高密度実装向けドライエッチング装置を開発、販売開始のお知らせ

報道関係各位



リリース日:2017年3月13日

高密度実装向け600mm角基板対応ドライエッチング装置
NA−1500を開発、販売開始のお知らせ
―大型角基板で均一なDescumプロセスを実現―
株式会社アルバック


株式会社アルバック(本社 神奈川県茅ヶ崎市、代表取締役執行役員社長 小日向久治、
*1
以下アルバック)は、実装向け600mm角基板に対応したDescum 用ドライエッチ
ング装置を開発しました。


【背景】
大容量情報端末の市場拡大に伴う高速・大容量情報の品質向上を達成する為に、配線パタ
ーンを微細化し配線抵抗を低減、寄生容量を除去することで高密度実装技術が脚光を浴びて
います。
また、スマートフォンをはじめとしたモバイル機器の高機能化,薄型化に伴い、実装され
るICパッケージも多ピン化,薄型化の要求がより強くなっています。これらの要求を満た
すパッケージ技術としてFO−WLP(Fan−Out Wafer Level Pac
kage)が脚光を浴び、昨年より大量生産も始まりました。現在、パッケージ各社は、次
のステップとしてFO−WLPの生産コストを下げるために基板サイズをΦ300mmか
ら600mm角程度まで大型化(Panel Level Package)し、面積比約
5倍になることで大幅に製品コストを下げることが可能です。
φ200mmやφ300mmのドライエッチング装置は市場に多く存在していますが、6
00mm角基板サイズで、均一にDescum*1処理やTiエッチングができる装置が存在
していませんでした。今回、アルバックはいち早く市場のニーズを汲み、量産型の実装基板
用ドライエッチング装置を開発し販売を開始しました。


【技術の概要】
当社は、Φ200mmのドライエッチング装置をリリースして以来、その後のΦ300mm
用装置をメインにウェーハレベルの実装工程用装置については20年以上にわたり200
台を超える納入実績があります。
今回この豊富な実績があるプラズマ源を大型化し、600mm角対応のドライエッチング
装置を開発しました。
当社プラズマ源は、従来のCCP*3方式では両立できなかった樹脂層の高速,低ダメージ,
低温エッチングが実現できております。また本プラズマ源は、フッ素系のガスにも対応して



おり、従来Wet処理していたSeed層のTiのエッチングもサイドエッチなく除去でき、
さらにSiO2,SiNのエッチングも可能です。
また、大型基板の反りに起因する搬送不良と異常放電の問題を解決することに成功しまし
た。

600 x 600




φ300

【アプリケーション】 Panel size: mm
*1
1. Descum
2. Desmear*2
3. 表面改質(撥水性→親水化,親水性→撥水化)
めっき等Wet工程の前処理,アンダーフィル前処理
4. 樹脂系材料のアッシング
5. Seed層Tiのエッチング
6. SiO2,SiNのエッチング


【プロセス性能】
Descum*1


Descum




エッチング分布:<±10%(□500mm基板)




Etching Rate : 7000A/min
Etching Rate (A/min)






7000 Uniformity : ±6.3%
6000 -249
-149
5000 -50
-244 49
-147
-49 149








表面改質(接触角)

親水化


78.9° 4.3°



撥水化

102.7°



【装置外観】




ドライエッチング装置NA−1500 プロセスチャンバー


【今後の展望】
IoTの発展にともない、電子部品はより一層の小型、薄型化の加速、高速、低電力化の
要求が高まり、高密度実装基板の製造技術は今後さらに重要な技術になると考えています。
アルバックは、今後注目されているフレキシブル,インビジブル,ウェアラブルデバイス
といったお客様のニーズにも応えてまいります。



*1
Descum :感光性樹脂のフォトリソ時の残渣(Scum)除去
*2
CCP :容量結合型プラズマ
(Capacitive Coupling Plasma)
*3
Desmear :レーザードリルでのVia形成時の残渣(Smear)除去



以上
本件に関するお問合せ先 株式会社アルバック
第一営業本部電子機器営業部
原田 正浩
TEL: 0467-89-2139 / FAX:0467-89-2254
関連ウェブサイト https://www.ulvac.co.jp/
https://www.ulvac.co.jp/products_j/




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