プレシジョン・メディスンに向けた新たな取り組み

2017 年 1 月 26 日
報道機関各位
国立大学法人 弘前大学
ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社

プレシジョン・メディスンに向けた新たな取り組み
~HMT、弘前大学を拠点とする
文部科学省・JST の COI(センター・オブ・イノベーション)プログラムに参画~


今般、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社(本社:山形県鶴岡市、
代表取締役社長:菅野 隆二、以下、
「HMT」 は、
) 国立大学法人弘前大学(青森県弘前市、
学長:佐藤 敬 以下、
「弘前大学」
)が 2013 年に文部科学省・科学技術振興機構(略称
JST)から採択されて実施している、革新的イノベーション創出プログラム「COI(セン
ター・オブ・イノベーション)STREAM」(拠点名「真の社会イノベーションを実現する
革新的『健やか力』創造拠点」、拠点長:弘前大学大学院医学研究科 社会医学講座
中路 重之教授 以下、「COI」 に参画することとなりました。

弘前大学では、大学所在地である青森県の平均寿命が国内最下位レベルという、いわ
ゆる短命県であることから、健康長寿社会実現のための研究に早期から取り組んでいま
す。2013 年には国の COI 全国 12 拠点*の一つに採択され、産学官民連携による様々な取
り組みを実施しており、2015 年までの 3 年間の取り組みについて、国の実施機関によ
る中間評価では医療健康分野において最高ランクの「S」を獲得しました。弘前大学 COI
では超高齢化社会を迎えた我が国が抱える課題である、「医療費の削減」「高齢者の健

康増進」「QOL の向上」「高齢者の健康寿命延伸」の解決に向け、600 項目に及ぶ膨大
、 、
な青森県民の健康ビッグデータを用いた解析により、認知症や生活習慣病の発症を予測
する予兆発見アルゴリズムを開発するとともに、当該アルゴリズムをソフトウェアパッ
ケージ化及びシステム化し、地方自治体や医療関連機関等が住民に対して早期予兆発見
と早期介入を行うことを可能とするような、画期的な予兆発見・予防法の創出を目指し
ています。
HMT は、生体内のイオン性代謝物質を、一斉に、かつ、網羅的に測定する画期的技術
(CE-MS 法)をコア・テクノロジーとして、大学などの公的研究機関や製薬企業・食品
企業などへメタボローム解析サービスを提供するとともに、数十年といった長期間にわ
たり、特定の地域や集団に属する人々を対象に、その健康状態と生活習慣・生活環境な
ど様々な要因との関係を調査するコホート研究への取り組みを強化しております。
本プログラムに参画するにあたり、HMT は、弘前大学が青森県弘前市岩木地区で行ってい
る大規模住民健康調査(岩木健康増進プロジェクト)により収集した膨大な健康ビッグデ
ータと、血液等の検体をメタボローム解析することにより得られたデータを、照合・分析
(プロファイリング)することにより、健康度の評価が可能となるような指標の確立など
健康評価法の開発を共同して推進してまいります。



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HMT のこのような取り組みは、健康障害から疾患にかかりやすい集団を抽出・分類するこ
とを容易にし、当該集団に最も適した予防医療を提供するいわゆる“プレシジョン・メデ
ィスン(精密医療)
”への対応の一歩となるものです。
引き続き HMT では、今後ともこのようなコホート研究への取り組み強化を通じて、メタ
ボローム解析技術の認知度・評価の向上を図り、その普及促進に努めるとともに、これか
ら医療改革の一つとして注目されているプレシジョン・メディスンに積極的に取り組んで
まいります。
*
2017 年 1 月 19 日現在は 18 拠点
■国立大学法人 弘前大学について:
弘前大学は青森県弘前市の中心部にあり、5 学部からなる総合大学です。 「岩木健康増進プ
ロジェクト」では、600 項目の健診を 10 年以上にわたって継続し、その健康ビッグデータ
を活用した調査研究を現在も活発に行っています。2013 年からは、産学官連携プロジェク
ト「真の社会イノベーションを実現する革新的『健やか力』創造拠点」が、文部科学省・
JST の革新的イノベーション創出プログラム「COI STREAM」に採択されました。中路教授が
リサーチリーダーとなって、健康増進にむけた様々な取り組みや調査研究を精力的に行い、
短命県返上=健康社会の実現を目指しています。

弘前大学COI研究推進機構
http://coi.hirosaki-u.ac.jp/web/index.html

■ COI(センター・オブ・イノベーション)プログラムとは:
文部科学省・科学技術研究推進機構(JST)の公募による新たなイノベーションを作り出す
施策で、産学が連携する研究プロジェクトを支援し、拠点を形成するプログラムです。
コンセプトは、 『10 年後、どのように「人が変わる」のか、
「社会が変わる」のか、その目
指すべき社会像を見据えたビジョン主導型の研究開発プログラム』です。既存の概念を打
破し、これまでにない革新的なイノベーションを創出するイノベーションプラットフォー
ムを我が国に整備することを目的としています。

科学技術振興機構 センター・オブ・イノベーションプログラム
http://www.jst.go.jp/coi/index.html
文部科学省 革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)
http://www.mext.go.jp/a_menu/kagaku/coi/index.htm

■ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社(HMT)について:
HMT は、鶴岡市にある慶應義塾大学先端生命科学研究所の研究成果をもとに 2003 年に創
立したバイオベンチャーです。企業や公的研究機関などの研究者を対象に代謝物質の解析
サービスの提供や特定の疾患を客観的に評価するバイオマーカーを活用した臨床検査開発
を進めております。創立 10 周年を迎えた 2013 年 12 月には東証マザーズに上場いたしまし
た。 (http://humanmetabolome.com/)

ニュースについてのお問い合わせ先

ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社 経営管理本部 雀部(ササベ)
TEL 03-3551-2180 FAX 03-3551-2181 E-mail:invre1@humanmetabolome.com

国立大学法人弘前大学 COI 研究推進機構(村下教授、福井)
Tel:0172-39-5538 E-mail:coi_info@hirosaki-u.ac.jp


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