LTSと花王 生成AIの活用をテーマにハッカソンを共催
報道関係者各位
プレスリリース
2024 年 4 月 19 日
株式会社エル・ティー・エス
LTS と花王 生成 AI の活用をテーマにハッカソンを共催
〜マーケティング・トレンドデータ分析のプロトタイプを超短期で開発、概念検証と人財育成〜
株式会社エル・ティー・エス(本社:東京都港区、代表取締役社⻑:樺島 弘明、以下 LTS)は、花王株式会社(本社:東
京都中央区、以下花王)と協働で、生成 AI(LLM=大規模言語モデル)に関するハッカソンを開催し、マーケティングと
トレンドデータ分析のアプリケーションのプロトタイプを開発しました。 日間の集中開発と 1 日のプレゼンテーション・
コンテストという超短期間で概念検証と評価までを実施。有用性が確認されたものについて今後、技術検証と実用化を検
討します。
花王と LTS との協働で開催した生成 AI に関するハッカソン参加者
■ハッカソン概要
花王から具体的な業務課題と必要なデータを提供いただき、2 月 19 日〜22 日の 4 日間、FPTジャパンホールディング
ス株式会社(本社:東京都港区)にて開催。花王関係者約 10 人、LTS とFPTコンサルティングジャパン株式会社(本
社:東京都港区)、FPT-AIC(ベトナムの ICT リーディングカンパニーであるFPTの子会社FPT Software の AI 研
究組織)のコンサルタント・AI/フロント/バックエンド/インフラエンジニア 20 人(日本人 10 人、ベトナム人 10 人)が
参加しました。日本人とベトナム人混合の 4 チームに分かれ、業務課題解決のための LLM を用いたプロトタイプを開発、
プレゼンテーションに取り組みました。技術的・ビジネス的価値と創造性、プレゼンテーション技術の各項目で評価しま
した。
※LTS は、FPTジャパンホールディングスと資本業務提携を結んでいます。FPTコンサルティングジャパンは、FP
Tジャパンホールディングスと LTS の合弁会社です。
■開発したプロトタイプ
▽【最優秀賞】生活者が潜在的に考えていることを捉え、ファンになってもらうためのマーケティング戦略生成 AI
特徴:人間であるブランドマネージャーや SNS を基にした〝生活者 GPT〟が、複数の〝個性を持つ AI 戦略家〟と対話す
ることで、AI 戦略家がストーリー性のある戦略を生成、生活者調査・競合分析と合わせて行動計画を出力する。
▽従来の既成概念に囚われない新しい体験価値を発見することに特化した戦略的ソリューション AI
特徴:人間の認知バイアスや限界を超えるために AI ペルソナ(ユーザーイメージ)を設定。様々な立場の AI ペルソナ同
士が討論することで顧客の購買行動の根拠や動機を探り、人間の常識を超える現実的かつシャープな戦略の気づきを促す。
▽〝アナリスト AI〟ならではの「トレンドの時系列データからその変化の要因を LLM で生成・改善プラン」検討 AI
特徴:ChatGPT プラグインが、トレンドの時系列データの顕著な変動点を発見し、エビデンスとなる情報を収集。情報の
感情分析を経て改善案を提案し、未来予測と取るべき行動アイデアの検討材料を提供する。
▽人間の視野を広げる、トレンド分析・施策検討 web アプリ
特徴:ユーザーである人が作成したトレンドデータ分析レポートについて、不足している観点を抽出しユーザーに提案。
ユーザーはアプリと対話を重ねることでレポートの改善を行い、ビジネス上の幅広い施策検討を可能とする。他テーマへ
の適用やレポートの自動生成、教育ツールとしての利用も可能。
■関係者コメント
▽花王株式会社情報システム部門ESM部アナリティクス・テクノロジーグループ部⻑ 永良 裕
生成 AI の登場により、従来は人の仕事と考えられてきた創造性が必要な領域に対して、人の能力を補完し拡張することが
可能になりました。一方で人の発想は、思い込み、経験などのバイアスが阻害要因になる場合があるとも感じていました。
今回のハッカソンにおいては、現状維持や効率化という視点ではなく、現状突破という視点で、人の発想の限界を超える
ために生成 AI を活用できないかという視点でテーマ設定を行いました。
クライアントの立場からは、一切前提を設けずテーマをお伝えしただけでしたので、どんな物が出来上がるか期待と不安
がありました。結果的には 2 日半という短期間で、想定を超えるアイデアと実際に動作するプロトタイプが出来上がり、
LTS 様の技術力と発想の柔軟さに驚いています。
優れたソリューションの導入を進めている一方で、まだ満足できるソリューションのない課題については、その解決のた
めにアイデアを出し、恐れずに試してみる必要性を感じています。ハッカソンは、ソリューションのない課題解決にとて
も有効な手段だと感じました。
▽LTS 取締役 専務執行役員 上野 亮祐、データ分析チーム 坂内 匠
AI 開発は数か月の PoC(概念実証)を経て本格開発するのが一般的です。しかし、LLM は多様で曖昧なユースケースが
多いため従来の開発アプローチでは対応しにくく、開発コストも増大する傾向にあります。LLM に関する多様な顧客ニー
ズに応えるため、様々なサービスを模索している LTS として、花王様とのハッカソン開催は、ソリューション開発の費用
対効果、人財育成の面で非常に優れている手法だと考えています。
■ハッカソンを開催する狙いと効果
LLM の登場により経営資源の効率的利用や業務改善だけではなく、新規事業の開発・展開など、AI のビジネス活用が急
加速しています。一方「どんなシステムやサービスを使えばいいか分からない」
「人財がいない」といった理由で、導入に
躊躇されるケースもあります。ハッカソンで AI アプリを短期間で集中開発をすることにより、主に以下 2 点の効果が期
待されます。
① 意思決定層が技術理解を深めることで、従来型の PoC よりも早く AI 技術の業務導入について判断ができる。また、
AI を研究・実務で担当しているコンサルタントやエンジニアと直接コミュニケーションをとることで、ビジネス利用
について可能性を広げることができる。
② 若手の AI コンサルタントとエンジニアが協働することで、急速に進化する技術への多面的な理解を深め、キャリアに
関する選択肢の拡張という人財育成につながる。評価者や聴衆者も、技術のビジネス適用の理解を深めることができ
る。
AI の超短期の概念検証と人財育成は、別々に取り組むことが一般的ですが、ハッカソンでは概念実証と人財育成を実践的
かつ効率的に行うことができます。
■備考
花王、花王グループカスタマーマーケティング株式会社と LTS は 2021 年から、小売店の店頭棚割りを、生活者様のニー
ズに対応して「見やすく・選びやすく・取りやすい」売り場づくりを提案する、AI による自動棚割りアルゴリズムの実証
実験にも取り組んでいます。https://clover.lt-s.jp/5484/
■注釈
【株式会社エル・ティー・エスについて】
東京証券取引所 プライム市場(証券コード:6560) URL:https://lt-s.jp/
株式会社エル・ティー・エスは、デジタル時代のベストパートナーを目指し、お客様の変革実行能力を高めるためのコン
サルティングを主軸としたプロフェッショナルサービスと、IT 業界の企業や人材をつなぎ新しいビジネス機会を創出する
プラットフォーム事業を運営しています。
【本プレスリリースに関するお問い合わせ先】
株式会社エル・ティー・エス 広報担当 E-Mail:info@lt-s.jp
9266