メニコン統合レポート2019

統 合レ ポ ート 2 0 1 9
Integrated Report 2019




お問い合わせ
本レポートに関するお問い合わせは、 株式会社メニコン 財務&IR部
右記までお願いいたします。 TEL 052-935-1646 menicon-ir@menicon.co.jp

「 見える」幸せを
世 界 中の人々へ届ける とが

エンドユーザー
パイオニアカンパニーとして、優れた
技術で見える喜びと生きる喜びの
提供により顧客満足を高め、 すべて




私たちの使 命です
の顧客から永く『エンドユーザー』と
して利用し続けたい企業と思われる
こと。


社 員 業界関係者
人間尊重カンパニーとして、自己実現 リーダーカンパニーとして、業界発展
できる生きがいある就労環境の整備 ステークホルダーに への積極的な寄与により外部研究
により従業員満足を高め、 すべての 者、得意先や取引先などの協同者
従業員から『ファミリー』として働き 対する 満足を高め、 すべての業界関係者
続けたい企業と思われること。 Mission から永く『パートナー』として関わり
続けたい企業と思われること。




社 会 株 主
地 球 市 民として、すべての 生 命 や 道 徳 尊 重カンパ ニーとして、遵 法
企 業 スローガン 環境、 すべての文化や歴史に敬意を 精 神を貫き、 健全な業績により株主
払い、 すべての市民の満足を高め、 満足を高め、 すべての株主から永く

より良い視力の提供を通じて、 すべての尊い命から永遠に 『良き隣人』
と思われ続ける企業であること。
『サポーター』 として応援し続けたい
企業と思われること。


広く社会に貢献する。

経 営 理 念

V a l u e s 価値観
何もないところから、新たな価値を生み出すという、
誰もやっていないことに、果敢に挑戦すること。

創 造 Creation 独 創 Originality 挑 戦 Challenge


M i s s i o n 私 たち はどんな 企 業 で ありた い か
メニコングループは、コンタクトレンズで培った技術と人で、
C O N T E N T S
社会に役立つ商品やサービスを世界に提供し続ける
メニコンの歴史… …………………… 3 4つの重要課題… ………………… 15
創造型スペシャリスト企業であること。 1. 視力を提供する
ッ ッセージ… …………………… 5
ト プメ
2. 眼の健康を守る
V i s i o n 私 た ち が 実 現 す る 夢 単なる夢で終わらせない夢 CFOメッセージ… …………………… 8 3. 技術と人材を育成する
4. 持続可能な価値を創る
特集 社外取締役対談… …………… 9

すべてのステークホルダーから尊敬され愛される企業の頂点、No.1になる。
コーポレート ガバナンス… ………
・ 11
財務 非財務ハイライ …………
・ ト… 23
株主 投資家の皆様とのリレーション… …
・ 25
会社概要 株式情報… ……………
・ 26


01 統合レポート 2 0 1 9 Integrated Report 2019 02
History of Menicon 見えるをサポートしてきたメニコンの歴 史




創 業 来 、 ニコンの歴史は常に
メ 「挑 戦 」 歴 史 で し た 。

私 た ち は こ れからも、人々の快適 な 生 活 を 支 え る た め に 、 V i s i o n 2 0 2 0
更 な る 挑 戦 を続けてまいります。 メルスプランの成長、海外事業の成長、
Vision2020 売上高 1 , 000 億円
新規事業の成長の3つを柱とした中期経営計画で、
更なる成長とサステナブルな企業を目指す
数 値 目 標 営業利益率 10 % ROE 10 %




売上高
コンタクトレンズメーカーとして進化 技術力・品質のメニコンへ 眼の安全を最優先に グローバルでのメニコン・ブランド確立へ
(億円)


1,000
History of Menicon 2001年 2009年 2015年
スペインに現地法人を設立 英国のコンタクトレンズメーカーの株式を取得 1日使い捨てコンタクトレンズの
[M e n i c o n E s p a ñ a S . L . ] [M e n i c o n L i m i t e d . ] 製造工場として岐阜県に
1951年 各務原工場を新設
当社創業者である田中恭一が
米国に現地法人を設立
900 日本初の角膜コンタクトレンズを開発 [M e n i c o n A m e r i c a , I n c . ]
2010年
愛知県のコンタクトレンズ ケア用品メーカーの
・ 東京証券取引所市場第一部及び

株式を取得 名古屋証券取引所市場第一部に株式上場
定額制会員システム
[ ㈱メニコンネクト ]
「メルスプラン」を開始 東京都のコンタクトレンズ販売チェーンの株式を取得
田中は、当時勤務していた眼鏡店で偶然、米軍の将校夫人からコンタクトレンズ
800 [ 富士コンタクト㈱ ]
の話を聞きますが、実物は見せてもらえませんでした。一念発起し、独学で研究を
2002年 2011年
重ね、
製品の実用化に成功しました。
それ以来メニコンでは、何もないところから、
「 薄さ約1mmのパッケージの1日使い捨て
岐阜県に技術開発施設
新たな価値を生み出す」 誰もやっていないことに、
「 果敢に挑戦する」を価値観
テクノステーションを新設
コンタクトレンズ 2016年
とし、企業活動を続けています。 「Magic」
発売 愛知県のコンタクトレンズメーカーの株式を取得
[ ㈱アルファコーポレーション ]
700 2003年
愛知県に動物用医療ビジネスの子会社を設立
2012年 福岡県のコンタクトレンズ販売チェーンの
1977年 [ ㈱メニワン ]
東京都のコンタクトレンズ販売チェーンの
株式を取得
フランスに現地法人を設立 株式を取得
[ ㈱エーアイピー ]
[M e n i c o n S A S ] [ ㈱ダブリュ アイ システム ]
・ ・


2005 年
シンガポールに現地法人を設立 香港に現地法人を設立 シリコーンハイ ドロゲル素材の
1984年 [M e n i c o n S i n g a p o r e S a l e s P t e . L t d . ] [F i r s t G l o r y H o l d i n g s L t d . ] 1日使い捨てコンタクトレンズ
主力工場として岐阜県に関工場新設 「1DAYメニコン プレミオ」発売

2006年 2013年
500 1988年 オランダの オーストラリアの販売代理店の株式を取得 2018年
ドイツに現地法人を設立 コンタクトレンズメーカーの 3ヵ月交換
[M e n i c o n A u s t r a l i a P t y L t d ]
[M e n i c o n G m b H ] 株式を取得 ハードコンタクトレンズ
[N K L C o n t a c t l e n z e n B . V . ] 「フォーシーズン」発売
メルスプラン累計会員数が100万人を突破
1992年
400 フランスにケア用品工場を設立 シンガポールに現地法人を設立
[M e n i c o n P h a r m a S A S ] [M e n i c o n S i n g a p o r e P t e . L t d . ] 2014年
韓国に現地法人を設立

1995 年 2008年 [M e n i c o n K o r e a C o . , L t d . ]

愛知県に総合研究所を新設 シリコーンハイドロゲル素材の
300 2週間交換コンタクトレンズ サークルレンズ
「2WEEKメニコン プレミオ」
発売 「2WEEKメニコン Rei」
発売
1997年
ハードコンタクトレンズ
「メニコンZ」発売
200 1967年
ブランド名「メニコン」商標登録 愛知県のコンタクトレンズ関連会社の
株式を取得
[ ㈱メニコンビジネスアシスト ]



コンタクトレンズ、その他
メルスプラン
子会社
※2014/3期より連結売上高

’7 6 / 3 ’81/3 ’86/3 ’91/3 ’ 96/3 ’ 01/3 ’ 06/3 ’ 11/3 ’ 16/ 3 ’1 9 / 3 ’21 /3



03 統合レポート 2 0 1 9 Integrated Report 2019 04
To Our Shareholders トップメッセージ




コーポレート ガバナンスを中心としたメニコンの価値創造


メニコンの有する組織力(2019年3月31日時点)

「エンドユーザーファースト」 ● 従業員数

● 国内営業拠点
国内:2,636名、
海外:628名
営業所:15ヵ所
● 国内コンタクトレンズ販売店



の視点で、 直営店:49、
富士コンタクト:13、
エースコンタクト:78、
シティコンタクト:18
● メルス加盟施設 1,535


社会から必要とされる Vision2020
● 海外現地法人 14ヵ所


売 上 高 1,000 億円
「創造型スペシャリスト企業」 コンタクトレンズ事業 営業利益率 10 %
コーポレート ・ 環境バイオ事業 R O E 10 %
であり続けます。
ガバナンス 動物医療事業
2020年度
指名委員会等設置会社 ライフサイエンス事業
社外取締役6名
メニコンの
対峙する社会問題
地球温暖化
働きがい
経済成長
ジェンダー平等
メニコンの有する資産(2019年3月31日時点)
● 研究施設 国内:6ヵ所、
海外:4ヵ所
代表執行役社長  ● 生産拠点 国内:4ヵ所、
海外:6ヵ所




はじめに 海外への販売の原動力といたします。
また、
新製品の開発 いう思いもあり、経営者として、更なる高みを目指して アップはもとより、
眼科医との広く密なネットワークを
も順次進め、製品ラインアップを拡充してまいります。 取り組んでまいる所存です。そして、業績が好調なとき
「 擁することで、コンプライアンスを高める仕組みを構築
私どもメニコンは、
日本で初めて角膜コンタクトレンズ こそ、己の弱点を見いだす」という堅実性を忘れない しながら、
供給責任を完遂しています。
を開発して以来、長年にわたりコンタクトレンズのリー 中期経営計画の順調な進捗を見せた ようにします。 また当社には、1DAYメニコン プレミオ」Magic」
「 「 で
ディングカンパニーとして成長を続けてきました。
そして、 採用している「SMART TOUCH」 スマートタッチ)
( と
2019年3月期
社会に役立つ商品やサービスを世界に提供する「創造型 定額制を先取りしていた いう独自の技術があります。
これは、
コンタクトレンズの
スペシャリスト企業」であり続けるために、創業時から 慢心せず、己を奮い立たせる経営哲学 内面にふれることなく、 ・
簡単 清潔に装用できるメニコン
「メルスプラン」と“常識”を破り
の企業スローガン「より良い視力の提供を通じて、広く 独自のコンセプトのパッケージです。
他の追随を許さない
社会に貢献する。を掲げています。
」 当社グループが
〈2020年における自社のあるべき姿〉 誕生した「スマートタッチ」 このスマートタッチで海外に打って出ることが、戦略に
さて、
2019年3月期の業績につきましては、
コンタクト として定めた中長期計画「Vision2020」 は、 上 高
で 売 おける最大の眼目であるため、
プロモーションにおいては、
レンズ ケア商品、
・ メルスプランの売上高が伸長し、前期 1,000億円、営業利益率10%達成を目指しています。こう 昨今、
“定額制”が話題になっていますが、
メニコンでは、 新たな切り口でアプローチすることで、海外事業が飛躍
比5.5%の増収となりました。 1DAY」
「 などディスポー した目標達成に向けて、 ・ ・
開発 製造 販売の自社一貫体制を 2001年から、
当社のコンタクトレンズを購入するのでは 的に成長する可能性があると見ています。
ザブル(使い捨て)コンタクトレンズの売上が堅調に 活かした事業の拡大に取り組んでおり、
3つの戦略として なく、月々の定額制でご利用いただける定額制会員シス
推移したことに加え、メルスプランは会員数が順調に 「メルスプランの成長」 海外事業の成長」 新規事業の
「 「 テム「メルスプラン」を開始しており、現在まで長きに “先取りの精神”を取り入れた
増加し、業績のけん引役となっています。一方、利益面 成長」を打ち出しています。 わたって好評を得ています。
コーポレート ガバナンス システム
・ ・
においては、営業利益は前期比26.8%増の55億円となり さて、Vision2020」
「 を通してこの1年間を振り返って では、なぜメルスプランがお客様からの高い支持を
ました。 みると、数字の面では順調に進捗しています。これは、 集めているのかといえば、徹底した「エンドユーザー
今後の成長に向けては、ディスポーザブルコンタクト いままでに取り組んできた事業戦略が少しずつ確実に ファースト」
というポイントが挙げられるでしょう。
国内 2015年に株式上場した当社では、上場前の早い段階
レンズの生産 販売の拡大に注力します。
・ 工場増設などの 成果へ結びついている表れかと思います。と同時に、 において圧倒的最多を誇る販売チャネル、
トップブランド から、指名委員会 監査委員会 報酬委員会を置く指名
・ ・
投資を進めて国内における増産体制を加速させており、 「我々ならもっとやれる」やれることはまだまだある」
「 と の商品スペック、ほぼ全種を網羅している商品ライン 委 員 会 等 設 置 会 社 に 移 行 し ま し た。 種 委 員 会 の




05 統合レポート 2 0 1 9 Integrated Report 2019 06
To Our Shareholders トップメッセージ




メンバー構成は、公平性・客観性を担保するために、 そして、
そのような風土を醸成し、
人材一人一人のポテン
過半数が社外取締役となっています。
これは、
迅速な経営 シャルを引き出すことが、
経営者としての私に課せられた
意思決定の実現及び監督管理機能の強化が重要だと 意義深い役割だと自覚しています。 C F O メッセージ
判断したゆえんです。取締役会の役割は、執行役が審議・ 一方、当社は、持続可能な社会を実現するために、組織
決定した業務執行上の重要案件を監督 助言すること。
・ としてCSR活動と内部統制機能の強化を目的とした
利益率と資本効率の向上で長期的な企業価値向上を目指す
そう考えるなら、
アクセルを踏み込む人
(執行役)
とブレーキ CSR委員会を設置しています。その活動の一環として、 メニコングループは「エンドユーザー 株主 業界関係者 社員
・ ・ ・ (従業員)社会」

をかける人(取締役)は分担した方がいい。つまり、執行 環境面では、コンタクトレンズの開発で培った技術を に対して責任ある活動を行うことにより持続的に成長する企業となることを
機能と監督機能を分離することで、ステークホルダー 活用した環境バイオ事業や、事業活動における環境負荷 目指しております。

からの信頼獲得と健全な企業経営が両立できる機関 低減の取り組み等を進めています。また、 ・教育面
文化 2019年3月期の業績については、売上高808億円、営業利益55億円、営業

設計となっているのです。 では、 メセナ」
「 という言葉を字義通りに捉えるのでは 利益率6.9%となり、
増収増益を達成することができました。
今後につきましては、

また、
私自身が取締役 代表執行役社長として思うのは、
・ なく、事業として腰を据えて取り組むスタンスで、地域 メニコングループの中期経営計画「Vision2020」において、2021年3月期に
売上高1,000億円、営業利益率10%の目標を掲げております。
取締役に欠かせない要件とは多様性だということです。 社会の文化活動を積極的に支援しています。
また、自己資本当期純利益率(ROE)も重要な指標の一つとして捉えており
よって、取締役会のメンバーにおける多様性に十分配慮
経営統括本部長(CFO)
ます。2015年3月期のROEは4.3%でしたが、2019年3月期には8.7%となりま
することで、
よりバランスをとりながら、
大きな方向性や 株主 投資家の皆様へのメッセージ
・ した。 Vision2020」
「 においては10%以上を目標としております。
渡 邉 基 成
戦略、それらをどう実行していくのか、そして、その過程
売上高1,000億円の達成に向けては更なる事業の拡大が必要であり、①戦略
において説明責任をいかに果たしていくのか、といった 当社では、中長期的な視座から我々の成長を温かく
商品の開発、②生産能力の増強、③販売チャネルの拡大の視点から各機能の強化に取り組んでおります。特に
議論を重ね、取締役会の実効性を高めていきます。 見守ってくださる――そんな投資家の皆様に、当社の
重視すべき分野として、今後も市場の成長が見込まれる「1日使い捨てコンタクトレンズ」を注力セグメント
株式を保有していただきたいと考えています。加えて、
として定め、レンズ製造設備への投資を強化しております。具体的には岐阜県にある各務原工場を現状の1階建
持続的な成長を実現するために 私どもメニコンの持つ夢にご共鳴いただきながら、株主
から3階建に増床する投資を開始し、順次、製造ラインを増設する計画としております。今後も健全な財務体質を
として、持続可能な社会実現の一翼をともに担うという 確保しながら継続的な設備投資を実行してまいります。
研究開発 熱い気概に溢れるエールを送ってもらいたい、という また、株主還元策といたしましては、株主の皆様に対して継続的かつ安定的な配当の実施を基本方針とし、
海外を含めた市場での競争優位性において、品質や ことが、一番の願うところです。 連結の配当性向30%程度の利益還元を目標としております。なお、内部留保金につきましては、事業拡大の
性能での差別化は重要な鍵を握っています。目まぐる 今後も成長戦略を着実に推し進め、株主・投資家の ための投資に活用していく予定です。今後も事業拡大に向けた投資の実施、並びに投資に対する資金手当を
しく変化する医療課題に向き合う独自の研究開発力は 皆様の信頼と期待に応えてまいります。 適正に行い、継続的な企業価値の向上に取り組んでまいります。
肝要であり、当社グループにおける研究開発活動は
①安全を最優先に考えた信頼性の高い製品の開発、 ● 売上高(百万円) ● 営業利益(百万円)


「創造型スペシャリスト企業」
として時代を先取りした 80,898 5,571
76,672
72,052
独創的な製品の開発を基本方針として取り組んでいます。 63,131
67,332
4,394
3,910
今後も、社会に役立つ製品やサービスを世界に提供し 3,457
2,863
続けることを目的に、安全哲学に基づいたより高い付加
価値を有する新製品の開発に向けて、研究を日々積み
重ねていきます。
2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
3月期 3月期 3月期 3月期 3月期 3月期 3月期 3月期 3月期 3月期
従業員、 ・
環境 社会に向けた取り組み
事業の持続的な成長には、人材の育成が不可欠です。 ● ROE
(%) ● キャッシュ・フロー(百万円)

「どのように皆が“働きたい”と思うような会社にしていく 8.7
7,859 7,857 7,023
のか」
という課題は、
同時に
「社員に安心してもらいながら 4,233
5,197
6.7 6.8
働ける環境を、どう提供するのか」という私自身への 900
1,825
6.2

問い掛けでもあるわけです。人材育成とは、能力の高い △ 422 △ 271
△ 851
人材をできるだけ早く見つけ、チャンスを与えて育てる △ 3,525 △ 3,293
△ 4,196
△ 6,065
△ 4,951
ということです。それには、評価する側〉
〈 も人を見る目 4.3
を養う必要があります。
それは一朝一夕でできることでは 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
3月期 3月期 3月期 3月期 3月期 3月期 3月期 3月期 3月期 3月期
ありません。しかし、そうした意識を皆が共有し、一丸で ■ 営業活動によるキャッシュ フロー ■ 投資活動によるキャッシュ フロー
・ ・
■ 財務活動によるキャッシュ フロー

取り組むというその姿勢こそが重要だと思っています。



07 統合レポート 2 0 1 9 Integrated Report 2019 08
Special Contents 特 集:社 外 取 締 役から見たメニコンのコーポレート ガバナンス





特別対談 ガ バ ナンスの 強 さから業 界 をリードする 存 在 へ
社外取締役の役割とは 必要があることから、公認会計士としての国際的 ガバナンスに逆行するようなことがあってはいけ メニコンにしかできない技術もあり、社会に貢献
な視野を持った視点が必要だと考えています。 ないので、企業価値を高めるという観点とコーポ していることを感じます。
堀西 コーポレート・ガバナンスは日本企業に強く メニコンは日本の会計基準に準拠していますが、 レート・ガバナンス体制をしっかり守っていく
求められている分野です。社外取締役には専門職 海外の子会社は国際会計基準ですので、取締役会 という観点と、
両面を見ていきたいと考えています。 メニコンに対する期待
や経営の専門家等、様々な分野の方がそれぞれの に上程があったときに、
各国の特有の処理や仕組み
立場から参画しています。社会の潮流でも企業 を説明しました。 今後の課題・改善が必要な点 堀西 上場している一企業として、利益の追求は必要
経営に法的な視点が必要な中、私は法的なバック 堀西 渡辺さんからご説明いただいたことで、会計上 です。しかし、企業も社会の中で生きているので、
アップのみならず、社会一般に評価される基準に どのような視点で問題を考えたら良いか、理解 渡辺 上場するときに、監査法人の監査に加え、証券 みんなが幸せになれる活動であることが重要と
照らしてどうか、という視点での意見ができれば することができ、大変参考になりました。 会社や証券取引所の審査等、大変厳しい基準を 考えます。私の考え方とメニコンの企業姿勢が
と考えています。 クリアして上場したかと思います。私の経験上、 合致しているので、このまま、メニコン独自の
渡辺 法律に関わる専門的な話に関する議論がでた 経営体制全体に対する評価 上場して5年、10年と経ってくるとそのときを 分野へもチャレンジしていってほしいです。その
とき、堀西さんから法的な知見を共有いただい 忘れてしまいがちで、ガバナンス体制が退化して ような活動が最終的には企業価値の向上に貢献
たり、経験からご意見を述べていただいたりした 堀西 メニコンはいち早く指名委員会等設置会社と しまうケースがあります。内部統制組織は、引き していくことと思います。
ので、非常に議論がしやすかったです。 いう体制を取り入れて、ガバナンスを強化する 続き厳しい水準を維持しなくてはならないと考 渡辺 製品やサービスがエンドユーザーのみなさんに
私は公認会計士として、監査法人にて、数多くの 体制をとっています。ただ、機関設計するだけで えています。内部統制やコーポレート・ガバナン 直接携わるものを、製造、販売しているので、上場
企業の監査や上場準備を担当しました。また、 なく、運営が大事です。取締役会での議論は活発 スを意識しながら、かつ、企業価値を上げるこ 前からブランドネームを持っています。ESGに
日本だけでなく、海外に赴任した経験もあります。 で、私も忌憚なく意見を述べています。私は報酬 とが必要ですね。 対して、田中社長も全面的に取り組んでいると
メニコンは、中期経営計画、Vision2020」
「 の達成 委員と監査委員を担当していますが、各委員会で 堀西 昨年の統合レポートにおいてはディスポーザブル 感じます。さらに追求していくことが社会からの
に向けて、グローバルな成長が必要なこと、また、 も経営状況を細かく見ているので、運用面でも コンタクトレンズのシェア拡大とグローバル展開 メ ニ コ ン へ の 期 待 で は な い で し ょ う か。 外

多くの海外子会社へもガバナンスを効かせる 体制が整っていると言えます。 を挙げました。
ディスポーザブルコンタクトレンズ 取締役として、私も応援していきたいです。
渡辺 上場会社として、
あるべきガバナンス体制になって は全世界的にニーズがあるので、引き続きその
いると評価できます。さらに高めようと努力して ニーズに対応することが必要だと考えています。
いる意欲を感じます。企業価値を高めるという 一方で、メニコンが圧倒的シェアを有するハード
意欲も、数値目標もありますし、トップマネジ コンタクトレンズの分野にも注目しています。
メントがリーダーシップを発揮して、
従業員はじめ、 「フォーシーズン」
という新製品も発売しています
ステークホルダーにメッセージを伝えている点 し、頻繁に使い捨てないというところは、環境
が評価できます。
しかし、
数値目標を絶対達成しな の 点 からも社会の流れには合っているのでは
くてはいけないというプレッシャーがコーポレート・ な い で し ょ う か。 た、 殊 レ ン ズ と い っ た、
ま 特




企業も社会の中で生きている。 グローバルな成長に向けて、
みんなが幸せになれる活動が必要。 ガバナンスも更なる強化を。



社外取締役 社外取締役

堀西 良 美 渡辺 眞吾
弁護士 公認会計士


09 統合レポート 2 0 1 9 Integrated Report 2019 10
Corporate Governance コーポレート ガバナンス





コーポレート ガバナンスに対する考え方

メニコンは株主、
投資家、
顧客、
従業員などすべてのステークホルダーから尊敬され愛される企業を目指し企業活動を 1 取締役会 (a)報酬決定の運用指針
行うことを基本方針のひとつとしております。そして、その実現のためにステークホルダーからの信頼獲得及び健全な 1.成果をあげた者が報われることで、強い動機
取締役会の実効性評価について
づけを生み出す。
企業経営を重要課題と位置づけ、コーポレート・ガバナンスの実現に取り組んでまいります。 毎年、各取締役の自己評価をもとに取締役会並びに
2.短期業績に加え長期視点の企業価値向上への
各委員会の実効性評価を行っております。
本年度も取締役
貢献も報酬に反映する。
会全体の実効性につきまして各取締役に調査を実施し、
コーポレート ガバナンス体制の概要
・ 分析評価を行った結果、課題の改善も進み、取締役会と
3.報酬は仕事(=職務や成果)に対応したもので
あることを基本とする。
しては、概ね実効的に運営していると評価しております。
4.株主や従業員に説明できる公正で妥当性のある
メニコンは会社法に規定する指名委員会等設置会社 委員は、過半数が社外取締役により構成されております。 今後の課題としては、的確な経営判断のための早期
報酬内容とする。
であり、取締役10名(うち社外取締役6名)及び執行役 各委員会の役割として、 指名委員会」
「 は次回の定時 情報取得等により、更なる取締役会の実効性の確保に
5.当社の経営陣に優秀な人材確保を可能とする
向けた取り組みを進めてまいります。
10名(兼務取締役1名を含む)により構成されております。 株主総会に提出する取締役候補の決定、監査委員会」
「 は 報酬内容とする。
社外取締役は客観的 大局的に、
・ 企業価値の向上という 取締役及び執行役の職務執行の適法性・妥当性監査と (b)報酬の構成
2 指名委員会 1.基本的報酬として担当職務及び連結業績成果に
観点から執行役が行う経営の監督並びに助言を行って 定時株主総会に提出する会計監査人の選解任並びに
岡田廣司(委員長)滝野喜之、
、 本多立太郎の取締役 より年間報酬額を決定しております。
なお執行役
おります。 再任しないことに関する議案の決定、 報酬委員会」
「 は
3名(内、社外取締役2名)で構成し、株主総会に提出 の報酬は、連結業績成果をより大きく反映する
業務執行及び経営の監督の仕組みとしては、株主総会 取締役及び執行役の報酬制度 報酬額等の決定を担って
・ する取締役の選任及び解任に関する議案の内容を 内容となっております。
において選任された取締役で構成する取締役会が会社 おります。 決定いたします。また、指名委員会は執行役の選任 2.株主の皆様と利益意識の共有を図るとともに、
の重要な意思決定と執行役等の職務執行の監督を行い、 また、業務執行上の重要案件(取締役会決議事項を 及び解任に関する議案を策定し、
取締役会に付議する 中長期的視点で業績向上に継続して取り組むこと

経営を監視し、取締役会により選任された執行役が担当 除く)については、執行役全員で構成する「執行役会」等 権限を有しており、これらに基づく職務執行に必要 を強く動機づけるインセンティブとして、株式
報酬型ストックオプション制度を設けております。
業務ごとに強化された権限により、迅速で効率的な業務 重要経営会議において審議、決定することとしており、 な基本方針の決定、運用規則や手続等の制定 改廃を


執行を実現しております。 業務執行の状況については執行役が取締役会に報告を する権限を有しております。 これら報酬の決定プロセスは、役員報酬に関する
取締役 執行役の選任等にあたっては役割に応じた
・ 規則並びに細則を制定し運用面における手続や基準を
各委員会(指名委員会、報酬委員会、監査委員会)の 行い、説明責任を果たしております。
能力、経験等を考慮し、企業の社会的価値の増大及び 明確にしております。
コーポレート ガバナンスの向上の観点から選考する

選解任 ものといたします。 4 監査委員会
株主総会 会計監査人
取締役の選任及び解任については指名委員会が 土田時安(委員長)滝野喜之、
、 堀西良美、本多英司、
取締役の選解任
取締役の 会計監査人の 適格性を審議し、取締役会審議を経て株主総会にて 渡辺眞吾、三宅養三、本多立太郎の取締役7名(内、
議案の決定 監査報告
選解任 選解任議案の決定 選解任いたします。なお、取締役会はその過半数を 社外取締役5名)で構成し、取締役及び執行役の職務
監 独立性 中立性のある社外取締役といたします。
・ 執行の適法性・妥当性監査及び監査報告の作成と
報 督
1 取締役会 告 ・

執行役の選任及び解任については指名委員会が 株主総会に提出する会計監査人の選解任並びに再任
価 適格性を審議し、取締役会審議を経て選解任いたし しないことに関する議案を決定しております。
監 監
督 査 ます。代表執行役の選定については指名委員会が 監査方針及び監査計画を定め、取締役及び執行役

能 各委員の選定・解職

適格性を審議し、取締役会審議を経て執行役の中 から、定期的に、その職務の執行に関する事項の報告

2 指名委員会 3 報酬委員会 4 監査委員会 から選定いたします。解職についても指名委員会が を受けたり、聴取したりしております。また、業務の
審議し、取締役会審議を経て解職いたします。 処理や財産の管理等が適正に行われているかについて
主要な事業所を調査し、関係会社から報告を受け、
代表執行役の 執行役の選解任




3 報酬委員会 その結果について監査委員会で報告しております。
選定・解職 権限委譲
冨金原守(委員長) 岡田廣司、
、 堀西良美の取締役 以上に加えて、執行役会等社内の重要な会議に出席
3名(内、社外取締役2名)で構成し、取締役及び執行 し、業績検討会議資料や内部監査部門の監査報告書
執 代表執行役 役の報酬制度 報酬金額等の決定を担っております。
・ 等を閲覧しております。また、必要に応じて内部監査
行 当社の取締役及び執行役の報酬は、
各役員がその職務 の担当部署に対し、監査の対象部門や重点監査項目

能 の執行を強く動機づけられるとともに、
企業価値向上 等について指示を行っております。
執行役 選 報 の成果
(業績)を報酬に反映したものとしております。 監査委員会は、会計監査人から、その監査計画及び
任 告
報酬決定においては、その合理性、透明性を維持する 監査の結果について報告及び説明を受け、これに
指 報
示 告 ことでコーポレート ガバナンスの向上に繋げるもの
・ 基づき財務諸表監査の結果について検証を行って
とし、経営環境、業績、他社水準等を考慮して適切な おります。
また、
会計監査人の品質管理体制についても
水準で決定しております。 報告及び説明を受けております。
担当部署 監査部
取締役 社外取締役 監査




11 統合レポート 2 0 1 9 Integrated Report 2019 12
Corporate Governance コーポレート ガバナンス





取 締 役 執 行 役












1 田中 英成 5 岡田 廣司 社外 独立 8 渡辺 眞吾 社外 独立 1 渡邉 基成 5 伊藤 渉 8 杉山 章寿
1987年 当社入社 1968年 ブラザー工業(株)入社 1980年 デロイト ハスキンズ アンド
・ ・ ・ 1997年 当社入社 1983年 当社入社 1985年 当社入社
1994年 当社取締役 2003年 名古屋市立大学大学院 セルズ会計事務所入社 2017年 当社執行役経営戦略室長 2016年 当社執行役国内マーケティング 2005年 当社執行役員開発本部長
経済学研究科教授 1984年 公認会計士登録 2018年 当社執行役戦略統括本部長 戦略室長
1999年 当社取締役副社長 2010年 当社執行役開発本部長
2005年 中国江漢大学客員教授 1987年 アーンスト アンド ヤング
・ ・ 当社最高財務責任者
(CFO)現任)
( 2018年 当社執行役新規事業統括本部長
2000年 当社代表取締役社長 2011年 当社執行役グローバル研究開発
2007年 椙山女学園大学 デュッセルドルフ事務所 2019年 当社執行役経営統括本部長(現任) (現任)
2010年 当社取締役兼代表執行役 (現任) 戦略室長、開発本部長
現代マネジメント学部教授 1990年 アーンスト アンド ヤング
・ ・
当社最高経営責任者(CEO)現任)
( 2012年 当社執行役開発本部長
2009年 櫻山日本語学校校長 チューリッヒ事務所
1995年 アーンスト アンド ヤング
・ ・ 2015年 当社執行役研究開発本部長
2010年 当社取締役(現任)
ロンドン事務所
2 川浦 康嗣 6 三浦 要和
2 冨金原 守 2016年 当社執行役新規事業本部長
〈重要な兼職の状況〉 1998年 新日本監査法人 1992年 当社入社 1984年 当社入社 2017年 当社執行役新規事業統括本部長
東京福祉大学大学院教授 (現 EY新日本有限責任監査法人)

1977年 当社入社 2010年 Menicon Singapore Pte. Ltd.社長 2017年 当社執行役生産物流本部長 2018年 当社執行役管理統括本部長
名古屋事務所
2003年 当社執行役員生産本部長 2013年 当社執行役エリア&プロダクツ 2019年 当社執行役経営統括本部 2019年 当社執行役生産開発統括本部
2017年 渡辺眞吾公認会計士事務所開設
2006年 当社執行役員管理本部長 6 堀西 良美 社外 独立 マーケティング戦略室長 経営管理室長(現任) 生産物流事業部長(現任)
2018年 当社取締役(現任)
2010年 当社執行役経営管理室長 2015年 当社執行役ブランド戦略室長
2000年 弁護士登録
2013年 当社執行役海外法人統括本部長 名古屋弁護士会入会 2016年 当社執行役商品開発本部長
7 ステファン ドナルド ニューマン
・ ・ 9 森山 久
2015年 当社取締役
(現任) 2004年 旭川弁護士会入会 9 三宅 養三 社外 独立 2017年 当社執行役生産開発統括本部長
(現任)
2007年 名古屋弁護士会 1997年 Igel CM Laboratory Pte Ltd 1988年 当社入社
(現 愛知県弁護士会)
・ 再入会 1968年 名古屋大学眼科教室入局 入社 2016年 当社執行役国内第1営業本部長
3 滝野 喜之 2014年 名古屋市建築紛争調停委員会委員 1982年 社会保険中京病院眼科部長 2007年 当社入社
3 篠田 浩樹 2018年 当社執行役国内営業副統括本部長
名古屋簡易裁判所民事調停官 1997年 名古屋大学医学部眼科教授 2010年 Menicon Singapore Pte. Ltd. (現任)
1984年 当社入社
2016年 当社取締役(現任) 2005年 名古屋大学名誉教授 技術担当役員 (CTO)
2016年 当社執行役経営管理室長 1986年 当社入社
独立行政法人国立感覚器 2013年 Menicon Singapore Pte. Ltd.
2017年 当社執行役 センター所長 2013年 当社執行役国内営業本部長 社長
経営統括本部経営管理室長 7 本多 英司 社外 独立
2007年 愛知淑徳大学医療福祉学部教授 2015年 当社執行役国内第2営業本部長 2017年 当社執行役商品開発本部長
2018年 当社取締役(現任) 2018年 当社執行役国内営業統括本部長 2019年 当社執行役生産開発統括本部
1977年 エーザイ(株)入社 2010年 愛知医科大学理事長
(現任) 商品開発事業部長 (現任)
2003年 エーザイ(株)執行役員 2019年 当社取締役(現任)
4 土田 時安 国際事業開発部長
2005年 エーザイ(株)執行役員
10 本多 立太郎 社外 独立 4 古賀 秀樹
1980年 当社入社 薬粧事業部長 
2006年 当社執行役員生産本部長 2007年 エーザイ(株)常務執行役 1993年 当社入社
1970年 (株)愛知音楽FM放送入社
エーザイ ジャパンプレジデント
・ 2016年 当社執行役海外本部長
2009年 当社執行役員 1996年 (株)
エフエム愛知 取締役編成局長
グローバルマーケティング戦略室長 2008年 エーザイ(株)専務執行役 2017年 当社執行役海外統括本部長(現任)
エーザイ ジャパンプレジデント
・ 1998年 (株)
エフエム愛知 常務取締役
2010年 (株)メニコンネクト
取締役副社長 2011年 エーザイ(株)代表執行役 副社長 2004年 (株)エフエム愛知 代表取締役社長
2012年 (株)メニコンネクト 2017年 当社取締役(現任) 2009年 (株)中日本マルチメディア放送
代表取締役社長 代表取締役社長
2019年 当社取締役(現任) 2017年(株) エフエム愛知 取締役会長
2019年 当社取締役(現任)



13 統合レポート 2 0 1 9 Integrated Report 2019 14
Menicon Standard メニコン 4つの重要課題



Menicon Standard
メニコン 4つの重 要 課 題 1. 視 力 を 提 供 す る
1951年に日本で初めて角膜コンタクトレンズを実用化して以来、 より良い視力の提供を通じて、
「 広く社会に貢献 開発体制
する。 を企業スローガンに、
」 社会に役立つ製品とサービスを提供し続けてきました。これからも安全で高品質な メニコンは独自の理念に基づき、高度管理医療機器を取り扱うメーカーとして、お客様の眼の安全を最優先に
製品開発を進めるとともに、コンタクトレンズで培った技術と人で、眼科医療分野以外の新規事業にも果敢に 考えた企業活動を行っております。研究開発機能は安全を一貫して追求する体制の起点と捉え、日々進化させる
チャレンジ、またグローバルマーケットを視野に入れた事業を展開し、海外シェアを拡大していきます。 ことを目指しております。
このような意識から、メニコンは4つの重要課題を抽出しました。ほかの誰も手がけていない、新しく独創的な 研究開発機能は主に3つあり、コンタクトレンズの材料など、素材やデザインを研究する製品開発、眼への安全性と
ものを生み出す挑戦心こそ、メニコンに息づくDNA。今日まで脈々と受け継がれたパイオニア精神のもと、これからも 製品の有効性を臨床評価する臨床研究、そして品質の高い製品を量産化する生産技術研究から成り立っております。
「エンドユーザーファースト」を掲げ、お客様の眼の健康を守ることはもちろん、 人にも動物にも環境にも優しい
「 これらの各機能を密接かつ有機的に連携しながら、メニコンならではの新たな価値を生み出し続けてまいります。
地球企業」を目指し、グループ一丸となって取り組んでまいります。
研究施設(国内6ヵ所 海外4ヵ所)



素材 デザイン開発
・ 有効性・安全性 量産技術開発
製品開発 臨床研究 生産技術研究

1. 視 力 を 提 供 する  P16 2. 眼の健 康を守る P18

高度管理医療機器メーカーとして、高性能、高品質な あらゆる世代に応じられる、快適なライフスタイルの
製品開発、生産を行い、個々に最適な視力を提供 提案、提供を通じて、瞳を見守る責務を果たします。
し続けます。 ● 高品質な製品を安定的に供給する仕組みづくり
● 次世代コンタクトレンズの研究開発 重点分野………メルスプランの強化 生産体制
● 高い安全性を担保した独自の生産ライン ● ライフスタイルに応じた多彩な製品を供給 製品化にあたっては、研究開発に加えて卓越した生産技術が必要です。研究部門と製造部門が密接に連携し、素
材に合わせた生産ラインを独自に開発・運用しています。メニコン独自の高度な製造技術がコンタクトレンズの
生産を支えています。

生産拠点(国内4ヵ所 海外6ヵ所)




メニコン
4 つの重 要 課 題

メニコン 関工場 メニコンネクト 郡上工場 メニコンシンガポール




独自の技術力を生かした開発 生産体制

当社グループの研究開発の強みはレンズ素材開発からデザイン、製法開発、そして臨床開発まで、

3. 技 術と人 材を育 成する  P19 4. 持 続 可 能な価 値を創る P21
総合的な研究開発体制があることです。この体制だからこそ、
ユニークな製品を開発することができます。
生産では、
海外大手メーカーにも引けをとらない、
カスタムオーダー品から1DAYコンタクトレンズ
の量産まで、
製品に合った多彩な製造技術を活用し、
安定して高品質な製品を生産するとともに、
これら
ものづくりを支える「技」 「知」
と の継承。 コンタクトレンズ事業を核に、新分野へ踏み出し、 をタイムリーに日本全国へ配送する物流体制も整っています。
時代の流れに風化させない志で、未来を導きます。 次なる企業価値を創出していきます。 今後は国内に加え、
海外も含めたグローバルな市場での顧客ニーズを満たす製品開発が重要です。
その
ために、国内外の研究機関との連携を強化するなど、研究開発の国際化を進めています。また、1DAY
● 従業員同士がコミュニケーシ ンをとれる職場づく
ョ り ● 国内で培ったビジネススキームの海外展開
コンタクトレンズを中心とした、
製品の生産能力増強や世界中に製品を配送できる物流網の構築も欠かせ
● 一人一人が輝ける働き方の推進 重点分野………海外事業の成長 執行役
ません。こうしたサプライチェーン強化のため、現在1DAY工場の増床及び生産ライン増設等の設備 生産開発統括本部長
● 生命や環境をテーマにした新ビジネスの収益化
投資を実施するとともに、国際物流網の強化のために欧州に物流センターを開設しました。
川 浦 康 嗣
重点分野………新規事業の成長 当社グループは、これからも技術力を最大限に生かした製品とサービスで、海外を含むより広い顧客
層へアプローチできるよう全社を挙げて取り組んでまいります。



15 統合レポート 2 0 1 9 Integrated Report 2019 16
Menicon Standard メニコン 4つの重 要 課 題




2. 眼 の 健 康 を 守 る
生産工場 メルスプラン(Menicon Eye Life Support Plan)によるコンタクトレンズとの付き合い方
メルスプランは高度管理医療機器であるコンタクトレンズを安心してお使いいただくために、メニコンが提供
シリコーンハイドロゲル1日使い捨てコンタクトレンズの生産拡大 している会員制サービスです。月々定額の費用をお支払いただくことで、メニコンの豊富なコンタクトレンズライン

瞳の安全にとって重要な酸素透過性の高い素材 アップから最適なコンタクトレンズがご利用いただけます。

である、シリコーンハイドロゲル素材の1日使い メルスプラン導入以前は、購入したコンタクトレンズを少しでも長く使い続けようという考え方から、傷や汚れが

捨てコンタクトレンズ「1DAYメニコン プレミオ」 ひどい状態での継続使用や、使用期間が定められているレンズを期間超過して使用するなど、コンプライアンスの

は2016年に発売以来、順調に売上を伸長しており 低下が見受けられました。メルスプランでは、眼科医の判断により、コンタクトレンズはいつでも交換ができ、より

ま す。2018年9月 に は 乱 視 用 も ラ イ ン ア ッ プ し、 良い状態で使い続けることができます。

より多くのユーザーの皆様に提供が可能となりました。 メルスプラン累積会員数の推移
(万人)

また、
海外向けブランドとして、Miru 1day UpSide」
「 お客様 150
130 万人
(メルス会員)
の 商 品 名 で 欧 州 か ら 販 売 を 開 始 い た し ま し た。
高品質な製品を適正な 100
UpSideとは"上を向いている"の意味です。
パッケージ 各務原工場 増床後イメージ サービスで使用できる
安心感
を開封したとき、通常の製品であれば下側を向いているレンズ外面が常に上向きになっているため、レンズ 50

内面にふれずにレンズの装用が可能という、 スマートタッチ」
「 の機能を直感的に訴求することを目指し

ました。 ’15/3 ’16/3 ’17/3 ’18/3 ’19/3

国内と併せて、海外での販売拡大を視野に入れ、各務原工場の生産量拡大のため、2018年12月より、 メルス
メニコン メルスプラン売上高の推移
加盟施設
現在の1階建てから2、3階と増床する工事を開始しております。増床工事により、最大15ラインまで増設が (億円)
眼の安全を考えた お客様に対する継続的な 500
可能となります。生産ラインは順次増設し、将来的には年間5億枚以上の生産を目指しております。生産量や 製品 サービスの提供
・ サービスの提供 406 億円

製品ラインアップ拡大により、日本及びグローバル市場の成長分野である、1日使い捨てコンタクトレンズ

市場での更なる販売拡大へ繋げてまいります。



モールド製法を実用化した世界初のハードコンタクトレンズ 0
’15/3 ’16/3 ’17/3 ’18/3 ’19/3
ハードコンタクトレンズと定期交換型レンズの長所を兼ね備えた新カテゴリーの3ヵ月交換レンズとして、
「フォーシーズン」
を発売いたしました。
一日使い捨てレンズなどの水分を含む柔らかい素材以外で、
モールド メニコングループ販売店「Miru」
製法を実用化した世界で初めてのレンズです。モールド製法による装用感の向上を目指し、従来品よりも ずっと安心してコンタクトを使い続けられる、質の高いサービスを受けられる、といったブランドイメージを想起

レンズ表面は滑らかに、レンズ周辺部は薄いデザインにすることができました。 していただけるよう、ブランドを「Miru」に統一し、グループ内の連携をさらに強化しております。

レンズの色は季節をイメージした4色、ピンク、グリーン、オレンジ、ブルーを用意しており、季節を感じて
「 知識・経験を共有したり、 Miru」
「 ブランドでの共同販促を行ったりと、シナジー効果を見込んでおります。また、

着替えるコンタクト」というコンセプトのもと、季節のめぐる3ヵ月ごと、レンズの状態が悪くなる前に交換 引っ越しで全国どこに移動しても、お店がある安心感も提供してまいります。統一ブランドにすることで、さらに

できます。また、1箱4枚入りで、手元にスペアレンズがある 顧客満足を高め、ずっとメルスプランでコンタクトを使い続けてもらえるよう、ユーザーフォローを継続してまいり

という安心感をご提供いたします。ケア用品も同時にお使 ます。

いいただけるようにパッケージは4色です。タンパク付着
防止成分配合により、つけ置きするだけでレンズへタン
パク質が付着しにくくなり、タンパク汚れからレンズを 「エンドユーザーファースト」の具現化に向けて
守る特徴があります。 国内市場においてメニコンは70年間近くの歴史があり、おかげ様でコンタクトレンズのパイオニア
として多くのユーザーの皆様、 そして取引先の皆様にご愛顧いただいております。 これは創業以来、
生産する関工場では、販売拡大に向けて、生産ラインの
安全性の高い製品を提供してきた実績から、 ブランドに対して安心感をお持ちいただいているから
増強を進めております。製品の提供を通じて、今後もより ではないかと自負しております。
多くのユーザーの皆様へ便利で快適なコンタクトレンズ 今、コンタクトレンズの買い方は非常に多様化しております。インターネットでも購入できることで
利便性が高まる一方、安全性が懸念される声も聞かれます。
フォーシーズン・フォーシーズンケア ライフを提供してまいります。 メニコンはメルスプランを通じて、 ・
安心 安全なコンタクトライフを提供したいと考えます。 良い
商品をより良い状態で使っていただけることがメリットです。 全国にある1,700店舗近いメルス加盟
施設で、質の高いサービスを受けていただけます。
社内の雰囲気を見ますと、 販売機能があることで顧客接点が多く、 社員は自然と 「エンドユーザー 執行役
ファースト」の気持ちが生まれていると感じます。 お聞きしたユーザーの皆様の声を直接企業活動に 国内営業統括本部長
活かすことができるのも強みです。 篠 田 浩 樹
これらの優位性を活用し、ユーザーの皆様の多様なニーズに応えながら、 これからも利便性と安全性
を両立できるサービス体制を構築すべく、日々取り組んでまいります。

17 統合レポート 2 0 1 9 Integrated Report 2019 18
Menicon Standard メニコン 4つの重 要 課 題




3. 技 術 と 人 材 を 育 成 す る
販売店スタッフのブランド価値創造への取り組み The Voice
メニコンでは、 Menicon Miru」
「 のブランドネームで直営店を展開して
います。 海外統括本部企画管理部  山中 大輔
直営店が目指す価値観として定めたのが、 コンタクト選びを、
「 もっと 会社制度を活用し、望んだキャリア形成を実現
楽しく。お客様の毎日に、うれしさを。というストアコンセプトです。
」 ストア 経営者育成研修を志望した当時は、
入社3年目で札幌の直営
コンセプトを行動指針とし、お客様のコンタクト選びの良きパートナーを 店に配属されて1年程経った頃でした。
仕事への意欲と学びたい
目指しています。 意欲に溢れていた私にとって、
社長の一番近くで仕事を学べる
Miruのブランド価値を高められるのは、Miruで働くスタッフだと考え、 またとないチャンスと思い、すぐに応募を決意しました。
教育に重点を置いています。 ワークショップ形式の集合研修 経営者育成研修では、メニコンのやる気ある若手社員の

スタッフ教育は、集合研修と店舗の接遇リーダーによる指導の両輪によって成り立っており、スタッフをブランド 経営 戦略思考を高めることを目的とした“あおい塾”へ参加

ができます。塾では、各回テーマを設定し、テーマに対して
発信源とした顧客価値創造に励んでいます。
独自に分析 検証した上で参加します。
・ “経営者の視点で考える”という共通の軸を持つことで、意見を集約
店舗では、勉強会やミーティングなど、接客サービスの質を高めるための活動を継続的に行っています。接遇
しながら、経営者視点での物事の考え方を学びました。
リーダーが中心となり、接遇目標を掲げて取り組むことで、自主的な行動に繋げています。
研修中盤には、海外現地法人社長が一堂に集まり、重要議題を議論する会議に参加させてもらいました。
集合研修は、社内の教育部署により定期的に開催しており、知識の習得に加えて、企業理念やストアコンセプトの その年は米国での開催だったのですが、まさか1年後に自分が赴任するとは想像もしておりませんでした。
浸透をその目的としています。お客様に「楽しい」 うれしい」
「 経営者育成研修を経て赴任したメニコンアメリカ社では、新商品の導入マネジメントから事業計画の
を ご 提 供 す る た め に は、 ず は ス タ ッ フ に Mi ru の ス ト ア
ま 接客リーダー 策定と幅広い業務に携わりました。新商品導入では、発売開始から逆算した導入スケジュールを立案して、
集合研修
コ ン セプトである「楽しい」 うれしい」
「 を感じて仕事をして による教育 抜け漏れなく実施項目がクリアされるよう商品導入を進めることができました。この経験から、常に物事の
(全体)
(各店舗)
もらう必要があると考えているからです。価値観を共にした 全体像をイメージしながら仕事をする姿勢が身につきました。計画策定では、現地法人社長と二人三脚で
Miruのスタッフが一丸となり、ストアコンセプトの体現に
● 企業理念・ 計画達成のストーリーを協議 立案し、
・ マネジメント候補に必要な、仮説を数値で具体化するスキルを学ぶ
● 接客の実践
価値観の共有
努 め る こ と で、 ら に 進 化 し た メ ニ コ ン 直 営 店
さ 「Menicon ことができました。社員の育成やキャリア形成を支援する環境があること、そして入社当時から希望して
いたグローバルな仕事ができていることに感謝しております。
Miru」を創り上げてまいります。


海外統括本部アジア・オセアニア営業部  高実 アウン
職場環境向上への取り組み コンタクトレンズの処方技術をミャンマーへ
メニコンでは、より社員が働きやすくなるよう、職場環境の向上に取り組んでおります。本社や研究所ではフリー ミャンマー連邦共和国のヤンゴン国立眼科病院にメニコン
アドレス制を導入し、社員同士の積極的なコミュニケーションの促進と、創造的なアイディアや新たな価値観の創出を コンタクトレンズ研修センターを開設しました。ミャンマー
目指した環境づくりに励んでいます。 市場では、ハードコンタクトレンズやオルソケラトロジー
創業69周年と、歴史があることは会社としての強みである一方、固定概念やセクショナリズムの形成が懸念されます。 レンズがほとんどありません。
研修センター設立の意義として、
また、変化の激しい社会に対して、柔軟に対応し、組織として進化していくためには、社員一人一人が自ら考える能力、 これらに関する教育と技術支援を行い、眼鏡では視力矯正が

そして、様々な考えを受け入れて新たなものを生み出していく能力が必要と言えます。そのような課題に対応する 困難な症例の視力矯正と若年者の近視進行抑制に貢献し、
市場を広げるということを意識しました。
ために職場環境の向上に注力し続けているのです。
運営をしてみてやりがいを感じる点は、
眼鏡では視力矯正が困難な症例に対して実際にコンタクトレンズを
また、服装に関してはスマートカジュアルを取り入れています。特に
処方すると、患者の方のQOL Quality of life)
( が以前より良くなったことです。満足度も高く、とても感謝
夏季には会社からオリジナルポロシャツを支給し、営業活動に励んで
されました。一方で、教育や処方だけでなく、現地の運営はすべてひとりで行い、市場も開拓しなくてはなら
おります。2011年の東日本大震災をきっかけに節電について真剣に ないことに苦労しています。
考えた結果、服装から根本的に変えることで社員全員の意識改革を実現 研修はすでに10回程度開催しました。参加された専門家は、オルソケラトロジーに興味を示してくだ
しました。 さったり、ハードコンタクトレンズや特殊コンタクトレンズで特殊症例の患者の方に視力矯正できることに
今後も引き続き、社員一人一人が輝ける職場づくりに取り組んで 対して関心を持っていただいたりと、多くのご意見をいただきました。
まいります。 現在のミャンマーの眼科分野ではハードコンタクトに関する知識がまだ少ないので、様々な症例に対して
メニコンオリジナルポロシャツ 幅広く視力矯正できることをもっと知ってもらうため、技術支援を続けていきます。処方できる医師や専門
家をできるだけ多く増やし、ミャンマー市場の発展に貢献していきたいです。




19 統合レポート 2 0 1 9 Integrated Report 2019 20
Menicon Standard メニコン 4つの重 要 課 題




4. 持 続 可 能 な 価 値 を 創 る
グローバルで需要が高まるコンタクトレンズのニーズ コンタクトレンズやケア用品の技術を用いた新たな可能性
日本に限らず、
世界中で近視人口が増えていると言われています。
快適な生活を送るために、
より良い視力矯正に対する メニコンは、日本で初めて角膜コンタクトレンズを開発して以来、長年にわたり「コンタクトレンズのパイオニア
ニーズはますます高まっていくことでしょう。
メニコンでは長年に渡り、
眼への安全性を最優先にものづくりを行ってお 企業」として業界をリードしてまいりました。次のステージに向けて、 人にも動物にも環境にも優しい地球企業で

り、
その安全に対する考え方をグローバルスタンダードにしていきたいと考えています。
それぞれの国 地域に合わせて、
・ ありたい』と考え、弊社の歴史の中で培った技術や人材をコンタクトレンズ事業から派生及び関連している分野に
メニコンの優位性を活かしながら、
商品の拡販に取り組んでおります。 応用し、新規事業として展開しております。私たちが開発した技術や英知が地球のすべてに恩返しできることを夢見て、
挑戦を続けています。


〈市場〉 〈課題〉 人の技術を動物用に応用
● 全世界の約25% ● ディスポーザブルコンタクトレンズの競争力
● 安定した成長を維持 強化
欧州市場 〈 メニコンの現状 〉 〈今 後〉 犬用の眼内レンズの商品化
人用の眼内レンズの研究開発
大手量販店との取引拡大 動物用医療事業
● 西欧を中心に5ヵ国7現地法人 ●

● 歴史があるため堅固な事業基盤がある ● 南欧 北欧への進出




これまでの研究開発で培った技術を応用
〈市場〉 〈課題〉
● 全世界の約15% ● 多様なニーズに応える製品ラインアップの拡充 ケア用品の開発過程で、 稲わら分解促進材、
たい肥化
● 中国を中心に急成長が続く 〈今 後〉
特殊な植物繊維分解酵素を 促進システムなどを提供、

アジア市場 〈 メニコンの現状 〉 ● 高付加価値の新製品の投入
発見 環境負荷低減に貢献

● 3ヵ国4現地法人 ● 中国の営業機能 マーケティング機能の強化

● 中国のオルソケラトロジー市場で販売 ● 潜在性の高い新興市場及び専門家の育成
拡大中
眼を内面からサポート


コンタクトレンズで、
視力を
サプリメントで、体内からサポート
〈市場〉 〈課題〉 サポート
● 全世界の約35%。市場は最も大きい ● 製品バリエーション強化による機会損失の回避
● 1DAYが高成長 ● 販売 物流体制の強化


北米市場 〈 メニコンの現状 〉 〈今 後〉
● 1現地法人 ● 乱視用、
遠近両用など機能性レンズによる製品 商品ラインナップ
● ディスポーザブルコンタクトレンズの ポートフォリオの強化 [ 動物医療事業 ] 動 物 用 眼 内 レ ン ズ /動 物 用 治 療 用 コ ン タ ク ト レ ン ズ / 動 物 用 医 療 機 器 / 動 物 用 サ プ リ メ ン ト
販売拡大に向けて事業を再構築中 ● 現地小売パートナーとの関係強化 [ 環境バイオ事業 ] 農 業 分 野:稲 わ ら 分 解 促 進 材 / 畜 産 分 野:た い 肥 化 促 進 シ ス テ ム / 飼 料 分 野: 機 酸 入 り カ ル シ ウ ム 強 化 剤
有
● 物流体制を含めたサプライチェーンの構築 [ ライフサイエンス事業 ] 妊活支援サプリメント/QOLサプリメント/研究用理化学製品




グローバルでの成長を実現する 新たな価値創造への挑戦
メニコンの海外事業は40年前にフランスに現地法人を立ち上げたことから始まりました。高品質、 新規事業は内容が多岐に渡っていますが、その元はコア事業であるコンタクトレンズ事業から
高性能と、ハードコンタクトレンズが欧州市場で評価され、現在でも欧州で確固たる基盤を築いて 派生しています。現在は比較的小規模な事業を複数進行させている状況で、新たなビジネスの探索や
おります。一方で、世界的なコンタクトレンズのトレンドは使い捨てコンタクトレンズに移っており、 育成と同時に、選択と集中も行っています。しかしながら、どの事業も非常にユニークであり、まだ
メニコンにおいても各国、地域に合わせて、順次製品導入を進めているところです。このような海外 まだ成長の機会が大きいと認識しています。
戦略は実を結び始めており、2019年3月期には海外売上高109億円※となりました。 また、新規事業ならではの新たな価値を世の中に提供できるという喜びもあります。アイケアから
コンタクトレンズの世界市場は小売ベースで約1.3兆円と言われており、順調に拡大しております。 ヘルスケア、そしてライフケアと裾野を広げ、メニコン独自の技術やノウハウによって生まれた商品や
その中でも、中国、米国市場がその高い成長率で成長をけん引しています。特にその中心的存在たる サービスがより多くの皆様のお役に立てればと思っております。さらに、海外展開も視野にいれた事業
1DAYセグメントにおいては、当社は内面に触れることなく、簡単、清潔に装用できるコンセプトの 活動も進めています。
執行役 執行役
パッケージ「スマートタッチ」という武器があります。今後も、それぞれの市場に最適な高品質 高性能
・ チャレンジ段階ではありますが、社会への貢献度が高く、将来性が期待できる事業でもあります。
海外統括本部長 新規事業統括本部長
のコンタクトレンズを順次投入し、市場成長を上回るグローバル成長を実現いたします。 見える喜びから生きる喜びまで提供する企業として、新規事業のビジネスを通じ、皆様の生涯に渡って
古 賀 秀 樹 伊 藤 渉
※国内の代理店を通じた海外での売上金額を含む 生活に役立つ商品、サービスを提供してまいります。



21 統合レポート 2 0 1 9 Integrated Report 2019 22
Financial & Non-financial H ighlights 財 務 非 財 務ハイライト





〈 会計年度 〉 2014年3月期 2015年3月期 2016年3月期 2017年3月期 2018年3月期 2019年3月期
〈 経営成績 〉

売上高(百万円) 62,209 63,131 67,332 72,052 76,672 80,898

営業利益(百万円) 2,294 2,863 3,457 3,910 4,394 5,571

営業利益率(%) 3.7 4.5 5.1 5.4 5.7 6.9

親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) 1,010 1,431 2,224 2,543 2,657 3,576

設備投資(百万円) 4,958 4,780 2,256 4,729 4,474 6,560

減価償却費(百万円) 2,770 3,186 3,349 3,635 3,966 3,656

研究開発費(百万円) 2,811 2,755 3,459 3,497 3,398 3,656


〈 キャッシュ フローの状況 〉


営業活動によるキャッシュ フロー
・ (百万円) 1,116 4,233 7,859 5,197 7,857 7,023

投資活動によるキャッシュ フロー
・ (百万円) △ 3,380 △ 3,525 △ 3,293 △ 6,065 900 △ 4,951

財務活動によるキャッシュ フロー
・ (百万円) 3,029 △ 422 △ 851 △ 271 △ 4,196 1,825

フリー キャッシュ フロー
・ ・ (百万円) △ 2,264 707 4,566 △ 868 8,757 2,071


〈 財政状況 〉
(会計年度末 )

総資産(百万円) 67,414 67,609 68,901 72,336 71,706 78,275

有利子負債(百万円) 19,681 19,984 16,634 19,787 16,185 18,873

純資産(百万円) 33,148 33,872 38,439 37,681 40,121 42,549

株主資本(百万円) 33,247 34,189 39,043 38,405 40,467 43,208


〈 1株当たり情報 〉

1株当たり当期純利益(円) 30.93 43.79 62.52 71.75 75.67 101.63

1株当たり純資産額(円) 1,010.88 1,034.07 1,049.18 1,072.01 1,138.62 1,205.46

1株当たり配当金(円) 15 15 15 19 25 28


〈 経営指標等 〉

自己資本比率(%) 49.0 50.0 55.8 52.0 55.9 54.3

ROE %)
( 3.1 4.3 6.3 6.6 6.8 8.7

ROA
(%) 1.5 2.1 3.3 3.6 3.7 4.8

配当性向(%) 48.5 34.3 24.0 26.5 33.0 27.6

DOE %)
( 1.5 1.5 1.4 1.8 2.3 2.4


〈 従業員データ 〉

従業員数(連結 名)
・ 2,452 2,580 2,710 2,971 3,083 3,264

従業員数(単体 名)
・ 1,089 1,116 1,153 1,208 1,259 1,319

 うち男性 687 707 729 760 789 805

 うち女性 402 409 424 448 470 514

※当社は2018年1月1日付で普通株式1株につき普通株式2株の割合で株式分割を行っております。 2014年3月期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、 1株当たり当期純利益、1株当たり純資産額及び1株当たり配当金を算定しております。…
当社は 『税効果会計に係る会計基準』
「 の一部改正」 企業会計基準第28号2018年2月16日)
( 等を2019年3月期の期首から適用しており、2018年3月期に係る主要な経営指標については、 当該会計基準等を遡って適用した後の数値となっております。



23 統合レポート 2 0 1 9 Integrated Report 2019 24
Investor & Stakeholder Relation 株主 投資家の皆様とのリレーション
・ Corporate & Stock Information 会社概要 株式情 報





株主・投資家の皆様への情報開示に対する考え方 会社概要 株式の状況
会 社 名 株式会社メニコン 発行可能株式総数 62,184,000 株 株 主 数 3,846 名
メニコンでは、株主の皆様に末永く「サポーター」として応援いただくために、公正かつ適時、適切な情報開示を
代 表 者 名 代表執行役社長 田中 英成 発行済株式の総数 36,804,000 株 議 決 権 総 数 352,270 個
目指しております。また、株主・投資家の皆様の声を経営に反映させ、より良い企業活動を行うため、積極的なIR
活動に取り組んでいます。 本社所在地 〒460-0006
愛知県名古屋市中区葵三丁目21番19号 大株主
電 話 番 号 052-935-1515
(代) 株主名 持株数(千株)
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 2,866
創 業 1951年2月
株主総会 株式会社トヨトミ 1,982
設 立 1957年7月
株主の皆様が株主総会議案の十分な検討期間を確保し、 株式会社マミ 1,860
資 本 金 33億79百万円 日本トラスティ サービス信託銀行株式会社
・ (信託口) 1,508
適切に議決権を行使することができるよう、定時株主総会の
塚本香津子 1,414
招集通知の早期発送に努めるとともに、発送に先立ち当社 従 業 員 数 3,264名
(連結)1,319名
、 (単体)
メニコン社員持株会 1,368
ウェブサイトに招集通知を開示しております。また、議決権 事 業 内 容 コンタクトレンズ ケア用品事業他
・ 田中英成 1,000
行使に関しては、株主の皆様の利便性を考慮し、インター 株式会社三菱UFJ銀行 800
事 業 所 数 営業所 15、
: 販売店 49、
: 研究所 工場 6、
・ :
ネットでの議決権行使も可能としております。
併せて、
議決権 (単 体) カスタマーセンター 1、
: 物流センター 4
: 日本トラスティ サービス信託銀行株式会社
・ (信託口9) 702
電子行使プラットフォームへ参加をしております。 田中康範 682
関係会社数 国内 7、 :
: 海外 14
※自己株式:1,573千株
取 引 先 全国の病院、眼科医院、コンタクトレンズ販売店、眼鏡店、
薬店卸、海外の販売会社
(世界80数ヵ国への輸出) 所有者別構成比率
取 引 銀 行 三菱UFJ銀行、
みずほ銀行、
りそな銀行、
静岡銀行他

IRイベントへの参加 U R L www.menicon.co.jp 個人 その他
・ 金融機関
www.menicon.com 44.2% 26.7%
メニコンは投資家 株主の皆様との対話を通じて、
・ 事業に
関する理解を深めていただくため、毎年個人投資家説明 株主名簿管理人 東京都千代田区丸の内一丁目4番5号
三菱UFJ信託銀行株式会社 証券会社
会を開催しています。2018年度には、東京、名古屋、大阪、 外国法人等
0.5%
福岡において開催された、個人投資家の皆様に向けた説明会 上場証券取引所 東京、
名古屋 11.1%

に参加し、代表執行役社長の田中より、コンタクトレンズ 証券コード 7780 自己株式 その他国内法人
市場の現状と将来性、及びメニコンのビジョンと成長戦略に 4.3% 13.2%
ついて説明いたしました。今後も継続し、説明会等において、
積極的に対話の機会を設けてまいります。 株価推移
株価(円)
3,300



2,900


IRサイトのご案内
2,500
メニコンでは、 ・
株主 投資家の皆様にタイムリーな情報をお届けするために、充実したIRサイトの構築を進めています。
出来高(万株)
株主 投資家の皆様へ重要な情報をお届けするために、 IRメール配信」
・ 「 も行っていますので、ご活用ください。 2,100 300


IRライブラリーでは、
直近の決算情報や今後の業績予想を含む、
各種資料を

掲載しています。
決算短信 決算説明会資料

2018年 2018年 2018年 2018年 2018年 2018年 2018年 2018年 2018年 2019年 2019年 2019年
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月




TSR *
決算年月 2017年3月 2018年3月 2019年3月
株主総利回り(%) 91.2 142.2 172.9
メニコン IR 検索 www.menicon.co.jp/company/ir/ 比較指標 配当込みTOPIX
: (%) 114.7 132.9 126.2

* TSR(Total Shareholder Return):株主総利回りのこと。キャピタルゲインと配当を合わせた、総合投資利回りを表します。
2019年3月31日時点


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