実現できるようなコントロールをする考え方がリ
クルート時代から根本にあります。ですので、人員確保の面でも、採用費と人件費を投下しても収
益が上がるような状態で進めていきたいと思っております。収益に陰りが見えた場合は採用を先延
ばしにしていく、といった可能性も含めて検討しているとご認識ください。



⑫ 従業員持ち株会の状況は今どのようになっていますか。御社のような時価総額数十億の成長企
業であれば、このような制度は現在の社員にとっても魅力的なものになる可能性があると期待
しています。現在の状況について教えてください。

冨塚 [A]:今周りにいるスタッフが大きく頷いております。リクルートでは従業員持株会があり、
私自身も従業員のときから株を持ってその成長のために頑張ってまいりました。結果としてそれが
報われ大きなリターンを頂いた経験もしておりますので、ぜひ当社の社員にもそのような経験を得
てほしいと考えております。先期から持株会の制度を作る話をしている最中になりますので、今期
早い段階にそのような制度を整えていきたいと考えております。



⑬ さまざまな事業に参入、事業領域を拡大されているが、人的リソースは十分足りているのでし
ょうか。社員数は今後どのように拡大する予定でしょうか。

冨塚 [A]:先ほどもお答えしましたが、私は「事業は人なり」と考えております。これはリクルー
ト時代の 30 年間を通して培われた思いでもありますし、当社にジョインして 2 年になりますが、
人によってずいぶん変わってくる部分があることを強く認識しております。

単に人数を増やせば自動的に数字が上がっていくビジネスモデルとは違うので、先行投資的に事
業を開発し、売上を上げていってもらうというような人を十分に吟味した上で、この人とだったら
一緒に新しいものが作っていけるだろうという方と一緒に歩を進めていきたいと思っております。
一方で、新たな領域に進出する上で、例えば今回のポケカル事業譲受のように事業とともに人も一
緒にジョインしていただくケースもあります。そういった場合にはどんと人が増えていくことも考
えられると思っています。そのため特に期末までに何人の増員といった具体的な数字は置いており
ませんが、人件費に関しては、かなり多めに確保した上で事業計画を組んでおります。
また既存社員における人件費に関しては、昨今、大手企業のベースアップといった話題が出てお
りますが、弊社においては 20%程度の既存社員の人件費増を数値として考えております。上半期
下半期と、社員のミッション達成によって給与に変動はありますが、こちらに関しても従業員には
公表しておりますので、業績を上げてくださいという言い方をしています。



⑭ ChatGPT を始めとする AI のビジネスアプリケーションが、今後急速に拡大することが想定さ
れている中、御社としてその事象に対するビジネス機会とリスクをどのようにお考えか。考え
られていることがあればお聞かせいただきたいです。

冨塚 [A]:これに対して何も考えてないという経営者はいないと思いますが、私どもも AI ビジネ
ス市場をどういった機会として捉えるべきか考えております。自社で何かをするという考え方と、
この部分が強い企業さんと一緒にパートナーシップを組んで物事を進めていくという考え方もある
と思っております。

私の考えといたしましては、このような市場の流れをチャンスと捉え、この部分をどうやってサ
ービスに組み込んで、業績拡大をしていくかということをまさに考えております。現時点で開示で
きる事項はまだございませんが、今期中にはそれらの市場をどのように業績に反映させていくのか
ということについて、開示できる状況になり次第お話をさせていただこうと思っております。結果
として対応が難しいとなった場合には、検討した上で見送りとなるかもしれませんが、現時点でい
くつかプランニングを考えている段階でございます。




以上

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