卵円孔閉鎖デバイスの企業支援型医師主導治験開始のお知らせ

2019 年7月 25 日
各 位
会 社 名 日本ライフライン株式会社
代表者名 代 表 取 締 役 社 長 鈴木啓介
(コード番号 7575)
問合せ先 常務取締役管理本部長 髙橋省悟
(TEL. 03-6711-5200)

卵円孔閉鎖デバイスの企業支援型医師主導治験開始のお知らせ

当社が資金協力を行う治験であり、国立大学法人岡山大学 成人先天性疾患センター 赤木禎治医師が
治験調整医師を務める卵円孔閉鎖デバイスに関する企業支援型医師主導治験が開始されることとなり
ましたのでお知らせいたします。

卵円孔は左右の心房を隔てる壁である心房中隔に空いた開口であり、肺循環が出来ない胎生期にのみ
存在し、母体の胎盤から供給される酸素に富んだ血液を、右心房から左心房を経て全身へと導くための
重要な構造です。通常、卵円孔は出生後に自然に閉鎖しますが、成人に達しても閉鎖しないまま残る場
合があり、これを卵円孔開存と呼んでおります。一般に健常成人の 15~25%に存在すると報告されてお
ります。

薬物抵抗性の片頭痛患者において、卵円孔をカテーテルにより閉鎖することにより、片頭痛の改善が
みられたとする臨床経験は数多く報告されており、岡山大学病院におきましても奇異性脳塞栓を発症し
た片頭痛患者に再発予防のため卵円孔のカテーテル閉鎖術を施行したところ、高い確率で片頭痛の改善
が確認されております。

こうした背景の下、当社といたしましては、日本国内において、卵円孔閉鎖デバイスを用いたカテー
テル治療を実施可能とすることで多くの患者様の治療に役立てたいという赤木医師の考えに賛同し、今
般の企業支援型医師主導治験への協力を決定いたしました。

なお、本治験につきましては、岡山大学並びに当社にて PMDA(医薬品医療機器総合機構)との医療
機器プロトコル相談を 2018 年5月に終了しており、現時点における見通しといたしましては、2019 年
8月を目途に症例登録を開始し、フォローアップも含めた治験終了は 2023 年頃となることを想定して
おります。

また、本治験に用いられる Occlutech Holding AG(オクルテック社:スイス)の製品である 卵円孔
開存症(PFO:patent foramen ovale)閉鎖デバイスは既に奇異性脳塞栓の再発予防のための医療機器
として、2011 年に CE マークを取得し、ヨーロッパでは広く使用されております。本デバイスと同様の
構造を有する心房中隔欠損閉鎖デバイス「Figulla Flex II(フィギュラ・フレックスⅡ) 」は 2016 年に
当社が日本国内に導入しており、現在では多くの患者様の治療に用いられております。

当社といたしましては本治験へ協力を通じて、片頭痛に対する新たな治療方法の確立とその普及を図
ることで、患者様をはじめ医療現場に対して、最新・最適な医療機器を提供できるよう取り組んでまい
ります。





片頭痛について

現在、日本国内における片頭痛の有病率は 8.4%と報告されており、うち 2.6%が前兆のある片頭痛
と言われております。また、悪心・嘔吐、光・音・ニオイ過敏、めまいなどの随伴症状がある場合もあ
り、片頭痛患者の 74%は日常生活に支障をきたしているといわれております。
片頭痛患者は平均で毎週 3.5 時間を片頭痛のために喪失するだけでなく、年間約 200 万円強の投薬や
診療等に対する出費が必要になるとされており、日本国内における医療経済上の損失は、年間約 3,000
億円にものぼると推定されております。
以上





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