メキシコ電力公社(CFE)の子会社CFE Generacion IVと火力発電所におけるスーパーソルガムのバイオマス発電テストに関するMOU締結のお知らせ

各 位
平成 29 年 11 月 17 日


会 社 名 株式会社ソルガム・ジャパン・ホールディングス
代表者名 代 表 取 締 役 社 長 赤尾 伸悟
(JASDAQ・コード 6636)
問合せ先 取 締 役 管 理 部 長 中原 麗
電 話 0 3 - 6 4 5 0 - 3 6 1 6




メキシコ電力公社(CFE)の子会社 CFE Generacion IV と火力発電所における
スーパーソルガムのバイオマス発電テストに関する MOU 締結のお知らせ

当社完全子会社 SUPER SORGHUM ASIA HOLDINGS PTE.LTD.(以下、
「SSA」とい
います。)のメキシコ合衆国の現地法人 SUPER SORGHUM MEXICO S.A. DE C.V. (以
下、「SSM」といいます。
)は、メキシコ合衆国(以下、
「メキシコ」といいます。
)メキシ
コ電力公社 Comision Federal de Electricidad(本庁:メキシコシティ)の子会社 CFE
Generacion IV(以下、
「CFE」といいます。)及び、株式会社アースノート(沖縄県名護市:
種子生産メーカー)並びに、メキシコにてコンサルタント業を展開します PROFON.S.C.
(以下、
「PROFON 」といいます。
)との間で「火力発電所におけるスーパーソルガムのバ
イオマス発電テスト」
(以下、
「本テスト」といいます。)に関する基本合意(以下、
「MOU」
といいます。)を、2017 年 10 月2日付で締結いたしました(注1)。





1.本 MOU の経緯・目的
CFE は、メキシコのエネルギー改革の一環として、2015 年 12 月に公布されたエネルギ
ー転換法に基づき、メキシコで初めて石炭焚き火力発電所におけるバイオマス燃料の混焼
を実施することを決定いたしました。エネルギー転換法とは、持続可能なエネルギー利用、
クリーンエネルギー調達の義務化、汚染物質の排出削減を目的に気候変動対策を総合的に
推進し、2018 年までに発電における再生可能エネルギーの割合を 25%にすることを義務付
け、その割合を 2021 年には 30%、2024 年には 35%へ段階的に引き上げていく内容にな
っております。
このような背景の中、メキシコ農畜水産農村開発食糧省(以下、
「SAGARPA」といいま



す。)から CFE の火力発電所におけるバイオマス燃料としてスーパーソルガムを推薦して
いただき、CFE 内で木質ペレット・PKS(パームヤシ殻)
・木質チップなどの数あるバイオ
マス燃料を検討していただいた結果、スーパーソルガムを原料としたバイオマス燃料のみ
に決定し、ゲレロ州ペタカルコ発電所の石炭焚き火力発電において石炭とバイオマス燃料
の混焼用テストを実施することになりました。
この決定の理由は、短期間のサイクルで収穫(植林は主伐に至るまで手間と時間を要し
ます)できることで、安定的・継続的に発電事業者へスーパーソルガムを原料としたバイ
オマス燃料を計画的に供給できること、多収量による生産の低コスト化を実現できること
等から競合バイオマス燃料との差別化を図れること、さらに、当社が 2016 年 12 月 19 日に
PR 情報として公表しました「メキシコ合衆国におけるスーパーソルガム公式認定作物とし
て INIFAP 公式スーパーソルガム栽培マニュアル発行のお知らせ」(注2)の通り、
SAGARPA の研究機関であります国立農畜産林業研究所(以下、「INIFAP」といいます。)
より評価を得て INIFAP 栽培マニュアルへの正式登録を受け、INIFAP を通じ国際標準図書
番号(International Staard Book Number)が国際 ISBN 機関より付与された INIFAP
公式のスーパーソルガム栽培マニュアルが発行されたこと、以上の複合的な理由により決
定されたものです。
CFE との MOU に基づく本テストにつきましては、太平洋岸に面したゲレロ州のペタカ
ルコ発電所で実施いたします。同発電所の設備1~6号機は出力総計 2,100MW(注3)、
7号機は出力 700MW の石炭焚き火力発電になりメキシコ国内で最大規模となります。本
テストの内容は、CFE のゲレロ州ペタカルコ発電所半径 100km 以内の 500ha の圃場で乾
物重量 約 25,000 トン(収穫時は 約 73,500 トン)のバイオマス燃料用のスーパーソルガ
ムを栽培し、同発電所の設備1号機で5%の混焼として約 10 時間の燃焼テスト(乾物重量
約 25,000 トンの内、約 90 トンのバイオマス燃料を使用)を行い、燃焼テストに問題がな
ければ段階的に混焼 24 時間安定稼働の実装を実行していきます。なお、本 MOU で CFE
と合意している内容は、後述2(本 MOU の概要)のとおりであり、500ha に播種します
スーパーソルガム種子につきましては SSM が、メキシコ販売代理店であります PRIMUS
VISION S.A. DE C.V.等へ販売することになります。SSM が販売しますスーパーソルガム
種子販売の売上につきましては ha あたり7kg の播種量で試算しますと約 3,500kg の販売
量となり、販売額につきましては、8.75 百万円(25USD/kg・100 円/USD 換算)となる予
定です。
また、CFE は、スーパーソルガム発電用バイオマス燃料の販売者に対し、バイオマス燃
料を全量買い取る方向性であると表明しております。スーパーソルガムを原料とした発電
用バイオマス燃料の買い取り価格につきましては、現在協議中であり近日中に決定する予
定です。
このように、CFE の石炭と発電用バイオマス燃料の混焼計画においては、スーパーソル
ガムを原料とした発電用バイオマス燃料以外は選定されていないことから、今後、CFE の



混焼計画に必要なバイオマス燃料としてのスーパーソルガム種子につきましては、メキシ
コの販売代理店であります PRIMUS VISION S.A. DE C.V.等が販売する計画をしています。
SSM としましては、今回の CFE との火力発電所におけるスーパーソルガムのバイオマス
発電テストは、今後、大きなマーケット形成とビジネスチャンスになる可能性があること
から、本テストに注力し取り組んでまいります。


2.本 MOU の概要
本 MOU の内容は以下の通りとなります。
・ SSM は現地生産農家と協力し、CFE のゲレロ州ペタカルコ発電所半径 100km 以内の
500ha の圃場で、2018 年3月よりスーパーソルガムを栽培し、収穫体制を構築する。
・ SSM が、スーパーソルガムの最適品種を選抜し、栽培指導を実施する。
・ SSM は、2018 年6月以降にペタカルコ発電所の設備1号機で第一回目の5%混焼テス
ト、及びスーパーソルガムを原料とした混焼用のバイオマス燃料として乾物重量を準備
する。
・ CFE 及び SSM は、火力発電所におけるスーパーソルガムのバイオマス発電テスト成功
に向けて、相互協力する。


3.Comision Federal de Electricidad の概要
■メキシコ電力公社の概要
・商 号:メキシコ電力公社(Comision Federal de Electricidad)
・管 轄:エネルギー省
・本 庁:メキシコシティ
・設 立:1937 年8月 14 日
・資 本 金:6兆 2460 億円 ※1MXN/6円換算
・事 業 内 容:電源開発、発電事業、送配電事業など
:Jaime F. Hernandez Martinez
・代表取締役社長(総裁)
(ハイメ フランシスコ・エルナンデス マルティネス)
:2016 年 12 月期 2兆 1126 億円 ※1MXN/6円換算
・売電収入売上高(連結)
・公式ホームページ: http://www.cfe.gob.mx


■CFE Generacion IV 社
メキシコ電力公社の子会社で、発電に関する事業会社として設立
CFE は、同国政府(エネルギー省)管轄の下、電源開発・発電・送配電サービスを提供
する国営電力公社で、火力・水力・原子力・地熱・風力などの多様な発電プラントを保有
し電気の安定供給を通して、メキシコ社会、経済の発展に貢献しています。CFE 発電所発
電能力量の累計は、55,564 MW、 電源構成比は、火力(ガス・重油・ディーゼル) 62.8%、



水力 21.8%、石炭 9.7%、地熱 1.6%、風力・太陽光 1.3%(2016 年 12 月 31 日現在)とな
っております。また、発電所は 186 ヵ所ありその内石炭焚き火力発電所は、ペタカルコ発
電所(ゲレロ州)2,778 MW、リオ・エスコンディダ発電所(コアウィラ州)1,200MW、
カルボン II 発電所(コアウィラ州)1,400MW の3ヵ所で運営されています。


4.本テストに関連する環境問題の背景
本テストの背景として、メキシコの環境問題が大きく影響しています。現在、地球温暖
化対策はメキシコだけではなく世界共通の課題となり、二酸化炭素排出量の削減推進の要
請に応える形で、火力発電所におけるバイオマス発電の導入は世界各国で増加しています。
メキシコにおいても気候変動基本法の下、温室効果ガス削減目標を達成するための戦略と
「10 年後、20 年後、40 年後へ向けた国家気候変動戦略」を 2013 年に発表。2014
して、
年にはより短中期的な視点から、環境天然資源省(SEMARNAT) が取りまとめた「気候
変動特別計画 2014 - 2018」を発表しており、2018 年までに達成すべき目標を具体的に定
めています。同計画は、メキシコ全体の開発方針を示した「国家開発計画」や前述した「国
家気候変動戦略」の方針と一貫性を保って策定されています。現在は、本計画で挙げられ
た数値目標達成へ向けて気候変動に対する取り組みが行われています。なお、エネルギー
省(SENER) は「エネルギーの持続的利用のための国家計画 2014 - 2018」で、2050 年
までの温室効果ガス削減目標を達成するため、再生エネルギーで 42%、エネルギー効率化
で 36%、燃料代替で 19%、炭素回収・隔離で 3%、原子力で 1%の温室効果ガス排出削
減を目指し、2050 年の目標を達成するシナリオを描いています(参考文献:経済産業省・
地球温暖化対策技術普及等推進事業資料より引用)



5.今後について
今後、当社は、火力発電所におけるスーパーソルガムのバイオマス発電テストで得たロ
ールモデルを基に、同国をはじめ日本及び東南アジアを中心にスーパーソルガムを原料と
したバイオマス燃料の積極的な営業活動を展開してまいります。
また、当社の当期以降の連結業績に与える影響等につきましては、現時点では確定して
おりません。今後、開示すべき影響等が判明した場合には、速やかにお知らせいたします。


(注1) 本 PR の公表につきましては、現地法人 SSM が CFE から名称使用、写真使用、
及び MOU の記載内容の公表につき許諾を取得しております。また、MOU 締結
から本 PR 公表に至るまで、CFE からの許諾取得までに時間を要したことから、
本日の公表となっております。


(注2) INIFAP による栽培マニュアルに関する詳細につきましては、当社が平成 28 年
12 月 19 日に PR 情報として公表しました「メキシコ合衆国におけるスーパー



ソルガム公式認定作物として INIFAP 公式スーパーソルガム栽培マニュアル発
行のお知らせ」をご参照願います。


(注3) MW とは、電力の単位の一つであります。〈1MW=1,000kW=1,000,000W〉


〈ご参考〉
ゲレロ州のペタカルコ発電所1号機で5%の混焼を1年間稼働すると仮定した場合、乾物重
量は 約 90,000 トンのバイオマス燃料が必要(収穫時は 約 264,000 トンのバイオマスが必
要)となり、将来は段階的に1~6号機毎にバイオマス燃料の混焼を推進し最終的な目標
として 30%の混焼(1~6号機の必要乾物重量 約 3,240,000 トン、収穫時は 約 9,529,000
トンのバイオマスが必要)を CFE は計画しています。


以 上





メキシコ電力公社(CFE)ペタカルコ発電所オフィス(ゲレロ州)




メキシコ電力公社(CFE)ペタカルコ発電所(ゲレロ州)





メキシコ電力公社(CFE)ペタカルコ発電所(ゲレロ州)




メキシコ電力公社(CFE)ペタカルコ発電所(ゲレロ州)Map





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