水畜連携で温暖化抑制!民間3社で共同プロジェクト始動

プレスリリース

2023 年 11 月 20 日


水畜連携で温暖化抑制!民間3社で共同プロジェクト始動

畜産分野から発生する温室効果ガス(GHG)は、人類の活動によって生じる GHG の
14.5%であると報告されています(FAO 2017)。また、国連気候変動枠組条約締約国会議
(COP21)において採択されたパリ協定や、国連総会で採択された持続可能な開発目標
(SDGs)に示されている GHG 削減目標の達成には、畜産分野からの GHG 排出削減が強
く求められています。
GHG 削減の取組として、このほど、大成ロテック株式会社(東京都、代表取締役社長:
西田 義則)
、日本甜菜製糖株式会社(東京都、取締役社長:石栗 秀)、及び公益財団法人
黒潮生物研究所(高知県、理事長:深田 純子)の3社は、GHG 削減効果が報告されてい
る海藻の一種である紅藻カギケノリをはじめとした藻類を陸上養殖し、それを原料として
活用した家畜用飼料を製造・販売するシステムを構築するプロジェクトを開始します。
水産と畜産の連携による本システムによって地球温暖化の抑制を目指し、2027 年に稼働
する計画です。
補足資料


これまで未利用資源であった海藻の一種
である紅藻「カギケノリ」は、牛や羊などの
反芻動物の飼料に 0.2 %配合することで、消
化管内で生成されるメタンガスを最大 98 %
抑制する効果があると報告されています(1)

また、消化管内におけるメタン生成は、反
芻動物が摂取する総飼料エネルギーの 2~
12%に相当するエネルギーロスの原因にな
っていることも報告されています(2)。 高知県に自生するカギケノリ


養殖カギケノリを原料とした家畜用飼料の開発により、メタンの削減および家畜の生産
性の向上に貢献できると考えています。


公益財団法人黒潮生物研究所では、高知県南西
部の沿岸域に自生するカギケノリを採集し、独自
の養殖手法の開発や養殖試験を行っています。


養殖試験では、カギケノリを 30 日間で重量を
最大で 10 倍に生長させることに成功しており、
更なる安定した生産を目指しています。
培養したカギケノリ


本プロジェクトでは、紅藻カギケノリをはじめとした藻類を陸上養殖によって安定的に
生産することを目指しています。陸上養殖による生産は、天然の海藻類の乱獲や、生態系に
与える影響を最小限に抑えることが可能となります。


今後、 社が連携することで、 カギケノリ陸上養殖の技術開発」 陸上養殖施設の設計」
3 「 、「 、
「製品として製造・販売」のシステム構築を目指します。




参考文献:

1) Glasson et al. (2022) Benefits and risks of including the bromoform containing seaweed Asparagopsis in feed for

the reduction of methane production from ruminants. Algal Research 64. 102673.

2) Johnson & Johnson (1995) Methane emissions from cattle. Journal of Animal Science, Volume 73, 8, 2483–2492.
●大成ロテック株式会社(https://www.taiseirotec.co.jp/)
住所:東京都新宿区西新宿 8-17-1




●日本甜菜製糖株式会社(https://www.nitten.co.jp/)
住所:東京都港区三田 3-12-14




●公益財団法人黒潮生物研究所(http://kuroshio.or.jp)
住所:高知県幡多郡大月町西泊 560 イ




【お問い合わせについて】
・大成ロテック株式会社 技術研究所
担当:伊藤 邦彦
Mail:kunihiko_ito@taiseirotec.co.jp


・日本甜菜製糖株式会社 飼料事業部
担当:中井 朋一
Mail:feed@nitten.co.jp


・公益財団法人黒潮生物研究所
担当;日野出 賢二郎
Mail:mail@kuroshio.or.jp

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