世界初の34,000回転で40%小型軽量化を実現するEV向け電動アクスルを開発

News Release
2021年1月7日
愛知製鋼株式会社


世界初の34,000回転で40%小型軽量化を実現するEV向け電動アクスルを開発

愛知製鋼株式会社(代表取締役社長:藤岡高広)は、2030年以降の電動車の本格普及と
それに伴う資源不足への対応として、当社独自のDy(ジスプロシウム)フリーボンド磁石
「マグファイン®」※1と、当社独自の鍛鋼一貫による高強度材料を融合させ、EV向け電動アク
スルの従来比40%の小型軽量化を実現する技術実証に世界で初めて成功しました。
今回、その成果を1月20日(水)から22日(金)まで開催される「第13回 オートモー
ティブ ワールド」*およびオリジナル特設WEBサイトで紹介します。

電動アクスルは、電動車に不可欠な減速機、モータを一体化した駆動ユニットです。電動化を
加速させるためには、小型軽量・省資源で電力消費率に優れた大量の電動アクスルが必要不可欠
です。開発品では、EV向けモータとしては新たな挑戦となる最大回転数 34,000 回転/分で回
し、実用域まで高減速化することで電動車に求められるトルクを引き出します。

【本電動アクスルの特長】

(1)小型軽量化
①モータ
マグファイン®の特徴(高磁力、高電気抵抗、
ロータコアへの一体成形※2)を活かした
超高速回転により小型化を実現
試作減速機 試作モータ 試作ロータ
構想中の
電動アクスル外観
②減速機
当社独自の鍛鋼一貫による高強度材料で構成したトランスアクスルギヤ(現行ギヤ比
20%軽量化)を用いて高減速機の小型化を実現。

→上記組み合わせにより、従来の電動アクスル比で約40%の小型化に目途

(2)優れたリサイクル性
①マグファイン®はボンド磁石であるため、磁石使用後に樹脂だけ分解・除去することで、
Nd(ネオジム)が含まれた磁粉の再利用が可能(実証実験で磁粉回収率90%を実現)

今後は本電動アクスルの更なる開発を進め、実用化に向けた素材、部品および工法開発を推進
し、電動車の本格普及に不可欠な電力消費率向上と資源対策を同時に進めていきます。そして、
「愛知製鋼グループ 2030年ビジョン」を踏まえ、多くの電動車に搭載されているパワー
カード用リードフレームの生産とともに、加速する車の電動化に確実に対応し、社会課題解決に
貢献していきます。

※1 マグファイン®:レアアースである Dy(ジスプロシウム)不使用の Nd(ネオジム)系異方性磁石粉末に
種々のプラスチックを混ぜて成形した磁石。電動工具や自動車用シートモータ等に採用
※2 一体成形:モータロータ(電磁鋼板)に磁石コンパウンド(磁粉および樹脂)を充填しつつ、磁場をかけて
成形する革新工法
* 【ご留意事項】政府による緊急事態宣言の発出を受け、現地出展を見合わせる可能性があります
以 上
別紙
Ⅰ.第13回 オートモーティブ ワールド(第12回EV・HV・FCV技術展)出展概要
1.会期:2021年1月20日(水)~22日(金)10~18時(最終日は~17時)

2.会場:東京ビッグサイト(東京都江東区有明3丁目11-1) 南展示場4階

3.出展内容
(1)現地ブース
①省資源で小型・軽量の電動アクスルを実現する鍛鋼スマート一貫技術
~マグファインと鍛鋼技術が実現する高速EVモータと高減速ギヤシステム~
②安心安全な人・物の移動を担う、信頼の自動運転支援技術
~GMPS(磁気マーカシステム)が支える人、モノの自動搬送(構内物流への貢献)~

(2)オリジナル特設WEBサイト
①ブースパース上より展示品を画像・映像等を用いて解説
~現地訪問できないお客さまに当社技術をアピールするとともに、閲覧者による
現地ブース訪問にもつなげる~

4.参考
①第13回 オートモーティブ ワールド(第12回EV・HV・FCV技術展)
公式サイトURL https://www.evjapan.jp/ja-jp.html
②オリジナル特設WEBサイト(1月20日より公開予定)
https://www.aichi-steel-onlinebooth.com/




出展ブースイメージ


Ⅱ.マグファイン®の進化




お問い合わせ先・・・愛知製鋼株式会社 広報室:052-603-9216

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