ESG説明会資料

-酒井重⼯業ESG説明会-

当社の事業活動を通じた
経済価値および社会的価値の創出

2022年1⽉26⽇

酒井重⼯業株式会社
(証券コード︓6358)
はじめに




ESG説明会開催の背景

当社は、道路建設機械事業を通じて世界の国⼟開発という社会事業に貢献してまいりました。
お客様に信頼性の⾼い製品とサービスを提供すること、常に技術の深耕を図り道路事業の発展に有益な技術を創造していくこと、
培った専⾨技術を周辺分野の事業にも役⽴てていくことが、当社の存在意義であり責務であると考えています。
道路建設事業は、世界で不可⽋なインフラであると同時に、地球・環境負荷の低減が求められる時代に突⼊してまいりました。当社は
⻑年の経験から⽣まれた有形無形のノウハウと新技術への飽くなき挑戦により、新たな時代の要請にお応えしながら世界の国⼟建設に
貢献できる真のグローバル企業を⽬指したいと考えています。


当社事業が、様々な社会的課題の解決に貢献するだけでなく、環境・社会リスクをマネージしながらチャンスを的確にとらえることで、
更なる企業価値向上につながることを、資本市場に関わる皆様に正確にご理解いただくことを⽬的に、本⽇ESGをテーマにした説明会
を開催させていただきます。
酒井重⼯業株式会社
代表取締役社⻑ 酒井⼀郎


contents
1. 当社ビジネス概要と⽬指す姿
概要、中期経営計画、企業価値向上

はじめに 2. 事業を通じた社会的課題解決と成⻑戦略
価値創造プロセス、バリューチェーンにおける社会的課題、課題解決を通じた成⻑戦略
ESG説明会開催の背景
3. 持続的成⻑を⽀える⼈的資本づくり
グローバルニッチ戦略の⼈材確保と⼈材開発


4. 気候変動への取組みとビジネス化戦略
リスクと機会分析、建設施⼯のCO2削減に貢献する新たな付加価値創造


5. コーポレート・ガバナンス強化に向けた経営体制づくり
独⽴社外取締役1/3体制、業務執⾏と監督の分離徹底、指名・報酬委員会、
スキルマトリックス

6. ⾜下のサプライチェーン問題への対応⽅針
販売価格、物流、調達⽅針





1.当社ビジネス概要と⽬指す姿
 上場維持基準の当社適合状況
 当社の概要①
 当社の概要②
 中期経営計画における定量⽬標
 適正な株価⽔準の達成(PBR1倍超え)に向けて
上場維持基準の当社適合状況



 プライム市場の上場維持基準が流通時価総額100億円であるのに対して、当社は約3割の未達状況にあり、プライム市場の上場維
持基準の適合に向けた計画書を提出しております。
 現在、PBRは約0.5倍に低迷していますが、引き続き事業活動による成⻑戦略を講じながらも、資本政策を着実かつ果断に実⾏し、
環境と社会とコーポレートガバナンスに関する取り組みを抜本的に⾒直し、強化していくことで、PBR1.0倍以上の株価を⽬指します。



当社の上場維持基準の適合状況
流通株式 1⽇平均
株主数 流通株式数 流通株式⽐率
(⼈) (単位)
時価総額 (%)
売買代⾦
(億円) (億円)

当社の状況※1
2,924 28,147 63 65 0.3
(移⾏基準⽇時点)
当社の状況※2
(上場維持基準の適合に向けた計画書 3,239 26,731 74 61 0.4
の公表に基づく)


上場維持基準 - 20,000 100 35 0.2

計画書に
- - ○ - -
記載の項⽬

※1 東証が基準⽇時点で把握している当社の株券等の分布状況等にもとづいて算出。
※2 当社の適合状況(2021年12⽉9⽇時点)は、2021年9⽉30⽇時点の株式分布状況表及び同年12⽉9⽇時点での当社株価(2,795円、PBR0.53倍)をもとに算出。


当社の概要①



企業理念
道路建設機械事業を通じて
世界の国⼟開発という社会事業に貢献する



⽇本、アジア、北⽶市場を中⼼とした
道路建設機械の専業メーカー


当社ビジネス 道路施⼯及び各種締固め施⼯に必要な建機の
研究開発・設計・製造・販売・サービス・技術指導
の概要
エンドユーザは舗装及び⼟⽊建設業者
商流は、直販、販売サービス代理店経由、建機レンタルによる



当社の概要②


⽣産拠点をグローバルに展開


地域別売上⾼の構成⽐
(2021年3⽉期) 当社連結グループの状況(2021年3⽉期)

その他 連結 国内(4社)海外(5社)
中近東、ロシアCIS (従業員数602名)
2.0%
0.2% 酒井重⼯業株式会社(当社)

⽇本 酒井機⼯株式会社
北⽶ (従業員数338名) 東京フジ株式会社
15.0% 株式会社コモド


⽶国 SAKAI AMERICA,INC.
(従業員数48名)
アジア 国内
P.T.SAKAI INDONESIA
22.5% 60.3% P.T.SAKAI ROAD MACHINERY
インドネシア INDONESIA
(従業員数162名)
P.T.SAKAI SALES AND SERVICES
ASIA

中国 酒井⼯程机械(上海)有限公司
(従業員数54名)



中期経営計画における定量⽬標


26/3 定量⽬標


300億円 31億円 8.0%
売上⾼ 営業利益 ROE



投資活動 株主還元

ROE3%を下回る場合︓配当性向100%の還元
設備投資 25〜35億円 配当性向 ROE3%〜6%の場合︓DOE3%の還元
ROE6%を超えた場合︓配当性向50%の還元


研究開発 40〜55億円 ⾃⼰株買い(上限) 5〜20億円




PBR1倍超え

適正な株価⽔準の達成(PBR1倍超え)に向けて


持続的な成⻑を⽀える取組み×更なる対話と開⽰の質向上

市場からの企業価値指標であるPBRの向上(1倍超え)を⽬指し
①ROEの向上、②株主還元の強化、③資本コストの低減を実⾏




③ 資本コストの低減 ① ROEの向上
環境・社会リスクの 収益⼒の強化
マネジメント 企業価値の
資本効率性の改善
最適資本構成を 最⼤化
意識した資本政策 PBR1倍超え

ESG関連情報の
積極的な開⽰


② 株主還元の強化

2.事業を通じた社会的課題解決と成⻑戦略
 当社の事業活動におけるSDGs⽬標の取組み  建設施⼯現場における安全性の向上
 当社の「価値創造プロセス」  途上国における課題解決
 当社のバリューチェーンにおける社会的課題への対応  事業拡⼤を後押しする世界各国の施策
 先進国と途上国における課題解決  事業拡⼤を後押しする国⼟交通省の施策
 先進国における課題解決  デジタル・トランスフォーメーション(DX)により⽬指す将来像
当社の事業活動におけるSDGs⽬標の取組み


事業活動を通じて、社会的課題の解決と社会的価値の創造を実現




⽬標 9 持続可能で強靭なインフラを構築する
誰もが参画できる産業化を促進し、イノベーションを推進する

⽬標 10 国内及び各国間の不平等を減らす(ODA)


⽬標 11 都市や⼈間の居住地を誰も排除せず安全かつ強靭で持続可能にする


⽬標 12 持続可能な消費⽣産形態を確実にする(製品ライフサイクル)


⽬標 13 気候変動とその影響に⽴ち向かうため、緊急対策を実施する(⾃然災害対策)



当社の「価値創造プロセス」

「道路建設機械事業を通じて世界の国⼟開発という社会事業に貢献する」という企業理念のもと、
サステナビリティの重要性を認識し、持続可能な社会を実現する




社会的課題 事業活動と戦略 ⽬指す姿
当社の強み
中期経営⽅針
グローバルの社会的課題 価値創造につながるマテリアリティ 道路建設機械事業を通じて
• 選択と集中による
グローバルニッチ戦略 • 道路建設という国⼟開発に資する技術の開発
■地球温暖化の進⾏ • 海外市場の開拓 あるべき当社の姿 世界の国⼟開発という
• 独⾃の締固め技術の蓄積
(道路⻑寿命化) • カーボンニュートラルへの対応
■資源の⼤量消費と枯渇 • 道路建設機械における世界 社会事業に貢献
(建設施⼯全体の環境負荷低減) ⼀流のグローバルニッチ企業
■⾃然災害に強いインフラの整備 • 経験⼯学と実績に
裏付けられたお客様からの • DX対応による本質的進化
信⽤⼒ • 今後5年間は、
■途上国の住環境の向上 (付加価値提供、ビジネスサイクルの向上) 売上規模300億円の基盤
• グローバルでのネットワークと • 施⼯現場における安全性の向上 固め
ブランド⼒ 経済価値
• 500億円企業への
• ⼀⼈ひとりの社員の専⾨知識 ⻑期的成⻑ KPI 数値⽬標
が企業発展推進の原動⼒
売上⾼ 300億円
お客様の現場課題 営業利益 31億円
• 建設施⼯全体の効率化と
事業継続の基盤のマテリアリティ 成⻑戦略 8.0%
環境負荷低減を考慮した ROE
研究開発とものづくり 配当政策 配当性向50%
• 専⾨⼈材の定着・育成 • 海外シェア拡⼤
■労働⼈⼝不⾜に起因する
安全性の低下 • 無⼈運転技術により建設DX • ダイバーシティの推進
• 海外事業領域拡⼤ 社会的価値
推進 • 品質保証、CSR調達
■労働⼈⼝不⾜に起因する • 次世代事業開発による付加 • 信頼のおける製品とサービスの提供
⽣産性の低下 • 持続的な成⻑を⽀える • サプライチェーンマネジメント • 道路事業の発展に有益な技術の創造
価値創造
健全性の⾼い財務基盤 • ⼈権の尊重の環境整備 • 道路建設機械で培った専⾨技術の
■ライフサイクルコストの低減 周辺分野への活⽤





当社のバリューチェーンにおける社会的課題への対応


バリューチェーンにおける社会的課題への対応を通じた社会的価値の創造








研究開発 調達 製造 物流・販売 建設施⼯

お客様 公共インフラ




社会的課題への対応

建設施⼯の課題 公共インフラの課題
 建設施⼯におけるカーボンニュートラルの実現  安全で強靭なインフラづくり
 インフラ分野のDX活⽤の推進  道路の⻑寿命化
 施⼯現場の⽣産性と安全性の向上  途上国の住環境の向上




先進国と途上国における課題解決




世界の国⼟開発を通じて
社会的課題の解決と社会的価値の創造を実現

安全で強靭な 未開拓地域の
道路の⻑寿命化 途上国の雇⽤創出
インフラづくり インフラ整備



 先端道路建設技術への貢献

先進国  道路の⻑寿命化によるライフサイクルコストの低減
設計・施⼯・管理・解体までの総費⽤

 建設施⼯の効率化や安全化


 物流の増加に耐えうる道路整備需要への貢献

途上国  信頼のおける製品とサービスの提供
 ⽇本で確⽴された道路建設技術の移転


先進国における課題解決


⽇・⽶・欧を中⼼として需要が⾼まる⾼品質かつ効率的な道路舗装を実現




解決
 ⾼度な締固めと平坦な道路を舗装することで安⼼・安全な公共インフラを整備
 無⼈かつ効率的な⾃律⾛⾏式ローラによる省エネ化の実現と⼈材不⾜問題の解消
 CO2排出の削減に資するEVローラによって脱炭素需要に貢献
 DXの活⽤による安全性の向上
⽶国の⾼速道路舗装⼯事 ⾃律⾛⾏式ローラ 試験販売機完成予定 EVローラ デモ⾞両完成予定





建設施⼯現場における安全性の向上




建設施⼯現場の安全性に DXを活⽤した安⼼・安全で快適な建設施⼯現場を実現
関する社会的課題 DX技術を活⽤した課題解決を推進




安全性の向上

 緊急ブレーキ搭載型ローラの普及を推進中
 作業中のローラの進⾏⽅向に⼈や障害物がある
場合に、緊急停⽌を可能とする





途上国における課題解決


ニカラグアでは、建機の供与を通じて、5年間で2,000kmの道路を舗装




解決 ニカラグア政府からの感謝状


 スタビライザー⼯法(路上路盤再⽣⼯法)の施⼯技術移転
 物流の安定化によって現地の⽣活⽔準が向上
 平坦な道路が舗装されたことで⾞両の燃費が25%改善
 道路の損傷を起因とした交通事故の減少

JAPAN GRANT Project(ODA)





事業拡⼤を後押しする世界各国の施策


国⼟開発の需要の拡⼤



⽇本 ⽶国 ASEAN

国⼟強靭化の加速 総額1兆2,000億ドルの 需要回復に伴う
国⼟強靱化のために2021年から5年間で インフラ投資法案可決 インフラ投資予算の拡⼤
追加的に必要な事業規模は約15兆円
新規投資5,500億ドルの内、道路及び
橋梁向けに5年間で1,100億ドルの投資


建設施⼯の脱炭素化と
デジタル化
「インフラシステム海外展開戦略2050」
インフラ分野のカーボンニュートラルの実現と ⽇本企業の海外受注を5年間で34兆円に引き上げる
DX活⽤の推進
(次⾴で詳述)





事業拡⼤を後押しする国⼟交通省の施策


建設施⼯におけるカーボンニュートラルの実現とインフラ分野のDX活⽤

グリーン成⻑戦略 2021年7⽉公表 インフラ分野のDX活⽤ 2021年2⽉公表


インフラのライフサイクル全体でカーボンニュートラルを実現 データとデジタル技術を活⽤したインフラ分野の課題解決

 持続性を考慮した計画策定の推進
計画・設計  省CO2に資する材料等の活⽤促進
建設現場  持続性を考慮した計画策定の推進
の課題
建設施⼯分野における省エネ化・技術⾰新  省CO2に資する材料等の活⽤促進

1. 建設機械のカーボンニュートラルの推進 ▶ エコモード
2. ICTを活⽤した施⼯の効率化・⾼度化 ▶ 転圧管理・⾃律⾛⾏ 具体的な
建設施⼯
3. ⾰新的建設機械の導⼊拡⼤の推進 ▶ EVローラ 取組み  AI等を活⽤した現場の安全性と効率性の向上
▶ 緊急ブレーキ・転圧管理・⾃律⾛⾏
インフラサービスにおける省エネ化の推進  デジタルデータを活⽤した仕事のプロセスや働き⽅の変⾰
▶ 転圧管理
供⽤・管理 1. 道路照明灯のLED化
2. 道路照明施設の⾼度化
 ⾏政⼿続きや暮らしにおけるサービスの変⾰
質を重視する建設リサイクルの推進 ▶ ⻑寿命化

更新・解体 1. 建設副産物の⾼い再資源⽐率の維持▶ スタビライザー⼯法
2. 建設副産物のモニタリングの強化  DXを⽀えるデータ活⽤環境の実現




出所︓グリーン社会の実現に向けた「国⼟交通グリーンチャレンジ」の概要 出所︓インフラ分野のデジタル・トランスフォーメーション(DX)


デジタル・トランスフォーメーション(DX)により⽬指す将来像




DXを活⽤したビジネスモデルの変⾰
お客様に新たな付加価値を提供




データベース 事業サイクルの⾼速化 新たな付加価値の提供
プラットフォームの構築
 稼働管理、予防保全、部品・製品  営業DXと製造DXにより情報とモノ  お客様と建機と当社を直接結ぶことで、
情報等を⼀元管理するデータベース の進捗を⾒える化し、総リードタイム ビジネスの構造と効率性が⾶躍的に向上
プラットフォームの構築 を短縮

 IoT技術の活⽤と⾃動運転技術の  故障対応、予防保全、操作技術
推進による新たな付加価値の創造 ⽀援等を遠隔でサポート


 ⾃動運転技術やIoT技術の活⽤に
よる施⼯技術⽔準の標準化と
⽣産性向上





3.持続的成⻑を⽀える⼈的資本づくり
 ⼈的資本に関する取組み①
 ⼈的資本に関する取組み②
 ⼈的資本に関する取組み③
⼈的資本に関する取組み①


基本⽅針


⼀⼈⼀⼈の社員が企業発展のための原動⼒であり、

⼈材の確保・強化は経営の最重要項⽬の1つと位置づけ


⼈材の確保
 道路舗装における専⾨的な⼈材を積極的に採⽤
 ⽣産拠点のグローバル化により、外国籍社員、
⼥性社員、中途社員を積極的に採⽤
現在では、外国籍社員がグループの約半数を占めており、
途上国における雇⽤機会の創出に貢献





⼈的資本に関する取組み②


企業発展のための原動⼒となる専⾨性の⾼い⼈材開発




企業発展
専⾨性の⾼い⼈材
(知的財産)




現場⼒ グローバル

徹底したOJTによる現場経験の積み上げ 現地のマーケット環境の経験

酒井重⼯業を⽀える
企画からユーザー使⽤まで⼀気通貫 海外⼦会社に積極的に登⽤
技術⼒を育成

業務提携先との綿密な連携 ⾃⼰啓発⽀援制度を活⽤した語学学習





⼈的資本に関する取組み③


当社の企業発展を⽀える開発部⾨


CAREER
 ⼤学を卒業後、酒井重⼯業に⼊社し、以降⼀貫して当社製品の開発に従事しています。⼊社4年⽬に設計業務の研修で、
秦 省吾 機械の修理担当として札幌営業所に1年間勤務しました。2か⽉間の道路舗装の施⼯現場実習で、⽇夜スコップを⽚⼿に
部署︓開発本部
汚れまみれで仕事に取り組み、私たちが開発した製品がどのように現場で使われているかを体感する経験をしました。その後は
役職︓製品開発部⻑
徹底したOJTを通じて、失敗と試⾏錯誤の繰り返しの中で、開発者としての経験を積み上げました。
 これまで、全ての製品の開発にかかわってきておりますが、特に当社で最も台数を販売している製品(搭乗型振動ローラ

VOICE (2.5t〜4t))をメインで担当してきました。現在では、開発業務全般を担っており、特に既存製品のモデルチェンジ、市場か
らの特別仕様に関する要求の製品化を担当しています。 30歳になったばかりの頃に、「SW300」という当社の製品の中では
⽐較的⼩型なローラをアメリカ向けに開発したことは、私の開発⼈⽣の中で⼤きな分岐点になりました。SW300の開発は、
私⾃⾝が企画から開発まで⼀貫して携わり、試⾏錯誤を何度も繰り返して実現できた製品であり、その経験を通じて得られた
ノウハウは私の開発⼒のベースになっています。


当社の開発部⾨の強み
 同じ開発チームが「製品の企画→試験→量産化→ユーザー使⽤」までの各過程に⼀気通貫して携わっていることです。当社の
開発者は、実際に施⼯現場に赴き、直接お客様からニーズをヒアリングして企画・開発に活かします。また、当社の開発⼒の
ベースとなる点として、協⼒体制の社⾵があります。役割分担ありきではなく、各部署が連携して、⼀緒に課題に取り組むところ
が開発⼒の⽀えになっています。
 ⼈材開発の観点では、研修等教育制度のみならず、徹底したOJTを通じて経験を積み上げることです。営業所の経験から
海外の現場を経験する等さまざまな経験の機会を会社が提供してくれます。




4.気候変動への取組みとビジネス化戦略
 気候変動に対する認識
 シナリオ分析におけるリスクと機会
 建設施⼯におけるCO2排出削減
 ICT転圧管理システム
 建設機械のライフサイクルCO2と廃棄物を削減
 ⾃社におけるCO2排出量削減
気候変動に対する認識


気候変動対策における当社の成⻑機会は⼤きく、これらを踏まえて事業戦略を策定



建設施⼯におけるCO2削減、公共インフラのライフサイクルCO2削減が
新たな付加価値を創造


事業戦略

建設機械のライフサイクルCO2と
建設施⼯におけるCO2排出削減
廃棄物を削減
1. 建設施⼯全体の省⼒化や施⼯対象の⻑寿命化 1. 当社製品特徴である⻑い耐久性と再⽣容易な
建設機械の供給
2. 建設機械の省エネ化、EV化 2. サーキュラーエコノミー時代の循環ビジネスの創造




成⻑機会

シナリオ分析におけるリスクと機会


気候変動によるリスクも存在するものの、経済⾯での機会も併存


事業・財務への影響 影響
種類 項⽬ 事業への影響
2℃以下シナリオ 4℃シナリオ 期間
燃費規制の強化により従来の建設機械の使⽤が制限され、EV化や低炭素建設
政策 環境規制
機械の市場競争が加速する 中 ⼩ 中・⻑期
規制 炭素税等の導⼊
炭素税導⼊により規制対応コストが増加する
移⾏
新技術への研究開発投資が必要となり、開発に遅れると販売機会を
リスク 技術 脱炭素技術 中 ⼩ 短・中期
喪失する
エネルギー価格が⾼騰し、輸送コストが増加する
市場 脱炭素への移⾏ ⼤ 中 短・中期
厚板や鋼材などの部材価格が⾼騰し、製造コストが上昇する
気候パターンの 労働環境の悪化により、従業員の⽣産効率が下がる
慢性 ⼩ 中 ⻑期
物理 変化 良好な労働環境を維持するために対応コストが発⽣する
リスク
急性 異常気象の激甚化 ⾃社⼯場の被災に加え、サプライヤーが被災した場合は部品の供給が遅延する ⼩ 中 ⻑期

事業・財務への影響 影響
項⽬ 事業への影響
2℃以下シナリオ 4℃シナリオ 期間
⼤⾬、台⾵増加、海⾯上昇により堤防、盛⼟の強靭化が必要となり、また
異常気象の激甚化 ⾃然災害によりダメージを受けたインフラを復旧させるべく、建設機械の需要が 中 ⼤ ⻑期
増加する
建設機械のEV化やICT施⼯など新たな技術の導⼊により、当社の機械・サービス
市場の変化 中 ⼩ 短・中期
機会 の販売機会が拡⼤する
建設機械のEV化、事業活動のDX化によって当社の⽣産性や効率性が上がる
脱炭素への移⾏ ⼤ 中 短・中期
事業コストが低下すると同時に競争⼒が向上する
ESG情報開⽰の要請/義務化やサステナビリティへの意識が⾼まるにつれて、
お客様の評判変化 中 ⼩ 中・⻑期
付加価値の⾼い建設機械を提供する当社事業へのレピュテーションが上昇する



建設施⼯におけるCO2排出削減


お客様である建設施⼯現場のCO2削減に貢献することで新たな付加価値を創造


建設施⼯全体の省⼒化/疑似⼯場化 建設機械のCO2排出削減
●⾃律⾛⾏式ローラ ●EVローラの研究開発
試験販売機完成予定 デモ⾞両完成予定
無⼈かつ効率的な締固め作業が可能 脱炭素政策が加速する中、量産化⽇程を前倒し

2022年度
の取組み




●ICT転圧管理システム ●ディーゼルエンジン排ガス1次〜4次規制への対応
リアルタイムの⾯的品質管理 が完了
効率的な転圧の実施 ●主要機種すべてにECOモードを装備
施⼯中の省エネルギー推奨
2021年度 CO2排出は約30%低減
までの取組み





ICT転圧管理システム


加速度応答法(CCV)によって締固め品質をリアルタイムかつ⾯的に確認・管理する技術


従来

施⼯後に品質を点的管理
 検査作業のタイムロス
 品質不良箇所の⾒落としや過転圧による再施⼯などの施⼯ロス




リアルタイムの⾯的品質管理
 ⾼品質で確実な転圧を効率的に実施
 ⼯事期間の短縮
 道路の⻑寿命化による⼯事インターバルの伸⻑
 国⼟交通省の「路盤施⼯における加速度応答式締固め管理」の現場導⼊開始



建設施⼯におけるCO2削減に寄与
ICT活⽤による⾼付加価値化→販売価格への転嫁が可能


建設機械のライフサイクルCO2と廃棄物を削減


⻑い耐久性と再⽣容易な建設機械を供給し、循環型社会の構築に貢献



DX活⽤による運転効率の向上
20〜30年の耐久性 •
• 燃費性能の向上
修復が容易な鋼材構造 • EVローラの活⽤
最⼩限のプラスチック系素材の利⽤ • リフレッシュ整備による製品寿命の延⻑
• レンタルによる⾼い稼働率

下取り


設計 ⽣産 利⽤ 資源循環


再販
⽣産⼯程の最適化による
⽣産ロスの削減
市場
中古⾞・中古部品の再⽣販売
中古⾞の海外輸出


⾃社におけるCO2排出量削減


2030年度までにCO2排出量を50%削減※することを⽬標に設定




のぞ
いた
まし
※2013年度⽐




CO2排出量削減計画
2020年度の国内⽣産⼯場におけるCO2排出量は約2,000t

(t-CO2)
2,419
2,500
2,126 2,150 2,120
2,004 1,993 Scope1 Scope2
2,000
製造現場でのCO2削減 2022年4⽉より
1,500
削減の取り組み 事業⽤⾞両のEV化 再⽣可能エネルギー
1,000 事業活動における3R へ転換




CO2排出量(t)
1,000
2013 2016 2017 2018 2019 2020 (年度)

※Scope1:所有・管理するガスボイラー、⾞両、空調等のオンサイト燃料償却等の発⽣源からの直接排出量を対象とする
※Scope2:組織が購⼊・使⽤する電気、熱、冷却および蒸気等からの間接排出を対象とする



カーボンニュートラル委員会 取締役会

●気候変動への対応を重要な経営課題の⼀つとして認識して事業戦略を策定 報告 指⽰
●2021年12⽉に取締役副社⻑を筆頭に全社横断的なメンバーで発⾜
●全社的なCO2削減対策についての議論や対外的なESG開⽰を推進
●Scope3の測定に向けて、議論を開始 カーボンニュートラル委員会



5.コーポレート・ガバナンス強化に向けた経営体制づくり
 コーポレート・ガバナンス強化に向けたこれまでの取組み
 取締役会の運営体制
 当社取締役会の構成・報酬体系
 当社取締役会のスキルマトリックス
 当社執⾏役員のスキルマトリックス
 社外取締役との対話
コーポレート・ガバナンス強化に向けたこれまでの取組み




2015年 監査等委員会設置会社へ移⾏




2016年
取締役会の実効性評価
アンケートにて実施(2021年にESG課題を追加)

コーポレート・ガバナンス

強化
取締役会の監督機能と
2019年 業務執⾏機能の分離徹底
■モニタリング・ボード(全取締役)
■マネジメント・ボード(全取締役+全執⾏役員)

取締役の⼈数を14名から5名へ削減
社外取締役⽐率を14%から40%へ上昇



2021年
指名・報酬委員会を設置
(過半数の独⽴社外取締役によって構成)





取締役会の運営体制


取締役会の機能を
モニタリング・ボードと 社外取締役の業務執⾏に関する理解⼒の向上
社外取締役の監督機能の強化
マネジメント・ボードに2分割
ガバナンス体制図

取締役会(独⽴社外取締役1/3以上)
モニタリング・ボード(監督機能) マネジメント・ボード(業務執⾏機能) 監査 監査等委員会
 原則四半期に1回開催  原則⽉1回開催 *2名以上独⽴社外取締役
 取締役のみで構成  取締役+執⾏役員(議決権なし)で構成
 監督機能に重点  業務執⾏機能に重点
代表取締役の選解任 経営の基本⽅針と体制整備の決定
取締役の職務執⾏の監督 業務執⾏の決定
中⻑期的視点に⽴った経営の監督 業務執⾏の報告
指名・報酬を含む経営の⽅向性の決定




招集・執⾏ 選任/解任 報告 指⽰
答申 諮問
状況報告




指名・報酬委員会 カーボンニュートラル
代表取締役
委員会


当社取締役会の構成・報酬体系



社外取締役⽐率 取締役会
監査等委員




40%
社内 社内 社内 社外 社外




基本報酬 決算賞与 譲渡制限付株式報酬


取締役(監査等委員を除く) 50% 25% 25%




監査等委員である取締役 70% 15% 15%
(社外取締役含む)

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%



当社取締役会のスキルマトリックス



役職 ⽒名 経営 道路機械 グローバル 資本市場 管理 モノづくり マーケティング




代表取締役社⻑ 酒井 ⼀郎




社 取締役
渡邊 亮介
内 副社⻑執⾏役員





監査等委員 清宮 ⼀志





監査等委員 德永 隆⼀





監査等委員 吉川 實






当社執⾏役員のスキルマトリックス



役職 ⽒名 経営 道路機械 グローバル 資本市場 管理 モノづくり マーケティング


専務執⾏役員 ⽔内 健⼀



常務執⾏役員 ⽉本 ⾏則



常務執⾏役員 秋元 俊彦



常務執⾏役員 解⽥ 昌広



執⾏役員 吉川 孝郎



執⾏役員 安住 泰典



執⾏役員 ⼭中 富美雄



執⾏役員
⾺場 洋




社外取締役との対話


経歴 経歴
1971年3⽉ 社団法⼈⽇本産業機械⼯業会⼊社 1970年4⽉ 株式会社⽇本興業銀⾏⼊⾏
1987年4⽉ 同社団法⼈建設機械部⻑ 1996年4⽉ 同⾏⽇本橋⽀店⻑
1990年4⽉ ⽇本建設機械⼯業会へ転籍、業務部⻑ 1998年6⽉ 同⾏取締役管理部⻑
1990年6⽉ 社団法⼈⽇本建設機械⼯業会業務部⻑ 1998年11⽉ 株式会社⽇本⻑期信⽤銀⾏取締役副頭取
2000年3⽉ 株式会社⽇本興業銀⾏常務執⾏役員
2003年4⽉ 同社団法⼈事務局⻑
2000年9⽉ 株式会社みずほホールディングス常務執⾏役員
2005年12⽉ 同社団法⼈常務理事
2002年4⽉ 株式会社みずほ銀⾏専務執⾏役員
2011年10⽉ ⼀般社団法⼈ ⽇本建設機械⼯業会参与 2003年4⽉ 株式会社みずほホールディングス理事
2012年6⽉ 当社監査役就任 2003年5⽉ 株式会社⼗合代表取締役副社⻑
2015年6⽉ 当社取締役(監査等委員)就任(現任) 2003年6⽉ 株式会社ミレニアムリテイリング代表取締役副社⻑
2007年3⽉ 協和発酵⼯業株式会社顧問
2007年4⽉ 同社執⾏役員
とくなが りゅういち きっかわ まこと 2007年6⽉ 同社執⾏役員兼協和発酵ケミカル株式会社

德永 隆⼀ 吉川 實 2012年4⽉
代表取締役社⻑
KHネオケム株式会社代表取締役社⻑
2014年6⽉ 当社社外取締役就任
2014年9⽉ KHネオケム株式会社取締役会⻑
2015年6⽉ 当社取締役(監査等委員)就任(現任)
2015年7⽉ KHネオケム株式会社相談役



選任理由 選任理由
社団法⼈⽇本建設機械⼯業会における⻑年の経験から、世界の建設業界に関する 株式会社みずほ銀⾏専務執⾏役員、株式会社ミレニアムリテイリング副社⻑、
豊富な知⾒を有しており、当該分野を中⼼とした幅広い識⾒を当社の監査に反映して 協和発酵ケミカル株式会社(現KHネオケム株式会社)社⻑を歴任したことで豊富な
いただくことを期待し、社外取締役に就任いただいています。 経験と⾼い⾒識を有し、当社取締役の業務執⾏への監督機能強化、経営の透明性
を向上させることを期待し、社外取締役に就任いただいています。

⾃⾝が考える取締役会での役割 ⾃⾝が考える取締役会での役割
1. グローバルニッチ企業としての意識改⾰をサポートするための助⾔と監督 1. 資本市場の視点に⽴った監督、助⾔
2. 建設機械産業の全般の動向に関する分析と当社としての在り⽅に関する検証と - 経営戦略が適正に執⾏されているかどうかの、市場⽬線でのガバナンス評価
その助⾔ - 経営戦略の⽅向性と投資判断が合致しているかどうかの検証と助⾔
3. 海外展開に関する課題の確認とその対応に関する助⾔ - 執⾏役員のパフォーマンス評価





6.⾜下のサプライチェーン問題への対応⽅針
 サプライチェーンマネジメントの⽅針
サプライチェーンマネジメントの⽅針


⾜下のサプライチェーン問題への対応⽅針




販売価格設定
1. 構造的コスト上昇分の販売価格転嫁
2. 付加価値競争による営業の価格決定能⼒強化を推進



物流効率化
1. コンテナ積載効率の向上
2. 物流の効率化
3. 輸送コストとリードタイムを考慮したサプライチェーンの⾒直しを推進



調達体制強化
1. 部材調達可能量の正確な把握と製販情報共有に基づく⽣産・販売・在庫計画の策定
2. 地政学リスク、輸送コストとリードタイム、⼈権リスクを
視野に⼊れたサプライチェーン全体のモニタリング



メール sakai.ir@sakainet.co.jp
酒井重⼯業株式会社
お問い合わせ TEL 03-3434-3401
IR室 吉川 孝郎 FAX 03-3436-6513




本資料に記載されている業績予想等の将来に関する記述は、当社が現在⼊⼿している情報および合理的であると

判断する⼀定の前提に基づいており、実際の業績等は今後様々な要因によって異なる結果となる可能性があります。


50282