BIST技術を用いた糖鎖解析に関する論文発表について

2019 年 9 月 2 日
各 位
会 社 名 プレシジョン・システム・サイエンス株式会社
代表者名 代 表 取 締役 社 長 田島 秀二
(コード番号:7707 東証マザーズ)
問合せ先 取 締 役 総 務 部 長 田中 英樹
(TEL 047-303-4800 http://www.pss.co.jp/)



BIST 技術を用いた糖鎖解析に関する論文発表について

プレシジョン・システム・サイエンス株式会社(以下、PSS)の BIST 技術を用いた糖鎖解析につい
て、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下、産総研)から論文が発表されました。PSS も共著
者となっている論文で、このたび分析化学のトップジャーナルである Analytical Chemistry に掲載され
ることになりました。BIST 技術とレクチンを組み合わせ、全自動糖鎖プロファイリングを実現した最
初の報告となります。

Lectin bead array in a single tip facilitates fully automatic glycoprotein profiling.
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.analchem.9b01876

責任著者である産総研 創薬基盤研究部門 糖鎖技術研究グループ 久野敦上級主任研究員は、
2012 年から PSS の BIST 技術に着目し、JST 復興促進プログラム(マッチング促進)の助成を受け
て、本技術の糖鎖解析への応用について原理検証を進めてくださいました。2016 年度からは、AMED
糖鎖創薬プロジェクトの助成を受けて研究を進めてくださり、専用多連自動化装置(以下、LuBEA:
ルベア)の製作、測定を行い、今回の論文発表に至っています。
久野先生からは、 “糖鎖プロファイリング技術によるバイオマーカー開発が盛んになった昨今、その
自動化は R&D の効率化はもとより、臨床応用上も非常に重要です。この論文はレクチンを使った糖鎖
プロファイリングの全自動化について示した第一報となり、生体試料の前処理からの全自動化も技術
原理上容易なため、とてもインパクトがあるものです。 ”とコメントをいただいています。

産総研とは、2019 年 9 月より技術コンサルタント制度を利用してさらに連携を深め、BIST 技術と
LuBEA を組み合わせたシステムの上市を目指し、開発を加速していくことにしております。

PSS では、この論文発表を BIST 技術における貴重な一歩と位置付けています。糖鎖解析用 BIST を
広く臨床現場で使っていただけるよう、開発を進めます。BIST は糖鎖に限らず様々な分野で利用でき
る技術です。糖鎖解析を皮切りに、DNA タイピング、ELISA に基づく解析等、BIST 及び LuBEA の有
用性を広めていきたいと考えています。

以上




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【用語説明】

BIST:Beads array In Single Tip
http://www.pss.co.jp/technology/apit/bist01.html
BIST とは、多項目同時測定を自動で行うために開発された PSS 独自のマルチプレックス検出用ツールで
す。測定対象物質と結合する抗体、抗原、あるいは DNA 断片を固定化した直径 1mm のビーズをキャピラリー
に並べて封入することで、同時多項目測定が可能です。

JST:国立研究開発法人 科学技術振興機構

AMED:国立研究開発法人 日本医療研究開発機構

LuBEA:BIST 専用全自動反応測定装置
http://www.pss.co.jp/technology/apit/bist02.html
LuBEA は、多項目同時検出ツール「BIST」のための全自動反応測定装置です。プレパック試薬との組み合わ
せにより、反応、洗浄、検出工程の自動化を実現しました。ハイスループット対応機(LuBEA Ⅷ)には、新
技術 R x F Scanner を搭載し、処理能力を大幅に向上させしています。

ELISA:Enzyme-Linked Immuno Sorbent Assay
試料中に含まれる目的の抗原あるいは抗体を、特異抗体あるいは抗原で捕捉し、検出・定量する方法です。




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