スポンサードリサーチレポート発行のお知らせ

2022 年 6 月 21 日
各 位
会社名 日本ピラー工業株式会社
代表者名 代表取締役社長 岩波 嘉信
(コード番号 6490 東証プライム)
問合せ先 取締役専務執行役員 宿南 克彦
(TEL.06-7166-8281)



スポンサードリサーチレポート発行のお知らせ

当社は、投資家とのコミュニケーションを円滑にし、当社に対するご理解を深めていただくためスポンサー
ドリサーチレポートを発行いたしましたので、お知らせいたします。


当リサーチレポートは、株式会社キャピタルグッズ・リサーチ&アドバイザリーに作成を依頼しております
が、当社株への推奨は一切なく、当社のビジネスモデル、業界動向、業績推移、長期的な事業戦略といったす
でに公表されている内容を投資家の皆様にわかりやすく説明するためのものです。
詳細につきましては、次ページ以降をご参照ください。


以上
企業レポート

プライム市場・機械 担当アナリスト
2022 年 6 月 20 日

黒田真路

日本ピラー工業(6490) 星野英彦 CMA

キャピタルグッズ・リサーチ&アド
バイザリー


「半導体」と「脱炭素」を 2 大テーマに、長期的な成長ポテンシャルは大きい
 日本ピラー工業(以下、同社)は、半導体製造装置メーカーおよびデバイスメーカー向けにふっ素樹脂を加工した継手やベロー
ズポンプなどを扱う電子機器関連事業とポンプやバルブなどに組み込まれるメカニカルシールやグランドパッキン、ガスケットなどを手
掛ける産業機器関連事業が主力事業である。
 22/3 期業績は前年比大幅増収増益を確保、営業利益率も 28.0%、ROE も 16.8%に達し、3 期ぶりに過去最高を更新
した。23/3 期は部材価格の高騰、調達難が懸念されるものの、過去最高営業利益の連続更新が見込まれる。
 売上高の 75%を占める電子機器関連事業の主力製品である半導体洗浄装置向け継手は世界シェア 9 割以上を誇る。同事
業は、グローバル主要半導体製造装置メーカー並みの高い売上高成長率と同時に、22/3 期営業利益率は 32%に達し、米
国競合である Entegris の 24.0%、東京エレクトロンの 29.9%、機械セクターを代表する SMC の 31.3%を凌駕している。
 一方、産業機器関連事業は、CMP 向けロータリージョイントの増収効果もあるが、売上高の約半分を安定収益が見込まれる補
修向け事業(ロータリージョイントを除く)が占めており、22/3 期営業利益率は 15.7%へ回復した。また、電力・エネルギー向
けにおいてアンモニア混焼関連の引き合いが増加するなど、「脱炭素」に向けた新たな需要創造の胎動も見られ始めている。
 2030 年のグローバル半導体市場は 2020 年対比で倍増する見通しであるうえ、経済産業省は「脱炭素」関連の国内投資額
が 2030 年に年間 17 兆円に達すると試算している。近年の同社業績は成長ステージが一段上昇しているうえ、次なる成長に
向けて電子機器関連事業における福知山第 2 工場の建設が発表された。23 年 10 月には第 1 棟が生産を開始、生産能力
は現在の約 360 億円から 650 億円規模へ拡大する見通し。更に 2~4 棟の建設用地を有しており、最終的な生産能力は
1,500 億円規模に達する見通し。「半導体」と「脱炭素」に加え、ESG 経営の深耕を武器に、長期的な成長余地は大きそうだ。
 2024 年の創業 100 周年に向けて、23 年 5 月には次期 3 ヶ年中計が発表される見通し。新たな株主還元の強化も期待さ
れるうえ、今後は相対的に低位に留まっている同社株価バリュエーションの修正も進むと CGRA は考える。

(日本ピラー工業の連結業績および各種株価データ:億円、円、%)
トレーディング・データ 業績推移 18/3 19/3 20/3 21/3 22/3 23/3会予
株価(22年6月17日) 2,717 円 売上高 295 310 292 302 407 440
52週レンジ 2,377~3,850 円 営業利益 52 51 37 48 114 118
時価総額 680 億円 経常利益 52 52 37 51 118 118
発行済株式総数 25,042 千株 親会社当期利益 34 37 26 34 83 83
平均売買代金(20日) 2.8 億円 EPS 140.0 152.1 108.6 144.7 350.5 351.1
会社予想PER 7.7 倍 ROE 8.9 9.1 6.2 7.8 16.8 -
PBR(22/3末) 1.2 倍 1株配当金 36.0 45.0 40.0 50.0 106.0 108.0
予想1株配当金 108.0 円 配当性向 25.7 29.6 36.8 34.6 30.3 30.8
予想配当利回り 4.0 % FCF 5 11 11 20 104 -
ROIC(21/3) 15.9 % NetCash 115 118 115 117 209 -


本レポートは投資の勧誘・推奨・助言を意図したものではなく、当該企業に関する情報提供を目的として当社独自の視点から作成されています。
また、本レポートに記載されている内容は公表された情報に基づき作成されておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。
本レポートの著作権は(株)キャピタルグッズ・リサーチ&アドバイザリーに帰属しており、無断転写を禁じます。本レポートの内容は、今後予告なし
に変更される場合があります。当社及び本レポートは投資家の投資判断に関知することはなく、投資に関する決定はご自身の判断で行って頂くよう
お願い申し上げます。
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目 次
(1)日本ピラー工業で注目される 3 つのポイント:p3~4

(2)前回レポートからの変化点:p5~6

(3)22/3 期決算における注目点:P7~13

(4)23/3 期業績予想と中期経営計画:p14~17

(5)競合企業比較および成長性・収益性分析:p18~20

(6)ESG 経営の深耕:p21~22

(7)株主還元と株価バリュエーション:p23~24

(8)連結貸借対照表、キャッシュ・フロー計算書、損益計算書:p25~26




日本ピラー工業(6490) 2
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(1)日本ピラー工業で注目される 3 つのポイント
ポイント①:2030 年の半導体市場は 2020 年対比で倍増へ
2021 年 11 月 17 日付当社発行レポートでは、2030 年のグローバル半導体市場は、自動車の 「半導体」と「脱炭素」
を 中長 期的 な注 目
CASE や IoT・ICT の普及に伴うデータ処理量の増大、5G とポスト 5G、DX の進展などを背景に、
キーワード
2020 年の約 4,000 億ドルから 1 兆ドルへ拡大、過去 20 年で倍増したものが、今後 10 年間で
市場規模が 2 倍になるとの WSTS の見通しを紹介した。加えて、Bloomberg NEF などは、2050
年に向けてカーボンニュートラルの実現に向けた水素などへの燃料転換を伴う「脱炭素」に向けた世
界的なエネルギー関連設備投資の拡大(現在の 1.7 兆ドル→3.3~5.8 兆ドル)を予想してい
る点などを指摘した。今回、同社は 5 月 26 日発行の 2022 年 3 月期決算説明会資料の中で、
世界の半導体および半導体製造装置市場は 2030 年辺りに 2020 年対比で倍増するうえ、日
本における電源構成の変化に伴い、アンモニア向けなどの新たな需要創造の可能性が説明された。

ポイント②:企業規模と収益性が様変わりするポテンシャル含み
同社は世界シェア9割以上を誇る半導体洗浄装置向け継手を主力とした電子機器関連事業お 市場の成長率を上
回る業績拡大が見
よびメカニカルシールをメインとした産業機器関連事業の 2 つのセグメントを有している。売上高の約
込まれよう
75%が半導体製造装置およびデバイスメーカーの設備投資に依存しているが、水素やアンモニアな
どのエナジートランジションに伴う設備投資拡大の恩恵も享受可能である。上記のように半導体およ
び製造装置市場は過去 20 年間で約 2 倍となり、2030 年に向けては 10 年間で倍増すると予測
されている。そのような中、同社業績は、過去 10 年間で売上高が倍増、営業利益も約 3 倍へ成
長し、5年ごとに過去最高営業利益を更新しつつ、利益水準と利益率が切り上がる傾向が見られ
ている。22/3 期業績は過去最高を更新、売上高は 400 億円、営業利益は 100 億円台を確
保、営業利益率も 28%に達した。今後に関しては、半導体市場の拡大、新規顧客の開拓と新製
品投入効果、水素・アンモニア向けシールなどの「脱炭素」に向けた新たな市場創造、ESG 経営の
深耕などを背景に、市場成長を上回る業績拡大が期待され、企業規模および収益性が大きく様
変わりするポテンシャルを含んでいると CGRA は考える。

ポイント③:創業 100 周年に向けて株主還元の強化に期待したい
現在進行中の 3 ヶ年中期経営計画「BTvision22」(21/3-23/3)は、数値目標を 1 年前倒 継続的な株主還元
の強化が期待可能
しで達成、23/3 期業績予想が中期最終年度の目標値に設定された。2023 年 5 月には新たな
次期3ヶ年中計が発表される見通しである。同社は 2024 年には創業 100 周年を迎える。現在
の公約配当性向は 30%以上であるが、自社株取得を含む総還元額は 23/3 期予想を含め実質
6 期連続で増加している。また、自己株取得を含む過去 3 ヶ年平均還元利回りは 4.1%と魅力
的なリターンを実現しているうえ、23/3 期予想 1 株配当金も前年比 2 円増配の 108 円(配当
性向 30.8%)が予想されている。今後は利益成長に加え、自己株取得などの資本政策に伴う
ROE の向上も期待され、2024 年の創業 100 周年を越えて、株主還元の強化と相対的に低位
にとどまっている株価バリュエーションの是正が進むと CGRA は考える。




日本ピラー工業(6490) 3
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図表 1:脱炭素関連設備投資および半導体市場は高成長が期待可能
グローバル半導体市場とエネルギー分野での脱炭素投資額見通し 2030 年 の 半 導 体
脱炭素社会に向けたグローバル・エネルギー分野での設備投資見通し 市場は 2020 年対
比で倍増へ
2020A
3.3兆~5.8兆ドルへ
2050E


半導体市場は過去20年間で倍増、今後は10年間で倍増する見通し
2000A

2020A
1兆ドルへ
2030E

0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000
(億ドル)

図表 2:半導体市場の成長が同社業績を牽引
(百万円) 半導体市場と日本ピラー工業の連結売上高および営業利益の推移 (億ドル)
同社は半導体市場
80,000 12,000
を 先行 指 標に 長 期
70,000 的な成長ポテンシャ
10,000 ルを有する
半導体市場の見通し(右軸) 売上高 営業利益
60,000
8,000
50,000

40,000 6,000

30,000
4,000
20,000
2,000
10,000





図表 3:継続的な株主還元の強化が見込まれる
(円) 1株配当金と自己株取得、配当性向と総還元性向 (%)
自己株取得を含む
120.0 70.0
継続的な株主還元
1株当り自己株取得額 1株当り配当金 57.5 に期待したい
60.0
100.0
配当性向(右軸) 総還元性向(右軸)
49.5 50.0
80.0
41.8 40.0
36.8
60.0 34.6
30.3 30.8
24.9 29.3 28.8 25.9 29.6 30.0
24.9 29.6
40.0 24.9
24.9 25.9 25.7
25.7 30.3
21.4 20.0
17.7
20.0
10.0


0.0 0.0

(会予)

出所:会社資料などから CGRA 作成

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(2)前回レポートからの変化点
・業績拡大が続く中、株価下落が見られた
利益成長が継続する一方、株価バリュエーションが低下を見せた
前回同社レポート発行以降の注目される変化点としては、以下の 4 点が挙げられる。

①過去最高決算の連続更新が見込まれる:同社は 22/3 期 1Q および 2Q 決算時に通期業 23/3 期も過去最高
決算の連続更新が
績予想を上方修正したものの、3Q 決算発表時においては、競合他社が上方修正を発表する中、
見込まれる
通期業績予想を据え置いた。背景には材料調達難の懸念があった模様だが、22/3 期営業利益
は同社計画の 100 億円を 14%上回る過去最高の 114 億円(営業利益率 28.0%)で着地
した。5 月 12 日発表の 23/3 期予想営業利益は、材料調達難リスクが残る中、過去最高の連
続更新となる前年比 4%増の 118 億円(営業利益率 26.8%)が提示された。

②国内競合企業も過去最高決算と同時に、新中計を発表:産業機器関連事業における国内 国内競合企業は過
去最高益の更新と
競合企業であるニチアスは、22/3 期 3Q 決算発表時に業績予想の上方修正(予想営業利益
同 時 に新 中 期を 発
250 億円→260 億円)と同時に増配(40 円→44 円)を発表した。加えて、5 月 9 日には 表した
23/3 期を初年度とした 3 ヶ年中計経営計画(25/3 期目標営業利益 312 億円)を発表した。
バルカーに関しては、22/3 期 3Q 決算発表時に通期業績予想の上方修正(予想営業利益 55
億円→60 億円)を行ったうえ、5 月 26 日には、創業 100 周年を迎える 27/3 期の目標売上
高 800 億円、ROE15%以上を維持しつつ、24/3 期を最終年度とした2ヶ年中計 NF2023
(目標営業利益 75 億円)を発表した。

③国内外の半導体製造装置企業は業績の拡大基調が続く:機械セクターを代表する ESG 経 内外半導体製造装
置企業は好業績が
営企業であり、半導体製造装置の CMP(化学的研磨装置)が業績を牽引する荏原が発表した
続く見通し
22/12 期予想営業利益は同 8%増の 660 億円、CMP の予想受注高は同 15%減の 1,500
億円(1Q 実績 357 億円)、予想売上高は 38%増の 1,430 億円(同 195 億円)が提示
された。SCREEN ホールディングスが 5 月 11 日に発表した SPE 事業における 23/3 期予想売上
高は過去最高となる同 17%増の 3,720 億円、予想営業利益は同 24%増の 780 億円が提示
された。海外競合である米 Entegris 発表の 22/1-3 月(1Q)期売上高は同 27%増の 6 億
5 千万ドル、営業利益は同 43%増の 1 億 6 千万ドル(OPM25.1%)を確保、22/4-6 月
(2Q)期予想売上高も同 6.6-6.8 億ドル(前年実績 5 億 7 千万ドル)が想定されている。

④株価バリュエーションが低下、今後は脱炭素関連企業としての評価も可能:国内競合および 同社株価バリュエー
ションはサプライチェー
半導体製造装置関連企業、更には海外競合企業においても堅調な業績予想を提示しているが、
ン内で最も低位
各社とも株価下落に見舞われている。米国経済のスタグフレーション・リスク、ロシア・ウクライナ問題
の長期化、世界的な資材価格の高騰と調達難、受注環境の踊り場局面の到来などが背景にある
と考えられる。ただし、同社の 2030 年に向けた長期的な成長シナリオは不変であるうえ、23/3 期
同社予想配当利回りは 4%近い水準を確保しながら、同社株価バリュエーションはサプライチェーン
の中で最も低位に留まっている。一方で、世界的なカーボンニュートラルに向けて恩恵を享受可能な
三菱重工業や IHI、同社の業績先行指標として注目される横河電機などの株価は、年初来高値
を更新、上昇傾向を強めている。同社産業機械事業が手掛ける水素やアンモニア向け関連製品も
今後の需要創出が期待される。「脱炭素」関連銘柄として注目される局面もみられよう。



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図 4:同社業績は成長ステージが一段上がった印象
同社業績は過去最高益の連続更新が見込まれる (%) 同社の売上高および
(億円)
40.0 営業利益は一段上
50,000
連結売上高 営業利益 の水準へ到達
35.0
期初予想営業利益 営業利益率(右軸)
40,000 30.0
28.0
26.8
25.0
30,000
19.0 20.0
17.5
16.6 16.0
20,000 15.1 15.0
14.0 14.9 12.6
10.0
10,000
5.0

0 0.0
14/3 15/3 16/3 17/3 18/3 19/3 20/3 21/3 22/3 23/3予

図表 5:半導体製造装置企業の業績は好調を維持する見通し
サプライチェーンにおける各社の前年比予想営業増益率(23/3期) サプライチェーン内で
(%)
40.0 半導体製造装置
比較的保守的な業
35.0 メーカー 績予想を提示
ふっ素樹脂
30.0
メーカー
25.0
20.0
15.0
10.0
5.0
0.0
-5.0
-10.0




図表 6:株価バリュエーション比較
(倍・年) 主要企業における予想PERと予想ROEの関係(23/3期会社予想) 23/3 期予想 ROE
30.0 に対して、予想 PER
が相対的に低位
米Entegris
25.0


20.0
y = 0.1584x + 8.4268
ディスコ
予想PER




東京エレクトロン
15.0
米AMAT
荏原
バルカー SCREENホールディングス
10.0

イーグル工業 ニチアス
5.0 日本ピラー工業


0.0
0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0
予想ROE (%)

出所:会社資料などから CGRA 作成。荏原と Entegris は 12 月、AMAT は 10 月期決算

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(3)22/3 期決算における注目点
・過去最高決算の更新とともに、業績ステージが一段上昇
売上高は初の 400 億円台、営業利益も 100 億円台に到達
22/3 期連結業績は、売上高が前年比 35%増の 407 億円、営業利益は同 135%増の 114 17/3 期以降の同社

億円(営業利益率 28.0%)となった。売上高は 3 期ぶりに過去最高を更新、前回ピーク売上 はシクリカル・グロース
企業へ収益構造が
高を約 100 億円上回り、初の 400 億円台を確保した。営業利益は 5 期ぶりに過去最高を更新、
様変わり
前回ピーク営業利益の 2.2 倍へ大きく伸長、初めて 100 億円の大台に到達した。

同社の過去業績を振り返ると、約 10 年をかけて売上高は 200 億円台から 300 億円水準に達し
たが、300 億円水準から 400 億円台へは約 4 年で到達した。17/3 期以前の同社業績はシクリ
カルな動きをみせたが、その後はシクリカル・グロース企業へ収益構造が様変わりしている。

日本を代表する機械・半導体製造装置企業に遜色ない営業利益率を実現
図表 7 は日本を代表する高収益機械企業および半導体製造装置メーカー、米競合の Entegris 同社営業利益率は
などの営業利益率を比較したものであるが、同社の収益性は他社に遜色ない水準を確保している。 内外トップ企業並み
の収益性を確保
なお、電子機器関連事業における営業利益率は 32%に達しており、東京エレクトロンや SMC を上
回る収益性を確保している。同社の業績ステージが一段、上昇した印象を受ける。

図表 7: 主要機械・半導体製造装置企業の営業利益率ランキング(%)
キーエンス 55.4
ディスコ 36.1
SMC 31.3
東京エレクトロン 29.9
日本ピラー工業 28.0
ファナック 25.0
米Entegris 24.0
ローツェ 23.6
0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0
出所:各社決算資料。ローツェは 22/2 期、米 Entegris は 21/12 期、他社は 22/3 期

図表 8: 同社業績は過去最高を大幅更新、新たなステージへ突入
(百万円) (%)
日本ピラー工業のヒストリカル業績推移
50,000 40.0

45,000
連結売上高(左軸) 連結営業利益(左軸) 35.0
40,000
営業利益率(右軸) 28.0 30.0
35,000 26.8
16.6
30,000 19.0 17.5 12.6 16.0 25.0
15.1
25,000 16.1 12.0 17.7 17.2 14.9 20.0

20,000 14.7 12.7 14.0
15.0
15,000
10.0
10,000 8.7 9.5
1.8 5.0
5,000
2.6
0 0.0


出所:会社資料などから CGRA 作成

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・電子機器関連事業
半導体関連市場における設備投資拡大が業績を牽引
電子機器関連事業の 22/3 期売上高は、前年比 47%増の 304 億円(売上構成比 75%)、 旺盛な半導体設備
投資に支えられて過
営業利益は同 136%増の 97 億円(営業利益構成比 85%)、営業利益率は 32.0%(同
去最高益を大幅更
+12.0pt)に達した。売上高および営業利益はともに 2 期連続で過去最高を更新した。 新

電子機器関連事業における売上拡大のけん引役としては、世界的に旺盛な半導体需要を背景と
した半導体製造装置メーカー(=ウエハ洗浄装置を中心に製造装置に組み込まれて使用される)
およびデバイスメーカー(=半導体工場における薬液供給階の供給装置にも採用)向けに加え、
中国における新規ローカル顧客向けの拡販効果も挙げられる。

同事業の営業利益率は過去最高となる 32.0%に達したものの、ふっ素樹脂不足や材料価格の
高騰が顕在化している模様。同社としては、機動性の高い生産対応と不良率低減による生産アウ
トプット改善策で対応したものの、前年比営業増益額を増収額で除した簡易限界利益率は、過
去 2 期間で見られた 73-77%に対して、22/3 期は 57%へ低下した。

図表 9:電子機器関連事業は新たな成長局面を迎えた印象
(百万円) 電子機器関連事業の業績動向 (%)
35,000 50.0

45.0
30,000 売上高
40.0
セグメント利益
25,000 35.0
セグメント利益率(右軸) 32.0
30.130.0
20,000
25.0
15,000 20.1 20.2
15.3 20.0 20.0
15.6 18.1
10,000 14.6 15.0
14.2
13.3 12.4
10.0
5,000
5.0
6.2
0 0.0
11/3 12/3 13/3 14/3 15/3 16/3 17/3 18/3 19/3 20/3 21/3 22/3 23/3予

図表 10:世界的な半導体設備投資の拡大が同社業績をけん引
(百万円) セグメント売上高と半導体設備投資の推移 (10億ドル)
50,000 250

45,000
産業機器関連事業 電子機器関連事業
40,000 200
'10/3期以前は連結売上高 半導体設備投資(右軸)
35,000

30,000 150

25,000

20,000 100

15,000

10,000 50

5,000





出所:会社資料および WSTS などから CGRA 作成

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・産業機器関連事業
収益性が回復傾向を強め、過去 6 年間で最も高い営業利益率を確保
22/3 期における産業機器関連事業の売上高は、同 7%増の 101 億円(売上構成比 25%)、 収益率の 改善が顕
営業利益は同 130%増の 16 億円(構成比 14%)、営業利益率は 15.7%(同+8.4pt) 著。新たな需要創
造に動きが出てきた
となった。CMP 向けを中心とするロータリージョイントを中心に、ケミカル向けなどが増加、売上高は前
年比約 7 億円の増収となった。

ここ近年における産業機器関連事業の営業利益率は、17/3 期の 17.1%をピークに低下傾向を
示し、21/3 期は米国でのスポット費用計上も相まって、7.3%にまで低下した。しかし、22/3 期は
好採算である CMP 向けロータリージョイントの販売増に加え、海外向けを含む補修事業が底堅く推
移したことで、大幅な改善が見られ、過去 6 年間で最も高い営業利益率を確保した。

業種別売上高を見ると、化学業界が増収に転じたうえ、電力・エネルギー向けでは火力発電所にお
けるアンモニア混焼に関する引き合いが増加している模様。今後のカーボンニュートラルに向けたエナ
ジートランジションを契機とした新たな需要創造に期待したい。

図表 11:売上水準が低い中、収益性の改善が明確化
(百万円) 産業機器関連事業の業績動向 (%)
14,000 30.0

売上高 セグメント利益 セグメント利益率(右軸)
12,000
25.0

10,000
19.9 20.0
19.6 18.4
8,000 17.1 15.7
15.6 16.7
15.0
14.8 13.8 12.9
6,000 14.8
12.8
10.0
4,000
7.3
5.0
2,000


0 0.0
11/3 12/3 13/3 14/3 15/3 16/3 17/3 18/3 19/3 20/3 21/3 22/3 23/3予

図表 12:既存産業からの需要回復が顕在化し始めた
(百万円) 半導体・液晶向けを除く業種別売上高(単体ベース) (%)
16,000 100.0
化学・その他 石油・鉄鋼・輸送 土木建築
電力・エネルギー 官公需 その他 90.0
14,000
売上構成比(右軸) 80.0
12,000
70.0
10,000
60.0

8,000 50.0

40.0
6,000
30.0
4,000
20.0
2,000
10.0

0 0.0


出所:会社資料などから CGRA 作成

日本ピラー工業(6490) 9
2022-6-20



・海外売上高の推移
電子機器関連事業を中心に各地域ともに大幅増収を確保
22/3 期連結売上高は、前年比 35%増の 407 億円と大きく伸長した。国内外に分けると、国内 海外売上高は各地
域ともに大きく伸長。
売上高は同 32%増の 283 億円、海外売上高は同 51%増の 124 億円となり、海外売上高比
今後も安定成長が
率は過去最高となる 30.5%(前年比+3.3pt)に達した。ドル・ユーロともに期中平均レートは前 見込まれる
年比約 6%程度の円安であり、現地通貨ベースの海外売上高は、同 45%増程度を確保したとみ
られる。

海外売上高を地域別に分けると、中国が同 46%増の 40 億円、米国が同 109%増の 37 億円、
台湾・韓国を含むアジアが同 14%増の 34 億円、欧州ほかが同 78%増の 13 億円となった。

各地域ともに継手とベローズポンプを中心とした電子機器関連事業製品の拡販効果が寄与した模
様。中国では、デバイスメーカーの工場における薬液搬送ライン向けに加え、中国ローカルの半導体
製造装置メーカーへの納入が増加した。米国では大手半導体製造装置向けに継手を中心に取引
の拡大が進んだ。アジアはデバイスメーカー向けの販売が増加したものの、他地域よりも増収幅が小
さかった。むしろ 23/3 期は韓国デバイスメーカー向けに需要拡大が見込めそうだ。台湾 TSMC も好
業績を背景に大規模な設備投資を継続しており、23/3 期以降のアジア向け売上高は増収幅の
拡大が見込まれよう。欧州に関しては、ウエハ洗浄装置メーカー向けに拡販が進んだ。

23/3 期の前提為替レートは、ドル 120 円(22/3 期実績 112 円)、ユーロ 125 円(同 130
円)である。引き続き拡販効果に加え、円安進行による売上押し上げ効果も期待される。なお、
同社製品は小型・軽量なものが多く、コンテナなどの海上運賃の高騰影響を受けにくい点は注目に
値しよう。

図表 13:海外売上高は現地通貨ベースでも大きく伸長した
(百万円) 地域別海外売上高と海外売上高比率の推移 (%)
14,000 35.0
中国 米国 アジア 欧州ほか 海外売上高比率(右軸)
30.5
12,000 1,266 30.0

27.2
10,000 26.7 25.0
3,383
22.8
8,000 21.5 20.0


1,130
6,000 844 2,957 3,739 15.0
2,827
2,105
4,000 3,298 10.0
1,793
1,583 1,568

2,000 4,028 5.0

2,240 2,490 2,764
1,230
0 0.0



出所:同社資料より CGRA 作成




日本ピラー工業(6490) 10
2022-6-20



・四半期業績の推移
22/3 期 4Q 営業利益は材料不足が懸念されたが過去最高を更新
同社は期初時点において、22/3 期予想営業利益を 60 億円と想定していたが、1Q 決算時点で 22/3 期 4Q 決算は
懸念とは裏腹に同
80 億円へ上方修正、2Q 時点において 100 億円へ再上方修正した。通期予想営業利益 100
社予想を大きく上回
億円から 3Q 累計実績営業利益を差し引いた 4Q 予想営業利益は是年同期比 4%減の 17 億 った
円であったため、3Q 決算発表時にも再増額修正の期待が高かった。しかし、通期予想を据え置い
たことで、同社株価の下落が見られた。同社としては、ふっ素樹脂を中心とした材料調達難リスクが
背景にあったため、通期予想を据え置いたものの、22/3 期通期営業利益は 114 億円で着地、
4Q 営業利益は同 74%増(対 3Q 比 3%増)の 33 億円(営業利益率 18.3%)を確保、
懸念とは裏腹に過去最高の四半期営業利益を確保した。

両セグメントともに同社 4Q 業績予想を大きく上回った
電子機器関連事業の 22/3 期 4Q 売上高は、同 23%増の 80 億円(同社計画 58 億円)、
営業利益は同 58%増の 27 億円(営業利益率 33.1%。同社計画約 17 億円)を確保した。
産業機器関連事業の売上高も同 16%増の 29 億円(同 25 億円)、営業利益は同 306%
増の約 4 億円(営業利益率 14.7%。同社計画 45 百万円)となり、計画を大きく上回った。

図表 14:22/3 期 4Q 業績は過去最高を記録
(百万円) (%)
12,000 35.0
売上高 営業利益 営業利益率(右軸)
10,000
29.3 28.9 30.0
28.3
25.0
8,000 25.3

19.7 20.0
6,000
17.5
13.0 15.1 15.0
13.0
4,000
12.2 12.2 10.6 10.0

2,000 5.0

0 0.0
1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q


図表 15:同社株価は四半期営業利益との相関が高い
(円) 日本ピラー工業株と四半期営業利益の推移 (百万円)
4,500 4,000

4,000 3,500
日本ピラー工業株(左軸)
3,500
22/3期4Q予想営業利益 3,000
3,000
四半期営業利益実績 2,500
2,500
2,000
2,000
1,500
1,500
1,000
1,000




20 Jan
Feb




June



Sep
Oct



21 Jan
Feb




June



Sep
Oct



22 Jan
Feb




June
Mar

May




March

May




Mar

May
Apr



July
Aug




July
April




Aug




Apr
Nov
Dec




Nov
Dec




出所:会社資料などから CGRA 作成

日本ピラー工業(6490) 11
2022-6-20



・B/S と CF の推移
時価総額の約 31%ものキャッシュを有する強靭な B/S を誇る
22/3 期末の純資産は、業績の大幅伸長を背景に、前年度末比 69 億円増の 527 億円となり、 強靭なバランスシート
を有しつつ、キャッシュ
ROE も過去最高の 16.8%へ上昇した。総資産は、未払法人税や支払手形・買掛金の増加など
創出能力が強まった
で同 100 億円増の 650 億円、自己資本比率は 81.0%(前年度比-2.3pt)となった。長短有 印象
利子負債合計は約 4 億円であり、実質無借金。22/3 期設備投資は約 10 億円(減価償却費
約 20 億円)に抑制されたうえ、受取手形・売掛金のサイトを短縮化、22/3 期末の現金及び預
金残高は 212 億円(時価総額の約 31%)となった。キャッシュ・コンバージョン・サイクルは、売上
債権回転日数の大幅な圧縮(149 日→115 日)が奏功、167 日から 130 日へ改善が進んだ。

キャッシュ創出能力が一段と強まった印象
22/3 期の営業キャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が 48 億円から 118 億円へ大きく
伸長する一方、棚卸資産などの運転資本の抑制策が奏功、前年比 63 億円増の 120 億円とな
った。投資キャッシュ・フローは 16 億円となり、フリー・キャッシュ・フローは同 84 億円増の 104 億円
を確保した。財務キャッシュ・フローは 17 億円であり、現金及び現金同等物の期末残高は 198 億
円に達した。

図表 16:キャッシュ・コンバージョン・サイクルが大きく改善
(日) 日本ピラー工業のキャッシュ・コンバージョン・サイクルを3項目に分解
250.0

225.0 棚卸資産回転日数 売上債権回転日数
200.0 190.3 仕入債務回転日数 CCC
175.9
175.0 160.6 165.9 166.6
158.0 157.8 157.6 161.4
148.7
150.0 129.7
125.0

100.0

75.0

50.0

25.0

0.0



図表 17:現金及び現金同等物が約 200 億円水準へ
(%)
(百万円) FCFと現金及び現金同等物、自己資本比率 120.0

20,000 110.0
フリー・キャッシュ・フロー 現金及び現金同等物
100.0
17,500 自己資本比率(右軸)
90.0
80.1 80.4 79.6 80.9 83.3
15,000 78.5 74.5 76.7 81.0 80.0
79.8
12,500 74.2 70.0
60.0
10,000
50.0
7,500 40.0
30.0
5,000
20.0
2,500
10.0
0 0.0

出所:会社資料などから CGRA 作成

日本ピラー工業(6490) 12
2022-6-20



・22/3 決算における注目トピックス
次なる成長を見据え、福知山第 2 工場の建設を発表した
現在、電子機器関連事業の主力工場である福知山事業所は、同事業における生産高の 7 割強 今後の更なる成長に
向けた新工場の建
を占め、九州工場(チューブをメインに継手も生産)が残り 3 割弱を占める。福知山事業所では
設計画を発表
主に PFA を射出成形加工することで継手を生産しているが、米テキサス・ヒューストンの日本ピラーア
メリカでは PTFE を切削加工して継手を生産している。
今回、2024 年の創業 100 周年、その先の 100 年を見据えて、電子機器関連事業の中核的工
場として、福知山第 2 工場の建設が発表された。
コンセプトは、新生産体制の構築によるコスト競争力の強化、顧客から厳しい品質要求への対応、
開放感のあるつくりで同社技術を「魅せる」工場にしたい、の 3 点である。
現在の福知山工場に隣接する敷地面積 80,006 ㎡の同社所有地に、延べ床面積 19,570 ㎡
の工場 1 棟を投資額 105 億円で建設、2023 年 9 月に竣工し、同年 10 月から生産を開始す
る予定である。
生産能力としては、現有の九州工場への増産投資を含め、現状生産能力約 360 億円の 1.8 倍 現状は生産能力約
360 億円に対して、
となる 650 億円程度を確保する見通し。更に、需要動向に応じて、2~4 棟の工場建設を進め、
2 割程度の増産余
最終的に約 1,500 億円規模の生産能力の確保が可能となる。 地を有する

2030 年に向けて更なる飛躍が期待できそうだ
半導体市場は、2030 年に 2020 年対比で倍増するとの見方がコンセンサスである。ただし、同時
に、微細化や積層化などの技術進歩、更には経済安保の観点から分散投資化が進むため、半導
体関連の設備投資は半導体市場の成長率を上回る拡大が期待されよう。
ここ近年の同社業績は、17/3-20/3 期において他社に先行して実施した 158 億円もの設備投
資が実を結び、競合他社を上回る高い成長と収益性を見せている。今回の福知山第 2 工場の設
備投資は、2030 年に向けた次なる成長への布石と言えそうだ。

図表 18:今後の成長を担う中核工場の建設に着手




出所:同社決算説明会資料


日本ピラー工業(6490) 13
2022-6-20




(4)23/3 期業績予想と中期経営計画
・業績の再加速には材料調達と生産性改善が鍵を握る
23/3 期も過去最高決算の連続更新が見込まれる
23/3 期連結業績予想に関しては、売上高が 2 期連続の過去最高となる前年比 8%増の 440 23/3 期も過去最高
益の連続 更新が見
億円、営業利益も同様に同 4%増の 118 億円(営業利益率 26.8%)、経常利益は同 0.2%
込まれる
減の 118 億円、当期純利益は同 0.2%増の 83 億円(1 株予想当期純利益 351.09 円)、
1 株予想配当金は 108 円(前年比+2 円)が見込まれている。
セグメント別では、電子機器関連事業の売上高は、同 9%増(+28 億円)の 332 億円、営業
利益は同 3%増(+約 3 億円)の 100 億円、営業利益率は 30.1%の見通し。産業機器関
連事業は、売上高が同 6%増(+約 7 億円)の 108 億円、営業利益は同 13%増(+約 2
億円)の 18 億円、営業利益率は 16.7%が見込まれている。なお、産業機器関連事業は、CMP
向けロータリージョイント以外の製品も若干の増収を確保する見通しである。

ふっ素樹脂の調達量と価格動向が業績の上方・下方リスク
8 ページにおいて、電子機器関連事業における簡易限界利益率の動向を説明した。23/3 期にお 23/3 期 は 限 界 利
益率の一時的な低
ける会社想定簡易限界利益率は、22/3 期実績の 57%から 9%へ低下する見通しである。このよ
下が見込まれる
うに、電子機器関連事業は、前年比増益を見込むものの、主要原材料であるふっ素樹脂の調達
難と価格高騰を背景に、限界利益率が低下する想定である。同社の対策としては、①ふっ素樹脂
の調達量は前年並みを想定するものの、サプライヤーとの協力のもと、様々な取り組みで需要に応じ
た生産を行いたい、②22/3 期 4Q 決算で見られたように、生産歩留まりの改善努力で出荷量の
最大化を図る、③製品価格の改定を進めており、23/3 期下期以降にも収益改善効果が顕在化
しそう、などである。23/3 期業績予想は、上振れる可能性があるものの、材料メーカーが追加値上
げに動くリスクも考えられる。同様に、産業機器関連事業の 23/3 期における想定簡易限界利益
率は 32%である。産業機器関連事業は、売上高の約半分を好採算かつ安定的な補修事業(ロ
ータリージョイントを除くベース)が占めており、比較的リーズナブルな想定限界利益率といえよう。
図表 19:23/3 期の同社業績予想




出所:同社決算説明会資料
日本ピラー工業(6490) 14
2022-6-20



・現中期経営計画の進捗と新中計
2023 年 5 月には新 3 ヶ年中計が発表される予定
現 在 進 行 中 で あ る 中 期 経 営 計 画 「 BTvision22 」 は 、 23/3 期 に 最 終 年 度 を 迎 え る 。 2024 年 の 創 業
100 周年に向けた
「BTvision22」は、21/3 期から 23/3 期までの 3 ヶ年中計として始まり、当初は売上高 325 億
新 3 ヶ年中計は
円、営業利益 51 億円、ROE8.0%以上、配当性向 30%以上で始まった。しかし、1 年目が終 2023 年 5 月に発
表される見通し
了した段階で目標売上高は 350 億円、営業利益は 65 億円へ上方修正され、ROE と配当性向
は当初計画が据え置かれた。中計 2 年目となる 22/3 期は、期中に業績および配当予想が 2 度
上方修正され、最終的に売上高は 407 億円、営業利益は 114 億円、ROE は 16.8%、配当
性向 30.3%で着地した。今回、23/3 期業績予想(売上高 440 億円、営業利益 118 億円、
配当性向 30.8%)が現中計の目標値に設定された。2024 年の創業 100 周年に向けた次期
3 ヶ年中計は、2023 年 5 月に発表される見通し。

現中計の CGRA 評価と課題
2020 年 4 月、コロナ禍でスタートした現中計「BTvision22」は、①事業基盤の拡充、②グローバ
ル化の深耕、③新事業の創出、④ESG/SDGs 経営の推進、⑤財務戦略、を 5 つの基本方針と
して始まった。まず、事業基盤の拡充に関しては、電子関連事業における歩留まり改善およびリード
タイム短縮化、産業機器関連事業における生産の自働化・省人化、補修事業の強化策などが奏
功、両セグメントともに収益性の大幅な改善が見られている。グローバル化に関しても、22/3 期にお
ける海外売上高比率は 30.5%(=124 億円)と 2 年前の 26.7%(=78 億円)から大きく
伸長している。ESG/SDGs 経営に関しても、TCFD の賛同とシナリオ分析および KPI 設定(2050
年に SCOPE1+2 の CO2 排出量実質ゼロ)、ダイバーシティ&インクルージョンの取組強化と KPI
の設定、サスティナブルなバリューチェーンの構築などが進められている。財務戦略に関しても、強靭な
バランスシートの強化とキャッシュ創出能力の高まりが感じられる。ただし、新事業の創出およびマテリ
アリティの抽出と設定、キャッシュ・アロケーションの設定が次期中計の課題であると CGRA は考える。
図表 20:現中期経営計画の成果と施策




出所:同社決算説明会資料


日本ピラー工業(6490) 15
2022-6-20



・ニチアスとバルカーが新中計を発表
日本ピラー工業は 2023 年 5 月に新 3 ヶ年中計を発表予定
同社は 2023 年 5 月の本決算発表時に、次期 3 ヶ年新中計を発表する予定である。一方、国
内競合企業であるニチアスとバルカーは 2022 年 5 月に新たな新中計を発表した。

ニチアス:利益成長とともに B/S 強化を進める方針
まず、ニチアスは、前中計(17/3~22/3 期。コロナを理由に 5 カ年計画を 1 年延期)が 22/3 ニチアスは新 5 ヶ年
中期経営計画を発
期で終了、22/3 期売上高は 2,162 億円(目標売上高 2,200 億円)、営業利益は 263 億
表した
円、営業利益率 12.1%(目標営業利益率 10%以上)、ROE15.2%(目標 ROE10%以
上)となり、各項目ともに 3 期ぶりに過去最高を更新した。

今回、ニチアスは、23/3-27/3 期(創立 130 周年)における新 5 ヶ年中期経営計画「しくみ
130」を発表、前半 3 ヶ年の第一ステージにおける 25/3 期目標売上高を 2,400 億円、営業利
益率 13%(営業利益 312 億円)、ROE12.5%、後半 2 ヶ年の第二ステージにおける 27/3
期イメージ目標売上高を 2,500 億円、営業利益率 15%(営業利益 375 億円)、ROE を
13%と設定した。5 年総額 600 億円の設備投資を計画しつつ、有利子負債額を 100 億円程度
(22/3 期末 257 億円)へ抑制し、自己資本比率を 70~75%水準(22/3 期末 62.5%)
へ引き上げる計画である。

株主還元に関しては、連続増配(13 年連続)を維持しつつ、配当性向 25~50%を目途に、
自己株取得(13/3~15/3 期に計 55 億円実施)も適宜検討する方針である。

また、環境目標として、CO2 排出量を 22/3 期実績の 24.4 万トンから 27/3 期に 21.7 万トン、
産業廃棄物も同 21.6 千トンから同 17.1 千トンへ削減する計画である。なお、SCOPE1+2 の
CO2 排出量を 2030 年に 2019 年比 30%削減し、SCOPE3 の数値に関しても 23/3 期 2Q
決算時に公開を予定している。

バルカー:M&A を含む更なる成長路線を歩む考え
一方、バルカーは、2020 年 11 月に前中計経営計画“NF2022”を発表、23/3 期に売上高 バルカーは長期目標
を維持しつつ、今後
550 億円、営業利益 55 億円、ROE10%以上を目指すと同時に、創業 100 周年となる 27/3
2 ヶ年の新中計を発
期に売上高 800 億円、ROE15%を長期経営目標として掲げている。22/3 期決算は、売上高が 表した
532 億円、営業利益は 70 億円、ROE12.8%(過去最高は 18/3 期の 14.2%)確保、売上
高と営業利益は過去最高を更新、中計目標値を 1 年前倒しで達成した。
今回、バルカーは、27/3 期に向けた長期目標は維持しつつ、23/3 期から 24/3 期までの 2 期間
における新中計 NF2023(テーマ:既存事業の強化と新たな価値創造力の獲得)を発表、
24/3 期目標売上高を 700 億円、営業利益を 75 億円、ROE12%を目指す方針である。今後
2 年で 150 億円(うち M&A 投資枠 80 億円)を実施することで、有利子負債は 22/3 期末の
51 億円から 24/3 期には 220 億円へ増加、自己資本比率は同 66.0%から 48.9%へ低下す
る見通しである。
また、キャッシュ・フローに関しても、中計期間中の累計営業 CF150 億円に対して、投資 CF は 190
億円を想定、FCF は 40 億円のマイナスに転じる見通し。23/3~24/3 期の 2 年間を整備・投資
ステージとし、25/3~26/3 期を拡大・回収ステージと位置付け、創業 100 周年となる 27/3 期に
おける長期経営目標の実現を目指す考えである。


日本ピラー工業(6490) 16
2022-6-20




図表 21:ニチアスの新中計内容
過去最高 創業130周年
22/3 23/3予 25/3目標 27/3イメージ
売上高:億円 2,162 2,250 2,400 2,500
営業利益:億円 263 265 312 375
営業利益率:% 12.1 11.8 13.0 15.0
ROE:% 15.2 - 12.5 13.0
ROIC:% 12.9 - 11.0 12.0
手元流動性:ヶ月 3.0 - 3.0 3.0
有利子負債:億円 257 - 100 100
自己資本比率:% 62.5 - 70.0 75.0
設備投資:億円 114 100 5年で600億円

1株配当:円 86.0 88.0 -
配当性向:% 25.9 32.4 配当性向25~50%
株主還元方針 自社株取得も検討
環境目標
CO2排出量:万トン 24.4 - 22.0 21.7
産業廃棄物排出量:千トン 21.6 - 18.3 17.1


図表 22:バルカーの新中計内容
過去最高 NF2023 創業100周年
22/3 23/3予 24/3予 27/3期
売上高:億円 532 560 700 800
営業利益:億円 70 65 75 -
営業利益率:% 13.2 11.6 10.7 -
ROE:% 12.8 12.1 12.0 15.0以上
有利子負債:億円 51 - 220 -
自己資本比率:% 66.0 - 48.9 -
設備投資:億円 42 150(うちM&A80) -

1株配当:円 125 120 - -
配当性向:% 45.6 44.2 - -
株主還元方針 総還元性向50%を目標

市場別売上高:億円
先端産業市場 223 236 310 -
機器市場 166 175 228 -
プラント市場 139 148 158 -
その他 4 1 4 -

海外売上高比率:% 35.0 35.4 33.0 -


出所:各社の中計資料から CGRA 作成




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(5)競合企業比較および成長性・収益性分析
・国内競合企業との四半期業績推移の比較
日本ピラー工業は相対的に高い収益創出能力を有している
過去 3 ヶ年における四半期ベースの売上高、営業利益および営業利益率を国内競合企業である 同社固有の施策も
奏功、相対的に高
イーグル工業、バルカー、ニチアスと比較してみた。
い収益創 出能力を
同社は半導体(高機能、先端分野)関連市場への売上依存度が 22/3 期時点で約 72% 有する

(単体ベース)、バルカーは約 42%、ニチアスは約 17%、イーグル工業は約 9%であり、他社に
比べて相対的に高い。また、同分野における前年比増収率を見ると、バルカーは同 35%増、ニチア
スは同 45%増、イーグル工業の同 34%増に対して、日本ピラー工業の増収率は同 51%増と他
社を上回っている。この背景には、半導体製造装置メーカー向け需要増に加えて、デバイスメーカー
の設備投資(工場の薬液搬送設備向け)拡大に加え、海外を中心とした新規顧客の獲得、新
製品(スイープエルボなど)の拡販効果、更には同社内部の歩留まり改善などの生産性改善(ア
ウトプット向上)効果などが背景にあると推測される。

図表 23:日本ピラー工業の収益構造がグロースへ変化しつつある
(%) 四半期ベース指数化売上高の推移(20/3期1Q基準)
220.0

200.0
日本ピラー工業
180.0
イーグル工業
160.0 バルカー
140.0 ニチアス

120.0

100.0

80.0

60.0

40.0

20.0

0.0
1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q


図表 24:同社営業利益率も他社を大きく上回る水準を確保
(%)
四半期ベース営業利益率の推移(20/3期1Q基準)
45.0


35.0 日本ピラー工業
イーグル工業
バルカー
25.0
ニチアス

15.0


5.0


-5.0


-15.0
1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q


出所:会社資料から CGRA 作成

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・電子機器関連事業の成長性および収益性分析
同社は高い収益性を確保しつつも、予想 PER は相対的に低位で推移
同社の電子機器関連事業および東京エレクトロン、SCREEN ホールディングスの SPE 事業、荏原 同社電子機器関連
事業の売上成長率
の CMP 事業、更には米国競合である Entegris、米半導体製造装置メーカーである Applied
は主要半導体製造
Materials(AMAT)において、6 年前の 17/3 期売上高を 100 とした指数化売上高を見たものが 装置メーカー並みを
図表 25 である。各社ともに概ね同じようなトレンドにあることが分かろう。23/3 期売上高に関して 確保

は、各社ともに部材調達問題次第では上方・下方リスクを有しているといえよう。

一方、図表 26 では、同社の米国競合である Entegris(21/12 期)および国内競合企業、更 同社 PER は高い収
益性に反して相対
には東京エレクトロン、SCREEN ホールディングス、荏原(21/12 期)における 22/3 期営業利益
的に低位に推移
率と予想 PER をプロットしてみた。東京エレクトロンと Entegris は高い収益性と同時に、高い PER
(東京エレクトロン 14.3 倍、Entegris24.3 倍)を実現している反面、日本ピラー工業は他社に
遜色ない売上成長率と収益性を有しているものの、予想 PER が 7.7 倍と相対的に低位に留まっ
ている。むしろ、同社予想 PER は、前出の国内競合企業(イーグル工業 8.0 倍、バルカー10.0
倍、ニチアス 8.3 倍)と同水準で評価されている印象である。

図表 25:同社電子機器関連事業の成長率は概ね主要 SPE 企業並み
(%) 主要SPE企業と同社電子機器関連事業の指数化売上高の推移
350.0
日本ピラー工業の電子機器事業
300.0 東京エレクトロン
SCREENホールディングスのSPE事業
250.0 荏原のCMP事業(12月決算)
米Entegris(12月決算)
200.0 米AMAT(10月決算)

150.0


100.0


50.0


0.0
17/3 18/3 19/3 20/3 21/3 22/3 23/3予

図表 26:日本ピラー工業の予想 PER は相対的に低位にとどまる
(倍・年) 主要SPE企業および国内競合企業の予想PERと営業利益率
30.0

米Entegris
25.0


20.0
予想PER




東京エレクトロン
15.0 y = 0.2806x + 6.751

荏原 バルカー
10.0 イーグル工業 日本ピラー工業
SCREENホールディングス
ニチアス
5.0


0.0
0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0
営業利益率 (%)

出所:会社資料などから CGRA 作成

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・産業機器関連事業の成長ポテンシャル
脱炭素に向けた新たな需要創造が期待される
前回レポートでは、世界的なカーボンニュートラルに向けた脱炭素関連の設備投資拡大が同社産 「脱炭素」が産業機
器関連事業の長期
業機器関連事業にもポジティブな影響を与え、長期的な成長ポテンシャルの高まりを指摘した。
的な成長テーマ
22/3 期同社決算説明会資料の 30p に提示された市場別売上内訳をみると、電力・エネルギー
向け市場において、「アンモニア混焼に向けた引き合い増」と記述されている。三菱重工業は水素を
活用した脱炭素および CO2 の吸収・再利用技術によるイノベーションで需要を喚起しようとしている。
同様に、IHI はアンモニアを活用した脱炭素技術の事業化を積極化させている。経済産業省も
2030 年辺りには年間 17 兆円もの脱炭素関連の投資が必要との試算を行っており、関連銘柄で
ある両社の株価は年初来高値を更新している。前回レポートでは、横河電機および日機装の長期
業績見通しが同社産業機器関連事業の先行指標との見解を紹介した。その後、日機装は事業
売却を行ったため、継続性の確認ができなくなったが、図表 28 では横河電機の制御機器事業にお
ける長期売上予想と同社産業機器関連事業の売上推移を掲載した。「脱炭素」が同社産業機
器関連事業における中長期的な成長キーワードであると CGRA は考える。

図表 27:脱炭素関連銘柄と同社の株価チャート


三菱重工業



IHI



横河電機


日本ピラー工業



図表 28:「脱炭素」が産業機器関連事業の成長キーワード
(億円) 横河電機の制御事業売上目標と同社産業機器関連事業の売上高推移 (百万円)
8,000 25,000

7,000 横河電機の制御事業長期売上目標(左軸)
20,000
6,000 同社産業機器関連事業の売上高

5,000
15,000

4,000

10,000
3,000

2,000
5,000
1,000


17/3 18/3 19/3 20/3 21/3 22/3 23/3会 31/3会
予 予
出所:会社資料などから CGRA 作成

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(6)ESG 経営の深耕
・TCFD 賛同とシナリオ分析が提示された
ホームページ上で非財務情報に関する開示を強化している
ESG/SDGs への取組の進捗としては、①22 年 3 月に TCFD へ賛同、2030 年には SCOPE1+2 岩波社長を委員長
に ESG 経営を積極
基準の CO2 排出量を 2013 年対比で 50%削減、2050 年には実質ゼロとする目標が掲げられ
化させる方針
た。②脱炭素社会の実現に貢献する環境貢献型製品の売上高を 2020 年の約 13 億円から 25
年には約 30 億円、30 年には約 60 億円へ引き上げる方針。③事業・設備投資における低炭素
化の議論を活発化させるため、ICP(Internal Carbon pricing)制度を導入、CO2/トン
=9,200 円を前提に、CO2 排出コスト=炭素価格×設備からの CO2 排出量×耐用年数を加味
した議論を始めた。④ダイバーシティ経営の推進として、女性管理職割合を 22 年実績 3%に対し
て、25 年には 5%、30 年には 10%へ引き上げる計画。障害者雇用に関しては、22/3 期実績
雇用率が 2.55%であり、法定雇用率 2.3%を上回る雇用の推進と維持を図る方針である。

図表 29:気候変動に対する事業機会とリスク分析




出所:同社 HP

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図表 30:気候変動に対するガバナンス・リスク管理体制

機動性 の高 い管理
体制を構築




図表 31:脱炭素に向けた環境貢献製品の売上計画


環境貢献製品の開
発と拡販に注力する
方針




図表 32:CO2 排出量の削減目標




SCOPE3 の開示が
今後の課題の 1 つ




出所:会社 HP

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(7)株主還元と株価バリュエーション
・株主還元と TSR
機動的な自社株取得も期待される
現中計(21/3~23/3)期間中の同社配当方針としては、①安定的かつ継続的な配当、②配 2024 年 の 創 業
100 周年に向けて、
当性向 30%以上を目標とする、③成長投資とのバランスを鑑み、機動的に自己株式取得の実施
継続的な株主還元
を検討する、が提示されている。 が期待可能

コロナ禍で始まった 21/3 期における 1 株配当金は 50 円(中間 20 円、期末 30 円)、配当性
向は 34.6%であったが、自己株取得(総額 8 億円、532 千株)が実施されたため、総還元性
向は 57.5%となった。22/3 期における 1 株配当金は 106 円(中間 45 円、期末 61 円)であ
り、配当性向は 30.3%となったが、利益成長に伴い、期初時点の 1 株予想配当金 60 円が 2 度
上方修正(70 円→90 円)された後、106 円にまで引き上げられた。

23/3 期予想 1 株配当金は 108 円(配当性向 30.8%)が提示されている。23/3 期設備投
資は 20 億円が予定されているが、24/3 期設備投資は福知山第 2 工場の建設と着工が遅れて
いる三田の開発センターなどで約 130~140 億円が見込まれる。ただし、B/S 上の現預金が 200
億円を超える水準に達しており、今後の業績動向次第では自社株取得も期待できそうだ。

極めて魅力的な TSR を実現してきた
2021 年の同社株価パフォーマンスは、日本電産による買収が発表された OKK などを除き、機械 配当を考慮した株主
総利回りは魅力的
セクターでは実質ベストパフォーマー(2021 年初株価 1,603 円→年末株価 3,720 円:約 2.3
なリターンを実現して
倍)であった。また、過去 10 年間の TSR(株主総利回り:キャピタルゲイン+累計配当/株価) きた
を見ると、TOPIX および機械株を大きく上回る、高いリターンが創出された。例えば 5 年前に同社
株を 1,501 円で購入した場合、5 年後の 22/3 期末の株価は 3,080 円となり、キャピタルゲイン
は+205%となるが、累計配当金 277 円を加えた TSR は+223.7%となる。同期間の配当込み
TOPIX のパフォーマンスは+44.3%、配当込み機械株は同+40.8%であり、同社 TSR は両者
を大きくアウトパフォームするリターンを実現している。今後に関しても、長期的な利益成長および株
主還元の強化などを背景とした好パフォーマンスに期待したい。

図表 33:同社 TSR は TOPIX および機械株を大きくアウトパフォーム
日本ピラー工業 TOPIX 機械株 日本ピラー工業
投資時期 TSR:% TSR:% TSR:% 決算期 期末株価:円 1株配当金:円
- - - - 12/3 718 16.0
10年前 483.4 183.3 183.7 13/3 778 16.0
9年前 444.1 128.8 132.6 14/3 801 16.0
8年前 429.3 92.9 90.1 15/3 1,001 20.0
7年前 341.6 47.6 49.3 16/3 979 28.0
6年前 346.4 65.5 82.5 17/3 1,501 34.0
5年前 223.7 44.3 40.8 18/3 1,582 36.0
4年前 209.9 24.6 19.1 19/3 1,277 45.0
3年前 256.5 31.2 36.7 20/3 1,258 40.0
2年前 257.2 45.0 53.9 21/3 1,864 50.0
1年前 170.9 2.0 -3.8 22/3 3,080 106.0




出所:CGRA 作成



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・株価バリュエーション
同社株価バリュエーションは同社が属するサプライチェーン内で最も低位
同社電子機器関連事業は、半導体関連市場への依存度が高く、東京エレクトロンなどに引けを取
相 対 的に 高 い予 想
らない高い成長性と収益率を有している。また、産業機器関連事業は、「脱炭素」をキーワードに三
ROE に対して、同社
菱重工業や IHI などと似通った成長期待を有している。しかしながら、同社株価バリュエーションは、 予想 PER は低位に
それら企業から大きく下方に乖離し、むしろ国内競合企業であるイーグル工業やバルカー、ニチアスに とどまる

近いマルチプルが付与されている。考えられる要因としては、22/3 期に記録した過去最高決算後の
反動減を懸念したリスクプレミアムの上昇、同社時価総額が機関投資家のユニバース基準を満たせ
ていない、などが考えられる。いずれにせよ、同社株価バリュエーションは、同社が属するサプライチェー
ン内で最も低位に留まっていると CGRA は考える。

PBR=ROE×PER の算式を用いて、22/3 期末(株価 3,080 円)の同社株価バリュエーション
を再確認すると、PBR 1.38=15.7%(単年度 ROE)×PER 8.8 と試算される。つまり、相対的
に高い資本効率(ROE)を確保しているにもかかわらず、株式市場は利益成長の継続性(PER
は 8.8 倍・年)を疑っていると推測される。図表 34 では、主要企業における会社予想(コンセン
サス)PER と予想 ROE の関係を散布図に示してみた。同社は高い予想 ROE に反して、予想
PER が相対的に低位に留まっていることが分かろう。

図表 34:主要企業における予想 PER と予想 ROE の関係
(倍・年) 主要企業における予想PERと予想ROEの関係(23/3期会社予想)
30.0

米Entegris
25.0


20.0
y = 0.1584x + 8.4268
ディスコ
予想PER




東京エレクトロン
15.0
米AMAT
荏原
バルカー SCREENホールディングス
10.0

イーグル工業 ニチアス
5.0 日本ピラー工業


0.0
0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0
予想ROE (%)

図表 35:主要企業におけるバリュエーションと時価総額
予想PER: 倍 実績PBR: 倍 予想ROE: % 時価総額: 億円
日本ピラー工業 7.7 1.2 15.8 680
東京エレクトロン 14.3 5.6 39.2 75,524
SCREENホールディングス 9.3 1.9 20.2 5,095
米Entegris 24.3 7.3 30.1 16,758
米AMAT 12.0 6.5 54.4 103,659
荏原 10.5 1.6 14.7 4,851
ディスコ 15.9 3.8 24.2 11,244
イーグル工業 8.0 0.5 6.3 481
バルカー 10.0 1.2 12.1 509
ニチアス 8.3 1.0 11.7 1,524
出所:各社資料などから CGRA 作成

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(8)各種財務データ
図表 36:連結貸借対照表とキャッシュ・フロー計算書
(百万円、%) 12/3 13/3 14/3 15/3 16/3 17/3 18/3 19/3 20/3 21/3 22/3
流動資産 22,334 21,867 24,805 26,124 25,279 29,832 28,821 28,375 27,025 27,994 38,050
現金・預金 9,259 10,763 13,093 13,929 12,451 14,060 13,153 12,912 12,196 11,918 21,165
受取手形・売掛金 10,428 8,481 9,401 9,602 10,159 12,143 12,785 12,026 11,551 12,701 13,009
有価証券 0 94 0 0 0 112 0 0 0 0 0
棚卸資産 2,173 2,128 1,790 2,162 2,174 2,235 2,612 3,063 2,956 3,024 2,626
その他流動資産 474 401 521 431 495 1,282 271 374 322 351 1,250
固定資産 14,256 13,863 14,180 15,342 16,884 19,514 22,717 24,597 26,165 26,955 26,941
有形固定資産 11,770 11,304 11,254 11,510 13,901 15,493 18,107 20,266 21,971 20,669 20,272
無形固定資産 56 78 75 75 94 107 105 173 251 246 222
投資その他資産 2,430 2,481 2,851 3,757 2,889 3,914 4,505 4,158 3,942 6,038 6,446
資産合計 36,590 35,731 38,986 41,466 42,164 49,347 51,933 52,972 53,190 54,949 64,991
流動負債 6,790 5,024 6,052 6,213 6,267 9,193 8,960 8,608 8,313 7,133 10,113
支払手形・買掛金 3,116 2,534 2,929 3,239 3,185 3,948 3,137 2,985 2,869 3,006 3,728
短期借入金・1年以内償還長期借入金 868 776 575 516 352 737 727 639 689 254 250
その他流動負債 2,806 1,714 2,548 2,458 2,730 4,508 5,096 4,984 4,755 3,873 6,135
固定負債 2,665 2,077 2,348 2,154 1,991 3,413 3,137 2,194 1,866 2,038 2,219
長期借入金 1,119 543 656 339 187 1,410 882 443 4 0 0
その他固定負債 1,546 1,534 1,692 1,815 1,804 2,003 2,255 1,751 1,862 2,038 2,219
負債合計 9,455 7,101 8,400 8,367 8,259 12,607 12,098 10,802 10,180 9,172 12,333
株主資本合計 26,870 28,063 29,518 31,162 32,745 35,166 37,657 40,587 41,791 43,502 49,739
その他包括利益 264 566 1,067 1,937 1,159 1,573 2,176 1,581 1,218 2,273 2,919
純資産 27,135 28,629 30,585 33,099 33,905 36,740 39,834 42,169 43,010 45,776 52,658
負債・ 純資産合計 36,590 35,731 38,986 41,466 42,164 49,347 51,933 52,972 53,190 54,949 64,991


(百万円、%) 12/3 13/3 14/3 15/3 16/3 17/3 18/3 19/3 20/3 21/3 22/3
営業活動によるキャッシュ・ フロー 3,671 2,930 3,429 2,957 3,074 3,220 3,752 5,035 4,064 5,676 11,950
税金等調整前当期純利益 3,833 2,522 3,031 3,124 3,595 4,609 5,014 5,456 3,653 4,837 11,822
減価償却費 1,170 967 924 954 940 1,022 1,397 1,718 1,822 2,056 1,991
売上債権の増減額 11 1,970 -877 -94 -564 -1,989 -635 1,072 455 -1,155 -117
棚卸資産の増減額 -74 69 375 -337 -22 -71 -374 -346 101 -81 -538
仕入債務の増減額 84 -602 354 275 -48 759 -844 -496 -98 147 344
法人税等の支払額 -1,483 -1,704 -532 -1,365 -968 -1,359 -1,739 -1,923 -1,505 -719 -1,775
その他 130 -292 154 400 141 249 933 -446 -364 591 223


投資活動によるキャッシュ・ フロー -624 -494 -927 -1,378 -3,230 -2,363 -3,244 -3,902 -2,950 -3,705 -1,551
有価証券の取得・売却 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

投資有価証券の取得 -5 -5 -115 0 -14 -596 -74 -132 -134 -168 -376
投資有価証券の売却 0 0 0 35 353 56 0 0 0 0 0
有形固定資産の取得 -412 -480 -839 -1,298 -3,549 -1,822 -3,207 -4,107 -2,760 -3,163 -1,365
有形固定資産の売却 0 0 0 -125 0 0 0 614 18 0 0
その他 -207 -7 28 10 -20 0 37 -277 -74 -374 190


フリー・ キャッシュ・ フロー 3,047 2,436 2,502 1,579 -156 857 508 1,133 1,114 1,971 10,399


財務活動によるキャッシュ・ フロー -1,168 -1,088 -505 -839 -1,145 813 -1,455 -1,493 -1,862 -2,238 -1,711
長期債務の調達・返済 -655 -668 -88 -375 -316 1,609 -537 -527 -439 -439 96
短期債務の調達・返済 0 0 0 0 0 0 0 0 50 0 0
配当金の支払 -493 -396 -395 -444 -495 -781 -904 -952 -1,093 -958 -1,771

新株発行・自社株取得 0 0 0 0 -319 0 0 0 -337 -800 0
その他 -20 -24 -22 -20 -15 -15 -14 -14 -43 -41 -36

現金及び現金同等物期末残高 7,869 9,409 11,631 12,561 11,132 12,729 11,813 11,582 10,798 10,517 19,809




日本ピラー工業(6490) 25
2022-6-20




図表 37:連結損益計算書
( 百万円、%) 12/3 13/3 14/3 15/3 16/3 17/3 18/3 19/3 20/3 21/3 22/3 23/3予
売上高 22,086 18,831 20,720 21,675 22,960 27,225 29,461 30,963 29,213 30,200 40,670 44,000
増収率 -0.8 -14.7 10.0 4.6 5.9 18.6 8.2 5.1 -5.7 3.4 34.7 8.2
売上原価 14,388 12,692 13,955 14,457 15,287 17,125 18,788 20,214 19,921 19,641 23,156 -
原価率 65.1 67.4 67.4 66.7 66.6 62.9 63.8 65.3 68.2 65.0 56.9 -
販売費及び一般管理費 3,891 3,745 3,856 3,991 4,204 4,933 5,511 5,622 5,608 5,711 6,121 -
販管費率 17.6 19.9 18.6 18.4 18.3 18.1 18.7 18.2 19.2 18.9 15.1 -
営業利益 3,806 2,393 2,908 3,226 3,469 5,166 5,161 5,126 3,683 4,847 11,392 11,800
増益率 -3.3 -37.1 21.5 10.9 7.5 48.9 -0.1 -0.7 -28.2 31.6 135.0 3.6
営業利益率 17.2 12.7 14.0 14.9 15.1 19.0 17.5 16.6 12.6 16.0 28.0 26.8
営業外収支 14 129 122 221 25 90 -5 102 41 247 428 -
営業外収益 98 169 152 237 116 111 111 126 120 287 442 -
営業外費用 84 40 30 16 91 21 116 24 79 40 14 -
経常利益 3,820 2,522 3,031 3,447 3,493 5,255 5,156 5,227 3,725 5,094 11,821 11,800
増益率 -1.3 -34.0 20.2 13.7 1.3 50.4 -1.9 1.4 -28.7 36.8 132.1 -0.2
経常利益率 17.3 13.4 14.6 15.9 15.2 19.3 17.5 16.9 12.8 16.9 29.1 26.8
特別損益 13 0 0 -323 102 -646 -142 229 -72 -257 1 -
特別利益 13 0 0 14 207 30 0 602 27 58 3 -
特別損失 0 0 0 337 105 676 142 373 99 315 2 -
税前利益 3,833 2,522 3,031 3,124 3,595 4,609 5,014 5,456 3,653 4,837 11,822 -
法人税、住民税及び事業税 1,599 932 1,176 1,137 1,198 1,405 1,592 1,737 1,017 1,391 3,536 -
税率 41.7 37.0 38.8 36.4 33.3 30.5 31.8 31.8 27.8 28.8 29.9 -
親会社株主に帰属する当期純利益 2,233 1,589 1,854 1,986 2,397 3,204 3,422 3,719 2,635 3,445 8,285 8,300
増益率 -23.2 -28.8 16.7 7.1 20.7 33.7 6.8 8.7 -29.1 30.7 140.5 0.2
当期利益率 10.1 8.4 8.9 9.2 10.4 11.8 11.6 12.0 9.0 11.4 20.4 18.9
連結EPS 90.22 64.23 54.58 80.29 97.23 131.06 139.98 152.13 108.57 144.66 350.47 351.09

セグメント売上高
産業機器関連 11,167 9,970 9,683 9,797 10,352 10,680 10,467 10,757 10,915 9,471 10,146 10,800
電子機器関連 10,837 8,802 10,983 11,803 12,525 16,452 18,911 20,123 18,221 20,645 30,410 33,200
その他 81 58 53 74 83 91 83 82 77 84 114 0
連結売上高 22,086 18,831 20,720 21,675 22,960 27,225 29,461 30,963 29,213 30,200 40,670 44,000

セグメント利益
産業機器関連 2,217 1,833 1,434 1,528 1,527 1,828 1,337 1,485 1,403 691 1,589 1,800
電子機器関連 1,579 542 1,456 1,677 1,919 3,314 3,818 3,641 2,253 4,130 9,737 10,000
その他 33 15 14 14 12 13 29 15 27 26 66 0
調整額 -23 2 3 5 10 9 -23 -16 0 0 0 0
連結営業利益 3,806 2,393 2,908 3,226 3,469 5,166 5,161 5,126 3,683 4,847 11,392 11,800

セグメント利益率
産業機器関連 19.9 18.4 14.8 15.6 14.8 17.1 12.8 13.8 12.9 7.3 15.7 16.7
電子機器関連 14.6 6.2 13.3 14.2 15.3 20.1 20.2 18.1 12.4 20.0 32.0 30.1
その他 40.7 25.9 26.4 18.9 14.5 14.3 34.9 18.3 35.1 31.0 57.9 na
連結営業利益率 17.2 12.7 14.0 14.9 15.1 19.0 17.5 16.6 12.6 16.0 28.0 26.8

地域別売上高
日本 19,087 16,707 17,565 17,647 19,156 22,416 23,124 23,904 21,427 21,975 28,254 -
アジア 2,216 1,458 2,095 2,862 2,565 3,172 4,528 4,345 5,316 5,721 7,411 -
その他 782 664 1,059 1,165 1,238 1,637 1,809 2,713 2,470 2,504 5,005 -
合計 22,086 18,831 20,720 21,675 22,960 27,225 29,461 30,963 29,213 30,200 40,670 -
海外売上高 2,998 2,122 3,154 4,027 3,803 4,809 6,337 7,058 7,786 8,225 12,416 -

前年比
日本 1.0 -12.5 5.1 0.5 8.6 17.0 3.2 3.4 -10.4 2.6 28.6 -
アジア -12.4 -34.2 43.7 36.6 -10.4 23.7 42.7 -4.0 22.3 7.6 29.5 -
その他 -7.7 -15.1 59.5 10.0 6.3 32.2 10.5 50.0 -9.0 1.4 99.9 -
合計 -0.8 -14.7 10.0 4.6 5.9 18.6 8.2 5.1 -5.7 3.4 34.7 -
海外売上高 -11.2 -29.2 48.6 27.7 -5.6 26.5 31.8 11.4 10.3 5.6 51.0 -
国内売上高比率 86.4 88.7 84.8 81.4 83.4 82.3 78.5 77.2 73.3 72.8 69.5 -
海外売上高比率 13.6 11.3 15.2 18.6 16.6 17.7 21.5 22.8 26.7 27.2 30.5 -




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<担当アナリスト>

黒田真路 パートナー、執行役員・シニアアナリスト

1992 年 4 月に勧角総合研究所(現みずほ証券)に入社、産業調査部に配属。1999 年 9 月に
ジャーディン・フレミング証券(現 JP モルガン証券)、ゴールドマン・サックス証券を経て、2020 年 1 月
迄、クレディ・スイス証券に在籍。ゴールドマン・サックス証券ではバイスプレジデント、クレディ・スイス証券
ではディレクター。一貫して機械・造船重機セクターを担当。2020 年 6 月にパートナーとして CGRA に
参画。(一社)日本証券アナリスト協会の機械業界ディスクロージャー部会の委員を歴任

星野英彦 CMA 代表取締役・チーフアドバイザー

1987 年 4 月に新日本証券(現みずほ証券)入社、企業調査部に配属。1997 年にジャーディン・
フレミング証券(現 JP モルガン証券)、2000 年にドイツ証券、2006 年に UBS 証券で 2016 年 4
月まで在籍。セルサイドアナリストとして機械、造船、重機、プラントセクターを 28 年間にわたって担当。
(一社)日本証券アナリスト協会で機械ディスクロージャー部会の副部会長を 10 年以上に渡って歴任。
2003 年より 2016 年迄、マネージングディレクター。2017 年 6 月に株式会社キャピタルグッズ・リサー
チ&アドバイザリー(CGRA)を設立、代表取締役に就任。(一社)日本証券アナリスト協会認定ア
ナリスト




株式会社 キャピタルグッズ・リサーチ&アドバイザリー

機械セクターに特化したアドバイザリー企業。主な業務内容は(1)資本市場のニーズを満たしつつ、
経営にフィードバック可能な統合報告書の作成サポート(実績 7 社)、(2)中計作成や事業戦略
および資本政策、各種 IR&SR に関する助言業務、(3)各種 IR 資料作成と英訳業務、(4)
長期投資家と経営層に役立つ企業分析スポンサード・リサーチレポート(実績 4 社)の作成、(5)
M&A のセカンドオピニオンなど。




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作権は(株)キャピタルグッズ・リサーチ&アドバイザリーに帰属しており、無断転写を禁じます。本レ
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に関知することなく、投資に関する決定はご自身の判断で行って頂くようお願い申し上げます。




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