IoTセンサーを活用したセルフヘルスケア製品の開発状況及び実証実験についてのお知らせ

2023年2月6日
各 位

会 社 名:ウインテスト株式会社
(コード:6721 東証スタンダード市場)
代表者名:代表取締役社長 姜 輝
問合せ先:専務取締役 樋口 真康
(TEL:045-317-7888)



IoTセンサーを活用したセルフケア製品の開発状況
並びに製品化に向けた実証試験の実施について

この度、ウインテスト株式会社は、株式会社TAOS研究所及び奈良県立大学と共同で開
発をしていた、心弾動波を用いたセルフケア管理機器(以降「製品」と言う。)の製品化
に先立ち完成に向けた実証実験の実施を、金井病院(京都府京都市伏見区淀木津町)のご
協力のもと行いましたのでお知らせいたします。




1.一般的な個人向けヘルスケアモニター製品には腕時計タイプのものがポピュラーです
が、やはり高額であるのと、「脈拍」の計測を中心とし、原則一人用の製品となってお
ります。また日々の充電も気に掛けつつも腕に着ける煩わしさから、一部の若年層のた
めのファッションアイテムとしての要素が高い製品といえます。しかしヘルスケアモニ
ターは、日々の健康状態を継続的にモニターでき、未病の予防に使えるデータ蓄積型で
ある必要があります。また、万が一の場合はそのデータを医療関係者に提示できる必要
もあるかもしれません。加えて少子高齢化の進行とともに見守りを必要とする家族のた
めに使えれば、更に用途が広がります。
本製品は、脈拍ではなく「心弾動波(脈波)」を計測し、継続利用することで、医療レ
ベルに近い高精度な生体ビッグデータを取得、AI分析を行い、心血管疾患のみならず、
日常の疲労度や体耐性力(製品内では応変力と言い、病気やストレス、環境変化に対す
る抵抗力)などの総合的な健康状態の管理から持病などの経過観察にも使うことが可能
となり、この製品の潜在能力は大きいといえます。

現在、当社及び株式会社TAOS研究所並びに奈良県立大学 鈴木新教授(博士(工学))
と共同で開発中の「製品」は、これまでのライフスタイルを変えず、日常生活のなかで
毎日使用する便座にセンサー付きカバーを装着し、着座を検知した後に自動本人認証を
行い、生体データ(心弾動波:心電図、心弾図、脈拍に加え呼吸数、心拍変動異常他)を
収集、クラウドサーバーにデータを送信し健康データを管理できます。サーバーはデー
タを瞬時にAI解析し、例えば心弾動波から心電図や脈波に分解、脈波から個人の血管年齢
(動脈血管硬化度)、連続血圧、ストレス(疲労度)や免疫耐性度などの分析を行い、
そのデータはパソコン、タブレット又はスマートフォン等の情報端末で参照できると同
時に、被測定者の生体データから異常が判明した場合はプッシュ通知でアラートをお知
らせする機能を持っています。勿論、心電図形、心弾図形、脈拍など基礎データの表示
もリアルタイムでも観察可能です。なお、個人データはパスワードで保護されます。
見守り機能としては、着座中に心電図データや血圧の変化をリアルタイムでモニター
しますので、急激な異常値等が検出された場合(いきむことにより脳などの血管に異常
が発生した場合など)もアラートがプッシュで指定された端末に届きます。

脈波(脈拍ではありません)から様々な生体データの分析が出来る理由について以下
にご説明いたします。
「健康な生体は《ゆらぎ》に満ちています。」
人の心身の健康状態は生体のあらゆる器官の機能活性状態によって決まりますが、その
局所的な機能構造は常に変化しており、その変化は、脈波のゆらぎ(カオスゆらぎ)を総
合的に解析することで、その人の固有の健康状態や心理状態を解析することが可能となり
ます。その結果を可視化して、星座グラフで表示することに成功しました。




脈波と星座グラフの解析から、健康や精神、心理状態、それら
はカオスゆらぎと密接に関係し、健康な生体状態は積極的にゆら
ぎ、或いは柔軟性を生み出していることが分ってきました。
星座グラフ

①健康な生体の多くの生理機能はパターンや位置配置は異なるものの《ゆらぎ》(図の
黄色線)的挙動を示します。生体はゆらぎに抗い外界からの変化を避けるのではな
く、脱周期的なカオスゆらぎを持つことで生理的にも心理的にも適応性や柔軟性を生
み出しています。つまり、健康(元気)とは、ゆらぎに満ちている状態であり、不健
康や疲労やストレス過剰状態になると適切なゆらぎが消失し、ゆらぎが過少になった
り過剰になったりすることがわかりました。
②ゆらぎの構造(かたち、パターン)は、リラックス、集中、快、不快、疲労などの情
動やある種の精神的緊張(興奮など)の状態、そして回復過程などを反映した波形パ
ターンと密接に関係しています。これは自律神経の働きがそのままパターンとして現
れることを意味します。つまり、何らかの病気を原因として血管を含む内臓の働きが
異常になったり、疲労や精神不安心理状態や生理状態が不安定になると、ゆらぎの構
造は単純化、或いは無構造化、ストレート化します。その結果、生態リズムには機械
的で単純な周期現象が現れ、ゆらぎ成分が少なくなるのです。

これらのことから、心身ともに健康(元気)とは、単に臓器の「故障」がない、とい
うことではなく、心身全体が調和し個人をとりまく環境とバランスをとりつつ調和して
いる状態なのです。センサーで捉えた脈波のゆらぎ(から作成される星座グラフ)は、
被測定者(自分)が置かれている環境での健康状態を表しています。

2.製品化に先立ち、開発中の心弾動波を用いたセルフケア管理機器(製品)を医療法人社
団 淀さんせん会 金井病院(理事長 金井 伸行氏)のご協力のもと、病室の一部に試験
導入を頂き、製品の信頼性、有用性そして安定性等につきご評価、貴重なご意見を頂き
ましたので最終製品に反映いたします。金井病院は、45年間、急性期から慢性期医療、
在宅医療、予防医療、健康増進などの幅広い地域医療を提供しています。また、ご協力
施設には介護施設があり、見守り用途としての「製品」のご評価、ご協力にも期待を寄
せております。
3、以下に「健康管理システム」の全体イメージをご紹介します。




①便座のセンサーデータはWifiを
通してクラウドデータサーバー
に送られます。
②計測されたデータはAIで瞬時に
解析分析され、蓄積されると同
時にユーザの皆様の端末で、ご
確認頂けます。

個人認証はバイタルデータで行います




「製品」についての説明

1)自動計測・クラウド通信とリアルタイム通知機能
便座に被せるシート(おしゃれ便座カバー)に着座検知センサーと生体センサーモジュ
ールを埋込み、それらセンサーは一体化したワイヤレス機器(小型)に接続されていま
す。
計測、収集された生体データはインターネット回線を通じて、クラウドIoTサーバシス
テムに転送され、AI解析が行われ、万が一異常を検出した場合、指定した宛先にプッシュ
でお知らせします。正常時においてもリアルタイムに計測中のデータのモニタリングが可
能です。(上記スマホ又はPC/タブレットの画面参照、表示される情報を以下に記載しま
す)

2)インターネット経由で見られるWebサービス結果の表示項目について
・心電図 ECG、心弾図 BCG の波形表示
・リアルタイムでステータスと経過時間の表示
◆着座状態と経過時間の表示
◆着座から離座と経過時間の表示
◆着座時の体動状態と経過時間の表示

・生体データ計測
◆心拍数表示およびグラフでの心電図、心弾図表示
◆1分間の呼吸数を表示

・心拍異常の検知
◆総合的な血管壁硬化の指標であるPWV血圧を評価し表示
これは、ECGとBCGを用いたPTT(脈波伝送時間)法により血圧変化の推測を行い、動
脈硬化度と血圧の両者を併せて推定する手法です。以下は表示例です。
ユーザー登録画面(6名まで登録可能です)
3)製品の用途など
本製品は民生用途となりますので、医学的な検査や検診等には使用できません。
また、病院や介護施設等へ向けた患者様又は被介護者様のIT管理補助システム用として
の業務用製品と、日々の体調管理や大切なご家族様向けの個人向け製品の両サービスを
同時にご提供いたします。
なお、予定販売価格は、初期費用\19,800(1回)と月額使用料1,980円(6名様まで登
録可能、1人当たり330円)となります。なお、インターネット使用料は個人負担、また
消耗品(便座センサー)は初期費用で1枚附属します。便座カバー(センサー)は洗濯
が可能です、また別途お求め頂くことも可能です。色などバリエーションを用意すると
ともに、価格は一般の便座カバーと同程度を予定しております。業務用製品につきまし
ては別途下記、TAOS研究所までお問い合わせください。
予定販売価格及び仕様は、正式販売開始に当たって変更となることがあります。

※ご利用に際しましては、トイレ内にコンセントが必要ですが、「温水洗浄便座」設置
済みのご家庭では、そのコンセントから分岐して使用します。またご自宅内にインタ
ーネット(WIFI)環境が必要となります。ご自宅にインターネット環境がない場合、
月額200円で通信環境オプションをご用意しております。コンセントの工事が必要な場
合は、別途工事費がかかる場合がございます。
※結果のご確認は、お手持ちのスマートフォン、パソコン或いはタブレットなど、イン
ターネット接続端末をご用意ください。

3.共同研究開発グループ及びご協力医療機関について
株式会社TAOS研究所について、(製品お問い合わせ先)
所在地 横浜市港北区新横浜 http://www.taos.tokyo/index.html
ヘルスケアや見守りなどIoT健康システムを開発・販売をする企業
問合せ電話番号 TEL 045-620-7647

奈良県立大学研究室について、
所在地 奈良市船橋町10番地 https://www.narapu.ac.jp/index.php
奈良県立大学地域創造学部 教授 鈴木 新(博士(工学))

金井病院(医療法人社団 淀さんせん会)について、
所在地 京都府京都市伏見区淀木津町612-12 https://www.kanaihospital.jp/

4.販売開始時期は、金井病院様他からのご意見を最終製品に反映し、2023年春に開始
とさせて頂きます。なお、販売に先立ち「ケアテックス東京」(2023年3月22日~)
東京ビッグサイト南展示場に参考出品を計画しております。販売開始及び詳細に関
し他改めてご案内をさせて頂きます。

5.本件の当社業績への影響及びおことわり
当該製品の販売開始による、当社業績への影響は判明次第開示させて頂きます。また、
本ニュースリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報であり、諸般の事情に
より予告なく変更されることがあります。


以上

13322