10Gbps高速信号対応リドライバ新製品の量産出荷開始のお知らせ

平成 29 年 10 月 16 日
各 位
会 社 名 ザインエレクトロニクス株式会社
代表者の役職名 代表取締役社長 高田 康裕
(JASDAQ・コード番号:6769)
問 い 合 わ せ 先 取締役総務部長 山本 武男
電 話 番 号 03- 5217-6660


10Gbps 高速信号対応リドライバ新製品の量産出荷開始のお知らせ
~シグナル・コンディショニング機能とマルチプレクサ・デマルチプレクサ機能により製品の自由度を向上~


当社は、 高速インターフェースや画像処理の分野で世界をリードするミックスドシグナル LSI 企
業ですが、この度、10Gbps の高速信号に対するシグナル・インテグリティ(注 1)確保とマルチプレ
クサ・デマルチプレクサ機能(注 2)を実現するリドライバ新製品 THCX423R10 を 2017 年 10 月より
量産出荷することとしましたのでお知らせします。
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USB Implementers Forum, Inc. (以下、USB-IF) が 1996 年に規格化した USB1.0 のデータ伝送速度
は 12Mbps でしたが、市場への普及と技術の進歩を反映し、2013 年にはデータ伝送速度が 10Gbps
となる USB3.1 Gen2 が規格化されました。USB データ伝送速度の高速化は、ユーザーに対して動
画や写真、音楽のような大きなデータの伝送をストレス無く実行できるメリットを提供する反面、
USB を実装するシステム設計者にとっては 10Gbps の高速信号に対するシグナル・インテグリティ
をいかに確保するかという課題が生じます。 データ伝送速度の高速化のトレンドと並行し、 USB-IF
は上下左右が対称なデザインの USB Type-C コネクタを 2014 年に規格化、
TM
ホスト側とデバイス側
どちらの向きでも接続することを可能としました。ユーザーは今までの USB コネクタがホスト側
とデバイス側でコネクタ形状が異なっていた不便さを解決できる反面、USB Type-CTM を実装する
システム設計者はケーブルの上下どちらの側で接続されても正常動作する仕組みを新規設計しな
ければなりません。
今回、 量産を開始する THCX423R10 の最大の特徴は、 10Gbps の高速信号に対応できるシグナル・
コンディショニング機能(注 3)とマルチプレクサ・デマルチプレクサ機能を 1 チップに搭載した点
にあります。これにより、例えば USB 搭載機器内部の USB ホストまたは USB デバイスと USB
Type-CTM コネクタ間の信号伝送時に発生する電気信号減衰をシグナル コンディショニング機能で ・
補正すると同時に、USB Type-C TM コネクタの上下どちらか一方の信号をマルチプレクサ・デマル

チプレクサ機能で選択します。 従来 2 つの異なる機能を別々のチップで実現していた構成を 1 チッ
プに統合でき、部品点数、実装面積、およびコストの観点でシステム設計者へメリットを提供しま
す。更に、USB 信号の伝送距離を延長できることから、製品設計とユーザーの使い勝手の自由度向
上が期待できます。
また、THCX423R10 は当社の高速インターフェース技術 V-by-One® HS にも接続でき、今までに
なかったシステム構成を実現します。例えば 2 系統のイメージセンサ出力信号を V-by-One® HS に
変換、それぞれの映像信号を THCX423R10 へ入力することで、1 系統のカメラ映像信号を選択出
力するようなアプリケーションが可能となり、製品の自由度向上が見込まれます。
新製品 THCX423R10 の量産出荷開始に当たり、当社代表取締役社長 高田康裕は次のように述べ
ています。 「今後の普及が期待される USB3.1 Gen2 と USB Type-CTM に対し、当社は保有するシグナ
ル・コンディショニング技術を USB 規格へ応用発展し、 チップで両規格の課題を解決するソリュ 1
ーションを準備いたしました。THCX423R10 の量産により、今後は USB 及び V-by-One® HS を使用
するお客様の製品の付加価値向上に貢献するとともに、 高速信号対応リドライバの後継製品ライン
ナップを拡充していくことで、お客様の更なるニーズにお応えできる製品開発をしていく方針で
す。 」
■THCX423R10 の特徴
・USB Type-CTM 用のマルチプレクサ・デマルチプレクサ機能
(2 入力 1 出力×1 チャネル、1 入力 2 出力×1 チャネル)
・CC(Configuration Channel Logic)ロジック搭載
・受信側イコライザ機能 +11.3dB
・送信側デエンファシス機能 -8.5dB
・送信側出力振幅制御 600~1300mVp-p
・パッケージ:QFN 40 ピン(5mm□, 0.4mm ピッチ, Exposed Pad)

※「V-by-One」はザインエレクトロニクス株式会社の登録商標です。
※「USB Type-C」は USB Implementers Forum の商標です。

(注 1) 送信端と受信端の間に構成される伝送路に流れる信号の品質を指す。伝送路としてはプリン
ト基板やケーブルが想定される。

(注 2) マルチプレクサは 2 系統以上の入力を 1 系統の信号として選択出力する機能、デマルチプレ
クサは 1 系統の入力を 2 系統以上の出力のいずれかへ選択出力する機能。

(注 3) 信号伝送の高速化と長距離化を達成するために、伝送時に減衰する波形成分を信号送信側と
信号受信側において補償する手法。大きく分類すると 3 つの手法があり、送信側で実施する
プリエンファシスとデエンファシス、受信側で実施するイコライザとなる。THCX423R10
はデエンファシスとイコライザを搭載。



ご注意:本文中における各企業名、製品名等は、それぞれの所有者の商標あるいは登録商標です。

<報道機関各位からのお問い合わせ先>
ザインエレクトロニクス株式会社 取締役総務部長 山本 武男
〒101-0053 東京都千代田区神田美土代町 9-1 MD 神田ビル 4F
TEL 03-5217-6660 FAX 03-5217-6668
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