次世代の油圧ハイブリッドアキュムレータを用いたエネルギー回生システムを開発

2019年9月 4 日
各 位
東京都港区芝公園2丁目4番1号
イ ー グ ル 工 業 株 式 会 社
(コ ー ド :6486 東証第1部)
( お 問 い 合 わ せ 先 ) 総 務 部
TEL 03( 3438 )2291

次世代の油圧ハイブリッド アキュムレータを用いたエネルギー回生システムを開発


イーグル工業株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社⻑:鶴 鉄二)は、次世代の油圧ハイブリ
ッドシステムとして、アキュムレータを用いたエネルギー回生システムを開発しました。


近年、世界各地で発生している異常気象の一因である CO2 などの温室効果ガスの抑制対策を始めと
した地球規模での温暖化対策が求められています。
建設機械業界においても、2015 年 COP21(仏国・パリ開催)で採択された『パリ協定』に基づき
低炭素型建設機械認定制度が施行され、各社、油圧ショベル、ブルドーザ、ホイールローダ等の低炭
素型建設機械の開発に力を入れており、またランニングコストの削減も重要な課題となっています。


このような背景から、現在、油圧ショベルでは、旋回に電動モータを用いた電動ハイブリッドとア
キュムレータを用いた油圧ハイブリッドが市場に投入されています。
電動ハイブリッド型油圧ショベルは、上部旋回体を旋回電動モータで旋回させ、減速時の電気エネ
ルギーを発電機を使ってキャパシタなどに蓄え、旋回加速時にそのエネルギーを放出して旋回をアシ
ストする機構となっています。しかしながら油圧ショベルによる作業の中には、旋回の使用割合が小
さい作業もあり、また、機械エネルギーを一旦、電気エネルギーに変換し、再度、機械エネルギーに
戻すというシステムのため、油圧ハイブリッドに比べ、その構成部品も複雑で高コストであり、エネ
ルギーロスも大きいという課題があります。
一方、油圧ハイブリッドでは、ブームは使用頻度が非常に高く、ブームシリンダからの戻り油をア
キュムレータに蓄液して使用するのが有効であることは従来から知られていました。しかしブームシ
リンダからの戻り油をそのまま、直接、アキュムレータに蓄液する方法では、ブームの操作の仕方に
よってアキュムレータ内の蓄液油量が安定せず、また、蓄液圧力も低いため、効果的にエネルギーを
回生することが難しいという課題があり、最近まで実用化に至っていませんでした。


当社は、これらの課題を一挙に解決するため、ブームシリンダからの戻り油の一部を分流弁を介し
て回収し、独自の自己圧作動型の増圧器で所定の高圧に増圧した油をアキュムレータに蓄液した後、
回生バルブを介して効果的に高圧エネルギーを回生すると同時にポンプ出力を低減することでシステ
ムの省エネを図り、低燃費や CO2 削減を実現できる、画期的な油圧ハイブリッドシステムを開発しま
した。





当社の油圧ハイブリッドシステムは、ブームラインだけではなく、アームやバケットラインにも
適用し、電動ハイブリッドとの併用も可能です。また、ホイールローダやブルドーザといった油圧
ショベル以外の建設機械やトラクタのような農業機械、更には、フォークリフトの様な荷役運搬機
械等、様々な油圧システムを採用している装置や設備に幅広く適用する事が出来ます。


当社社内評価にて、燃費低減10%以上達成の目途を得、今後フィールドにて実機を用いた実証
試験を行い、燃費低減や CO2 削減効果及び信頼性の確認を実施の上、市場に投入することでお客様
の経営コストの削減や地球温暖化抑制による持続可能な低炭素社会の実現に向けて貢献してまいり
ます。
以 上





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