エクイノール社ブラジル沖合プレソルト層バカリャウ鉱区向けFPSO 建造プロジェクトが正式契約発効

2021 年 6 月 3 日
各 位
会 社 名 三井海洋開発株式会社
代表者名 代表取締役社長 金森 健
(コード番号 6269 東証第1部)
問合せ先 経営企画部 (TEL. 03-5290-1240)




エクイノール社ブラジル沖合プレソルト層バカリャウ鉱区向け FPSO
建造プロジェクトが正式契約発効

三井海洋開発株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:金森健)は、北欧最大のエネルギー企業である
Equinor ASA(以下「エクイノール社」、本社:ノルウェー・スタヴァンゲル)より、ブラジル沖合 Bacalhau(バカリャ
ウ)鉱区向け FPSO(Floating Production, Storage & Offloading system:浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出
設備)を 2020 年 1 月に受注しておりましたが、本年 6 月 1日にエクイノール社がFID(Final Investment Decision:
最終投資決定)を行ったことに伴い、今般、本プロジェクトの EPCI(Engineering, Procurement, Construction
and Installation:設計から機器購入、建造、据付までの一括工事)契約が正式に契約発効する運びとなりました
ので、お知らせいたします。

本 FPSO は、BM-S-8 ブロック、及び Carcará North(カラカラ・ノース)ブロック内に位置し、エクイノール社がオペ
レーターを務め、ExxonMobil 社、Petrogal Brasil 社、及び Pre-sal Petroleo SA 社が参画するバカリャウ鉱区の
開発プロジェクトに用いられます。Santos(サントス)海盆内のバカリャウ鉱区は、海底下約 5,000m のプレソルト
層(岩塩層直下の層)にある海底油田の一部です。

当社は、本 FPSO の EPCI を請け負い、2024 年に予定される原油及びガスの生産開始に向け、エクイノール社
に本 FPSO を引き渡すと共に、その後 1 年のオペレーション&メンテナンス(運転・保守点検)サービスを同社に
対して提供する予定です。なお、当社によるサービス提供終了後は、鉱区開発権の存続期間が満了する 2053 年
までエクイノール社が、本 FPSO のオペレーション&メンテナンスを行う予定です。

バカリャウ鉱区向け FPSO については、2018 年 12 月から当社を含む 2 社が Pre-FEED(Pre-Front End
Engineering Design:概念設計)業務を遂行しましたが、当社の設計の技術的優位性及び経済性が評価され、そ
の後の 2020 年 1 月に当社とエクイノール社の間で実基に係る売買契約が締結されておりました。

日量 22 万バレルの原油生産能力、日量 530 百万立方フィートのガス生産能力、日量 20 万バレルの水圧入能
力、200 万バレルの原油貯蔵能力を持つ本 FPSO は、当社米国子会社の SOFEC 社が設計・納入する Spread
Mooring(スプレッド・ムアリング:多点係留)と呼ばれる係留設備で、サンパウロ州沖合約 185km、水深約
2,050m の海上に係留されます。

近年、海洋石油・ガス開発プロジェクトの大規模化、大水深海域への移行に伴い、FPSO の大型化、及び複雑化
が進んでいます。特にブラジル沖合のプロジェクト向けには、大型で複雑な FPSO が数多く投入されていますが、
本 FPSO は、その中でも最大級の原油及びガスの生産能力を持つ設備となります。

また、本 FPSO は、当社と最新鋭の造船設備及び技術を有する中国の大連船舶重工集団有限公司(DSIC)が
共同開発した「M350TM」を初めて適用するプロジェクトとなります。広い甲板面積を主な特長とする船体の採用に
より、本 FPSO に要求される非常に高い原油及びガスの生産能力により複雑で大型になったトップサイド(搭載す
る生産設備)への対応が可能になりました。



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さらに、本 FPSO が搭載する発電設備には、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせたコンバインドサイクル発
電方式を採用します。高温排ガスを熱回収し、総合熱効率を向上させる発電方式を採用することで、当社は
FPSO のオペレーション時における二酸化炭素排出量削減にも寄与していきます。

当社がエクイノール社から受注した初の FPSO である本 FPSO は、ブラジルにおける海洋石油・ガス開発プロジ
ェクト向けとして当社が手掛ける 17 基目の浮体式生産設備となります。

現在、当社が全世界でオペレーション&メンテナンスを手掛ける計 17 基の FPSO/FSO の内 10 基はブラジルの
設備であり、さらにブラジル沖合でのオペレーション&メンテナンスに向け 4 基の FPSO を設計・建造中であるな
ど、ブラジルは当社にとって最も重要な市場のひとつです。特に、2006 年に発見され、その可採埋蔵量の多さか
ら、同国のみならず石油・ガス業界全体からも注目されるプレソルト層深海鉱区群では、2010 年に当社設計・建
造の FPSO が世界初の原油商業生産を達成して以来、当社は本 FPSO を含め計 9 基 ※ の FPSO を受注する
など、圧倒的な実績を誇っています。




バカリャウ鉱区向け FPSO の完成予想イラスト




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三井海洋開発株式会社について
三井海洋開発 (MODEC)は、FPSO(Floating Production, Storage & Offloading system:浮体式海洋石油・ガ
ス生産貯蔵積出設備)をはじめとする海洋石油・ガス開発プロジェクトに用いられる浮体式海洋石油ガス・生産設
備の設計、建造、リース、チャーター、オペレーション&メンテナンス・サービスを提供する日本で唯一の企業です。
https://www.modec.com/jp


※ 2010 年 10 月に世界で初めてブラジル沖プレソルト層深海鉱区での原油商業生産を達成した「FPSO Cidade de Angra
dos Reis MV22」をはじめ、当社グループで保有する以下 5 基の FPSO が、それぞれプレソルト層深海鉱区で稼働して
います。

- FPSO Cidade de Angra dos Reis MV22: Lula(旧 Tupi)鉱区
- FPSO Cidade de São Paulo MV23: Sapinhoá(旧 Guará)鉱区
- FPSO Cidade de Mangaratiba MV24: Iracema Sul(旧 Cernambi Sul)鉱区
- FPSO Cidade de Itaguaí MV26: Iracema Norte(旧 Cernambi Norte)鉱区
- FPSO Cidade de Caraguatatuba MV27: Lapa(旧 Carioca)鉱区

さらに当社は、プレソルト層深海鉱区向け FPSO として、Sépia(セピア)鉱区向け「FPSO Carioca MV30」、Mero(メロ)
鉱区向け「FPSO Guanabara MV31」、及び Búzios(ブジオス)鉱区向け「FPSO Almirante Barroso MV32」の計 3 基
の FPSO を現在設計・建造中です。




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