チェンジ×ポート イベントレポート

2021年7月30日
ポート株式会社



チェンジ×ポート イベントレポート

2021年7月9日(金)に、ポート株式会社(代表取締役社長 春日博文、所在地:東京都
新宿区、以下:当社)と株式会社チェンジ(代表取締役兼執行役員社長:福留大士、所在
地:東京都港区、以下:チェンジ社)の代表同士のタイアップイベントを行いました。視
聴者からの質問に対する回答をまとめてレポートいたします。




Q&A


二人への質問


#提携のきっかけ
Q.チェンジとポートの提携のきっかけを教えてください。特に福留さんと春日さんとが知
り合うきっかけや、いつ頃から意見を交わすようになったのか等が気になります。

春日:今年3月くらいに少人数での会合で福留さんと出会い、意見を交わすことになりまし
た。そこで、チェンジとポートそれぞれの強みが生きるところでまずはスタートしようと、
中身を模索していきました。

福留様:前職であるアクセンチュアに在籍していた際の上司がアクセンチュアの役員をした
後、ポートに入社したこともあり、以前から春日さんのことが気になっていました。
#事業シナジー
Q.圧倒的なSEOの強さと知名度を誇る「ふるさとチョイス」と、ポート社のデジタルマーケ
ティングによる集客ノウハウを組み合わせれば、ふるさと納税事業においても大きなシナ
ジーが生まれると推察されるが、トラストバンク社とポート社の間でも事業シナジーを追
求する方針はありますか。

春日:まずは人材の就職領域において具体的な取り組みを行っていきたいです。実際、地方
自治体は新卒・第二新卒の就労支援(地元の企業への雇用支援)にかなりの予算を使ってい
ます。就職単体でも数百億円ほどで、地方自治体が行う就活イベントは大体がリアル開催の
イベントとなっています。地元で開催するか、地元企業と共に東京へ行き就職イベントを開
催するかですが、そのための移動費がコストとして大きく、移動費の他、イベントの設営費
用にコストもかかり、実際のマッチングの面にかけるコストはかなり少ないのが現状です。
そのため、どの企業も自治体の就労支援に見立て(イベントに〇人集まるなど)をしたうえ
での就職支援を行えていません。ポートのビジネスモデルは基本的に成果報酬、送客型のビ
ジネスです。ポートのビジネスをベースに何人規模のイベントとして行うといったコミット
ラインを作って運営することで他社との差別化が図れています。また、オンラインで開催で
きるマッチングイベントを開催していくことによって、移動費分の費用の代わりにオンライ
ンイベントを2回行うことでマッチング量が増えるのではないかと考えます。

福留様:一番最初は自治体向けのネットワークを使った、UIJターンなどの都市部から地方
への人の流れをどのように作るかといった点に焦点を当てていきたいです。ふるさとチョイ
スや地域通貨といった事業を展開する中で、ポートのデジタルマーケティング分野へのノウ
ハウがすさまじく(就活生の70%を獲得するなど)、そのノウハウはどのビジネスにも転用
可能なものなので、春日さんの目から視るとまだまだユーザーが獲得できると言える点がた
くさんあると思います。そのためのアイディア等をいただきながら、最初こそ人材領域にフ
ォーカスをあてますが、それ以外の領域でもどんどん展開していくことを考えています。デ
ジタルマーケティングの分野では春日さんに教えていただく立場にあります。



#地方の課題
Q.これからの日本の発展には、地方が元気になることが不可欠です。そのためにも、国に
先駆けて地方の自治体や企業のDXを進めていくことが肝要と思います。具体的な構想を教
えてください。どのような課題があり、いつまでにどのように達成していくのかうかがえ
たら幸いです。

春日:自治体側の雇用支援の在り方がアナログ的であり、デジタル化の余地が非常に大きい
ところから取り組むことにより、マッチングの総量を増やしたいです。チェンジがLogoシリ
ーズによりユーザーと地方自治体間のコミュニケーションによるマッチングの取り組みをし
ていますが、やはり就職活動の問題点としてマッチングのデジタル化を短期的には解決して
いきたいです。加えて上京して3年後、5年後に地元に戻りたいとなった時のために就労支援
のマッチングを支援するだけでなく、その後の接点を3年、5年と持ち、地方自治体からの制





度紹介などによりコミュニケーションを保ち続ける設計が地元と学生の接点づくりにおいて
重要だと考えています。

福留様:新卒・第二新卒の方にもいくつか意思決定のタイミングがあり、そのタイミングを
しっかりととらえて、継続的なコミュニケーションをとれる仕組みを作っておけば、都市と
地方を行き来する人の流れが作れます。直近では就活生の意識や利用するツールと求人側の
自治体企業とのギャップが大きいと感じます。デジタルに慣れた大学生が卒業し就職してい
る中、旧態依然とした就活イベントがコロナにより中止になるのはもったいないですね。オ
ンラインでやればコロナの影響なくイベントを行えたりするので、そのギャップの解消を
し、そこからどうコミュニケーションをとっていくかが腕の見せ所。求人側と求職側のズレ
やギャップをデジタルの力で埋めに行くことが今の日本に必要なので、それをポートと一緒
にやっていきたいです。



#地方企業
Q.全体として、「地方の採用は、デジタルマーケティングが遅れているから送客できな
い」ように聞こえましたが、地方にはそんなに魅力的な企業が眠っているのでしょうか?
亡霊中小企業の存命をしているだけの政府・自治体に対し、その予算を取りに行っている
だけに聞こえましたが、認識間違っていますか?

春日:当然都内に比べて地方企業の採用活動のデジタルマーケティングが進んでいることは
ありませんが、地方企業の採用活動がどんどんオンライン化していくことは間違いないと思
っています。その皮切りにまずは自治体が雇用支援として地方企業の採用活動にデジタルマ
ーケティングを活用いただき、最終的に地方企業の採用DXが進めばいいと考えています。

福留様:地方にも魅力的な企業は埋もれています。地方では資金調達も人材の確保も大変で
す。独自の技術を持っていたりおもしろいアイディアをもっている企業があるのに、そこに
優秀な人材が集まらないというのが地方から魅力的な企業を減らしている要因にもなってい
ます。今回の取り組みから魅力的な企業を発掘し、人材獲得を手伝うことで地方の経済が盛
り上がる好循環を狙います。



#新規
Q.今ある領域のほか、住宅や結婚に関するマッチングへの展開はありますか?

春日:間違いなくあると思います。住宅や結婚は常に自治体と関わる領域で、意思決定前は
情報収集のために当社メディアを使い、意思決定後のアクションをチェンジの自治体向けパ
ブリティック事業が支えています。その意味ですべてが表裏一体でつながっています。

福留様:自治体と一緒に取り組みをしていく最大のメリットは、例えば子育ては必ず自治体
に出生届を出すなど、ほぼ全員が自治体との接点が生じることです。その接点をいかに充実
したものにするか、良いライフイベントにするかなどが大きなビジネスチャンスになりま



す。ある意味で地方の生活を魅力的なものにするためにはいいコンテンツを供給していかな
ければなりません。



#M&A
Q.M&Aに積極的な印象があるお二方ですが、考え方に違いや類似点はありますか?

春日:ポートは数年前から上場後もM&Aに積極的でいかに数多くメディア運営するかという
ところから利益を積み上げてきましたが、1件あたりの収益の最大化の難易度が高かった
り、強いプロダクトを作らないと業績の成長速度が鈍化していくという課題がありました。
チェンジは自社よりも規模の大きい会社も積極的にM&Aしており、その後も大きく成長させ
ています。そういうことをしないと会社の成長スピードが失われることに気づかされ、それ
が課題意識となって過去のM&Aを清算し、規模が大きく業界No1を目指すことができ、一つ一
つのPMIに時間をかけられることを前提にM&Aを考えるようになりました。

福留様:類似点としては、二人とも調子に乗らずに一生懸命働いていることです。今回のよ
うに金曜の夜だろうと株主の方との対話をするなどといった姿勢が同じですね。



#株価
Q.株価を意識すると、短期的な見せかけのIRなどになびかないか心配です。中長期的な企
業価値向上と株価を意識するということのバランスについてはどのように考えています
か?

春日:業績だけでなく株価も意識し、投資家の方々としっかりコミュニケーションをとるこ
とで、結果的に適正な評価(株価)になってくると考えています。そのために短期的な施策
よりもIRの型を作っていくスタンスで取り組んでいます。今期の業績でなく、今後の業績に
活きてくるものをIRとして情報発信していきたいと思います。

福留様:株価は業績、需給、人気の3つで形成されており、この人気の部分は株主との信頼
関係だと考えています。その信頼関係を築くうえでは情報発信することが非常に重要です。





当社代表取締役CEO 春日への質問


#中期経営計画
Q.中期経営計画達成への意気込み、自信の程を聞かせて下さい。

春日:21年3月期の売上高47億円から23年3月期に約2倍の100億円までもっていくのは過去最
大のチャレンジになります。ただ、これまで掲げてきた業績予想は常にクリアしてきたとい
う自負があります。大前提のスタートラインという危機感をもって取り組んでいきたいで
す。



#業績
Q.中期経営計画や今期の業績に向けての今回の件はどれほどのインパクトがありますか?
また、それは織り込み済みだったのでしょうか。

春日:今回の提携については、中期経営計画に全く織り込んでいません。3月に初めて福留
さんとお会いし、4月に何度もディスカッションを行い、5月GW明けから具体的な内容を詰め
ていきました。具体的にどれほどのインパクトかはまだ未定ですが、地方の雇用支援のポテ
ンシャルは大きくあるということはお伝えしておきます。



#業績
Q.チェンジ社との提携は業績に見込んでいないとのことですが、本提携により中計の上方
修正ということはあるのでしょうか?

春日:地方の就活における市場規模は数百億円単位であるといわれており、その市場を得る
だけでも業績に直結する規模感ではありますが、本提携の進捗状況により、中期経営計画の
上方修正がある場合は、必要に応じて公表して参ります。チェンジとの提携にかかわらず、
機会損失してしまっている地方会員学生に企業を紹介していくことで、業績を上げる余地は
十分にあります。



#顧客開拓
Q.送客先としてチェンジ社の保有する自治体ネットワークは大変魅力的に見えるが、一方
でポート社の成果報酬型のビジネスモデルは、年度予算を軸とする自治体とは相性が悪い
ようにも思いますが、地方自治体や、地方企業を顧客にする場合にはどのように課金する
イメージでしょうか?

春日:地方自治体の予算をいただくと、自治体の方で採用に積極的な地方企業を集めてくれ
るため、直接顧客となる企業とつながることができます。まずは自治体の支援から始める形




で、地方企業へ効率的にアプローチしていきたいと考えています。初めに地方自治体、次に
そこに紐づく地方企業という順番です。



#サービス
Q.現状の地方自治体の動きとして、地方企業への就職を学生に促す具体的な働きかけは既
にあるのでしょうか?それともチェンジ社とこれから創っていくのでしょうか?

春日:顕在的にはあるが、まだ当社が十分に提供できていません。サイト上に地方企業や地
方自治体のイベントや求人情報をのせれば間違いなく就活生は動きます。なぜならこれまで
の送客の際、ポートが提供するような求人情報が地方に少ないので、掲載した時の転換率
(マッチング率)が明らかに高いことがわかっているからです。今は求人案件数とユーザー
数が釣り合っていないので、案件数を少しでも増やすことがポートの売り上げに直結しま
す。ここをチェンジ社の顧客基盤を活用することで獲得していきます。



#シナジー
Q.チェンジ社からの会社成長ノウハウ吸収を期待しております。

春日:ノウハウ吸収はしっかりやっていきます。今も隔週土曜日にディスカッションをして
おり、そこからサポートをしていただいています。



#シナジー
Q.人材領域へのシナジーもそうですが、ガードローン、外壁塗装、メディカル業界におい
てもシナジーの可能性が大きい気がしますが今ポート社の抱えているサービスとのシナジ
ーについてそれぞれどう考えていらっしゃるか教えていただけますでしょうか?

春日:カードローンについて、地銀は企業向け貸付が0金利に近づいています。その中で消
費者金融の事業は強化しています。事業者さん自体の集客を支援するデジタルマーケティン
グにも強みを持っているので、その観点からチェンジの持っている地銀のネットワークも活
かすことができるのではないかと考えています。また、地銀は人材も強化しており、支援先
にある企業への人材獲得の支援も行っているケースが増えているので、そことの連携も意識
しています。



#就活市場
Q.実際の就活市場において、都市部への就職から地方への就職といったトレンド変化はみ
られているのでしょうか?コロナ禍においてあるいは、本提携を通じてこの様なトレンド
を生み出すことを目指しているのでしょうか?





春日:新卒で都市部に就職してから地方で働いている人も増えてきたり、地元への就職ニー
ズも増えていると感じます。これが今後加速することは間違いありません。また、地方にIT
企業が進出するトレンドも作っていきたいと思います。



#機関投資家
Q.今回の提携に関して内外の機関投資家から何か反応はありましたでしょうか。

春日:機関投資家に限らず、個人投資家の方からも問い合わせがありました。今回の件につ
いてはポジティブにとらえられることが多かった印象です。



#個人情報
Q.自治体にアプローチするうえで、個人情報の保護がとても重要だと思いますが、サイバ
ーセキュリティの安全性はしっかり対応できているのでしょうか?

春日:「〇〇をしているから問題ない」とは言えませんが、今でも会員データとして毎年40
万人を超える個人情報を管理しており、高いセキュリティ対応が求められているので、常に
セキュリティ対策は取り組んでいます。



#SDGs
Q.ポートの就活ビジネスモデルは転職が頻繁になればリターンも増えるかと思いますが、
若者が“引越貧乏”になるリスクも増えませんか?
弱い労働者をSDGs的な観点でサポートする必要はあると思いますか?

春日:就活は3年程度で30%以上が離職していることが社会問題となっており、労働生産年齢
の人口減少に対し、既卒やフリーター層はいまだに多い状況です。ポートはミスマッチが起
きないように就活支援でサポートしていきます。また、障がい者や性的マイノリティなど、
就活においてハードルになる方も非常に多くいらっしゃいます。彼らを積極的に採用してい
る企業については強くサポートしていきたいです。



#新規
Q.ポートの得意なマッチングが活かせて、DXが遅れている市場というものは他には何があ
るのでしょうか?たとえば葬儀などはどうでしょうか?

春日:葬儀も可能性としてあります。自治体に申請する行為すべてが非日常に当てはまるこ
とを考えると、冠婚葬祭、不動産関連、不動産売買など幅広い領域が地方自治体とのシナジ
ーとしてもあります。





チェンジ社代表取締役兼執行役員社長 福留様への質問


#事業
Q.福留社長から見て、ポートの魅力的な事業は何でしょうか?

福留様:3つの柱があり、いずれもがウェブの世界でどのように集客するかという点のノウ
ハウが優れています。ユーザーの意思決定を支援するところにネットを使っての集客力を核
にしたビジネスの展開はなんにでも応用が利くことであり、3つの事業の他にいくつ作れる
のかというところがあります。ここから住宅やウェデイングなど意思決定に悩むポイントを
どのようにサポートしていくか楽しみですね。



#シナジー
Q.チェンジの事業にどう活かすのでしょうか?

福留様:直近については地方の就職支援が一番重要なビジネスになっており、そのビジネス
を一緒に作っていくことによるレベニューシェアが可能性として一番高いです。チェンジが
地方が抱えている人材課題を解決するのにポートと共に取り組むこと自体が一番大きなメリ
ットと考えています。提携の先にある人材領域のDXはポテンシャルがあります。いまだにハ
ローワークが人材紹介の1/3近くを持っていたり、縁故入社・コネ入社が多いなど、デジタ
ル化が特に遅れている領域です。将来的にもっと広い領域にチャレンジできると大きなビジ
ネスをつかめるうえ、ポートとしても領域が広がっていくとみています。



#自治体開拓
Q.地方自治体に食い込んでいくのに色々とご苦労があったかと思います。お話いただける
範囲で、どのようなことがありましたか?今後ポート社のビジネスが案件を獲得していく
ために、どのような困難が想定されますか?

福留様:自治体に限らないが、日本の組織は変化を望まないという難点があります。就活イ
ベントをデジタルで行う提案をした際に、昨年までリアルイベントだったから今年もリアル
イベントでの実施を希望するといったようなことがあります。2.5%のイノベーターと呼ばれ
る自治体や13.5%アーリーアダプターと呼ばれる方々が新しいことへの挑戦に前向きで、彼
らをいかに発掘し協力を得るか難しいところです。これができればドミノ倒しのようにマー
ケットが広がっていくと思います。





会社概要

■会社概要
会社名 :株式会社チェンジ
所在地 :〒105-0001 東京都港区虎ノ門3-17-1 TOKYU REIT 虎ノ門ビル6階
代表者 :代表取締役 神保 吉寿 / 福留 大士
設 立 :2003年4月
資本金 :10,660百万円(2021年5月31日現在)
URL :https://www.change-jp.com/

■会社概要
会社名 :ポート株式会社
代表者 :代表取締役CEO 春日博文
所在地 :東京都新宿区西新宿8-17-1 住友不動産新宿グランドタワー12F
設 立 :2011年4月
資本金 :927百万円(2021年7月30日現在)
事業内容:インターネットメディア事業
URL :https://www.theport.jp/




■本件に関するお問い合わせ
ポート株式会社:広報IR担当
コーポレートサイト:https://www.theport.jp/
E-mail: pr@theport.jp TEL:03-5937-6731

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